能力を磨く4~組織的能力~
本日は,昨日に引き続き,田坂広志先生の最新刊
という本のアウトプットの続きを行います。
AI時代に求められる3つの能力のうちの1つである
「組織的能力」について,アウトプットします。
この組織的能力とは,一つの組織やチームを,
リーダーとして率い,マネジメントしていく能力であり,
マネジメント力とリーダーシップ力という二つの力で構成されています。
まず,マネジメント力ですが,これは,
心のマネジメントのことであり,AI社会においては,
マネージャーやリーダーにとって最も高度で重要な仕事になります。
部下やメンバーの視点に立ち,その心が,自然に,
互いの共感力を高めたり,仕事に働き甲斐を感じることが
できるように支援するマネジメントのことです。
心のマネジメントは3つに別れます。
1つ目は,共感協働のマネジメントであり,
部下やメンバーが,自発性や創造力,
協調性や共感力を遺憾なく発揮し,
互いに協力し合って優れた仕事を
成し遂げられるようにすることです。
2つ目は,働き甲斐のマネジメントであり,
部下やメンバーが,仕事に意味と意義を見出し,
働き甲斐や生き甲斐を感じられるようにすることです。
3つ目は,成長支援のマネジメントであり,
部下やメンバーの不満や不安,迷いや悩みに真摯に耳を傾け,
その不満や不安,迷いや悩みを契機として,
部下やメンバーが人間的に成長していくことを支えることです。
3つ目の成長支援のマネジメントでは,
カウンセリングやコーチングの技法が必要になり,
その中でも,「聞き届ける」ことが重要となります。
聞き届けるとは,単に表面的に相手の話しを「聞く」のではなく,
相手が語る話しを,深い共感の心を持って,
自身の心の奥底まで届くような思いで「聴く」という技法です。
具体的には,部下やメンバーの主張や言い分が,
どのようなものであろうとも,一度,
その主張や言い分を「その人にとっての真実」
という視点から受け止め,そうした思いに苦しんでいる
部下やメンバーの姿に,一人の人間として「共感」することです。
人は,「自分にとっての真実」で判断して,
相手を裁きながら聞いてしまいがちです。
そうではなく,相手である「その人にとっての真実」という視点で,
まずは話しを聞き届けることが重要なのです。
次に,リーダーシップについては,次の3つの力が求められます。
1つ目は,信念を持って魅力的なビジョンと志を語る力です。
メンバーの力を合わせて,いかなる仕事を成し遂げ,
いかなる変革をもたらすかを,魅力的に語る力と,
その仕事と変革を通じて,世の中にいかなる貢献をするかを,
信念を持って語る力のことです。
2つ目は,誰よりも強く成長への意欲を持つ力です。
リーダー自身が,誰よりも強く成長への意欲を抱き,
日々の仕事を通じて成長していけば,そこには,
自ずと成長の場が生まれ,周りのメンバーも,
自然に,成長への歩みを始めていくのです。
3つ目は,メンバーの持つ可能性を深く信じる力です。
一人一人のメンバーが,いかなる成長の壁に突き当たっても,
そのメンバーの人間としての可能性を信じ,彼もしくは彼女が,
必ず,その壁を越えて成長していけると
信じる力を持っていなければならないのです。
確かに,これら3つのリーダーシップを発揮できれば,
AI時代に素晴らしい活躍ができると思います。
最後に,田坂先生は,AI革命について,
その本質は「人間が,機械やコンピュータでは代替できない,
より高度な仕事に取り組めるようになる革命であり,
人間の能力をさらに大きく開花させる革命」
に他ならないと締めくくっています。
職業的能力,対人的能力,組織的能力の3つの能力を磨いていけば,
AI社会においても,より高度な仕事に取り組め,
自分の能力をさらに開花させて,成長していけるのだと思います。
来るべきAI社会に備えるための必読の書だと思いましたので,
4回にわたって紹介させていただきました。
本日もお読みいただきありがとうございます。