「また,必ず会おう」と誰もが言った。
1 出会いの大切さ
先日,喜多川泰先生の講演会を聞き,
喜多川先生の作品を読みたいという衝動に駆られて,
以前から積読にしていた,喜多川先生の作品の
『「また,必ず会おう」と誰もが言った。』を読みました。
この作品は,熊本に住む男子高校生が,ふとした嘘がきっかけで,
東京へいくことになり,東京から熊本へ帰る道中に,
様々な背景を持つ大人と出会いながら,
成長していくという物語です。
人は,人との出会いによって成長し,出会いが,
その人の持つ無限の可能性を開花させてくれることを学べます。
「偶然に見えるすべての出会いが必然である」
この物語を読めば,人は必要なタイミングで
必要な人と出会うことがよく分かります。
自分から出会いを求めて行動することによって,
人生は今まで以上に拓けるので,旅は,
人生をよりよく生きる出会いをもたらしてくれます。
さて,この物語を読んで,印象に残ったことを,アウトプットします。
2 他人のメガネをかけない
まずは,主人公がトラック運転手の柳下さんから,
トラックに置いてあるメガネをかけるように言われて,
他人のメガネをかけてトラックに乗っていると
気持ち悪くなったシーンがあります。
柳下さんは,他人のメガネは他人の視力に合わせて作られているので,
自分がかけていると気持ち悪くなることから,
他人の価値観に左右されることなく,自分の価値観に基づいて,
自分で考えて決断することの大切さを主人公に教えました。
「何が幸せかなんて,誰がどこかで言うたものとか,
テレビとかの情報を頼りに決めるアホがどこにおる。
そんなん全部他人のメガネじゃ」
「もっと,ちゃんと自分がやりたいこととか,
自分にとって幸せとは何かを考えろ。
わけもわからず,他の人が幸せやと言うてるものを追い求めたり,
他人が持っているものを手に入れようとするんが人生やないで」
柳下さんは,他人に同調して生きにくさを感じている
主人公に活を入れました。
自分を大切にして,他人に流されない
自分の価値観を持つことの重要さを学びました。
3 子育てでは信頼と待つことが重要
次に,フェリーの中で出会った医師の和田さんとのやりとりで
印象に残ったことを紹介します。
子育てに関することです。
和田さんは,子供を信頼して待つことができれば,
子供は才能を開花させていくことができると,主人公に話します。
信頼の反対は管理で,待つの反対は結果を求めることです。
子育てにおいて,子供を管理して,
結果を求めてはうまくいかないのです。
私は,言うことを聞かない子供をむりやり言うことを聞かせようと
管理していることが多いので,気をつけなければならないと感じました。
4 使命
最後に,使命について,印象に残りました。
三品という老人が主人公に対して,
「使命とは限りある命を,永遠に続く何かに変えたいという願う行為」
と語ります。
自分の命に限りがあると強く感じる経験を通じて,
人は使命を見つけ出すことができるのです。
自分が好きだと思えることに正直に,真っ正面からぶつかり,
出会った人たちとのご縁を大切にしていく生き方をしていると,
自分の使命につながっていくのです。
この作品では,主人公を自分に重ね合わせて読んでいくことで,
人生における大切なことをたくさん学べます。
自分を成長させるためのおすすめの小説です。
本日もお読みいただきありがとうございます。