田坂広志先生の著書「人間を磨く」を読みました。

人間関係で悩んだときに、この本を読むと、多くの気づきを得られ、
悩んでいる人間関係を好転させるきっかけを与えてくれます。
この本を読んで得た私の3つの気づきについて述べます。
1つ目は、心の中で自分の非を認める、ことです。
人には、自分には非がない、欠点がないと思いこんでしまう、
無意識の傲慢さがあります。
この無意識の傲慢さがあると、いわゆる上から目線になってしまい、
人が離れていきます。
私は、司法試験に合格し、法律事務所への就職が決まってから、
司法修習という研修に臨みました。
当時、法律事務所への就職は氷河期であり、
私の同期は就職活動で苦労していました。
すでに就職が決まっていた私には、どこか傲慢さがあったと思います。
ある時、私の同期の友人が、私に、君は嫌われているよと、
ずばり言ってきました。
その時は、なんて酷いことを言うのだと、
とてもショックで、受け入れられず、悶々としていましたが、
この本を読んで、あの時の自分は、無意識の傲慢さによって、
人の心を遠ざけていたのだと思いました。
当時の私は、自分の非や欠点を自覚し、
率直に認めることができず、可愛げがない人間だったと思います。
当時は、友人の指摘を受け入れられなかった自分がいましたが、
自分の過去を振り返ったとき、心の中で自分の非を認めていなかったから、
このような心にぐさりと刺さる指摘を受けたのだと反省できました。
2つ目は、心の中で、すべてを、自分の責任として、引き受けることです。
弁護士をしていると、時々、クライアントとの関係がうまくいかず、
契約を解消することがあります。
そのようなとき、クライアントに問題があるとして、
自分を正当化してしまう自分がいました。
しかし、このような心の姿勢では、
クライアントは離れていきますし、自分の心の成長はできません。
自分に非がない場面でも、自分に責任があるとして対処していくと、
自分の改善すべき点がみつかり、そこを改善していくことで、
人間として成長できます。
かなり高度な修行ですが、何かトラブルがあったときには、
この引き受けを意識していきたいです。
3つ目は、どのような出会にも、必ず、深い意味があることです。
先ほどの例のように、ストレートに君は嫌われているよと言われると、
相手のことを好きにはなれず、人間関係がうまくいきませんが、
長い年月が経った今であれば、貴重な指摘をしてくれたと感謝できます。
当時は、その友人は、自分のことが嫌いで、
そのような酷いことを言ったのだと思っていましたが、
今では、その友人は、私の至らなかった点を、
私のために忠告してくれていたのだと解釈できるようになりました。
その友人との出会いを不幸なものと考えていましたが、
自分の問題点を認識できたよき出会いだったわけです。
出会いの意味についての解釈を変えれば、目の前の風景が変わります。
人生の解釈力を磨けば、ポジティブな想念を潜在意識にいれることができ、
人生が好転すると考えます。
人間関係で悩んだときに読むと、改善策が見つかると思いますので、
ぜひ読んでもらいたい一冊です。
本日もお読みいただき、ありがとうございます。