労働者は高度プロフェッショナル制度の適用を事実上断れない

3日連続の投稿になってしまいますが,

労働者の健康を守るための労働時間法制が

根本からくつがえされてしまうほど重要な

法改正がなされようとしているので,

今日も高度プロフェッショナル制度(通称「高プロ」といいます)

の危険性について記載します。

お付き合いいただければ幸いです。

 

 

報道によれば,高プロを含む働き方改革関連法案は,

5月25日の衆院厚生労働委員会で採決される見通しです。

 

 

国会審議においては,高プロの危険性についての

野党の質問に対して,政府や与党が

真正面から答えることをせず,議論が深まっていません。

 

 

過労死が増えるという野党の批判に対して,

政府や与党は,高プロの対象者が

会社との交渉力のある高度専門業務に限られ,

高プロの導入には本人の同意が必要であることを根拠に,

批判をかわしています。

 

 

しかし,会社と労働者を比べれば,

圧倒的に会社が強い立場にあります。

現実の労働者は,会社から給料をもらえなければ,

生活ができなくなりますので,

事実上,会社の指示に従わなければならず,

弱い立場にあります。

 

 

 

そのような弱い立場にある労働者が,

会社から,「あなたには,今度から高プロという制度が適用されますので,

この書面にハンコをおしてください。」と言われたら,

事実上,断ることはできないはずです。

 

 

法律に,高プロの導入を断ったとしても,

不利益な取扱をしてはならないと記載されていても,

会社から同意をもとめられたときに,

断固として拒否できる労働者は

ほぼいないといってもいいでしょう。

 

 

さらに,高プロの法案審議の中で,

一度,労働者が高プロの適用に同意したとしても,

あとから撤回できるように修正されました。

 

 

しかし,これも同じように,

立場が弱い労働者が,雇い主である会社に対して,

一度,高プロの適用に同意したあとに,

「やっぱり高プロはやめてください」

とは,事実上,言えないと思います。

 

 

そもそも,高プロの同意を撤回できることを

労働者が知らないことが多いでしょうし,

同意を撤回した後に,

会社から何か不利益な扱いをうけるのではないか

と考えてしまうからです。

 

 

それくらい,今の会社と労働者の関係では,

会社が圧倒的に強くて,労働者が弱い立場にあります。

 

 

実際に,労働者が会社に対して

未払残業代や損害賠償請求をするのは,

会社をやめて,会社との関係がきれたあとがほとんどで,

会社に在職中に,そのようなことをする労働者は,極めて少ないです。

 

 

会社に在職しているときに,会社に請求をすると,

会社に居づらくなるからです。

 

 

そのため,労働者が高プロの適用を

拒否できるというのは,幻想にすぎません。

 

 

労働者は,高プロの適用に同意せざるをえなくなり,

その結果,残業代0円で24時間働かされてしまい

最悪の場合,過労死してしまうのです。

 

 

高プロは,本当におそろしい制度ですので,廃案にすべきです。

 

 

労働者は高度プロフェッショナル制度を求めていない

昨日に引き続き,

高度プロフェッショナル制度(通称「高プロ」といいます)

の危険性について記載します。

 

 

昨日,全国過労死を考える家族の会の方々が,

働き方改革関連法案から高プロを削除することと,

首相との面談を求めて,首相官邸前で座り込みを行いました。

 

 

https://www.bengo4.com/c_5/c_1224/c_1653/n_7916/

 

 

家族会の方々がうったえたのは,

高プロは過労死を促進する,

労働者は高プロを求めていない,

労働者目線の働き方改革を求める,

というものです。

 

 

昨日のブログにも記載しましたが,

高プロは,労働者の働き過ぎを防止することを

目的とした労働時間の規制をなくし,

残業代0円で24時間働かせても合法

になってしまうおそろい制度なのです。

 

 

残業代が0円になれば,

会社は,利益をあげるために,

労働者をどれだけでも働かせてしまいます。

 

 

そうなれば,労働者は,

働き過ぎとなり,疲労が蓄積して,

やがて過労死・過労自殺という

破滅の道をたどることになります。

 

 

 

このような高プロを労働者が望んでいるのかといえば,

残業代0円で24時間働かされること

を望む労働者はいないはずです。

 

 

労働者は,自分の時間という最も貴重な資源を

会社に提供して,会社から給料という対価をもらいます。

 

 

労働者が会社に提供する時間がどれだけ増えても,

会社からの対価である給料が増えないのであれば,

労働者は,最も貴重な資源である時間を

浪費することになり,損をすることになります。

 

 

労働者は,会社で働く時間以外にも,

家族と過ごす時間,

自分の趣味を楽しむ時間,

睡眠をとって疲労を回復する時間,

食事を楽しむ時間

などを確保する必要があります。

 

 

労働者が会社で働く時間が増えれば,

これらの時間が削減されてしまい,

人生の楽しみを失うことになりかねません。

 

 

自分の時間を大切にするなら,

労働者に高プロを導入するニーズはありません。

 

 

加藤勝信厚生労働大臣は,

十数人にヒアリングしたところ,

労働時間の規制を外すことに肯定的な

労働者の意見があったと説明したようです。

 

 

たった十数人のヒアリング調査を根拠に,

全国の労働者に影響を与える高プロのニーズがある

と決めつけるのはあまりにも杜撰です。

 

 

さらに,このヒアリング調査が,

どのような労働者を対象に,

どのような質問をして,

どのような回答があったのか

が明らかにならなければ,にわかに信用できません。

 

 

 

労働者が必要としていない高プロを導入しても,

労働者目線の働き方改革にならないのは明らかです。

 

 

労働者が求める働き方改革を実現するのであれば,

高プロは,撤回されるべきなのです。

 

 

高度プロフェッショナル制度に反対する理由

報道によれば,与党は,5月23日に,

働き方改革関連法案を衆院厚生労働委員会で

強行採決する見通しのようです。

 

 

十分な国会審議がなされていないまま,

「過労死促進法案」,「残業代ゼロ法案」

と批判されている高度プロフェッショナル制度(通称「高プロ」といいます)

が成立してしまうのは,非常に腹立たしいことです。

 

 

そこで,改めて,高プロの危険性について解説します。

 

 

労働基準法には,労働者が働き過ぎによって

健康を害することがないように,会社に対して,

労働時間の規制をしています。

 

 

具体的には,

①1日8時間,1週間で40時間を

超えて働かせてはならないこと(労働基準法32条),

②労働時間が8時間を超える場合には

1時間の休憩を与えなければならないこと(労働基準法34条),

③毎週少なくとも1回の休日を

与えなければならないこと(労働基準法35条),

④1日8時間を超えて残業させた場合には,

25%増の割増賃金を支払わなければならないこと(労働基準法36条),

といった労働時間の規制が定められています。

 

 

それでは,高プロが成立するとどうなるのでしょうか。

 

 

高プロが適用される労働者には,

これらの労働時間の規制が適用されなくなります。

すなわち,残業代ゼロで24時間働かせても合法になってしまうのです。

 

 

高プロを推進する人は,

成果を出せば早く帰れるようになる

というメリットを主張しています。

 

 

しかし,高プロが適用されたからといって,

早く帰れるようになる保障は全くありません。

ある仕事が終われば,また次の仕事がふってくるので,

いつまでたっても仕事が終わらず,

逆に帰宅時間が遅くなることが予想されます。

 

 

また,高プロは年収1075万円以上の労働者が対象なので,

自分には関係ないと考える労働者がいるかもしれません。

しかし,高プロは,多くの労働者にとって関係があるのです。

 

 

今議論されている高プロの対象者は,

年収1075万円以上の労働者ですが,

高プロの成立後,知らいないうちに,

年収要件が引き下げられてしまい,

対象労働者が拡大していくことが予想されます。

 

 

 

経団連は,かつて年収400万円以上の労働者を対象とすべきと提言していました。年収400万円以上の労働者が対象になるのであれば,多くの労働者が,残業代ゼロで長時間労働を強いられるリスクがあるのです。

 

 

小さく産んで大きく育てるのが,規制緩和の常套手段であることを肝に銘じておく必要があります。

 

 

労働者は,高プロを他人事としてとらえるのではなく,明日は我が身と考えるべきです。

 

 

会社から「そんなに働いていないはずだ」と言われたら・・・

残業代請求事件において,ときおり,

会社側から次のような反論がされることがあります。

 

 

「会社は,残業を許可しておらず,

労働者が勝手に働いていただけである。」

 

 

「労働者は,会社でネットサーフィンなどをして

仕事をさぼっていたので,そんなに残業をしていない。」

 

 

 

「労働者は,会社の終業時間が過ぎてから,

おしゃべりをしていただけなので,

その時間は労働時間ではない。」

 

 

 

会社からこのような反論をされたら,

労働者は,どのように対処すべきか

について,解説します。

 

 

残業代請求の裁判では,

労働者が何時から何時まで働いたのかを,

労働者が,自分で証拠を集めて,

その証拠にもとづいて証明しなければなりません。

 

 

裁判所が,証拠を集めてくれたり,証明してはくれないのです。

 

 

タイムカードなどで労働時間が管理されているような会社の場合,

タイムカードがあれば,タイムカードの始業時間と終業時間で

働いていたことを証明できます。

 

 

 

問題は,タイムカードがないときです。

 

 

そのようなときは,

タイムカード以外のメールの送受信の時間,

日報に記載されていた時間,

会社で使用していたパソコンのログインログオフ時間などで,

労働時間を証明していきます。

 

 

これらの証拠を裁判所に出しても,会社から,

「そんなに働いていないはずだ」と言われた場合,

会社からの黙示の指示があったと主張します。

 

 

そもそも,労働時間とは,

労働者が会社の指揮命令下に置かれている時間

をいいます。

 

 

この会社の指揮命令には,

会社の明示の指示だけではなく,

会社の黙示の指示も含まれます。

 

 

それでは,会社の黙示の指示は,

どのようなときに認められるのでしょうか。

 

 

①労働者が8時間を超えて働いていることを

会社が知っていたのに,会社が,

早く帰りなさいなどと言わずに,黙認していた場合。

 

 

②仕事量が会社で決められた労働時間内に

処理できないほど多く,時間外労働が常態化していた場合。

 

 

このような場合に,会社の黙示の指示があったと認められます。

 

 

そこで,会社から「さぼっていたので,そんなに働いていないはずだ」

という主張がでてきたら,労働者としては,

①日報に労働時間を書いて会社に提出していたので,

会社は,時間外労働を知っていたのに何も言わなかった,

②仕事の内容や量からして,とても8時間の勤務では終わらず,

毎日残業しなければならなかったなどと反論することになります。

 

 

日々の仕事の中で,どのような内容の仕事を,

何時から何時まで行っていたかを日報にまとめて会社に提出し,

その日報のコピーを保存しておけば,

会社から「そんなに働いていないはずだ」と言われても,

的確に反論することができます。

 

 

日々の仕事の記録を残しておくと,いざというときに役立ちます。

なくならない大企業の過労死・過労自殺

ここ数日の新聞報道によれば,

大企業における過労死・過労自殺

労災のニュースが目にとまります。

 

 

テレビ朝日のドラマプロデューサーであった男性従業員が,

出張先のホテルで心臓病で倒れて,その後に死亡しました。

 

 

この男性従業員の倒れる直前3ヶ月間の

時間外労働は70~130時間の長時間労働だったようです。

 

 

https://www.asahi.com/articles/ASL5J76QTL5JUCLV010.html

 

 

さらに,テレビ朝日では,

36協定で残業時間の上限を月80時間としていますが,

実際には月100時間を超えて残業をさせており,

労働基準監督署から是正勧告を受けていました。

 

 

https://www.asahi.com/articles/ASL5L6SRTL5LUCLV014.html

 

 

労働基準法では,1日8時間を超えて

労働者を働かせてはいけないのですが,

会社は,労働者の過半数で組織する労働組合などとの間で,

時間外労働について協定を締結すれば,

1日8時間を超えて,労働者を働かせることができます。

この協定を36協定といいます。

 

 

テレビ朝日では,36協定が守られず,

長時間労働が当たり前になっていたのかもしれません。

 

 

また,高野山の寺院に勤務している僧侶が,

宿坊での32日間や64日間の連続勤務が原因で,

うつ病を発症して休職したことについて,労災認定がされました。

 

 

https://www.asahi.com/articles/ASL5K3Q9XL5KPXLB004.html

 

 

人間は,休みなく働き続けると,

リフレッシュすることができずに,

仕事のストレスがたまって,

精神を壊してしまうのです。

 

 

さらに,野村不動産では,

本来,裁量労働制が適用できない労働者に対して,

裁量労働制を違法に適用しており,

違法な長時間労働を強いられて,

男性労働者が過労自殺をした事件で,労災認定されました。

 

 

裁量労働制とは,実際にはどれだけ働いても,

一定の時間しか働いていないとみなされて,

残業代が低額におさえられる制度です。

 

 

野村不動産の事件では,労働基準監督署も,

裁量労働制が違法に適用されていることを

見抜けなかったようです。

 

 

https://www.asahi.com/articles/DA3S13499064.html

 

大企業ですら,労働基準法を守らずに,

長時間労働が当たり前のようになっているのですから,

中小企業においては,もっとひどい状況にあると予想されます。

 

 

そのため,長時間労働を改善するための法規制が必要なのです。

 

 

しかし,今国会で審議されている働き方改革関連法案の中の

「高度プロフェッショナル制度」(通称「高プロ」といいます)は,

長時間労働の改善とは真逆で,残業代が0円になってしまい,

どれだけでも働かされることが可能になる危険な制度なのです。

 

 

高プロは,高収入の専門職労働者に対する,

労働時間法制の適用が除外されてしまうので,

どれだけ働いても残業代が0円になります。

 

 

会社としては,どれだけ働かせても,残業代が0円なので,

どれだけでも働かせて成果をあげさせようとします。

そうすると,長時間労働がますます増加して,

過労死や過労自殺が増加する危険があります。

 

 

高プロは,過労死や過労自殺を増加させることにつながることから,

全国過労死を考える家族の会は,高プロに猛反対しています。

 

 

https://www.bengo4.com/c_5/n_7891/

 

ただでさえ,過労死・過労自殺が新聞紙上を騒がせている現状において,

高プロを導入することは,

さらなる過労死・過労自殺の悲劇を繰り返すことになるので,

私は,高プロの導入に反対です。

 

 

今の国会で,高プロが成立しないことを願います。

 

 

守破離勉強法~リリリのおじさんになっていないか?~

昨日のブログに記載しましたが,

先日,板坂裕治郎師匠から,

ブログの書き方について,

「守破離」

ができていない点を指摘されました。

この指摘を受けて,

私が気付いて考えたことを記載します。

 

 

私は,板坂裕治郎師匠から,

「守破離」

という言葉を聞いてハッとしました。

 

 

同じことを,

精神科医でベストセラー作家の樺沢紫苑先生が

著書でおっしゃっていることを思い出しました。

 

(精神科医樺沢紫苑先生)

 

樺沢紫苑先生の

精神科医が教えるムダにならない勉強法

という本に

「自分のステージを見極める~守破離勉強法」

というものが記載されています。

 

 

「守破離」という言葉は,

千利休の

「守りつくして 破るとも 離るるても 本を忘るな」

という和歌をもとにしているようです。

 

 

以下,樺沢紫苑先生の

精神科医が教えるムダにならない勉強法

から引用します。

 

 

『「守」は,

師についてその流儀を習い,

その流儀を守って励むこと。

 

「破」は,

師の流儀を極めた後に他流を研究すること。

 

「離」は,

自己の研究を集大成し,

独自の境地を開いて一流派を編み出すこと。

 

基本をそのままそっくり,

徹底的に真似る「守」のステージ(初級)

 

他の人や他の流派のやり方を研究し,

さらに成長していく「破」のステージ(中級)

 

自分流のスタイルを探求し,

ブレイクスルーする「離」のステージ(上級)』

 

 

ようするに,ますは基本を徹底的に学び,

次に他の方法やパターンを探求して,

最後に自分流を完成させることで,

物事を極めることができるようになるということです。

 

 

私のブログにあてはめてみますと,

私は,ブログを初めて1年ほどで,

更新頻度はこれまで1週間に2回ほどなので,

「守」のステージにいます。

 

 

それなのに,私は,

約1年間自己流で書いてきたスタイルに固執して,

勝手に「離」のステージにいってしまい,

板坂裕治郎師匠から教わった「守」を実践できずに,

つまらないブログを量産していたのです。

 

 

樺沢紫苑先生は,

私のような人を「リリリのおじさん」と表現しています。

 

(れれれのおじさん)

 

「守」ではなく,

「離」ばかりを求める人です。

「リリリのおじさん」は,

基本が全くなっていないので,

上達できません。やっていても上達ができないので,

しだいに面白くなくなり,

中途半端なところでやめてしまうのです。

 

 

こうならないためにも,今一度,

「守破離」を守りながら,

ブログを書いていきます。

 

 

そして,「守破離」を守るためには,

自分が素直でなければならないと気付きました。

 

人のアドバイスをまずありのまま受け入れる。

そして,師匠の教えをそのまま真似る。

 

このような素直さがなければ,

「守」のステージをクリアできないことに気付いたのです。

 

このような気付きをいただけたのは,

板坂裕治郎師匠と,石川ブログ60期のメンバーのおかげです。

 

 

本当にありがとうございました。

 

 

今一度,「守」のステージに立ち返り,ブログを更新していきます。

 

ブログを書くことについて

先日,株式会社タイ・アンド・ギー代表取締役で

通称アホ社長再生プロモーターである板坂裕治郎師匠の

「365日ブログNJE理論セミナー」に参加し,

ブログについて深く学ばさせていただいたので,

アウトプットします。

 

https://tai-gee.com/blog/

 

税理士の小林弘昌先生からお誘いいただき,

軽い気持ちで,このセミナーに参加しました。

 

https://ameblo.jp/arcceed21

 

セミナーが始まると,

いきなり,裕治郎師匠から,

「5月7日から365日ブログを書いてもらいます!」

と一喝されました。

 

・・・「まじっすか!」

私は,これまで1週間に平均2回くらいしか

ブログを更新しておらず,

弁護士業をしながら,

毎日ブログを更新するなんてできないと

思いこんでいました。

 

しかし,裕治郎師匠のお話を聞き,

この思い込みは間違いであると気付かされました。

 

 

365日毎日ブログを書き続けることができる人は,

世の中そう多くはいません。

それだからこそ,365日毎日ブログを書き続ければ,

「毎日ブログを書き続けるなんて,あの人はすごい!」,

「なんて意志の強い人だ,きっと信用できるに違いない」

と周囲の人から思われて,信用力がアップし,

ブランドがうまれます。

 

また,毎日書き続けると圧倒的な自信がうまれます。

 

さらに,毎日書くためには,

ブログのネタを見つけなければなりませんが,

ネタを探すためのアンテナが敏感になり,

求める情報が自然と手に入りやすくなります。

 

ネタとなる情報をインプットした後に,

人に分かりやすく文章でまとめて表現すると,

最高のアウトプットになり,

自己成長が加速していきます。

 

これらのことから,ブログを仕事として,

365日書き続けるべきなのです。

 

それでは,ブログを書く目的は何か?

 

それは,読者のためになるブログを書くことです。

 

読者にとってメリットになる情報を発信することです。

 

読者のためになるブログを書くことが,めぐりめぐって,

自分のファンを増やし,自分のメリットにつながります。

 

では,読者のためになるブログをどのようにして書いたらいいのか?

 

①業界用語を使わず,小学校5年生が読んでも分かる文章を書く

 

②特定の読者に語りかけるように書く

 

③ひらがなを多く使う

 

④たとえて書く

 

⑤1行の文字数を15~20文字にする

 

⑥自分の言葉で言い切る

 

⑦文章の途中に写真をいれる

 

自分がこれまでできていない点をあげてみました。

 

そして,最も重要なことは,ブログを「NJE理論」で書くということ。

 

NJE理論については,ここでは書けませんので,

興味のある方は,裕治郎師匠のセミナーを受講してみてください。

 

5月7日から毎日ブログを書いていますが,

裕治郎師匠の教えを活かせていないことに気付き,

今一度,守破離の「」に戻って,

ブログを改善していきます。

労働者が会社の情報を勝手に持ち出すことは違法なのか

労働者が,会社に対して,裁判手続において,解雇が無効であることや,残業代を請求するには,労働者が自分で証拠を集めて,裁判所に提出しなければなりません(裁判所は,証拠を集めてくれません)。

 

労働事件の場合,労働条件を証明するための就業規則や,労働時間を証明するためのタイムカードや日報などは,会社が保管しているので,それらの証拠を,労働者がどうやって入手するのかを考える必要があります。

 

労働者が会社を辞めていないのであれば,弁護士に相談して,必要となる証拠を教えてもらい,会社にある証拠をこっそりコピーして集めれば,問題はありません。

 

もっとも,労働者が裁判で証拠に使うために持ち出した資料について,会社が裁判手続中に,「機密情報を社外に持ち出したので守秘義務(秘密を守る義務)である」や「個人情報が含まれており社外に無断で持ち出す行為は窃盗である」などいって,刑事告訴または損害賠償請求をするといっておどしてくることがあります。

 

それでは,労働者が裁判で証拠として使用することだけを目的として,会社の資料を持ち出して,弁護士に提出して,裁判の証拠として用いることは違法なのでしょうか。

 

結論としては,違法になりません。これからその理由を説明します。

 

まず,労働契約法3条4項により,労働者は,在職期間中,知りえた企業情報について守秘義務を負います。

 

しかし,労働者が漏らしてはならない秘密とは,まだ広く知られていない情報であって,これが会社の外に漏れると,顧客からの信用などを含む会社の正当な利益を害するもの,に限定されます。

 

そのため,就業規則やタイムカードなどの資料は,守秘義務の対象となる秘密には該当しないため,会社の外に持ち出しても問題はありません。

 

次に,労働者が守秘義務を負う情報を,弁護士に相談するために,会社の許可なく,弁護士に提示することの是非について検討します。

 

弁護士は,弁護士法23条によって,職務上知りえた秘密を守る守秘義務を負っています。弁護士には,秘密を守る義務があるので,クライアントは,安心して弁護士に相談することができるのです。

 

労働者が,守秘義務を負う弁護士に,会社の秘密を話しても,弁護士から外部に秘密が漏れる心配はありません。

 

また,労働者が自分の権利を実現するためには,プロである弁護士に秘密である証拠をみてもらわないと何もできません。

 

そのため,弁護士に相談するために,会社の秘密情報を弁護士に提示しても違法にはなりません。

 

なお,労働者は,在職中には守秘義務を負いますが,退職後も守秘義務を負うことを誓約する文書などを会社に提出していない限り,退職後には守秘義務を負うことはないとされています。

 

以上まとめると,労働者は,自分の権利を実現するために,会社の秘密情報を弁護士に提示しても守秘義務違反にはなりませんので,裁判で必要になりそうな会社の情報を自分で集めるようにしましょう。

おそろしいビッグデータ~超類型化AI社会のリスク~

昨年あたりから今年にかけて,ダイヤモンドや週刊東洋経済,エコノミストといった経済雑誌において,ビッグデータやAIについて多くの特集がされています。これらの経済雑誌の論調は,おおむねビッグデータやAIは,私達の生活を便利にする素晴らしいものであるという内容が多いです(一部,AIによって仕事が失われる職業という特集もありますが・・・)。

 

しかし,ビッグデータやAIには,私達は誰かにすべてを見られていて,確率によって社会的に排除されてしまうという負の側面があることを,憲法学の見地から,分かりやすく警鐘を鳴らすのが慶應義塾大学法科大学院教授の山本龍彦先生です。山本龍彦先生の「おそろしいビッグデータ~超類型化AI社会のリスク~」を読んだので,アウトプットします。

ビッグデータとは,ようするに,「ものすごくたくさんのデータ」のことです。この「ものすごくたくさんのデータ」から,通常私達が思いつかないようなパターンや相関関係を発見して,これをビジネスや医療などの分野に役立ていきます。

 

もう少し詳しく分析すると,①大量のデータを収集してデータの海をつくる,②大量のデータをコンピューターで分析して,私達が気づかなかったようなパターンや相関関係を引き出す,③このパターンや相関関係をデータベースに適用して,データベース登録者の趣味嗜好,健康状態,心理状態,性格,行動,能力,信用力などを予測する(プロファイリング),④この予測結果を特定の目的のために利用する,というサイクルになります。

 

①大量のデータを収集して,②私達の気づかなかったようなパターンや相関関係を引き出すためには,その前提として,私達のプライベートな側面が誰かに知られていなければなりません。ようするに,私達は,常に誰かに見られていなければ,ビッグデータの利活用はできないのです。

 

私達が利用するインターネットの情報が知らず知らずのうちに,誰かに見られてていて,知らない間に利用されているのです。この点については,私生活を勝手にのぞきみされないという古典的なプライバシー権に違反する可能性があります。

 

また,③大量のデータから導かれたパターンや相関関係から,個人の様々な特性を予測するというプロファイリングには,人生をやり直す自由を侵害するリスクがあります。

 

例えば,学生のころに,SNSで問題発言をして炎上してしまったといった若気の至りの行動について,本人は忘れたい過去の出来事として記憶から消し去っていたとしっても,AIは,どこまでも過去をさかのぼって記憶し続けるので,就職活動のときや住宅ローンを借りるときなどに,過去の若気の至りの行動がマイナスに評価されて,就職に失敗したり,住宅ローンが借りられないといったことも起こりえます。

 

すなわち,一度過去にあやまちをおかしてしまうと,AIに記憶されて,人生の重要な場面で,過去のあやまちをAIがマイナスに評価して,勝手に不利益を被ってしまうリスクがあるのです。

 

ビッグデータやAIは,私達の生活を便利にするのですが,私達のプライバシー権や人生をやり直す自由を侵害するという負の側面を有していることを意識する必要があります。自分で自分の情報を意識的にコントロールしたり,AIによる自動処理のみで重要な決定をされないような仕組みを模索していく必要があると感じました。

 

 

裁量労働制の厳格化

以前にブログで紹介した立憲民主党の「人間らしい質の高い働き方を実現するための法律案」のうち,今回は,裁量労働制適用の厳格化について説明します。

 

https://cdp-japan.jp/news/20180508_0436

 

裁量労働制とは,業務の性質上,業務遂行方法をおおはばに労働者に委ねる必要がある場合に,実際に働いた労働時間とは関係なく,労使協定や労使委員会の決議で予め定めた時間を労働時間とみなす制度のことです。

 

ようするに,仕事の遂行方法や勤務時間について労働者が自由に決めることができる状況において,労働者がどれだけ働いても,会社との間で取り決めた時間(みなし労働時間)しか働いていないこととなり,みなし労働時間以上働いても,残業代が支払われないという制度です。

 

裁量労働制が適用されると,労働者は,どれだけ残業しても,みなし労働時間以上の残業代が支払われなくなってしまうのです。

 

裁量労働制のうち,企画業務型裁量労働制の適用範囲を拡大することがもともと検討されていましたが,裁量労働制についての厚生労働省のアンケート調査がずさんであったこともあり,今回の働き方改革関連法案では,企画業務型裁量労働制の適用範囲の拡大はみおくられました。

 

それでも,裁量労働制は,労働者にとって,みなし労働時間以上の残業代が支払われなくなるというデメリットがある上に,知らない間に,裁量労働制が導入されて,残業代がほとんど支払われなくなることがあるので,立憲民主党は,労働者を保護するために,裁量労働制の規制を強化しようとしていると考えられます。

 

立憲民主党の法案では,裁量労働制を導入するためには,まず労働者への事前説明を会社に義務付けています。具体的には,①会社が導入を予定している裁量労働制の概要,②人事評価及び賃金決定の方法,③同意しなかった場合の待遇について,書面で労働者に説明しなければなりません。

 

そして,裁量労働制を導入するためには,①裁量労働制の適用を受けることについて,労働者から書面による同意を得なければならず,②同意をしなかった労働者に対して,同意をしなかったことを理由として不利益な取扱をしてはならず,③仮に,労働者が同意をしたとしても,労働者は,30日の予告期間をもうけて,同意を撤回できるようにしなければならないというものです。

 

私が担当した裁量労働制の事件では,会社が労働基準法に定められている手続に違反したまま,労働者がよく分からないうちに裁量労働制を導入して,残業代が非常に少ない金額におさえられていました。

 

https://www.kanazawagoudoulaw.com/2018/04/14/news20180414/

 

裁量労働制は,労働者の残業代を少なくするために導入されることが多く,残業代が少ないまま,どれだけでも働かされるリスクがある制度です。そのため,長時間労働を是正して,労働者の健康を守り,ワークライフバランスを充実させる観点から,裁量労働制適用の厳格化を目指す立憲民主党の法案に賛成します。

 

なお,現在の労働基準法のもとでも,裁量労働制の導入には厳しいハードルが設定されているので,今導入されている裁量労働制が労働基準法に違反している可能性がありますので,裁量労働制に疑問をもった労働者は,弁護士に相談することをおすすめします。