解雇されても就労意思を明示する

会社から解雇されたとき,多くの人は,

なんで私が解雇されるのか,解雇に納得できないと思います。

 

 

会社に対してなにかできないかと考え,

弁護士のもとへ相談にいらっしゃる方もいます。

 

 

解雇に納得いかず,会社に対して,

なにかしたいと考える人のために,

解雇への対処の仕方について説明します。

 

 

 

 

解雇への対処方法で重要なことは,

解雇を容認する行動をとってはならないということです。

 

 

具体的には,解雇と言われて,

そのまま出勤しなくなるのはよくないのです。

 

 

解雇されたのに,会社へ出勤しなくなるのはよくないというのは,

なにやら矛盾しているようですが,これには理由があります。

 

 

労働者は,会社に対して,労働を提供することで,

会社から給料をもらいます。

 

 

 

 

解雇の場合,労働者は,会社に労働を提供したくても,

会社の落ち度(解雇理由がないのに解雇したような場合です)によって,

労働を提供できなくなります

 

 

会社の落ち度で,労働者が労働を提供できないのであれば,

会社は,労働者が実際に働いていなくても,給料を支払う義務があります。

 

 

解雇された後に,労働者が会社に対して未払賃金を請求できるのは,

会社の落ち度で労働を提供できなくなったからなのです。

 

 

この前提として,労働者は,会社に対して

労働を提供できる状態である必要があります。

 

 

そのため,労働者は,会社に対して,

いつでも働く意思(就労意思といいます)がありますよ

と伝える必要があるのです。

 

 

とはいえ,解雇するような会社に,出勤しなさいというのは,

よほどメンタルが強い労働者でないとできませんし,とても大変です。

 

 

そこで,一般的には,解雇した会社に対して,

解雇は無効なので,解雇を撤回して,就労させるように請求します。

などと記載した通知書を,配達証明付内容証明郵便で送ります。

 

 

配達証明付内容証明郵便を利用すれば,

このような内容の通知書が会社に送られたことが証明できますので,

会社に対して就労意思を明確にできます。

 

 

このように,解雇された後も賃金を請求するためには,

労働者が会社に労働を提供したこと,具体的には,

就労意思があることを会社に明示することが必要になります。

 

 

 

 

解雇されたからといって,

何もしないまま時間が経過してしまえば,

解雇を容認したと言われてしまい,

解雇された後に,賃金を請求できなくなるおそれがあります。

 

 

解雇されたら,なるべく早く,

会社に対して,就労意思を通知することが重要なのです。

一流になる勉強法

8月31日に,私が所属しているKCG(金沢コンサルタントグループ)

という団体で,「弁護士が語る社会人のための勉強法

という演題で講演させていただくことになり,

ここ最近,勉強法に関する本を読んできました。

 

 

本日は,最近読んだ「一流になる勉強法

という本を紹介させていただきます。

 

 

 

 

著者は,株式会社サンリの代表取締役社長で,

メンタルトレーナー,目標達成ナビゲーターである西田一見氏です。

 

 

西田氏は,私が学んだSBT(スーパーブレイントレーニング)を,

多くの方々へ教えているメンタルトレーナーです。

 

 

SBTは,脳の使い方を理解し,目標達成に向けて,

脳を活性化させていくトレーニングです。

 

 

人間の脳は,脳幹,大脳辺縁系,大脳新皮質の三層構造になっていて,

脳幹と大脳辺縁系は,IRA

(Instinct Reflex Area)

と呼ばれ,本能反射領域,動物的な古い脳のことです。

 

 

 

 

このIRAによって,人間の感情が左右され,

理屈脳といわれる大脳新皮質に影響を与えて,

無意識に人間の行動が決まっていくのです。

 

 

そこで,このIRAにプラスの記憶をいれておけば,

大脳新皮質にプラスの情報が伝達されて,

自動的にプラスの行動が生じるのです。

 

 

逆に,IRAにマイナスの記憶が蓄積されると,

なにをしても,脳の記憶データによって,

無理だ,できないという反応になってしまうのです。

 

 

このIRAにプラスの記憶をいれるために,

イメージトレーニングが重要になります。

 

 

普段から自分はできるというイメージを脳に植え付けておくのです。

 

 

具体的なプラスのイメージが脳に記憶されていれば,

脳は,そのイメージを実現しようとして,行動を促します。

 

 

脳は,目標達成したイメージを実現するために,

逆算して,今すべきことに楽しく集中することができるのです。

 

 

 

 

 

このイメージトレーニングにおいては,

脳を快にするために,プラスの出力をします。

 

 

言葉・動作・表情をプラスにすると,それが,

脳に入力されて,脳がプラス状態になり,

モチベーションがあがり,集中できます。

 

 

プラスの出力をするには,いやだな,

だるいなと思った瞬間に条件反射で前向きな返事をします。

 

 

具体的には,考えはじめる前に0.2秒で「はい」と言います。

 

 

「はい」というプラスの返事をすると,脳はプラスになります。

 

 

また,マイナスの感情になったら,頭ではなく,

体に信号を送ることで,マイナスからプラスに切り替えます。

 

 

例えば,マイナス感情がよぎりそうになったら,

ガッツポーズをして,脳のスイッチを切り替えたりするのです。

 

 

私たちの脳は,能力を眠らせています。

 

 

この眠らせている能力を活性化させて,

勉強に活かすことで,イメージどおりの人生を実現していくのです。

 

 

 

 

脳を活用した勉強法を学びたい方におすすめの一冊です。

自分の生きざまに自信を持つ

昨日,福井で,私のブログの師匠である

板坂裕治郎大先生の出版記念講演会が

開催されたので参加しました。

 

 

 

板坂裕治郎大先生は,10年間,毎日ブログを書き続けて,

本を出すと言い続けて,ついに今年,

2000人の崖っぷち経営者を再生させた社長の鬼原則

という本を出版されました。

 

 

 

この本の出版記念講演会は,全国各地で開催されているところ,

なんとお隣の福井で開催されるということで,

富山での弁護士会の研修が終わってから駆けつけました。

 

 

講演会の演題は,「自分の生きざまに自信を持つ」でした。

 

 

あいかわらず,厳しいながらも人情味のあふれる人柄で,

過去の失敗談を笑いにかえて,聴衆に熱く語る講演は,圧巻でした。

 

 

要所要所に笑いのポイントをいれてくるので,

聴衆は飽きませんし,次の話が聞きたくなります。

 

 

そして,塾生を100発100中で成功させると言い切る,

圧倒的な自信に聴衆は魅了されます。

 

 

「さすが!」とうなってしまう,最高のトーク技術です。

 

 

板坂裕治郎大先生は,ヤミ金から1億円の借金をして,

過酷な取立に苦悩し,人生のどん底を経験しました。

 

 

他方,友人7人が500万円から1000万円

の借金を苦に自殺しました。

 

 

板坂裕治郎大先生は,ご自身の経験をもとに,

お金で自殺する人を撲滅するという使命(ミッション)をいだき,

アホ社長(根拠のない自信はあるものの,

自分ののびしろにまだ気付いていない社長)

を再生させるコンサルタント業務をするようになりました。

 

 

板坂裕治郎大先生は,ビジネスの極意を次のようにおっしゃりました。

 

 

自分の強みを理想客に対して,熱い想いで届けて,

理想客が,「あなたからぜひ買わせてほしい」と言う

仕組みをつくることで,

自分と理想客との間に共感が生まれることである

 

 

そのためには,自分の強みを把握する必要があります。

 

 

強みとは,売るための商品の強みではなく,売る自分自身の強みです。

 

 

強みとは,自分の資産価値を高めることでもあります。

 

 

自分の資産価値を高めるには,

一般人がやらないようなことにチャレンジして,

失敗して,その失敗を乗り越える経験をする必要があります。

 

 

一般人がやるようなことをしているゾーン

に安住していたのでは,成長できません。

 

 

自分が安住しているコンフォートゾーン(快適空間)

から抜けることで,失敗するかもしれませんが,

それは後の美談になりますし,成長できるのです。

 

 

自分の殻を破るということですね。

 

 

コンフォートゾーンから抜けるには,

勇気と根性をもって,チャレンジすることに尽きます。

 

 

 

 

そして,自分の強みをバックボーン(ストーリー)

とエビデンスで説明すれば,相手は納得し,

「あなたから買いたいのです」と言い,ファンになるのです。

 

 

板坂裕治郎大先生は,以上のことを実践しているからこそ,

自分の言葉に責任をもって言い切れるのでしょうし,

ミッションに共感した全国の塾生(ファン)が

昨日のような出版記念講演会を企画し,

どんどん有名になっていくのだと思います。

 

 

私は,すでに,板坂裕治郎大先生の著書を買って読んでいましたが,

会場で特性のタオルと紙バックと一緒に販売されていたので,

また買ってしまいました。

 

 

 

 

私も,コンフォートゾーンを脱出し,

勇気と根性をもって,チャレンジしていきます。

病気で欠勤が多すぎると雇止めされてしまうのか

非正規雇用の労働者が,私傷病(仕事とは関係ない病気のことです)

で欠勤を繰り返したところ,会社から勤怠不良を理由に雇止め

(非正規雇用労働者の契約期間が満了した後,契約が更新されず,

辞めなければならなくなってしまうことです)されてしまった場合,

このような雇止めは有効なのでしょうか。

 

 

本日は,私傷病による勤怠不良を理由とする

雇止めの適法性が争われた日本郵便(新東京局・雇止め)事件

(東京地裁平成29年9月11日判決・労働判例1180号56頁)

を紹介します。

 

 

まず,雇止めを争う場合,解雇よりもハードルがあがります

 

 

 

 

雇止めは,更新が何度も行われて,非正規雇用労働者が,

今後も雇用が継続されると期待することについて,

合理的な理由が認められることが必要です。

 

 

この雇用継続の期待についての合理的な理由が認められると,

次に,通常の解雇と同じように,雇止めに理由があるのか,

雇止めが相当な手段だったのかが判断されます。

 

 

つまり,雇止めの場合は,解雇にはない,

雇用継続の期待についての合理的な理由という

もう一つのハードルを超えなければいけないため,

解雇よりも雇止めの方が,労働者にとって不利なのです。

 

 

さて,本件事件では,8年間にわたり,

6ヶ月ごとに有期労働契約が更新されてきたことから,

原告に対する雇用継続の期待についての

合理的な理由は認められました。

 

 

そこで,私傷病による勤怠不良を理由とする雇止めについて,

理由があるのか,相当だったのかが検討されました。

 

 

原告は,変形性膝関節症を発症して,

膝の痛みにより欠勤することが多く,

欠勤日数が出勤日数を上回るようになり,

最後の方は,1日も出勤しなくなりました。

 

 

 

 

さらに,原告は,被告会社に対して,

症状が回復する可能性を裏付ける

診断書を提出していませんでした。

 

 

そのため,原告の病状や勤務状況からすれば,

原告は,労働契約で定められた職務を全うできない

と判断されてもやむをえないとして,

雇止めについては理由があると判断されました。

 

 

また,相当な手段だったのかを判断する際に,

別の業務への配置転換をして雇止めを回避すべきだったか

が検討されましたが,原告は,仕事内容が限定されており,

勤務形態も深夜勤務に限定されていたので,

職場復帰の見通しがたたない原告について,

配置転換をしなくても問題はないと判断されました。

 

 

欠勤が多すぎるので,雇止めもいたしかたないと思いますが,

一点気になることがあります。

 

 

それは,被告会社が原告の主治医や

被告の産業医の意見を聞いていないという点です。

 

 

主治医や産業医の意見を聞いて,

病状や回復見込みを慎重に検討して,

雇止めを判断すべきだったと考えます。

 

 

病気で休んでいる労働者は,雇止めされれば,

今後どうやって生活していこうか途方に暮れるので,

病気の労働者を雇止めするには,

主治医や産業医の意見を聞くという

慎重な手続きが求められるべきと考えます。

会社から退職勧奨を受けた場合の対処法

会社から退職をすすめられた場合,

労働者が会社をやめたくなかったり,

このまま会社の言いなりになるのには納得がいかない場合,

どのように対処すればいいのでしょうか。

 

 

まず,会社から退職をすすめられた場合,

労働者は,会社を辞めたくないのであれば,

きっぱりと「辞めません」と断ればいいのです

 

 

 

 

会社が退職をすすめてきても,労働者には,

これに応じる義務はありませんので,断固として拒否してください。

 

 

それでも会社がしつこく退職をすすめてくるようであれば,

内容証明郵便で,退職をすすめることをやめるように通告します

 

 

内容証明郵便を出せば,こういった退職勧奨はとまることが多いです。

 

 

会社が退職をすすめてきて,労働者がこれに応じて,

退職届をだしてしまった場合,会社が退職届を受け取ってしまえば,

労働契約が合意によって解約されてしまいます。

 

 

このような合意解約の場合,労働者が,あとから考えて,

やっぱり退職を撤回したいと思い返しても,

会社が退職の撤回に同意してくれない限り,撤回はできません。

 

 

例外として,労働者が退職届を会社に提出する際に,

会社から騙されて,労働者が勘違いしていたり,

会社から退職するように執拗に強要されたために,

退職届をだしてしまったような場合には,

退職が無効になったり,取り消したりできることがあります。

 

 

例えば,懲戒解雇される理由がないのに,

懲戒解雇されれば退職金が支給されなくなるから,

その前に退職届を提出するようにすすめられて,

労働者がこれを信じて退職届を提出してしまったような場合です。

 

 

 

 

しかし,労働者が退職を無効にしたり,取り消したりできるのは,

社長などから,虚偽の事実を述べられたり,

しつこく退職を強要されたことを,

ボイスレコーダーなどで録音しておくなどして,

これらの事実を証明できる証拠がある場合に限られます。

 

 

通常,退職勧奨は突然言われて,労働者が戸惑っているうちに,

労働者が退職届を提出してしまうことが多いので,

ボイスレコーダーで録音していることが少なく,

社長などから虚偽の事実を述べられたり,

しつこく退職を強要されたことを証明するのが困難なのです。

 

 

このように,会社から理由はどうであれ,

退職届を出すように求められても,労働者は,

退職に納得していないのであれば,

その場で退職届を書いてはいけません

 

 

労働者は,「いったん考えさせてください」と言って,

回答を留保して,専門家へ相談して,

対処法をアドバイスしてもらった後に,回答すればいいのです。

 

 

いったん退職届を出してしまうと,非常に争いにくくなりますので,

その場で即答せずに,誰かに相談してください。

 

 

逆に,会社が解雇を通告してきた場合,

会社は労働者をそう簡単に解雇できませんので,

解雇の方が労働者は争いやすいのです。

 

 

①労働者が自分から会社をやめる自己都合退職や

②労働契約の合意解約を後から争うのは困難ですが,

③解雇は争いやすいので,法律相談の事案が

①自己都合退職,②労働契約の合意解約,③解雇

のどれにあたるのかを検討します。

 

 

会社はこの3つを明確に区別していないこともあるので,

この3つのどれかあいまいな場合には,

会社に解雇理由証明書を求めるなどして,

本件事案が解雇なのか否かを明確にしておくべきです。

解雇を労働審判で解決する3

昨日に引き続き,労働審判の解説をしていきます。

 

 

労働審判で労働者が復職を求めず,

金銭解決の調停が成立する場合,

次のような調停の内容になります。

 

 

 

 

まず,会社が解雇を撤回します。

 

 

会社が解雇を撤回すると,会社と労働者との労働契約が

復活するのですが,解雇があった日に,

会社と労働者が労働契約を合意で解約します。

 

 

労働契約を合意解約することで,

労働者は,会社に復職する必要がなくなります。

 

 

合意解約の日を解雇があった日からずらしてしまうと,

その間の未払賃金はどうするのか,

その間の社会保険はどうするのか,

仮払いを受けている失業給付はどうするのか

という問題が発生して,事後処理がややこしいことになります。

 

 

解雇があった日に合意解約すれば,

これらのややこしい問題が生じないので,

労働審判で調停をするときには,通常,

解雇があった日を合意解約の日とすることが多いです。

 

 

次に,解雇があった日で合意解約をすると,

本来,未払賃金が発生しないことになるのですが,

解決金という名目で,会社から労働者に対して,金銭を支払わせます

 

 

解決金という名目であれば,一時所得となり,源泉徴収されません。

 

 

この解決金をいくらにするのかが,調停成立の鍵となります。

 

 

 

 

この解決金の金額ですが,給料の何ヶ月分かで調整することが多いです。

 

 

あまりにも酷い解雇の場合は,

1年分で交渉することになりますし,

解雇が無効になるのか微妙な場合は,

6ヶ月から3ヶ月ほどで交渉することもあります。

 

 

この解決金を多くする方法として,

私は,解雇無効の主張と同時に未払残業代請求をしています。

 

 

労働者を解雇するような会社は,

通常,残業代を支払っていないことが多いです。

 

 

労働者の給料が低い場合,

解決金は給料の何ヶ月分となり,

解決金が低くなってしまいますが,

労働者が長時間残業を2年間していたなら

(未払残業代の消滅時効は2年です),

未払残業代はある程度の金額となり,

解雇無効の未払賃金とあわせれば,

解決金が大きな金額となるからです。

 

 

労働者は,解雇された会社とのトラブルを早く解決して,

新しい就職先で働きたいことを願うことが多いので,

労働審判であれば3回の期日で裁判手続が早く終わるので,

解雇を解決する手段としてよく利用されます。

 

 

もっとも,労働審判では,会社がかたくなな態度をとり,

調停が成立せずに,裁判所の最終解決案である労働審判がくだされても,

会社が2週間以内に異議を申し立てれば,

通常の裁判に移行してしまい,解決が長引くため,

やむなく労働者側が譲歩しなければならないこともあります。

 

 

会社の態度や,クライアントの思い,解雇が無効となるかなど

のさまざまな事情を総合考慮して,クライアントにとって

ベストな解決ができるように,労働審判を活用していきます。

解雇を労働審判で解決する2

昨日に引き続き,労働審判の解説をしていきます。

 

 

労働審判の申立をすると,裁判所が期日を決めます。

 

 

 

 

その期日の1週間前くらいに,会社が答弁書という,

労働審判申立書に対する反論を記載した文書を提出してきます。

 

 

期日までに,時間的な余裕があれば,

答弁書に対する反論を記載した準備書面を提出しますし,

準備書面を出せなくても,クライアントと打ち合わせをして,

答弁書に対する反論を検討します。

 

 

労働審判の期日当日には,クライアントも出席します

 

 

裁判官と労働審判員は,期日までに裁判記録を読んで,

疑問に思ったことや気になることを,当事者に直接質問してきます

 

 

通常の裁判手続でいう証人尋問が,

労働審判では第1回期日から行われるので,

裁判所側からの質問に的確に受け答えができるように

準備しておく必要があります。

 

 

ちなみに,通常の裁判の場合,証人尋問は,

訴訟の最後の方に行われます。

 

 

第1回期日では,裁判所側が当事者双方の言い分を聞き取り,

会社が労働者に対して,いくらくらいの金銭を支払うなら

調停が成立できるのかを模索します。

 

 

 

会社の解雇があまりに不当な事案であれば,

裁判所側が会社を強く説得してくれて

1回目の期日で調停が成立することもあります。

 

 

もっとも,1回目の期日は,当事者の言い分の確認をして,

2回目以降の期日から調停に向けての調整が行われることが多いです。

 

 

解雇された労働者としては,会社からいくらくらいの金銭をもらえれば,

解雇されたことを納得できるかを検討しておく必要があります。

 

 

依頼している弁護士に相談して,この事件であれば,

いくらくらいの金銭が妥当なのかを協議して,

どこまでなら譲れるかを検討します。

 

 

労働審判では,当事者双方が譲り合い,

調停を成立させて,早く紛争を解決することを目的にしています。

 

 

そのため,解雇が無効と判断されるか微妙な事案では,

労働者側が大きく譲歩しなければならないことがあります。

 

 

弁護士としては,解雇が無効になる見込みがどれくらいあるのか,

クライアントの次の就職先が決まっているか,

クライアントがどこまで争う意思があるのかを見極めながら,

クライアントの意向を尊重しつつ,

クライアントが取得できる金銭がいくらなら

調停を成立させるべきかを模索していきます。

 

 

長くなりましので,続きは明日以降に記載します。

解雇を労働審判で解決する

解雇の法律相談を受けていますと,

会社の解雇に納得していない方がほとんどです。

 

 

なぜ自分が解雇されたのかわからない,

会社が言っている解雇理由はおかしい,

などの不満を持っておられます。

 

 

 

解雇された労働者は,自分を解雇するような会社に

復職することを希望する方は少なく,会社に対して金銭請求をして,

一矢報いたいと希望される方が多いです。

 

 

そのような場合,利用する裁判手続が労働審判です。

 

 

労働審判とは,労働者個人と会社の労働紛争について,

裁判官と労使の専門委員で構成される労働審判委員会が,

事件の審理を行うとともに,

調停(話し合いによる紛争解決)を試み,

調停が成立しない場合には,

労働審判委員会が労働審判(通常の裁判における判決に相当するもの)

を出すという裁判制度です。

 

 

 

 

労働者が労働審判の申立をするには,

労働審判申立書を作成して,

裁判所に提出する必要があります。

 

 

この労働審判申立書には,

会社における労働条件,

解雇にいたる経緯,

解雇が無効である理由などを,

証拠をもとに詳細に記載します。

 

 

通常の裁判を起こすときに裁判所へ提出する訴状であれば,

A4で3~5ページくらいの分量ですが,

労働審判の場合は,3回で終わりますので,

最初の申立の段階で,労働者が主張するべき事実を全て出し切る

必要があり,申立書は10~20ページくらい

の分量になることが多いです。

 

 

労働審判が通常の裁判と異なる点として,回数制限があげられます。

 

 

通常の裁判は,裁判期日の回数に制限がないため,

裁判を起こしてから判決がでるまで約1年以上かかりますが,

労働審判は,3回以内の期日で結論がでますので,

申立をしてから約3ヶ月程度で決着がつきます。

 

 

そのため,労働審判は,通常の裁判よりも

早く解決できる場合が多いです。

 

 

また,通常の裁判は,裁判官だけが審理を行いますが,

労働審判は,裁判官1人に加えて,使用者側から1人,

労働者側から1人の労働審判員が審理に加わります。

 

 

裁判官ではない労働審判員が労働審判に参加するのは,

労働現場の実情について十分な知識と経験を有する人物を

審理に参加させることで,紛争の実情に即した

適正な解決を図るためです。

 

 

さらに,通常の裁判では,主張と証拠のやりとりを複数回の期日で行い,

ある程度の段階になると,和解という話し合いによる解決

がされる場合がありますが,労働審判では,第1回の期日から,

調停という話し合いの解決が実施されることがあります。

 

 

 

 

労働審判では,調停が成立することが多く,

会社が労働者に対して金銭を支払う旨の調停が成立すれば,

会社は,調停に従い,労働者に金銭を支払います。

 

 

調停には,判決と同じ効力があり,

会社が調停の内容を守らなかった場合,

労働者は,会社に対して,会社の預金を差し押さえる

などの強制執行をすることができるので,会社は,

強制執行をされたくないので,労働者に対して金銭を支払うのです。

 

 

このように,労働審判には,通常の裁判にはない

メリットがありますので,解雇を争う場合,

労働審判を利用することがよくあります。

 

 

長くなりましので,続きは明日以降記載します。