会社を退職した後も労災保険の休業補償給付を受給できるのか?
2日前は業務多忙により,
19時30分までに帰宅できなかったため,
昨日,ついにブログの更新がとまってしまいました。
記録がとまってしまい,なんとも無念でした。
もっとも,昨日は,忙しいながらも,
なんとか仕事を終わらせて19時30分までに帰宅できたので,
本日はブログを更新します。
さて,先日,仕事中にけがをして,
会社を休んでいる方のご相談を受けました。
仕事が原因でけがをして,会社を休む場合,
労災保険から,休業補償給付を受けられます。
ようするに,仕事で負傷し,
治療するために働くことができない場合,
給付基礎日額(直近3ヶ月の賃金の総支給額を日割り計算したもの)
の60%に相当する額が国から支給されます。
さらに,この休業補償給付に上乗せされて支給される
休業特別支給金というものがあり,給付基礎日額の
20%に相当する額が国から支給されます。
休業補償給付と休業特別支給金を合わせると,
給付基礎日額の80%に相当する額が支給されるのです。
おおざっぱに言ってしまえば,
仕事が原因で負傷して会社を休む場合,
給料の80%が国から支給されるというわけです。
この休業補償給付を受給するためには,
次の3つの要件を満たす必要があります。
①仕事の原因による傷病のために療養していること
②療養のため労働することができないこと
③そのために賃金をうけていないこと
この3つの要件を満たせば,
会社を休んでから4日目以降に,
労働者が請求すれば,休業補償給付が受けられます。
それでは,負傷の原因となった仕事をしていた会社を退職した後にも,
休業補償給付を受給することができるのでしょうか。
仕事で負傷した労働者は,会社を退職しても
引き続き休業補償給付を受給できるのかという問題です。
この問題については,労災保険法12条の5第1条に
「保険給付を受ける権利は,労働者の退職によって変更されることはない。」
と記載されていることから,上記①~③の要件を満たしている限り,
労働者は,雇用関係の存続に関係なく,
休業補償給付を受給し続けることができます。
なぜならば,休業補償給付とは,
一般的な賃金の損失に対する填補するものであり,
雇用関係の存在期間にのみ限定するという
性格のものではないからなのです。
というわけで,会社を退職しても,
仕事が原因の怪我で治療をしていて,
働けないのであれば,休業補償給付を
受給し続けることができるので安心できます。
もっとも,会社を退職後に,別の会社で勤務して
給料をもらうようになると,上記3つの要件のうちの
②と③の要件を満たさなくなるので,
休業補償給付を受給することはできなくなります。
労災保険は,仕事が原因で負傷した労働者を
保護するための制度ですので,
積極的に活用していってもらいたいと思います。
本日もお読みいただきありがとうございます。