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公務員の内部通報と懲戒処分

1 内部通報と懲戒処分

 

 

今年の6月に公益通報者保護法が改正されて、

内部通報が保護される範囲が拡大されました。

 

 

改正については、こちらのブログ記事をご参考ください。

 

 

 https://www.kanazawagoudoulaw.com/tokuda_blog/202006119369.html

 

 

労働者による内部通報については、企業の名誉や信用が毀損され、

また企業秩序を乱すことから、懲戒処分の対象となるリスクがあります。

 

 

本日は、内部通報と懲戒処分について、

興味深い裁判例がありましたので、紹介します。

 

 

 

京都市(児童相談所職員)事件の京都地裁令和元年8月8日判決

(労働判例1217号67頁)です。

 

 

この事件では、児童養護施設で起きた児童虐待の不祥事について、

児童相談所が適切な対応を採っていないと考えた職員が、

市の公益通報窓口に公益通報を行ったところ、

公益通報の前後の時期の行為について、

停職3日の懲戒処分を受けました。

 

 

懲戒事由とされたのは、①勤務時間中に、

自分の担当業務とは関係のない児童の記録データを繰り返し閲覧した行為、

②児童の記録データを出力し、複数枚コピーして、

自宅へ持ち帰った上に無断で廃棄した行為、

③職場の新年会や団体交渉の場で、児童の個人情報を含む発言をした行為、

の3点です。

 

 

これらの3つの行為が、懲戒事由に該当するかが争点となりました。

 

 

①の行為については、担当外の児童の情報を閲覧することが

禁止されておらず、①の行為によって、原告の業務が疎かになったり、

児童相談所の公務が害されたことがないとして、

職務専念義務違反や勤務態度不良という

懲戒事由に該当しないと判断されました。

 

 

②の行為については、市の情報セキュリティ対策に関する

具体的ルールに違反しているとして、

懲戒事由に該当すると判断されました。

 

 

③の行為については、個人情報を含むような

秘密の漏洩があったとは認められないとして、

懲戒事由に該当しないと判断されました。

 

 

そのため、②の行為だけが、懲戒事由となりました。

 

 

2 公務員の懲戒処分の判断枠組

 

 

次に、公務員に懲戒事由がある場合には、懲戒処分を行うか、

懲戒処分を行うとしてどのような懲戒処分を選ぶかについては、

懲戒権者の裁量に任されています。

 

 

次の事情を考慮して、懲戒権者の裁量権の行使が、

社会観念上著しく妥当を欠いて、裁量権を逸脱または濫用した場合に、

懲戒処分が違法となります。

 

 

・行為の原因、動機、性質、態様、結果、影響

 

 

・公務員の行為の前後における態度、懲戒処分の処分歴

 

 

・選択する処分が他の公務員及び社会に与える影響

 

 

本件事件では、②の行為について、原告は、

内部通報に付随する形で行われ

重要な証拠を手元に置いておくという

証拠保全や自己防衛という目的があり、

個人情報を外部に流出される不当な動機や目的はありませんでした。

 

 

また、原告は、自宅で情報を破棄しましたが、

翌日に自己申告しており、証拠隠滅を図る

不当な動機や目的もありませんでした。

 

 

 

結果についても、原告が自宅で保管した情報が

外部に流出しないまま、処分されました。

 

 

さらに、原告は、過去に懲戒処分歴はなく、

人事評価も良好で、勤務態度も熱心でありました。

 

 

よって、停職3日は重すぎるとして、本件懲戒処分は、

社会観念上著しく妥当を欠いて、裁量権の逸脱または濫用したもので、

違法であるとして、取り消されました。

 

 

公務員の懲戒処分を争う際に、参考になる視点が提示されており、

内部通報も考慮されているため、参考になります。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

100回以上にわたる旅費の不正受給を理由とする懲戒解雇が有効とされた事例

1 懲戒処分の事例を検討する重要性

 

 

私は、労働事件の法律相談を受けることがよくあり、

労働事件の法律相談の中には、懲戒処分に関する相談も多いです。

 

 

懲戒処分が有効か無効かについては、

ケースバイケースで検討するしかなく、

判断に迷うことがよくあります。

 

 

 

1審と2審で結論がひっくり返るという裁判も、よくあります。

 

 

懲戒処分について適切な判断をするためには、

多くの裁判例を検討して、どのような事情があれば、

どのように判断されるのか、

という実践知を身につけるのが効果的であると考えます。

 

 

事例を集めておいて、実際の法律相談の場でアウトプットするのです。

 

 

2 旅費の不正受給で懲戒解雇された事件

 

 

懲戒処分の事案では、実際の事例を学ぶことが重要になりますので、

本日は、日本郵便(北海道支社・本訴)事件の

札幌地裁令和2年1月23日判決

(労働判例1217号32頁)を検討します。

 

 

この事件では、北海道支社広域インストラクター

という役職であった原告が、以下の不祥事をしたとして、

懲戒解雇されました。

 

 

①社用車で出張先に赴きながら、

公共交通機関を利用したものと虚偽の旅費請求書を提出して

194万9014円(うち不正受給は52万1400円)を受給した。

 

 

②私的に利用するためのクオカード分が上乗せされた

宿泊費を請求して実費を上回る宿泊費の精算を受けて、

クオカード2万1000円分を不正に受給した。

 

 

 

この原告の行為については、故意に旅行手段や宿泊料金を偽り、

これが容易に判明し得ないようになっている点が悪質性が高く、

約1年6ヶ月に100回にわたって繰り返し行われていて、

常習性があり、不正受給の額が50万円を超えていて、

看過できない規模に及んでいると判断されました。

 

 

行為の手段の悪質性、不正行為の期間と回数、

会社の被害金額が考慮されました。

 

 

他方で、原告は、不正受給した52万1400円を返納していること、

過去に懲戒処分歴がないこと、極めて優秀な業務実績をあげてきたこと、

といった有利な情状がありました。

 

 

労働者側からすると、このように有利な情状があるのだから、

いきなり懲戒解雇するのは、処分として重すぎると主張します。

 

 

実際に懲戒解雇の事件では、処分が重すぎるとして、

懲戒解雇が無効になることは、よくあります。

 

 

しかし、札幌地裁は、原告が北海道支社広域インストラクター

という役職であり、他の職員を指導する立場にあり、

職員に範を示すべきであるので、

原告が主張している有利な情状を重く見て、

処分を軽減することは相当ではないと判断しました。

 

 

原告の立場がマイナスに評価されたのです。

 

 

事実関係をみていると、懲戒解雇が有効にも無効にもなりうる、

判断に迷うケースなのですが、最後は、

原告の不祥事が会社の金銭をめぐる不正であることから、

労働者にとって厳しい判断となったと考えられます。

 

 

会社の金銭を不正に受給する行為については、裁判所は、

厳しい判断をする傾向にあるので、この点が、

結論に影響を与えたのではないかと考えます。

 

 

労働者としては、決して、

会社の金銭を不正に受給しないようにしてください。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

懲戒処分の争い方と懲戒処分の公表が名誉毀損になる場合

1 懲戒処分の争い方

 

 

労働事件では、懲戒処分についての相談はけっこう多いです。

 

 

労働者からすると、懲戒処分に納得がいかなかったり、

会社からすると、どのような事実をもとに

どの程度の重さの懲戒処分にすべきかで悩むことがあります。

 

 

 

特に、その懲戒処分が懲戒解雇となれば、

労働者が納得する可能性が減り、

裁判に発展することも多々あります。

 

 

労働者が懲戒処分をされた時、どうすればいいのでしょうか。

 

 

結論としては、労働者は、懲戒処分に該当する行為をしたのかどうか、

また、懲戒処分は重すぎないか、を検討することになります。

 

 

懲戒処分について、興味深い裁判例がありましたので、紹介します。

 

 

ロピア事件の横浜地裁令和元年10月10日判決です

(労働判例1216号5頁)。

 

 

この事件は、スーパーマーケットで働いていた労働者が、

店の商品をレジで精算することなく店外へ持ち帰ったことを理由に

懲戒解雇されてしまい、会社に対して、

懲戒解雇の無効を主張しました。

 

 

被告会社は、故意の窃盗であると主張しましたが、

原告の労働者が他の従業員がいる中で、

人目をはばかることなく、商品を持ち出し、

知人に送る予定であると説明していることから、

原告労働者の持ち帰り行為については、

故意の窃盗とはいえないと判断されました。

 

 

また、被告会社は、従業員が店内で買い物をする際の

ルールに違反したと主張しましたが、原告労働者は、

買い物ルールに一度だけ違反しただけであり、

自らの非を認めて謝罪し、持ち出した商品の価格を弁償したので、

被告会社に与えた実損害はなく、

一度の違反行為が懲戒解雇に相当するとはいえないと判断されました。

 

 

 

そのため、原告労働者の行為は、就業規則に記載された

懲戒事由に該当するか疑問があり、比較的軽微な違反行為に対して、

不相当に重い処分がなされたとして、懲戒解雇は無効と判断されました。

 

 

労働者に問題行動があったとしても、

その行為が本当に就業規則に記載されている

懲戒事由に該当するのかをよく吟味すると、

懲戒事由に該当しないと言える場合があるのです。

 

 

 また、労働者の問題行動が懲戒事由に該当するにしても、

不相当に重い懲戒処分がなされた場合には、

懲戒処分は無効になります。

 

 

2 懲戒処分の公表と名誉毀損

 

もう一つ、この事件では、懲戒処分の会社における公表が

名誉毀損に当たると判断されました。

 

 

被告会社は、原告労働者について、氏名を明らかにした上で、

原告労働者が窃盗をしたこと、計画性が高く、

情状酌量の余地がないため、懲戒解雇したことを記載した文書が、

会社内で2週間ほど掲示されました。

 

 

この掲示については、原告労働者が故意の窃盗行為をしたと

言えないのにもかかわらず、故意の窃盗行為に及んだことを

広く公表されて、原告労働者の社会的評価が低下させられたとして、

名誉毀損が認められました。

 

 

この公表については、原告労働者の氏名を明記したこと、

誤った事実が記載されたことがポイントになったと思います。

 

 

会社としては、懲戒処分について、再発防止のために、

会社内で公表することは、違法ではないのですが、

氏名を公表しないことや、事実を正確に端的に記載する

といった配慮が求められるのです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

懲戒処分の前には弁明の機会を与えることが必要

1 適正な手続

 

 

現在、私が担当している、懲戒処分を争う事件で、

相手方の会社は、懲戒処分をくだす前に、労働者に対して、

言い分を聞く機会を与えないまま、懲戒処分をくだしました。

 

 

会社が懲戒処分をくだすにあたり、懲戒処分の前に、

労働者に弁明の機会を与える必要があるのかが問題となります。

 

 

労働者の立場からすれば、

弁明の機会が与えられずになされた

懲戒処分は無効であるとして、

弁明の機会が与えられていなかったことを

有利に主張していくことになります。

 

 

懲戒処分は、刑罰に類似する制裁罰としての性格があります。

 

 

 

刑罰を科すには、刑事裁判で、裁判官が、

被告人の言い分を聞き、証拠を取り調べて、判決をくだします。

 

 

仮に、有罪になるにしても、自分の言い分を何も言わないまま、

処罰されるよりも、自分の言い分を述べて処罰された方が、納得できます。

 

 

また、ごくまれにですが、被告人の言い分にも

一理あるということで、無罪になることもあります。

 

 

このように、刑事事件では、被告人の言い分を聞くという、

適正な手続が保障されていることから、国家は、被告人に対して、

懲役などの刑罰を科すことができるのです。

 

 

2 弁明の機会の付与

 

 

この刑罰の考え方を、懲戒処分にもパラレルに適用すれば、

会社が懲戒処分を行うにあたっては、

適正な手続を踏むことが必要となります。

 

 

就業規則に、労働組合との協議や懲戒委員会の開催

などの手続を経ることが規定されている場合に、

その手続を経ずになされた懲戒処分は原則として無効となります。

 

 

また、就業規則に労働者に弁明の機会を与えることが

明記されていなかったとしても、会社が懲戒処分の前に、

労働者に対して、弁明の機会を与えなかった場合、

懲戒処分が無効になることがあります。

 

 

会社が、労働者の言い分に真摯に耳を傾ければ、

労働者の言い分が正しかったことが判明して、そもそも、

労働者が懲戒処分に該当する行為をしていなかった、

という結論に至る可能性もありますので、

たとえ、就業規則に、弁明の機会を与えることが明記されていなくても、

会社は、懲戒処分の前に、労働者に対して、

弁明の機会を与えるべきです。

 

 

 

労働者としては、懲戒処分をされたにもかかわらず、

弁明の機会が与えられていなかった場合には、

そのことを理由に、懲戒処分は無効であると主張して、

懲戒処分の効力を争うことを検討すべきです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

勤務時間中のパソコンの私的利用と懲戒処分

1 パソコンの私的利用による懲戒処分が争われた裁判例

 

 

昨日のブログでは,労働者が仕事中に

私用メールやパソコンを私的利用したことを原因として

懲戒処分される場合について,記載しました。

 

 

 

本日は,具体的に,私用メールやパソコンを私的利用したことの

懲戒処分が争われた裁判例を検討したいと思います。

 

 

本日検討するのは,K工業技術専門学校(私用メール)事件の

福岡高裁平成17年9月14日判決(労働判例903号68頁)です。

 

 

この事件は,専門学校の教員が勤務先から貸与された

業務用パソコンを使用してインターネット上の出会い系サイトに

投稿して多数回メールを送受信したことを理由に

行われた懲戒解雇の効力が争われました。

 

 

原告労働者は,貸与されていたパソコンと

学校のメールアドレスを使って,

5年間で合計約2900通のメールの送受信を行い,

そのうちの6割が交際相手や出会い系サイトで知り合った女性との

私用メールであり,昼休みを除く勤務時間内に送受信されていました。

 

 

出会い系サイトに登録した原告労働者のメールアドレスが

閲覧可能になっいたようで,この件が発覚したようです。

 

 

被告の学校は,原告労働者を,職務専念義務違反や

信用失墜行為の禁止違反の懲戒事由に該当するとして,

懲戒解雇したのでした。

 

 

2 一審判決

 

 

この事件では,一審と控訴審で結論がわかれました。

 

 

一審判決では,メールの内容が卑猥なものではない,

授業や学生の就職関係の事務を特におろそかにしたことはない,

メールの送受信自体によって業務自体に著しい支障を生じさせていない

として,職務専念義務違反は重大なものではないと判断されました。

 

 

また,一審判決では,原告労働者の投稿が

被告学校の名誉や信用を毀損して社会的評価を低下させたとはいいがたく,

パソコンの使用について被告学校が適宜対処しなかった

落ち度があるとして,懲戒解雇は無効としました。

 

 

3 控訴審判決

 

 

これに対して,控訴審判決では,結論が逆転しました。

 

 

控訴審判決は,連日のように複数回メールを送受信して,

その多くが勤務時間内に行われており,

その分の時間と労力を本来の職務に充てれば,

より一層の成果が得られたはずであり,

職務専念義務違反の程度は相当に重いと判断されました。

 

 

また,SM相手を募集するなど露骨に性的関係を求める内容の投稿で

メールアドレスを第三者に閲覧可能にした行為は,

著しく不謹慎かつ軽率で,被告学校の名誉や信用を

傷つけるものであるとして,懲戒解雇は有効と判断されました。

 

 

 

勤務先が教育機関であったこと,

メールの内容がSM相手の募集で出会い系サイトが利用されていたこと,

第三者に閲覧可能なメールアドレスが

被告学校のものであるとわかることが,

情状を重くしたと考えられます。

 

 

事実は同じであっても,事実の評価のしかたで,

結論が全く異なったので,懲戒処分や解雇の事件は,

結論がどっちに転ぶのか見立てが難しいです。

 

 

私用メールやパソコンを私的利用したことの懲戒処分を検討する際に,

参考になる裁判例なので,紹介しました。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

労働者は仕事中に私用メールやパソコンの私的利用をしてはいけないのか

1 私用メールやパソコンの私的利用の問題

 

 

私が現在担当している労働事件の裁判で,

労働者が仕事中に会社のメールを私的に利用したことが争点となりました。

 

 

実務では,労働者が仕事中に私用メールや

パソコンの私的利用をしたことを理由に,

懲戒処分をされたり,解雇されたりして,

問題になることがあるのです。

 

 

 

この争点について,私用メールや会社のパソコンの私的利用について

争われた過去の裁判例や文献を調べましたので,アウトプットします。

 

 

2 職務専念義務

 

 

まず,労働者は,会社の指揮命令に服しつつ,

職務を誠実に遂行すべき義務を負い,

労働時間中は職務に専念し,

他の私的活動を差し控える義務を負っています。

 

 

これを職務専念義務といいます。

 

 

私用メールや会社のパソコンの私的利用は,

業務時間内に行えば,職務専念義務違反に問われるリスクがあります。

 

 

もっとも,労働者も社会人である以上,

日常の社会生活を営む上で必要な範囲内で行う

私用メールやパソコンの私的利用まで

職務専念義務違反と考えるべきではありません。

 

 

職場における私語や喫煙コーナーでの喫煙など,

他の私的な行為についても社会通念上相当な範囲で

黙認されていることが多いこととの均衡を図る必要があるからです。

 

 

私用メールは,会社における私語と変わらない面があり,

私語を禁止する職場では,息苦しくて働きにくいからです。

 

 

そのため,私用メールやパソコンの私的利用について,

社会通念上相当な範囲内の軽微な頻度・回数にとどまり,

業務に支障を及ぼさず,会社の経済的負担も軽微なものにとどまる場合は,

職務専念義務は否定されるべきです。

 

 

具体的には,私用メールやパソコンの私的利用について,

その閲覧の対象,時間,頻度,

私的利用を禁止する規程の有無や周知の状況,

上司や同僚の私的利用の有無,

被処分者に対する事前の注意・指導や処分歴の有無などに照らして,

社会通念上相当な範囲にとどまる限り,

職務専念義務に違反しないか,

反するとしてもあまり重くみることはできません。

 

 

3 企業秩序遵守義務

 

 

次に,会社は,企業の存立・運営に不可欠な企業秩序を定立して

維持する当然の権限を有し,労働者は,企業秩序遵守義務を負っています。

 

 

要するに,労働者は,会社のルールを守り,

企業秩序が維持されるように協力しなければならないのです。

 

 

私用メールやパソコンの私的利用については,

会社の設備であるパソコン端末や通信回線を目的以外の用途で使用し,

会社に通信料金や電気料金などの負担を生じさせるので,

企業設備の私的利用の禁止という

企業秩序遵守義務に違反するリスクがあります。

 

 

 

もっとも,企業秩序遵守義務違反を問う場合には,

あらかじめ,就業規則などで,

会社のパソコンについて私的利用を禁止することを明示し,

普段から禁止措置を周知徹底しておく必要があります。

 

 

また,会社の経済的負担が軽微で,

パソコンの私的利用によるウイルス感染などの

実害が生じていない場合には,

企業秩序遵守義務違反に問えるかが微妙になります。

 

 

私用メールやパソコンの私的利用について,

その閲覧対象,時間,頻度などに照らし,

会社の経済的負担の程度や企業秩序に

どのような悪影響を及ぼしたのかなどが検討されることになります。

 

 

このように,私用メールやパソコンの私的利用については,

ケースバイケースで事実を確認して,

懲戒処分や解雇にふさわしいものかを厳密に検討していきます。

 

 

もし,私用メールやパソコンの私的利用を理由に,

懲戒や解雇された場合には,争うことができないか,

弁護士に相談することをおすすめします。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

黒川前検事長と一緒に賭け麻雀をした朝日新聞の社員への1ヶ月の停職の懲戒処分は妥当なのか

1 朝日新聞の管理職社員の懲戒処分

 

 

先日のブログで東京高検の黒川弘務前検事長の賭け麻雀問題で,

黒川前検事長の立場の重要性にかんがみれば,訓告は軽すぎであり,

懲戒処分が相当な事案であると記載しました。

 

 

https://www.kanazawagoudoulaw.com/tokuda_blog/202005269313.html

 

 

すると,今度は,黒川前検事長と一緒に賭け麻雀をしていた

朝日新聞の管理職の社員が停職1ヶ月の懲戒処分となりました。

 

 

https://www.asahi.com/articles/ASN5Y4WBLN5YULZU00M.html

 

 

黒川前検事長の処分が軽すぎたためか,

えらい重い処分だなと最初は感じたのですが,

よく分析すると妥当な処分にも思えてきました。

 

 

本日は,この朝日新聞の管理職社員の

停職1ヶ月の懲戒処分について検討します。

 

 

 

2 常習賭博の場合の懲戒処分とは

 

 

先日のブログでも記載しましたが,

人事院が懲戒処分についての指針を公表しておりまして,

この指針は,国家公務員に対してだけではなく,

民間企業の労働者にも十分あてはまるもので,参考になります。

 

 

この指針では,「常習として賭博をした職員は,停職とする

と規定されています。

 

 

おそらく,ここで言う常習とは,

刑法186条の常習賭博罪における常習ほど厳格に解釈するのではなく,

賭博を反復継続したり,多数回の賭博を行った場合に,

常習として賭博をしたに該当すると考えます。

 

 

朝日新聞の報道によりますと,この管理職の社員は,

過去3年間に,黒川前検事長を含む同じメンバーで月に複数回,

賭け麻雀をしていたようで,緊急事態宣言下で外出自粛が叫ばれていた

今年の4月と5月には合計4回の賭け麻雀をしたようです。

 

 

そのため,賭け麻雀を反復継続していたとして,

常習として賭博をしたに該当するので,

停職の懲戒処分は妥当ということになります。

 

 

3 停職とは

 

 

次に,停職について説明します。

 

 

停職とは,労働契約を存続させつつ労働者の労働義務の履行を停止させ,

停職期間中の賃金を支払わないという懲戒処分です。

 

 

停職は,一定期間賃金不支給を伴いながら就労を禁止するという

重い処分なので,停職期間が長過ぎると,

処分として重すぎるとして,無効になる可能性があります。

 

 

そのため,停職の期間については,

7日以内から30日以内で決められることが多いようです。

 

 

そう考えると,朝日新聞の管理職に対する1ヶ月の停職は,

やや重いようにも考えられます。

 

 

もっとも,今回のケースでは,国会で検察官の定年延長が

問題となっていた張本人の黒川前検事長と賭け麻雀をしていたので,

報道の独立性や公正性に疑念を抱かせた点が

懲戒処分を重くする方向にはたらきました。

 

 

 

すなわち,マスコミには,取材で得た情報を国民に知らして,

国家権力が情報を操作したり,

不正をしないように監視する役割があります。

 

 

それにもかかわらず,マスコミの方が権力者と

賭け麻雀をしていたのでは,権力者と仲良くなりすぎて情がうつって,

権力者にとってマイナスとなるものの,

国民には広く知らしめるべき情報を

報道しなくなるリスクが生じるのです。

 

 

そのため,マスコミは,国家権力を監視する役割を果たすためにも,

国家権力と癒着してはならず,一定の距離を保つ必要があるのです。

 

 

よって,国家権力と癒着しているとみられることは

新聞社にとっては非常にマイナスなので,今回の賭け麻雀では,

停職期間が長くなってもやむを得ないと考えられます。

 

 

また,賭け麻雀をしていた人物が管理職という,

ある程度職責が重い人物であったことも

懲戒処分を重くする方向にはたらいたのでしょう。

 

 

このように分析すると,最初は重いと思ったのですが,

今回の朝日新聞の管理職に対する

1ヶ月の停職の懲戒処分はおおむね妥当なのだと考えるようになりました。

 

 

この朝日新聞の管理職の証言が正しいのであれば,

黒川前検事長は常習として賭博をしていたことになるので,

停職の懲戒処分が妥当することになります。

 

 

やはり,黒川前検事長には,訓告では軽すぎであり,

懲戒処分を課すべきであったと考えます。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

黒川検事長の訓告から国家公務員の懲戒処分を考える

1 黒川検事長の賭け麻雀問題

 

 

東京高検の黒川弘務検事長が,緊急事態宣言で

自粛要請されていた時期に,新聞記者と

賭け麻雀をしていたことについて,訓告となりました。

 

 

https://www.asahi.com/articles/ASN5V00CCN5TUTIL03N.html

 

 

検察官の定年延長問題で様々な批判があり,

さらに検察のトップクラスが賭け麻雀をしていたとして,

大々的な問題に発展しました。

 

 

 

それにもかかわらず,黒川検事長は,

懲戒処分を受けずに訓告となり,

多くの国民はこの結末に納得していないと思います。

 

 

そこで,本日は,黒川検事長の賭け麻雀問題から,

国家公務員の懲戒処分について考えてみたいと思います。

 

 

2 国家公務員の懲戒処分の基準

 

 

まず,懲戒処分とは,使用者が労働者の企業秩序違反行為

に対して科す制裁罰という性質をもつ不利益措置です。

 

 

懲戒処分には,戒告・譴責,減給,出勤停止,降格,

諭旨解雇,懲戒解雇という種類があります。

 

 

懲戒処分は,労働者の不祥事を未然に防止する観点から,

どのような不祥事には,どのような懲戒処分が科されるのかが

明確に定められ,公平に適用される必要があります。

 

 

そこで,国家公務員の懲戒処分については,人事院が

懲戒処分の指針について」という文書を公表しており,

この指針に,懲戒処分をするにあたっての考慮要素や,

どのような不祥事には,どのくらいの懲戒処分が相当であるかが

明確に記載されています。

 

 

https://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/12_choukai/1202000_H12shokushoku68.html

 

 

この指針は,地方公務員や民間企業の労働者に対する懲戒処分にも

十分あてはまるものとなっています。

 

 

この指針では,懲戒処分を決定するにあたって考慮すべきこととして,

次の5つの要素があげられています。

 

 

①非違行為の動機,態様及び結果はどのようなものであったか

 

 

②故意又は過失の度合いはどの程度てあったか

 

 

③非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか,

その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか

 

 

④他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか

 

 

⑤過去に非違行為を行っているか

 

 

黒川検事長にあてはまると,

③検察組織のナンバー2という重大な職責を担っていた方が,

外出自粛中に賭け麻雀という不要不急なことをしたことで,

④検察組織と社会に与えた影響はとてつもなく大きかったといえます。

 

 

このことは,この指針で,「非違行為を行った職員が

管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき」には,

懲戒処分を重くすると規定されていることからも,

黒川検事長の不祥事は懲戒処分を重くする方向にはたらきます。

 

 

3 賭博とは

 

 

次に,この指針では,「公務外非行関係」として「(9)賭博」の中に

「ア 賭博をした職員は,減給又は戒告とする」と,

明確に規定されています。

 

 

賭博とは,偶然の勝敗により財物や財産上の利益の得喪を争う行為

をいい,刑法185条で50万円以下の罰金又は科料に処せられます。

 

 

賭け麻雀は,刑法185条の賭博罪に該当するのです。

 

 

 

そのため,プライベートな活動とはいえ,

国家公務員が賭博罪という犯罪行為をすれば,

戒告や減給という懲戒処分が科されるリスクがあるのです。

 

 

被疑者を刑事裁判にかけて,有罪にする起訴権限を独占している

検察のナンバー2が,犯罪行為をしていたことになるので,

不祥事の規模としては大きいと考えます。

 

 

賭け麻雀なので,一般的に行われていることで

処罰されている人は少ないこと,

過去の業績が素晴らしかったことを考慮しても,

黒川検事長の場合,最低でも,人事院の指針にあるとおり,

戒告や減給という懲戒処分がくだされてしかるべきでしょう。

 

 

それにもかかわらず,懲戒処分ではない,訓告となりました。

 

 

訓告は,今後このようなことがないように注意することであり,

対象者には特に不利益は発生しません。

 

 

通常であれば,最低でも,戒告や減給の懲戒処分がくだされるケースで,

黒川検事長が特別に訓告で終わるのでは,

国家公務員の懲戒処分のバランスが保てませんし,

このように軽い処分で終わらせるのには

何か裏があるのではないかと疑われます。

 

 

定年延長から始まった黒川検事長の問題は,

最後まで迷走を深める結果となり,残念でなりません。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

マスク不着用で会議に出席したら懲戒処分をされてしまうのか

1 マスク不着用で会議に出席したら4日間の出勤停止

 

 

報道によりますと,マスクを着用せずに校内の会議に出席したことを

主たる理由として,大阪電子専門学校の嘱託職員が,

専門学校を運営する学校法人から,

4日間の出勤停止の懲戒処分を受けたようです。

 

 

https://www.asahi.com/articles/ASN585DSGN58PTIL00C.html

 

 

この嘱託職員は,4月7日にマスクを着用せずに会議に出席し,

会議終了後に学校法人の理事長からマスクの未着用を

とがめられたようです。

 

 

もっとも,会議のあった日は,休校中で,

学生は,専門学校にほとんどきていなかったようです。

 

 

専門学校側は,懲戒処分の理由として,

「学生の健康と安全を守る立場の教職員として,

感染リスクを軽視している」ことを挙げているようです。

 

 

新型コロナウイルスに関連する労働問題は色々ありますが,

マスクを着用せずに会議に参加したことを理由とする懲戒処分は,

珍しく,さすがに行き過ぎです。

 

 

 

本日は,懲戒処分について解説します。

 

 

2 懲戒該当事由があるか

 

 

まず,懲戒処分について,労働契約法15条には,

「当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして,

客観的に合理的な理由を欠き,

社会通念上相当であると認められない場合は」,

懲戒処分は無効となると規定されています。

 

 

第1の要件は,労働者の問題行為が就業規則所定の

懲戒事由に該当し,懲戒処分に「客観的に合理的な理由」

があることが認められることです。

 

 

懲戒該当事由があるかという問題です。

 

 

通常,就業規則には,どのような問題行為があれば,

どのような懲戒処分がされることが記載されており,

就業規則に記載されている懲戒事由に該当しなければ,

会社は,労働者に対して,懲戒処分をできません。

 

 

また,形式的には,就業規則の懲戒事由に該当する行為が

あったとしても,実質的に秩序を乱すおそれのないような行為であれば,

そもそも懲戒事由に該当しないと判断されることがあります。

 

 

大阪電子専門学校の事件にあてはめると,さすがに,就業規則で,

マスク不着用で会議に出席することを懲戒事由にしていない

と思いますので,おそらく,マスク不着用で,

校内で新型コロナウイルスを感染させる危険を及ぼして,

学校秩序を乱したことなどを懲戒事由にしたのだと考えられます。

 

 

しかし,マスク不着用だった嘱託職員が,

新型コロナウイルスに感染していなければ,

マスク不着用でも,他人に感染させることはないですし,

そもそも,休校中で学生は校内にいないのであれば,

感染リスクも極めて限定的です。

 

 

そのため,学校秩序を乱したことにはならず,

懲戒該当事由がないと考えられます。

 

 

3 懲戒処分は重すぎないか

 

 

第2の要件として,懲戒処分は,

労働者の行為の性質及び態様その他の事情を考慮して,

社会通念上相当でなければなりません。

 

 

労働者の行為の性質とは,懲戒事由となった

労働者の行為そのものの内容をいいます。

 

 

労働者の態様とは,問題行為がなされた状況や悪質さの程度をいいます。

 

 

その他の事情には,

労働者の行為の結果(企業秩序に対してどのような影響があったのか),

労働者の情状(過去の処分・非違行為歴,反省の有無・態様),

使用者側の対応(他の労働者の処分との均衡,行為から処分までの期間)

などが含まれます。

 

 

ようするに,社会通念上相当か否かについては,

労働者の問題行為の内容・悪質性の程度からして,

懲戒処分が重すぎないかという,

問題行為と懲戒処分とのバランスがとれているかを判断します。

 

 

 

大阪電子専門学校の事件にあてはめると,

この嘱託職員がマスク不着用で会議に参加した4月7日時点では,

薬局などにマスクが売られておらず,

一般の方がマスクを購入するのは困難な状況であり,

嘱託職員がマスク不着用で会議に参加することに

やむを得ない事情がありました。

 

 

さらに前述のとおり,休校中で学生は校内におらず,

感染リスクも限定されていたことから,

マスク不着用で会議に参加することの悪質性の程度は

限りなく低いと言えます。

 

 

そのため,新型コロナウイルスを感染させる危険性が

高度にあるとはいえないのに,

マスク不着用で会議に出席したことを理由に,

4日間の出勤停止の懲戒処分とすることは重すぎます。

 

 

懲戒処分をするのではなく,厳重注意をすれば,事足りたはずです。

 

 

以上より,大阪電子専門学校における懲戒処分は無効になると考えます。

 

 

このような懲戒処分が二度となされないことを期待したいです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

労働者が新型コロナウイルスに感染して会社が休業した場合に懲戒処分されるのか

1 正確な知識と情報があれば不安は解消できる

 

 

4月18日土曜日に,

「コロナ災害を乗り越える いのちとくらしを守るなんでも相談会」

という,電話相談が開催され,

私は石川県で90分の電話相談の対応をしました。

 

 

 

90分の時間帯で合計7件の電話相談があり,

相談が終わるとすぐに次の相談の電話がかかってくるという感じで,

大変多くの相談がありました。

 

 

もっとも,電話相談の内容としては,

まだ切迫した状況ではないけれども,このまま,

新型コロナウイルスの感染拡大が長期化して,

もしものことがあったらと考えたら不安なので電話しました

というものが多かったです。

 

 

これらの相談から分かったことは,正確な知識や情報がなく,

漠然と不安に思っている方が多く,正確な知識や情報を取得すれば,

不安は解消されるということです。

 

 

そのため,私は,新型コロナウイルスに関連する

労働問題の情報を発信して,労働問題で不安に感じている方々の

不安を解消していきたいと考えます。

 

 

2 就業規則に懲戒処分の根拠規定はあるか

 

 

ということで,本日は,先日の電話相談であった,

もし自分が新型コロナウイルスに感染してしまって,

会社が休業することになってしまったら,会社から,

懲戒処分を受けるのか,という相談に対する回答をします。

 

 

結論は,そのような懲戒処分は無効になると考えます。

 

 

同居の家族が新型コロナウイルスに感染してしまい,

その結果,同居していた労働者も一緒に感染してしまい,

労働者が働いていた会社が2週間休業することになった

ケースで考えてみましょう。

 

 

まず,会社が労働者に対して,懲戒処分をくだすためには,

就業規則に懲戒処分の根拠規定が存在する必要があります。

 

 

そのため,自分の会社の就業規則に,

感染症に罹患して,会社が休業したときに

懲戒処分されるという根拠規定があるのかを確認しましょう。

 

 

労働判例別冊の「改訂5版就業規則ハンドブック」には,

「故意,過失,怠慢もしくは監督不行届によって災害,傷害,

その他の事故を発生させ,または会社の設備,器具を破損したとき」には,

減給または出勤停止とする規定が記載されています。

 

 

また,「故意または重大なる過失によって会社の設備,器物

その他の財産を破損または滅失し,会社に甚大な損害を与えた場合」には,

懲戒解雇とする規定が記載されています。

 

 

そもそも,このような就業規則の条項が存在しない会社は,

労働者が新型コロナウイルスに感染して,

会社が休業することになっても,労働者に対して,

懲戒処分をすることができません。

 

 

3 懲戒事由があるのか

 

 

上記のような就業規則の条項があれば,

次に,これらの規定に該当するかが問題になります。

 

 

例えば,新型コロナウイルスに感染した労働者が,

外出を自粛していて,新型コロナウイルスに感染しないように

マスクを着用して,消毒液で手洗いをして,対策をしていたのに,

たまたま家族が感染して濃厚接触して,

新型コロナウイルスに感染したのであれば,

上記の条項の過失,重大な過失,怠慢がないことになります。

 

 

 

もっとも,外出自粛が要請されている現状において,

労働者が風俗店にいき,濃厚接触したために,

新型コロナウイルスに感染した場合には,

上記の条項の重大な過失に該当する可能性はでてきます。

 

 

外出自粛要請の中,風俗店にいったようなケース以外であれば,

上記の条項に該当しないと考えます。

 

 

そのため,労働者が新型コロナウイルスに感染して,

会社が休業になったことを理由とする懲戒処分は,

会社の就業規則に懲戒処分の根拠規定が存在しない,または,

労働者には懲戒事由がないとして,無効になると考えます。

 

 

ですので,労働者が新型コロナウイルスに感染して,

会社が休業になっても,懲戒処分されるリスクは極めて低いので,

この点については,ご安心ください。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。