ロジカルスピーチ講座第4講での気付きを紹介します

1 相手を動かす質問10のポイント

 

 

松尾由紀子先生のロジカルスピーチ講座第4講を受講しました。

 

 

第4講では、言いにくいことを伝えるスキルである、交流分析について学びました。

 

 

今回は、ロジカルスピーチ講座第4講を受講して、私が得た気付きを3つご紹介します。

 

 

気付きの1点目は、相手を動かす質問10のポイント、気付きの2点目は、相手のニーズを育てるSPIN話法、気付きの3点目は、相手の特徴に合わせたコミュニケーションをする、という順番でご紹介します。

 

 

気付きの1点目は、相手を動かす質問10のポイントです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①この人に話したいと思ってもらえる身だしなみや表情をしているか?

 

 

②選んでもらう質問から始めたか?

 

 

③具体的に何を指すのか聴けたか?

 

 

④このままだとどうなるか聴けたか?

 

 

⑤これができたらどんなバラ色の未来になるか聴けたか?

 

 

⑥相手に8割話してもらえたか?

 

 

⑦相手の情報をまとめて「つまりこういうことですね?」と確認できたか?

 

 

⑧反応しながら聴けたか?

 

 

⑨顔向け、へそ向け、心向けで聴けたか?

 

 

⑩答えがすぐに出なくても、相手が話し始めるまで待つことができたか?

 

 

この10のポイントは、第3講で学んだ、聴くと質問するという、コミュニケーションの根幹部分をまとめたものです。

 

 

この10のポイントを全部できるかというと、今の私には難しいです。

 

 

まずは、ビジネスやプライベートのコミュニケーションで、1つずつ、実践してみます。

 

 

私は、妻とのコミュニケーションを改善したいと考えています。

 

 

妻との会話の際には、⑨顔向け、へそ向け、心向けで聴けたか?、を意識して、妻に対して、体を正対してみます。

 

 

2 相手のニーズを育てるSPIN話法

 

 

気付きの2点目は、相手のニーズを育てるSPIN話法です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これも第3講の復習になりますが、次の4つの順番で質問をすることで、相手のニーズを育てることができます。

 

 

①現状質問:提案したい商材に関係ある現状について考えてもらう

 

 

②問題質問:事前に調べておき、~で困っていませんかと質問する

 

 

③示唆質問:このままだとどんなことが起こるのか、解決の重要性を認識してもらう(ホラーストーリーを言葉にしてもらう)

 

 

ここでは、相手の抱える問題が与える影響や結果といった、ネガティブ面をクローズアップします。

 

 

④解決質問:どうやったら問題が解決できるかを言語化してもらう(バラ色の未来の言語化・ポジティブ変換)

 

 

ここでは、相手から提案された解決策の価値や効用を聞きます。

 

 

この4つの順番をふむことで、相手は、自身の問題と解決策を自分の言葉で語るので、行動変容につながりやすいのです。

 

 

SPIN話法のポイントは、相手が解決しないといけないと自覚するまでは、聞き手は、情報を集めることに徹するのです。

 

 

質問をして聴くことで、会話のボール占有率2対8を実践します。

 

 

そして、この4つの順番をふむことで、相手の中にニーズが育ち、その後に、商品を勧めれば、購入につながるのです。

 

 

私は、普段の生活で、①と②の質問をよくしますが、③と④の質問をすることがないので、③と④の質問を実践してみます。

 

 

3 相手の特徴に合わせたコミュニケーションをする

 

 

気付きの3点目は、相手の特徴に合わせたコミュニケーションをする、です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相手の特徴に合わせたコミュニケーションをすることで、効果的に、相手に伝えることができます。

 

 

そのためには、相手の特徴を理解することが必要になります。

 

 

相手の特徴を理解するのに役立つのが交流分析です。

 

 

交流分析では、人の特徴を5つに分類し、その5つの特徴を持つ人に対して、効果的なコミュニケーションの方法を学ぶことができます。

 

 

5つの特徴とは次のとおりです。

 

 

①CP(批判的な親)

特徴:ルールを守る、責任感・義務感が強い・自分の価値観を絶対視する、中途半端を嫌う

対応:主体性を尊重する、明示する、事前準備を入念にする、素直な態度で対応する、理想を示す

 

 

②NP(養育的な親)

特徴:相手に共感し同情する、世話好き、相手を甘やかす、面倒見がよい

対応:情に訴える、気持ちと言葉をしっかりと受け止める、関心があることを示す、感謝の気持ちを示す、人間性を認める言葉をかける

 

 

③A(成人)

特徴:合理的である、理論的に考える、フィーリングを求められると苦手、正確さ、計画性を重んじる

対応:定量的に伝える、事実やデータをもとに説明する、論理的に伝える、正確性・計画性を具体的に説明する

 

 

④FC(自由な子供)

特徴:天真爛漫である、好奇心・直観力が強い、注目されることが好き、精密さ・データを求められると苦手

対応:明るい見通しを示す、周囲の評価・期待を示す、承認し、反応を示す、自由度・創造性を示す、注目されていることを示す

 

 

⑤AC(順応する子供)

特徴:ノーと言えない、依存心が強い、安定を好む、協調性・妥協性に富む

対応:指示的な対応を取る、周囲の人の対応を知らせる、安全であることを示す、ソフトな伝え方をする、親身になって共感する

 

 

自分が苦手だと思っている人の特徴を把握して、その人の特徴に対する効果的な対応をすることで、コミュニケーションが円滑になるのです。

 

 

例えば、私は、妻とのコミュニケーションをよりよくしたいと考えています。

 

 

私の妻は、NPとACの特徴があります。

 

 

そこで、私は、妻に対して、①妻の話しに興味をもって聴く、②ある程度、こちらで決めてあげてから、提案する、③いつも助かっていると伝える、というアプローチをすれば、会話が上手くいく可能性がでてきます。

 

 

相手の特徴を知って、それに効果的な対応をすることで、自分の話しが相手に伝わりやすくなるのです。

 

 

以上、松尾由紀子先生のロジカルスピーチ講座第4講での気付きを紹介させていただきました。

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

医師や看護師の宿直勤務では残業代を請求できないのか?【弁護士が解説】

Q 医師や看護師の宿直勤務では、残業代を請求することはできないのですか?

 

 

A 労働基準監督署長の宿日直についての許可基準を満たしていない、宿直勤務の場合には、残業代を請求することができます。

 

 

1 宿直とは

 

 

私は、病院で医師として勤務しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月に8回くらい、宿直勤務を担当しています。

 

 

宿直勤務の時には、夜間に救急車で搬送されてきた患者の手術をすることもあり、日中の業務と同じことをしています。

 

 

それなのに、病院から支給される宿直手当の金額が少ないことに納得がいきません。

 

 

病院からは、宿直手当を支払っているので、残業代を支払う必要はないと言われています。

 

 

宿直勤務の場合には、適正な残業代を請求することはできないのでしょうか。

 

 

結論から先に言いますと、病院が、労働基準監督署長の宿日直についての許可基準を満たしていない場合には、宿直勤務の時間について、残業代を請求できます。

 

 

今回の記事では、①宿直とは、②宿直と断続的労働、③宿直勤務における残業代請求が認められた裁判例の紹介、という順番で、わかりやすく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。

 

 

まず、①宿直の言葉の意味について解説します。

 

 

宿直とは、夜間に職場で待機することです。

 

 

すなわち、宿直は、待機であって、通常の業務とは異なる軽微な業務を、宿泊を伴ってすることです。

 

 

宿直と似た言葉に、当直と夜勤があります。

 

 

当直とは、当番を決めて、交替制で働くことです。

 

 

当直には、日中におこなう日直と、夜間におこなう宿直があります。

 

 

夜勤とは、夜の時間帯に働くことです。

 

 

夜勤は、宿直と異なり、待機ではなく、夜の時間帯に、通常の業務を行います。

 

 

そのため、夜勤では、1日の労働時間が8時間を超えた場合には、残業代を請求できます。

 

 

2 宿直と断続的労働

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宿直の言葉の整理をした上で、②宿直と断続的労働について説明します。

 

 

労働基準法41条において、「断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」は、労働基準法の労働時間の規制の適用が除外されると規定されています。

 

 

すなわち、「断続的労働」に該当すれば、労働者は、会社に対して、残業代を請求できなくなるのです。

 

 

そして、断続的労働とは、作業自体が間をおいて行われるもので、作業時間が長く継続することなく中断し、しばらくして再び同じような態様の作業が行われ、また中断するというように繰り返される労働のことをいいます。

 

 

この断続的労働の一態様として、宿直勤務が挙げられています。

 

 

もっとも、断続的労働に該当すると、労働基準法の労働時間の規制の適用がなくなり、会社は、労働者に残業代を支払わなくてよくなります。

 

 

そうなると、会社は、残業代の支払いを気にする必要がなくなるので、労働者を長時間労働させてしまい、労働者の健康が害されるリスクが生じます。

 

 

そこで、本当に、断続的労働に該当するかについて、労働基準監督署長が許可をしたものだけが、断続的労働と認められるのです。

 

 

それでは、労働基準監督署長の宿日直についての許可基準について、解説します。

 

 

①勤務の態様

 

 

常態として、ほとんど労働をする必要のない勤務のみを認めるものであり、原則として、通常の労働の継続は許可されません。

 

 

医師の場合、少数の要注意患者の状態の変動に対応するため、問診などによる診察や、看護師に対する指示や確認を行うこと。

 

 

看護師の場合、病室の定時巡回、患者の状態を医師に報告すること、少数の要注意患者の定時検脈や検温を行うこと。

 

 

夜間に充分睡眠がとりうること。

 

 

②宿直手当

 

 

宿直勤務1回の宿直手当の最低額は、事業場において宿直の勤務に就くことの予定されている同種の労働者に対して支払われる賃金の、1人1日平均額の3分の1を下回らないものであること。

 

 

③宿直の回数

 

 

宿直勤務については、週1回を限度とする。

 

 

上記①~③の基準を満たして、労働基準監督署長の許可を得られた場合に限り、宿直勤務について、宿直手当以外の残業代を支払わなくてよくなるのです。

 

 

3 宿直勤務における残業代請求が認められた裁判例の紹介

 

 

ここで、③宿直勤務における残業代請求が認められた裁判例を紹介します。

 

 

奈良県(医師・割増賃金)事件の奈良地裁平成21年4月22日判決・労働判例986号38頁です。

 

 

この事件では、県立病院の産婦人科医である原告が、宿直勤務は時間外労働にあたるとして、未払残業代を請求しました。

 

 

裁判所は、以下の事実関係から、原告の宿直業務は、断続的労働ではないと判断しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①宿直勤務の時間に分娩対応という通常業務を行っており、その回数も少なくないこと

 

 

②1名の宿直医師が救急医療等の業務を行っていたこと

 

 

③宿直勤務時間の約4分の1の時間は、外来緊急患者への処置や入院患者の緊急手術に従事していたこと

 

 

これらの事実関係から、原告の宿直業務は、常態としてほとんど労働する必要がない勤務であったとはいえないとして、労働基準法41条3号の断続的労働には当たらないと判断されました。

 

 

その結果、医師の宿直業務について、未払残業代請求が認められました。

 

 

このように、医師や看護師の宿直業務の実態を検討すれば、宿直時間に通常の業務を行っていて、断続的労働といえないケースは多いのではないでしょうか。

 

 

断続的労働といえない場合には、未払残業代を請求できますので、弁護士にご相談ください。

 

 

また、You Tubeでも、労働問題に関する役立つ動画を投稿しているので、ご参照ください。

 

 

https://www.youtube.com/@user-oe2oi7pt2p

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

徳田弁護士の記事が弁護士ドットコムニュースに掲載されました12

徳田弁護士の記事が弁護士ドットコムニュースに掲載されました。

 

腰痛の労災認定基準について解説しています。

 

腰痛で労災と認定されるのは、なかなかハードルが高いのが現状です。

 

こちのURLをご参照ください。

 

https://www.bengo4.com/c_18/n_16684/

 

ロジカルスピーチ講座第3講での気付きを紹介します

1 聞き方を変えるだけで話し手の気持ちは変わる

 

 

松尾由紀子先生のロジカルスピーチ講座第3講を受講しました。

 

 

第3講では、相手のニーズを育て上げる質問力について学びました。

 

 

今回は、ロジカルスピーチ講座第3講を受講して、私が得た気付きを3つご紹介します。

 

 

気付きの1点目は、聞き方を変えるだけで話し手の気持ちは変わる、2点目は、相手のニーズを引き出す質問、3点目は、話のボール占有率、という順番でご紹介します。

 

 

気付きの1点目は、聞き方を変えるだけで話し手の気持ちは変わる、です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

講義の中で、ネガティブ傾聴という、ペアワークをしました。

 

 

ネガティブ傾聴とは、以下のように、聞き手の聞き方が、時間を経過するごとに、ネガティブに変化します。

 

 

①最高の傾聴→②聞き手が声をださない→③聞き手が首を動かさない→④聞き手が目線を合わさない→⑤聞き手がスマホを見出してニヤニヤする

 

 

話し手は、聞き手が①から⑤のように変化する中、ずっと話し続けます。

 

 

そして、どの時点で、心が折れたかを認識します。

 

 

私は、③の相づちがなくなったあたりから、もう心が折れて、話しているのが辛くなりました。

 

 

他の受講生は、④や⑤で心が折れた方もいらっしゃいました。

 

 

このペアワークで私が気付いたことは、会話は、聞き手がコントロールしているということです。

 

 

聞き手の反応次第で、話し手は、気持ちよく話したり、逆に嫌な気持ちになって、話すのを辞めてしまうのです。

 

 

そう、自分の聴く態度によって、話し手をコントロールできてしまうのです。

 

 

そうであるならば、相手との関係を良好にするためには、相手に気持ちよく話してもらうのがよく、相手に気持ちよく話してもらう聞き方をすればいいのです。

 

 

相手が気持ちよく話してくれれば、自分に与えられる情報が増え、よりよい提案ができます。

 

 

逆に、この人と話したくないと思ったならば、相手が話したくなくなる聞き方をすればいいのです。

 

 

会話は聞き手がコントロールできるという大原則を知り、いつでも話してもらえる自分であるための、聞き方を実践していきます。

 

 

普段、妻の話を聞いていないので、妻の話を傾聴する実践をします。

 

 

2 相手のニーズを引き出す質問

 

 

気付きの2点目は、相手のニーズを引き出す質問です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前述した、聴くができる前提で、相手に効果的な質問ができれば、相手は、より気持ちよく話をしてくれます。

 

 

その結果、相手との関係が良好になります。

 

 

質問をする際には、ビジネスシーンなどで、何か目的があるのであれば、目的から逆算した質問をすることが効果的です。

 

 

まず、相手の現状を質問して、相手に現状を考えてもらいます。

 

 

次に、現状の問題点を質問します。

 

 

~で困っていませんか?という質問です。

 

 

相手が問題点を回答した後に、このまま問題点が解決しないままだと、どのようなことが起こるのかを質問します。

 

 

これをホラーストーリーといいます。

 

 

そして、解決したら、どんなバラ色の未来が待っているのかを質問します。

 

 

相手がバラ色の未来を回答して、そのために役立つ商品があれば、ここで、商品の提案をして、解決策を提示するのです。

 

 

このように、商品の提案というゴールを設定してから、ゴールに導くために、質問を設計すると効果的です。

 

 

また、次の3つの質問は、相手の考えを掘り下げるために、効果的です。

 

 

①そもそも

 

 

②例えば

 

 

③つまり

 

 

曖昧な質問をすると、曖昧な回答しか返ってこないので、②の「例えば?」、「具体的には?」と質問し、③「つまり、こういうことですか?」と確認します。

 

 

自分が意図している答えが返ってこなかったならば、質問が不適切だったので、質問を変更します。

 

 

質問のバリエーションを増やして、相手に気持ちよく話してもらうように、上記の3つの質問を意識して使ってみます。

 

 

3 話のボール占有率

 

 

気付きの3つ目は、話のボール占有率です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話のボール占有率は、8対2が理想です。

 

 

すなわち、話し手が8割話し、聞き手が2割質問や確認をするのが、よい塩梅ということです。

 

 

人は話したい生き物なので、この話のボール占有率を意識していないと、ついつい、自分が多く話してしまいがちです。

 

 

この話のボール占有率を守るために、効果的な方法として、自分の感情を横に置くというものがあります。

 

 

自分の感情が出てくると、つい自分の意見を言ってしまいます。

 

 

そこで、自分の感情に蓋をして、相手の話を丸ごと受け止めるのです。

 

 

私は、この自分の感情を横に置くことができていません。

 

 

特に、妻との会話の時に、これができていません。

 

 

先日、妻から、仕事を辞めて、キッチンカーをやりたいと言われました。

 

 

私は、妻に今の仕事を続けて欲しいと考えているので、すぐに、無理だと言ってしまいました。

 

 

ここで、私の感情(そんなことやめとけ、ろくなことにならない)を横に置いて、妻のキッチンカーの話しにまず興味を持つ必要がありました。

 

 

その上で、「キッチンカーで具体的に何をしたいの?」、「そもそも、どうしてキッチンカーをしたいの?」と質問をして、妻の願望を明確にした方がよかったと反省しました。

 

 

妻の話に興味を持って聴く、自分の感情を横に置くことを実践してみます。

 

 

妻との会話の際に、ボール占有率を妻8、私2にできるように、修行を続けてみます。

 

 

以上、松尾由紀子先生のロジカルスピーチ講座第3講での気付きを紹介させていただきました。

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

懲戒処分を回避して辞職できた国家公務員の退職代行事件

Q 公務員です。辞職をしたいのですが、当局は、私の問題行動の調査が終わるまでは、辞職を認めないと言っています。このような場合どうすればいいのでしょうか。

 

 

A 当局の調査に誠実に対応し、当局が疑っている問題行動について、ご自身の言い分を適切に伝えるべきです。弁護士に法律相談をして、対処方法のアドバイスをもらうことが効果的です。

 

 

1 公務員は簡単に退職できない?

 

 

先日、国家公務員の依頼者から、次のような法律相談を受けました。

 

 

当局に対して、辞表を提出して、受理してもらい、当局からは、口頭で、辞職を認めると言われました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

問題なく辞職できると思っていましたが、その後、当局から、あなたの問題行動の調査が終わるまでは、辞職を認めないと言われました。

 

 

当局が指摘している私の問題行動は、次のとおりです。

 

 

①他の職員の名前を記載して、庁舎へ入退館をしたこと

 

 

②職場のパソコンから、行政文書を個人のメールアドレスへ送信したこと

 

 

③職場のパソコンから、メールで職員の個人情報や不適切な内容を発信したこと

 

 

当局が指摘している私の問題行動に対する、私の言い分は次のとおりです。

 

 

①私は、辞表が受理されて、年次有給休暇を消化している時に、庁舎で引き継ぎの作業をしたかったのですが、年次有給休暇で休んでいる私の名前で庁舎に入るのは不自然だと考えて、上司の名前を使って庁舎に入退館しました。

 

 

②今後の勉強のために、研修の時に入手した資料を自分のメールアドレスに送信しました。データは自宅で保管しており、外部に流出していません。

 

 

③私は、過去に上司からパワハラを受けていて、そのパワハラを告発するために、マスコミ等にメールを送信しました。

 

 

私は、依頼者の言い分を聞き、依頼者が懲戒処分を受けるリスクがあると考えました。

 

 

特に、③については、依頼者の手元には、パワハラを受けたことの証拠がなく、名誉毀損に該当して、懲戒処分を受けるリスクがありました。

 

 

依頼者は、早急に、辞職して、次の仕事に就くことを希望していたことから、私は、依頼者から、懲戒処分への対応と、退職の代行の依頼を受けました。

 

 

ここで、公務員の辞職について解説します。

 

 

公務員は、辞表を提出しただけでは、辞職できず、当局から、辞職の承認をしてもらわないことには、辞職できないのです。

 

 

すなわち、公務員が辞職するためには、当局の承認がなければならないのです。

 

 

そのため、公務員は、懲戒処分されそうになったので、懲戒処分よりも前に辞職しようとしても、当局が辞職を認めない場合、懲戒処分を回避できないことになります。

 

 

他方、民間企業の労働者の場合、退職届を提出してから、2週間が経過すれば、自由に退職できます。

 

 

民間企業の労働者が退職する際に、雇用主である会社の承認は不要です。

 

 

そのため、民間企業の労働者であれば、会社から懲戒処分を受けそうな場合、懲戒処分の前に退職できれば、懲戒処分を回避することができます。

 

 

このように、公務員は、民間企業の労働者と比べて、退職しにくいといえます。

 

 

2 当局の調査への立会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、依頼を受けた私は、当局に対して、依頼者の言い分をまとめた文書を送付しました。

 

 

確かに、依頼者は、問題行動をしたものの、①引き継ぎのためにしたものであること、②研修資料であり、重要な機密情報でないこと、③当局にパワハラの是正を希望したが、当局が動いてくれなかったので、やむなく、マスコミ等に告発したこと、といった言い分を主張しました。

 

 

公務員の懲戒処分については、人事院が「懲戒処分の指針について」という通達を公表しています。

 

 

この通達には、懲戒処分の決定に当たって、考慮する事情として、動機・態様・結果がどのようなものであったか、と記載されています。

 

 

そのため、依頼者の問題行動についての動機・態様・結果について、依頼者に有利になる事情を主張しました。

 

 

また、当局が辞職を認めないことから、依頼者は、当局に出勤しないと、無断欠勤となり、別の懲戒理由が生じることになります。

 

 

そのため、当局に対して、まだ残っている年次有給休暇や特別休暇の申請をして、年次有給休暇や特別休暇が終了するまでに、辞職が認められるように動きました。

 

 

そして、依頼者は、当局とのやりとりの中で、精神的に体調を崩してしまい、適応障害と診断されました。

 

 

依頼者の精神状態では、当局の聞き取り調査に耐えられないと考えた私は、当局に対して、依頼者の聞き取り調査に、弁護士である代理人の私を同席させることを求めました。

 

 

これに対して、当局は、私が発言しないのであれば、同席を許可すると回答しました。

 

 

その結果、依頼者の聞き取り調査に、私が同席することができました。

 

 

聞き取り調査の際には、私が発言することはほとんどありませんでしたが、依頼者が、聞き取り調査の際に、自分の言い分を適切に主張できるように、その場で依頼者にアドバイスができました。

 

 

また、依頼者は、聞き取り調査の時に、私が側にいることで心強く、安心して、自分の言い分を伝えることができたと言っていました。

 

 

3 懲戒処分ではなく訓告になる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聞き取り調査の後、しばらくしてから、当局から文書が届きました。

 

 

その文書には、訓告と記載されていました。

 

 

訓告とは、懲戒処分ではなく、業務違反の際に、口頭又は文書で注意をする処分のことです。

 

 

依頼者の問題行動は、不適切な行為と認定されましたが、懲戒処分に該当する程度には至っていなかったと評価され、懲戒処分を回避できました。

 

 

そして、訓告書の後に、人事異動通知書が届き、辞職を承認すると記載されていました。

 

 

こうして、依頼者は、懲戒処分を回避できて、無事に辞職をすることができたのです。

 

 

懲戒処分を回避して、訓告にとどまったのは、弁護士が代理人として、当局が恣意的に懲戒処分をしないように、監視をしていたからかもしれません。

 

 

このように、懲戒処分をされそうな時に、弁護士に法律相談をすることで、効果的な対処法を見つけることができる場合があります。

 

 

また、退職したいのに、退職できない時に、弁護士に法律相談をすることで、退職できる具体的な方法を教えてもらえることがあります。

 

 

労働問題で困った時には、ぜひ弁護士にご相談ください。

 

 

You Tubeでも、労働問題に関する役立つ動画を投稿しているので、ご参照ください。

 

 

https://www.youtube.com/@user-oe2oi7pt2p

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ロジカルスピーチ講座第2講での気付きを紹介します

1 リフレーミングを活用する

 

 

松尾由紀子先生のロジカルスピーチ講座第2講を受講しました。

 

 

松尾先生は、アナウンサーを指導するプロのアナウンサーですので、私は、松尾先生から、人に分かりやすく伝える技術を教わっています。

 

 

今回は、ロジカルスピーチ講座第2講を受講して、私が得た気付きを3つご紹介します。

 

 

気付きの1点目は、リフレーミングを活用する、2点目は、相手目線で考える、3点目は、相手にとって良いことを言語化する、という順番でご紹介します。

 

 

1点目は、リフレーミングを活用する、です。

 

 

リフレーミングとは、ある枠組みで捉えられている物事を、枠組みを外して違う枠組みで考えることです。

 

 

この説明では、少し分かりにくいので、具体例として、私の短所をリフレーミングしてみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①めんどくさがり→進んで自分からする

 

 

②怒りっぽい→問題点が見える。相手の立場に立っている。

 

 

③冷たい→落ち着いている。常に冷静である。

 

 

④考えがまとまらないと行動できない→大切なことが分かる。別の問題に気付ける。

 

 

このように、リフレーミングをすることで、自分の短所に、別方向から光を当てることで、長所に置き換えることができるのです。

 

 

ちなみに、上記のリフレーミングは、講座の中のペアワークにおいて、ペアの方からいただいたものです。

 

 

自分では気付けなかった、自分の強みを、他人の視点で解釈することで、見つけることができて、嬉しかったです。

 

 

このように、リフレーミングは、相手をポジティブにして、勇気づけることができるのです。

 

 

リフレーミングをやってみて、人の長所と短所は、表裏一体であり、どの部分をどのように解釈するかによって、短所にも長所にもなることがわかりました。

 

 

どうせ解釈するならば、長所になるように物事を捉えたいものです。

 

 

まずは、身近な人のネガティブな一面を、リフレーミングしてみます。

 

 

2 相手目線で考える

 

 

2点目は、相手目線で考える、です。

 

 

そもそも、人は、自分に興味のあることしか聞いてくれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのため、人に話を聞いてもらうためには、相手目線で、相手が何を聞きたいと思っているのかを考える必要があります。

 

 

相手目線になるために、相手の状況を分析するGNP分析が効果的です。

 

 

Goal(相手のなりたいゴール)→望ましい状況

 

 

Now(相手の現状)→ゴールから逆算した現状

 

 

Problem(問題)→そこから生まれる疑問・課題

 

 

この問題(P)に端的に答えるのが、プレゼンの視点になります。

 

 

GNP分析で得られた相手の問題こそが、相手が聞きたいことですので、相手が聞きたいことだけを話し、それ以外のことは捨てればいいのです。

 

 

法律相談の際に、クライアントの悩みをGNPで分析してみます。

 

 

3 相手にとっての良さを考える

 

 

3点目は、相手にとっての良さを考える、です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相手にとって、自分が提供する商品やサービスが良いと理解してもらわないと、相手は、話を聞いてくれません。

 

 

ここでは、相手にとっての良さを言語化する、SFV話法が効果的です。

 

 

Scene 相手が製品を利用しているシーン

 

 

Fact 製品の機能や特徴

 

 

Value 相手が得られる価値

 

 

私の弁護士としてのサービスをSFVにあてはめてみます。

 

 

S 労働問題で困っている人

 

 

F 労働問題に関する豊富な専門知識と解決事例を有している徳田弁護士

 

 

V 3つの安心

 

 

①解決までの道筋が見える安心

解決までにどのようなステップで進んでいくのか全体像が分かります。

 

 

②最短最速で解決できる安心

専門家のアドバイスのもと、効率よく、事件解決に進めるので、時間を節約でき、ストレスも軽減されます。

 

 

③解決事例が多い安心

同じような事例で解決実績が豊富なので、有利に交渉や裁判を進めることができます。

 

 

このVを言語化するのが難しいです。

 

 

このVを言語化するためには、次の質問を自分に投げて、考えて、文字にすることが効果的です。

 

 

①相手のことを考え抜く

 

 

・相手は何に困っているのか?

 

 

・相手の抱えている問題は何か?

 

 

・相手のやりたいことは何か?なぜ行動できないのか?

 

 

・どんな不安があるのか?

 

 

②あなたの解決法で得られる未来は?

 

 

・これをやるとどんなバラ色の未来になるか?

 

 

・これをやるとどのくらい楽ちんになるか?(何をやらずにすむか)

 

 

・楽になったら何ができるか?

 

 

・やらなかったらどんなリスクがあるか?

 

 

③相手は、簡単に、すぐ、結果が欲しい

 

 

・相手にとってめんどくさいことは何?

 

 

・相手のためにめんどくさいことをどれだけやれる?何を引き受ける?

 

 

・相手のどの部分の労力を減らせる?

 

 

・相手は何をすればいいだけ?

 

 

Vについては、自分だけではみつけにくいので、他の誰かに上記の質問をしてもらい、思考を重ねないと、でてこないものです。

 

 

常日頃、顧客は何を求めていて、どうなりたいのかを考え、顧客に聞いてみたいと思います。

 

 

顧客リサーチの大切さを実感できました。

 

 

以上、松尾由紀子先生のロジカルスピーチ講座第2講での気付きを紹介させていただきました。

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ロジカルスピーチ講座第1講での気付きを紹介します

1 ロジカルスピーチ講座での気付き

 

 

松尾由紀子先生のロジカルスピーチ講座第1講を受講しました。

 

 

Voicyパーソナリティの朝倉千恵子先生が、男性も受講可能な、スピーチの講座であると、ご紹介されていて、私は、スピーチの技術を向上させることを目的に受講を決意しました。

 

 

ロジカルスピーチという講座の名前のとおり、論理的に分かりやすく話す技術を、ふんだんに教えていただきました。

 

 

今回は、ロジカルスピーチ講座第1講を受講して、私が得た気付きを3つご紹介します。

 

 

1点目は、人に伝わらないのはどうしてか?、2点目は、人に伝えるためにはどうすればいいのか?、3点目は、話の地図の作り方とは?、の順番でご紹介します。

 

 

1 人に伝わらないのはどうしてか?

 

 

1点目は、人に伝わらないのはどうしてか?です。

 

 

 

その理由は、人は話を聞いていないからです。

 

 

人は、自分に興味のある話しか聞けないので、自分に興味がない話と判断されてしまうと、話を聞いてもらえないのです。

 

 

私も、自分に興味がない話を妻からされると、聞いたフリをして、聞いていないことがほとんどです(笑)。

 

 

では、どうすれば、人は話を聞いてくれるのでしょうか。

 

 

まずは、言葉の量をコントロールしましょう。

 

 

私達は、自分が伝えたいことを、相手のことを考えずに、そのまま「わー」と話してしまいます。

 

 

これでは、相手が受け取る情報量が多すぎて、相手は理解できず、話を聞くことをあきらめてしまいます。

 

 

そこで、相手の理解度に応じた情報量を伝えることを意識します。

 

 

「1文1内容6秒」で言い切るのが効果的です。

 

 

ようするに、1文を短くして、相手が受け取りやすい分量で話すとよいのです。

 

 

また、「ここまでの内容は理解できましたか?」と相手に確認するのも効果的です。

 

 

次に、「◯が~です」と2語のズバリ言葉で話すといいです。

 

 

例えば、「しっかりやります」と言った場合、聞き手は、「しっかり」ってどういうこと?と疑問に思います。

 

 

このような、ピントがボケた言葉を使用すると、相手に自分の真意が正しく伝わらないのです。

 

 

「しっかりやります」を、「私が売上目標を達成します」と言い換えれば、意味が明確になり、伝わります。

 

 

そして、話に相手を登場されるのがよいです。

 

 

相手は、自分に興味がある話しか聞いてくれないので、話に相手を登場させて、相手に興味をもってもらうのです。

 

 

例えば、「この講座では、論理的に分かりやすく説明できる技術が身につくので、話がわかりにくいと同僚から言われる~さんにとって、役に立ちますよ」と話せば、ただ講座の中身を説明するだけよりも、相手は、講座のことに興味をもってくれます。

 

 

このように、「機能+バラ色の未来または痛みの軽減」=行動喚起につながるのです。

 

 

2 人に伝えるためにはどうすればいいのか?

 

 

2点目は、人に伝えるためにはどうすればいいのか?です。

 

 

 

人は話を聞いていないのですから、伝わらないことを前提に、相手にどのように伝えるかを考えます。

 

 

すなわち、相手の頭の中はホワイトボードなので、頭の中のホワイトボードにどのように絵を描くかを意識する必要があるのです。

 

 

そのために、効果的なのは、次の4つです。

 

 

①数字で伝える(共通の物差しである数字を使うことで、相手は理解してくれます)

 

 

②思い込みで省略しない(相手が分かっていると思わずに、なるべく言語化して、相手と情報を共有します)

 

 

③伝える順番を考える(大きい話をしてから、小さい話をする、ざっくり伝えてから、細かく伝える)

 

 

④タイトルに動詞を加える

 

 

例えば、「~について」というタイトルでは、内容が広すぎて、相手は、何をすればいいのか分からなくなります。

 

 

「~について報告する」とすれば、「報告する」という動詞がはいることで、相手に伝えたいことが明確になります。

 

 

私は、タイトルに、「~について」と記載することが多かったので、これからは、タイトルに動詞をいれます。

 

 

4 話の地図の作り方とは?

 

 

3点目は、話の地図の作り方とは?です。

 

 

 

話の地図とは、話す前に、頭の中で、話す内容を整理し、どの順番で話すと相手に伝わるかを考えることと、私は、理解しました。

 

 

話の地図の作り方は、次の4つのステップをふみます。

 

 

ステップ1 話を大きく分ける。

 

 

自分が相手に伝えたいことが複数あれば、その複数の伝えたいことを分けます。

 

 

例えば、会議で伝えたいことを、時間や場所が変更になったこと、持ち物、会議終了後に電気を消して欲しいこと、のように3つに分けます。

 

 

ステップ2 ラベルを付ける

 

 

時間や場所が変更になったこと→変更事項、持ち物→依頼事項、会議終了後に電気を消して欲しいこと→注意事項というように、情報のかたまりにラベルをつけます。

 

 

この時に、「~事項」というように、言葉をパッケージにすると、音としても、相手に理解されやすいです。

 

 

ステップ3 数字を伝える

 

 

相手に、これから3つのことを伝えますと話すと、相手の頭に3つの引き出しができます。

 

 

相手は、この頭の中の引き出しに、3つの情報をインプットしてくれます。

 

 

その結果、相手の頭の中が整理されて、相手が理解してくれるのです。

 

 

ステップ4 伝える順番を考える

 

 

①最初に結論を言い、②伝える項目と数を伝え、③項目ごとに話し、④最後に結論を繰り返します。

 

 

例えば、今回のブログも、①結論(ロジカルスピーチ第1講を受講した気付きを伝えます)、②1点目は、人に伝わらないのはどうしてか?、2点目は、人に伝えるためにはどうすればいいのか?、3点目は、話の地図の作り方とは?、③1点目、2点目、3点目の解説、④結論の繰り返し、という構成で作成しました。

 

 

話の地図を作ってから、伝えると、驚くほど、相手に伝わりやすくなるので、おすすめです。

 

 

私は、今後、普段の業務において、話の地図を作って、分かりやすく説明します。

 

 

以上、松尾由紀子先生のロジカルスピーチ講座第1講での気付きを紹介させていただきました。

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

管理職は残業代をもらえないのか?【弁護士が解説】

1 管理職は残業代がゼロなの?

 

 

Q:会社である部門の部長をしています。会社からは、部長になったら、残業代はでないと説明を受けましたが、給料がそれほど高いわけではないので、納得がいきません。部長になると、残業代は支払われないものなのでしょうか。

 

 

 

A:労働基準法の「管理監督者」に該当しないならば、部長などの管理職であっても、会社に対して、残業代を請求することができます。

 

 

今回は、労働基準法の管理監督者について、

①残業代を請求するには

②管理監督者とは

③管理監督者3つの判断基準

という順番で、分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

 

 

2 残業代を請求するにはどうすればいい?

 

 

まずは、①未払残業代を請求する方法について解説します。

 

 

 

労働者が会社に対して、未払残業代を請求するためには、労働者が労働日に、何時から何時まで働いたのかを、証拠に基づいて証明しなければなりません。

 

 

そのため、未払残業代請求事件では、労働時間を証明できる証拠を、いかに確保できるかが重要になります。

 

 

労働時間を証明できる証拠としては、タイムカード、パソコンのログデータ、入退館記録、日報、スマホのGPS機能等が、実務でよく利用されます。

 

 

これらの証拠をどうやって集めるかを検討することから始めます。

 

 

会社を退職した後は、これらの労働時間を証明できる証拠を集めることが難しくなるので、できるならば、在職中に証拠を集めることをおすすめします。

 

 

具体的には、タイムカードをコピーする、パソコンのログデータを保存する、スマホのGPS機能で労働時間を記録するといったことを、在職中にしておくのがいいです。

 

 

そして、労働時間を証明できる証拠を確保したならば、弁護士に相談して、残業代を計算してもらい、残業代を請求するかを検討します。

 

 

残業代の計算は複雑なので、弁護士に残業代の計算を依頼することをおすすめします。

 

 

さらに、未払残業代の時効は3年ですので、なるべく多くの残業代を請求するためには、早目に時効をとめる必要があります。

 

 

例えば、2023年9月に残業代を請求する場合、2020年9月から2023年9月までの3年間分の未払残業代を請求できます。

 

 

3年間分の未払残業代を請求すると、けっこう高額な残業代になることがあります。

 

 

もっとも、2023年9月から、2023年10月になれば、3年前の2020年9月の残業代が時効で消滅します。

 

 

このように、残業代は、翌月になると、3年前のものが時効で消滅するので、時効をとめるために、「~から~までの未払残業代を含む全ての未払賃金を請求します」と記載した請求書を、特定記録郵便で会社に送付します。

 

 

この請求書が会社に届いてから、6ヶ月以内に、会社に対して、未払残業代請求の訴訟を提起する、若しくは、労働審判の申立てをすれば、時効は、完全にとまります。

 

 

まとめますと、①労働時間を証明できる証拠を確保して、②残業代を計算して、③会社に残業代の請求書を送付します。

 

 

3 管理監督者とはどんな人?

 

 

次に、②管理監督者について解説します。

 

 

労働基準法41条2号の「監督若しくは管理の地位にある者」に該当すれば、労働基準法の残業代の規定が適用されなくなります。

 

 

すなわち、労働基準法の管理監督者に該当すれば、残業代は0円になるのです。

 

 

 

なぜこのような規定ができたのかといいますと、経営者と一体的な立場で、労働時間に関する規制の枠を超えて活動しなければならない企業経営上の必要から、管理監督者には、労働基準法の残業代の規定の適用が除外されているのです。

 

 

ようするに、労働者ではない、経営者と同じような立場であれば、待遇もよく、労働基準法の労働時間の規制になじまないので、残業代を支払わなくても、問題ないとされているのです。

 

 

このような条文の趣旨から、管理監督者とは、労働条件その他労務管理について、経営者と一体的な立場にある者と定義されます。

 

 

言い換えれば、重要な職務と責任を有し、現実の勤務態様も、労働時間の規制になじまないような立場にある者をいいます。

 

 

そのため、管理監督者の判断にあたっては、資格や役職の名称にとらわれることなく、職務内容、責任と権限、勤務態様に着目する必要があり、管理監督者の地位にふさわしい待遇がされているかについて検討します。

 

 

4 管理監督者の3つの判断基準

 

 

最後に、③管理監督者3つの判断基準について解説します。

 

 

 

判断基準の1つ目は、経営者との一体性です。

 

 

これは、事業主の経営上の決定に参画し、労務管理上の決定権限を有していることです。

 

 

この判断基準は、次の3つの事情を総合考慮します。

 

 

①経営への参画状況

 

 

会社の経営会議等の事業運営に関する決定過程に関与し、どの程度の発言力・影響力を有していたかを検討します。

 

 

例えば、経営トップの一存で経営方針が決められており、当該管理監督者とされている人が、経営方針の決定にほとんど影響力がない場合には、管理監督者とはいえません。

 

 

②労務管理上の指揮監督権

 

 

部下に関する採用、解雇、人事考課等の人事権限、部下らの勤務割等の決定権限の有無・内容について検討します。

 

 

当該管理監督者とされている人が、単に採用面接を担当しただけで、人事の意見を述べる機会が与えられるだけであれば、管理監督者とはいえません。

 

 

③実際の職務内容

 

 

マネージャー業務のみならず、部下と同様の現場作業・業務にも相当程度従事しているかを検討します。

 

 

ようするに、一般社員と同じ業務をたくさんしている場合には、管理監督者とはいえなくなるのです。

 

 

判断基準の2つ目は、労働時間の裁量です。

 

 

これは、自己の労働時間についての裁量を有していることです。

 

 

すなわち、労働時間がどの程度厳格に取り決められ、管理されていたのかを検討します。

 

 

例えば、タイムカード等で出退勤の管理がされていたか、遅刻・早退・欠勤の場合に賃金が控除されていたかといったことを検討します。

 

 

判断基準の3つ目は、賃金等の待遇です。

 

 

これは、管理監督者にふさわしい賃金等の待遇を得ていることです。

 

 

すなわち、労働時間の枠組みに縛られずに勤務しても、保護に欠けることのない待遇面での手当てが必要になります。

 

 

具体的には、一般社員との間に有意な待遇差があるか、賃金センサスの平均賃金との比較から、十分な待遇を得ていたと評価できるかを検討します。

 

 

以上解説した、管理監督者の判断基準について、裁判所は厳格に判断する傾向にあるため、管理職であっても、未払残業代請求が認められることはよくあります。

 

 

そのため、管理職であっても、未払残業代請求をあきらめずに、弁護士に法律相談をすることをおすすめします。

 

 

弁護士は、未払残業代請求について、適切なアドバイスをしてくれます。

 

 

また、未払残業代請求を含む労働問題について、You Tubeでも解説していますので、You Tubeもご覧ください。

 

 

https://www.youtube.com/channel/UCWJQX9xTgXZegEOHZUidsdw

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

一流の人は小さなご縁を大切にしている

1 ご縁を大切に

 

初対面で出会った人と仲良くなるにはどうすればいいのか。

 

 

素敵な人との出会いを今後も続けていくためには、どうすればいいのか。

 

 

このようなことで悩んだことはありませんか?

 

 

出会い運こそ、人生運というように、人との出会いやご縁は、行きていく上で、とても大切です。

 

 

そのような、人とのご縁をどのように作り、維持継続していくのかについて、

分かりやすく解説されているのが、弁護士高井伸夫先生の著書、

「一流の人は小さなご縁を大切にしている」という本です。

 

 

 

 

高井先生は、使用者側の労働事件のスペシャリストですので、

多くの顧問先を開拓し、維持してきた経験から、ご縁の大切さを、

この本を通じて、分かりやすく解説してくれています。

 

 

今回は、この本を読んで、私が気付いたことを3つご紹介させていただきます。

 

2 相手の話を真剣に聞く

 

1つ目は、まず相手の話を真剣に聞くことです。

 

 

 

私は、コミュニケーションの勉強を深めているところでして、

コミュニケーションの勉強をしていると、

話すことよりも、聞くことの方が重要視されています。

 

 

高井先生も、自己ピーアルよりも、相手がどんな話に興味を持っているかを知るために、

まずは相手の話を真剣に聞くべきであると、おっしゃっています。

 

 

人は自分に関心のあることしか聞けませんので、まず、

相手がどのようなことに関心を持っているのかを知るために、

相手の話を聞くことからはじめる必要があるのです。

 

 

この人の話を聞く際に、高井先生は、相手が自分には興味がない話題を話してきた際、

だからこそ知りたいという気持ちで聞くことが大切であると、おっしゃっています。

 

 

すなわち、自分には興味がない話であっても、好奇心を拡大させて、

どんな面白いことがあるのかと思いながら聞くと、

相手との関係がよくなり、自分の知識も増えて、一石二鳥です。

 

 

好奇心を拡張させることを意識したいです。

 

3 相手の美点を探す

 

 

2つ目は、相手の美点を探す習慣をつけることです。

 

 

 

ようするに、相手を観察し、良い点を褒めることです。

 

 

そのためには、相手のことを事前にある程度知っておく必要があります。

 

 

最近では、SNSが発達しているので、事前に、

相手のことや自分との共通項を調べておけば、

相手を褒めるポイントや相手が興味ありそうな話題を見つけて、会話が弾みます。

 

 

また、人を褒める時には、言葉が具体的であれば、相手も喜んでもらえます。

 

 

服装、笑顔、体格、持ち物、趣味など、

目についたものや話題になったことを、具体的に素晴らしいと伝えると、

相手との心の距離がぐっと縮まります。

 

 

これは、普段から意識していないとできないことです。

 

 

1日1回は、誰かを褒めることを心がけていきます。

 

 

4 信頼を獲得するには

 

 

3つ目は、人が信頼を失う三大要因です。

 

 

 

①嘘をつく

 

 

②時間を守らない

 

 

③言行不一致

 

 

確かに、嘘を平気でつく人は、信頼できません。

 

 

時間を守らない人は、相手の大切な時間を奪っていることに気づいていないので、

一緒にいたいとは思わなくなります。

 

 

言っていることと、やっていることが一貫していない人は、

この人の言っていることは当てにならないと、思われてしまいます。

 

 

どんな仕事でも、この人に任せておけば大丈夫という信頼がないと、

大きな仕事は任せてもらえないものです。

 

 

そのため、信頼を得るためには、

①嘘をつかない、②時間を守る、③言っていることと行っていることを一致させることが大切です。

 

 

弁護士は、信頼が命の仕事なので、この3つを大切にします。

 

 

人とのご縁について、深く分析され、

ご縁の大切さがよく分かる一冊なので、紹介させていただきました。

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

徳田弁護士の記事が弁護士ドットコムニュースに掲載されました11

徳田弁護士の記事が弁護士ドットコムニュースに掲載されました。

 

仕事中に熱中症を発症した場合、労災申請をしてください。

 

会社が熱中症対策をしていなかった場合、会社に対して、安全配慮義務違反の損害賠償請求ができる場合があります。

 

こちらのRULをご参照ください。

 

https://www.bengo4.com/c_5/n_16408/