2023年お盆休みのお知らせ

当事務所は、2023年8月11日から8月15日までの期間、休業します。

 

2023年8月16日から営業を再開します。

 

すごい運の育て方

1 感謝神経を鍛える

 

 

Voicyパーソナリティの朝倉千恵子先生が、Voicyでご紹介されていた、

「すごい運の育て方」というムック本を読みました。

 

 

 

ひすいこたろう先生と武田葉子先生の共著で、運を良くするために、

日常、どのような習慣を身につければいいのかが、

とてもわかりやすく解説されています。

 

 

運がいいか悪いかは、とても抽象的な概念であり、

本当にそんなことを信じられるのかと疑問に抱く方がいらっしゃるかもしれません。

 

 

私は、運の良さは、生きていく上で、

とても大切な要素であると理解していましたが、

運とはなんなのかを深く考えたことはありませんでした。

 

 

この本を読み、運の正体とは、心の状態であると知りました。

 

 

そのため、運を良くするためには、心の状態を良くすればいいのです。

 

 

運と言うと、偶然の要素が多いように思えますが、

自分の心の状態であれば、ある程度、自分でコントロールすることができそうです。

 

 

すなわち、喜びや感謝といったごきげんな心の状態にすることで、

運を引き寄せることができるのです。

 

 

この本では、自分の心をごきげんな状態にするための、

日常生活における、ちょっとした習慣が紹介されていますので、

私が、実践したいと思ったことを3つ紹介します。

 

 

1つ目は、感謝神経を鍛えることです。

 

 

日常生活の中にある、小さな幸せを見つけて、感謝するのです。

 

 

 

人は、つい、自分に無いものに目を向けてしまいがちですが、

実は、自分の周囲には、「ある」ものがいっぱいあるのです。

 

 

自分の周囲に「ある」ものに目を向ければ、

世の中には感謝することだらけであると気づきます。

 

 

例えば、私がこうしてブログを記載しているのは、

私の目の前にパソコンがあるからでして、

このパソコンが「ある」ことに感謝し、

このパソコンを作ってくれた人や会社にも感謝することができます。

 

 

このように、「ある」ことに気づくと、感謝の気持ちがわいてきます。

 

 

そして、感謝することを思いついたら、

「ありがとうございます。おかげさまで◯◯できています」と感謝してみるのです。

 

 

実際、「ある」ことに気づいて、感謝の気持ちを心の中でつぶやくと、

心が穏やかになり、感情が落ち着きます。

 

 

他にも、料理を食べる前に、

「この料理を作るためにどれだけの人がかかわっていたのだろう」と想像すると、

「ありがたい」という感謝の思いが芽生えます。

 

 

こうして、「ある」ことに気付いて、感謝していくと、

感謝神経が磨かれて、ごきげんに暮らせるようになるのです。

 

 

日常生活で、「ある」ことに気付いて、感謝していきます。

 

 

2 自分を褒める

 

 

2つ目は、自分を褒めることです。

 

 

 

自分のことを自分で褒められるようになると、

自分で自分の機嫌をとることができるようになります。

 

 

すると、相手のいいところも褒められるようになり、

他の人から愛されて、運がよくなるのです。

 

 

そう、まずは、自分を褒めることから実践するのです。

 

 

最近、私は、仕事が忙しい中、家族のために、洗濯等をしているとき、

「本当にお前はがんばっている」と自分を褒めて、自己肯定感を高めています。

 

 

家事をしている自分を褒めるのは、とても効果的です。

 

 

また、鏡の前で、最高の笑顔を作り、鏡の自分に対して、

「愛しているよ」、「大好きだよ」「がんばっているね」

と声をかけることもいいようです。

 

 

これは、予祝という、前祝いすることで、

その願いを引き寄せる、やり方なのです。

 

 

鏡の自分に話しかけるので、

自分に肯定的な自己暗示をすることにもつながります。

 

 

お風呂でやるのがよいようです。

 

 

毎日、鏡の前で、笑顔を作り、自分に肯定的な言葉を投げかけてみます。

 

 

3 自分をゆるす

 

3つ目は、自分を許すことです。

 

 

 

自分を許し、責めないことは、自分でいることが心地よく、

くつろげる状態になれます。

 

 

私は、ネガティブなことを考えたとき、自分を責める傾向にあります。

 

 

そのように、何か嫌な気持ちになったときには、

「~と思った自分を受け入れ、認め、許し、愛しています」

と心の中でつぶやくといいのです。

 

 

例えば、今日会う人に本当は会いたくないと思ったとしても、

「今日はあの人に会いたくないなぁと思った自分を受け入れ、認め、許し、愛しています」とつぶやくことで、

自分のネガティブな思いが緩和されます。

 

 

なにか、モヤモヤした思いになって、自分を責めるときには、

「~と思った自分を受け入れ、認め、許し、愛しています」とつぶやいてみます。

 

 

このように、運を良くするための、日常生活における、

実践しやすい習慣がたくさん紹介されていますので、

運をよくしたい方には、必見の本です。

 

 

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。

預金残高391円だった僕が資産10億円になれたお金の引力

1 お金持ちになるには身近な人を大切にするべき

 

 

末岡由紀先生の著書

「預金残高391円だった僕が資産10億円になれたお金の引力」を読みました。

 

 

 

最近、お金に関する知識が重要になってきており、

お金の本がたくさん出版されておりますところ、

この本は、年収450万円以下、年収2000万円、年収1億円の各段階における、

マインド、仕事、お金について、どのような対処をすればよいかについて、

具体的に解説されておりますので、とてもわかりやすく勉強になります。

 

 

今回は、私がこの本を読んで得た気づきを3つご紹介します。

 

 

1点目は、お金持ちになるためには、家族を大切にすることです。

 

 

 

お金持ちになるためには、家族を犠牲にしてでも、

稼ぐ必要があるのではないかと思いがちですが、違うのです。

 

 

末岡先生は、自分一人ではお金を稼ぎ続けることはできず、

他者の存在があるからこそ,稼ぎ続けられるとおっしゃっています。

 

 

確かに、自分一人のためだけですと、がんばり続けることはできませんが、

家族がいると、家族のためにがんばることができます。

 

 

特に、男性はこの傾向が強い気がします。

 

 

男性は、家族のためにというモチベーションがあるからこそ、

仕事をがんばれるという側面があります。

 

 

そして、家族関係がうまくいっていないと仕事にも支障が生じます。

 

 

私は、弁護士として、離婚事件を担当しているところ、

離婚という人生最大のストレスによって、

仕事の調子が悪くなっている人をたくさんみてきました。

 

 

そのため、身近な家族には思いやりを持ち続けることが大切で、

家族の存在に感謝することが必要です。

 

 

この本では、身近な人を大切にすることが、

お金持ちに必要な資質であると、繰り返し、強調されています。

 

 

毎日、家族に感謝を伝え続けていきます。

 

 

2 資産にフォーカスする

 

 

2点目は、資産にフォーカスする、です。

 

 

資産とは、自分が働き続けなくても収益をもたらす可能性のあるビジネス、

株、債券、投資信託、不動産、音楽・美術・書籍等の著作権のことです。

 

 

 

収入は使ってしまえばなくなりますが、

資産は、持っていれば、利益を生み出し続けてくれます。

 

 

そのため、年収にこだわるよりも、資産に目を向けることの方が重要なのです。

 

 

末岡先生は、お金持ちになる前から、

日常的に資産にフォーカスしていたからこそお金持ちになれると、

おっしゃっています。

 

 

資産性の高いものである、情報、人、書籍、環境に

フォーカスすることが重要であると、末岡先生はおっしゃっています。

 

 

よい本から良い情報を知識に変え、良い環境で良い人と出会うことで、

人生の資産を増やしていることが重要なのだと思います。

 

 

私は、この本を読むまでは、年収ばかりに気を取られていましたが、

これからは、資産を増やしていく思考をしていきます。

 

3 美しいお金の使い方

 

 

3つ目は、お金の美しい使い方です。

 

 

お金が世の中にきれいに流れるように使うのです。

 

 

昨年、私は家を建てました。

 

 

家を建てるには、銀行からお金を借りて、住宅メーカーと請負契約を締結し、

多くの職人さんが家造りに関わってくれました。

 

 

初めて、家を建てる経験をして、自分のお金で、

多くの方々の仕事が回っていることを実感しました。

 

 

お金は使って、動かした時にだけ、価値が生まれると実感できました。

 

 

お金がうまく世の中に流れると、関わる人が豊かになるのです。

 

 

自分だけ儲かればいいという考えから、

いかに周囲の人を豊かな循環に巻き込むかという考えになれるのです。

 

 

お金をきれいに流すことを意識します。

 

 

お金の美しい使い方のもう一つは、寄付をすることです。

 

 

 

この本を読むまでは、ありま寄付をしていなかった私ですが、

飲食店で、募金箱を見つけると、おつりを募金箱にいれるようにしました。

 

 

すると、店員さんから、尊敬の眼差しで、ありがとうございますと、

感謝を伝えられ、なんとも嬉しい気持ちになります。

 

 

また、なんとなくいいことをしたという自己肯定感が向上します。

 

 

これからも、少額の寄付をしてみます。

 

 

お金持ちになるために大切なことが記載されている名著ですので、

お金持ちになりたい方は必読の本だと思います。

 

 

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

人は聞き方が9割

1 笑顔の先出し

 

 

永松茂久先生の「人は聞き方が9割」の本を読みました。

 

 

 

Voicyパーソナリティの朝倉千恵子先生が、

永松茂久先生の最新刊をご紹介されており、

それがきっかけで永松先生の著書を読むようになり、

永松先生のファンになりました。

 

 

そして、私は、弁護士として、

コミュニケーション能力を向上させようと勉強している最中ですので、

人の話を聞くスキルをたんさん学べる、この本は、とても勉強になりました。

 

 

今回は、「人は聞き方が9割」の本から、私が得た気づきを3つご紹介します。

 

 

1つ目は、笑顔の先出しです。

 

 

永松先生は、「リアクション美人」こそが、

人に好かれる聞き方であるとおっしゃっています。

 

 

リアクション美人の人は、笑顔の先出しをしています。

 

 

 

すなわち、初対面では、まず先に笑顔を出すことを常に心がけることです。

 

 

当たり前ですが、人は、笑顔の相手には、自然と心を開くようになります。

 

 

私は、コミュニケーションの勉強をはじめて、

作り笑顔のトレーニングをしているうちに、自然と笑顔を出せるようになり、

相手によい印象を与えることができるようになりました。

 

 

この本には、笑顔をつくる際には、

眉間を大きく開くことを意識することが記載されていました。

 

 

確かに、笑顔になるときには、眉間が開いています。

 

 

眉間を開放することを意識していきたいです。

 

 

「世界の共通言語、それは英語ではなく笑顔だ」

というキャッチコピーがあるとおり、

これからも、相手に笑顔をプレゼントしていきます。

 

 

2 相手に体を向ける

 

 

2つ目は、相手にへそを向けて話を聞くです。

 

 

相手にへそを向けるということは、話し手に自分の体を向けることを意味し、

それは、相手に対して心を開いており、

相手に意識を向けているという心理的ボディーアクションなのです。

 

 

 

私は、パソコンを向いて仕事をしている時に、

事務員に声をかけられたときに、パソコンを向いたまま、

会話していたときがありました。

 

 

これでは、事務員は、私が話を聞いているのか不安になってしまいます。

 

 

そこで、これからは、パソコンで仕事をしている時に話しかけられた時には、

一旦パソコンの作業の手を止めて、話し手に対して、

体を向けて、話を聞くようにします。

 

 

また、話を聞く時の姿勢ですが、相手に好印象を持ってもらうためには、

少しでも前傾姿勢を意識するのがいいようです。

 

 

前傾姿勢になると、前のめりになって、相手の話に興味があるので、

もっと聞かせてくださいというメッセージが届くわけです。

 

 

人の話を聞く際の姿勢に気をつけたいと思います。

 

 

3 嫌われない聞き方

 

 

3つ目は、嫌われない聞き方です。

 

 

人に好かれる聞き方も大事ですが、まずは、

相手に嫌われない聞き方ができるようになっていなければ、

人間関係は良好になりません。

 

 

嫌われない聞き方の一つに、自分の常識を押し付けないというものがあります。

 

 

私は、ついつい、身近な関係性の人に対して、

自分の正論を押し付けてしまう傾向があります。

 

 

でも、自分の正論を押し付けて、いいことはありません。

 

 

 

だいたい、関係が悪化します。

 

 

人には、それぞれ、大切にしている価値観があるので、

相手の価値観を尊重せずに、自分の価値観を押し付けると、

人間関係は悪くなるだけなのです。

 

 

永松先生は、自分の価値観を言っていいのは、

「ねえ、あなたはどう思う」と聞かれた時だけだとおっしゃっています。

 

 

自分の価値観を押し付けないように、くれぐれも気をつけたいです。

 

 

もう一つ、嫌われない聞き方として、

答えや解決策をはじめから言わないというものがあります。

 

 

人は誰かに相談する際、解決策を知りたい場合と、

ただ自分の気持ちをわかってほしい場合があり、後者の場合がけっこう多いです。

 

 

相手の求めているニーズが異なっているのに、

いきなり答えや解決策を提示しても、相手は受け取ってくれません。

 

 

それに、人は、他人から言われたことよりも、

自分でみつけた答えに従って動きます。

 

 

そのため、相手が答えを見つけ出す、お手伝いをしたほうがいいときがあります。

 

 

そのような時には、「あなたはどうなったら嬉しい?」

という質問をするのが効果的です。

 

 

人は、感情の方が表現しやすいので、感情の質問をするのです。

 

 

仕事柄、私は、ついつい、すぐに解決策を提示してしまうので、

ぐっとこらえて、相手の答えを相手がみつける手助けをしていきます。

 

 

聞く力を身に着けて、コミュニケーション能力を向上させたい方におすすめの一冊です。

 

 

今回も最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。

日本一の大投資家から教わった人生でもっとも大切なこと

1 与えることの大切さ

 

朝倉千恵子先生のVoicyで紹介されていた書籍である、

本田晃一先生の「日本一の大投資家から教わった人生でもっとも大切なこと」

という本を読みました。

 

 

 

この本では、日本のウォーレンバフェットと呼ばれた、

大富豪である竹田和平先生の生き方や名言を、竹田先生の側で、

本田先生が聞き取ったことを、竹田先生とのエピソードを交えながら、

ユーモアたっぷりに紹介してくれています。

 

 

人が豊かに幸せに生きていくためのヒントがたくさんみつかる名著です。

 

 

今回は、この本を読んで、私が気付いたことを3つ、ご紹介します。

 

 

1つ目は、理想の師匠に出会う5つのステップです。

 

 

①成功していない自分も好きになる

 

 

②自分を育ててくれた人との関係を少しでも改善していく

 

 

③師匠から教えを引き出すコツを知っておく

 

 

④学んだことは、すぐに周囲の人に伝える

 

 

⑤行動したあとに師匠は現れる

 

 

人生の師匠といえる人との出会いによって、

自分の人生が好転する経験を、私もしてきました。

 

 

そのような師匠と出会えるためのコツが上記の5つのステップです。

 

 

このうち、③と④のプロセスにおいて、

自分よりも成功している人に対して、

「どうやったら、あなたのような生き方ができるのでしょうか?」

と質問してみます。

 

 

熱心に聞く姿勢を見せると、成功している人は、

こころよくアドバイスをしてくれます。

 

 

そして、聞いて学び取ったことを仲間に語るのです。

 

 

このプロセスを通じて、本田先生は、師匠と出会い、

人生が豊かになったとおっしゃっています。

 

 

私は、④のプロセスが印象に残りました。

 

 

ついつい、人間は、よい情報を入手すると、

独り占めしたくなってしまいます。

 

 

そうではなくて、有益な情報を仲間に分け与えるのです。

 

 

 

よい情報を仲間と共有していくと、不思議と運が味方してくれるようです。

 

 

そう、与えるということは、豊かに生きるうえで、重要なカギになるのです。

 

 

私の周囲でも、相手にとって有益な情報を惜しみなく与えている人は、

豊かで幸せな人生をおくっているようにみえます。

 

 

この本を読み、自分から相手に与える実践をしていきます。

 

2 天とは何か

 

 

2点目は、天という存在のことです。

 

 

竹田先生は、本田先生に対して、「天が見とると教わったよね」、

「お天道様の下を愉快に笑いながら堂々と歩きたかっただけがね」

と話したようです。

 

 

竹田先生は、天というものに、見守られているので、悪いこと、

せこいことはしてはいけないと自分を戒めていたのだと思います。

 

 

この天が見ているという考え方は、自分が誤った行動を起こさないための、

行動指針になります。

 

 

 

天に唾を吐けば、自分にかかってくる、と理解すれば、

今するべき正しい行動をとることができます。

 

 

それでは、天とは何か。

 

 

竹田先生は、本田先生に対して、「天は自分を愛してくれている」、

「空でも宇宙でも神様でも世界でもなんでもええんだわ。とにかく自分を幸せにしてくれる存在だがね」とおっしゃったようです。

 

 

天とは、自分を愛して、幸せにしてくれる、

見えないが、確かに存在している不思議なものなのでしょうか。

 

 

この存在を信じる信じないは、人それぞれだと思いますが、

私は、この天という存在を信じている人間の一人です。

 

 

天に愛されていると信じていれば、不思議と、

肯定的な考え方に切り替えることができ、運気が磨かれている気がします。

 

 

天という存在を、日常意識しながら生活してみると、運がよくなる気がします。

 

3 自分は尊いと自覚する

 

 

3点目は、尊いことです。

 

 

本田先生は、竹田先生と共に過ごしていて、

「尊い」というキーワードがインパクトが大きかったとおっしゃっています。

 

 

仕事をしていると、理不尽な出来事に巻き込まれて、嫌になることがあります。

 

 

そんな時に、「自分も尊いとしたら?」と、自分に問いかけてみます。

 

 

すると、自分の仕事が人の役に立っている面に目がいき、

仕事に対する意欲が芽生えます。

 

 

私の場合、無料の法律相談の対応をしていると、

自分の大切な時間が削られて、損をした気持ちになることがあるのですが、

相談してこられた人の人生の役に立っていると考えれば、

自分の仕事の尊さを実感できて、心が豊かになります。

 

 

自分または、自分の仕事を尊いと自分で認識することは、

生きていく上で、大切なことだと思います。

 

 

このように、人生をよりよく生きるためのヒントが、

ユーモアたっぷりにわかりやすく記載されていますので、

多くの人に読んでもらいたい一冊です。

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。

残業代請求の裁判におけるタイムカードの重要性【弁護士が解説】

1 労働時間の証明

 

 

会社で長時間労働をしているのに、残業代が支払われていません。

 

 

残業代が支払われないので、

タイムカードを打刻したり、打刻しなかったりしています。

 

 

 

タイムカードに打刻漏れがある場合でも、

未払残業代請求をすることができますか。

 

 

結論から先に言いますと、タイムカードの打刻漏れ部分を、

その他の証拠で補強できるならば、未払残業代請求は可能です。

 

 

今回は、未払残業代請求における、

タイムカードの重要性について解説しますので、

ぜひ最後までお読みください。

 

 

まずは、労働時間の証明について、解説します。

 

 

残業代請求事件においては、労働者が、

自身の労働時間を証明しなければなりません。

 

 

すなわち、日ごとに、始業時刻と終業時刻を特定し、休憩時間を控除して、

何時間何分労働したのかを、労働者が特定しなければならないのです。

 

 

ということは、労働者が、自身の労働時間の証明ができなかった場合、

裁判において、残業代請求が認められない、という結果になってしまうのです。

 

 

逆に言うと、労働者が、労働時間の証明ができれば、

会社からの反論が認められる余地は少なく、

結果として、残業代請求が認められることが多いです。

 

 

例えば、残業代請求の裁判では、会社から、

管理監督者という反論がよくありますが、

労働基準法における管理監督者の要件は厳しく、

管理監督者という会社の反論が認められないことが多いです。

 

 

そのため、労働時間の証明ができれば、

ある程度の残業代請求が認められる可能性が高いことから、

労働時間をどうやって証明するのかが、とても重要になるのです。

 

 

ちなみに、厚生労働省が、労働時間の適正な把握のために

使用者が講ずべき措置に関するガイドラインを公表しております。

 

 

このガイドラインには、会社は、労働時間を適正に把握するなど、

労働時間を適切に管理する責務を有していると規定されています。

 

 

このように、会社は労働時間把握義務を負っていることからすれば、

労働時間の証明責任は会社にあると言いたいところですが、

裁判実務では、労働時間の証明責任は労働者が負っていることになっています。

 

 

2 タイムカードの重要性

 

 

次に、タイムカードの重要性について解説します。

 

 

 

タイムカードの打刻により、打刻時刻が機械的に印字されるので、

タイムカードの打刻時刻は、労働者の出勤時刻及び退勤時刻を

ほぼ正確に示すものといえ、タイムカードは、

労働者の労働時間を端的に立証する信用性の高い証拠といえます。

 

 

そのため、特段の事情がない限り、タイムカードの記録どおりに、

労働者が労働を開始し、労働を終了したと事実上推定されます。

 

 

すなわち、会社が、タイムカードに記録された時刻に労働していなかったという、

特段の事情について、主張と立証ができなかった場合には、

タイムカードに打刻された始業時刻から終業時刻まで働いていたと

認定されるのです。

 

 

もっとも、タイムカードに打刻漏れ等がある場合には、

この時刻からこの時刻まで働いていたと正確に記録されていませんので、

他の証拠で補強する必要があります。

 

 

具体的には、パソコンのログやメールの送信時刻、

入退館記録、同僚の証言などの証拠で、労働時間の証明を補強します。

 

 

3 残業代請求をするための準備

 

 

最後に、残業代請求をするための準備について、解説します。

 

 

 

①タイムカードは、超重要な証拠なので、正確に打刻するべきです。

 

 

タイムカードを正確に打刻していないと、

労働時間を証明することができず、

残業代請求が認められないというリスクがあります。

 

 

会社から残業するなら、タイムカードを打刻した後にするように言われても、

このような業務命令に従ってはいけません。

 

 

このような業務命令は、先ほど紹介した、

会社の労働時間把握義務に違反する違法なものですので、

従う必要はなく、最後まで働いた時刻で、タイムカードを打刻してください。

 

 

もっとも、会社からの、タイムカードを打刻後に残業する命令が厳しかったり、

そもそも、タイムカードがない場合には、

グーグルマップのタイムラインを利用するなどして、

自分で労働時間を記録してください。

 

 

グーグルマップのタイムライン以外にも、スマホのGPS機能を利用して、

自分で労働時間を記録するアプリがありますので、それらを利用して、

自分で労働時間を記録するべきです。

 

 

自分の身は自分で守るのが基本です。

 

 

②退職する前に、労働時間の証拠を確保するべきです。

 

 

退職する前であれば、タイムカードをコピーする等して、

証拠を確保することは、比較的容易ですが、退職した後に、

労働時間を証明するための証拠を確保するのは、手間がかかります。

 

 

残業代請求の時効は3年なので、3年間分の残業代請求ができるので、

退職する前に、3年間分のタイムカードを確保するのが理想です。

 

 

退職した後に、労働時間の証拠を会社に開示するように求めた場合、

会社が労働時間の証拠を破棄するリスクがあります。

 

 

私が過去に経験した事件では、退職後に、

労働時間が記載されている業務日報の開示を会社に請求したところ、

会社からは、業務日報が見つからないので、だせないと回答がありました。

 

 

会社は、労働時間の記録を保存しなければならないのですが、

労働時間の記録がないのであれば、労働時間の証明責任が労働者にあることから、

残念ながら、残業代請求は認められません。

 

 

そのため、退職する前に、労働時間の証拠を確保しておくべきなのです。

 

 

③残業代請求について、弁護士に相談してください。

 

 

残業代の計算は複雑なので、弁護士に正確に計算してもらう必要があります。

 

 

また、残業代請求について、会社からどのような反論が予想され、

その会社の反論が認められる余地がどの程度あるのかについて、

弁護士は、見通しをアドバイスしてくれます。

 

 

そのため、未払残業代請求については、ぜひ、弁護士にご相談ください。

 

 

今回も、最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。

パワハラを理由とする解雇の対処法3選【弁護士が解説】

1 パワハラとは

 

 

会社から、あなたは部下に対して、

パワハラをしていたので、解雇しますと告げられました。

 

 

 

私は、パワハラをしていませんし、事前に会社から注意を受けたことはなく、

パワハラを理由とする解雇に納得できません。

 

 

このようなパワハラを理由とする解雇を争いたい場合、

どうすればいいのでしょうか。

 

 

結論から先に言いますと、会社から一度も注意されずに、

いきなり、パワハラを理由に解雇された場合、

解雇が無効になる可能性があります。

 

 

今回の記事では、パワハラを理由とする解雇の対処法について、

わかりやすく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。

 

 

まずは、パワハラについて解説します。

 

 

パワハラとは、①優越的な関係を背景とした言動であって、

②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、

③労働者の就業環境が害されることです。

 

 

この①~③の要件を満たすと、パワハラに該当するのです。

 

 

ここからは、①~③の要件を詳しく見ていきましょう。

 

 

①優越的な関係とは、

抵抗又は拒絶することができない蓋然性が高い関係をいいます。

 

 

具体的には、職務上の地位が上位の者による言動がこれにあたり、

典型的には、上司と部下の関係です。

 

 

②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものという要件が、

実務では一番問題となります。

 

 

この要件で、違法なパワハラと適法な業務指導とを線引しますが、

この判断が難しいのです。

 

 

厚生労働省は、パワハラ指針というものを策定しました。

 

 

このパワハラ指針において、②の要件の

「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」

がどのようなものかが記されています。

 

 

パワハラ指針では、②の要件について、

社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、

または、その態様が相当でないもの、と規定されています。

 

 

そして、パワハラ指針では、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動の例として、

次のものが挙げられています。

 

 

①業務上明らかに必要性のない言動

 

 

②業務の目的を大きく逸脱した言動

 

 

③業務を遂行するための手段として不適当な言動

 

 

④当該行為の回数、行為者の数等、

その態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える言動

 

 

これでもまだ抽象的です。

 

 

結局のところ、言動の目的、被害者の落ち度、

言動の回数や継続性、被害者と加害者の関係等を総合考慮して、

違法なパワハラか否かを判断するので、ケースバイケースとなります。

 

 

ちなみに、言葉の暴力で、裁判例で違法と認められたものとしては、

「殺すぞ」、「あほ」、「バカかお前は」、「能力がないから仕事ができない」

といったものがあります。

 

 

このように、労働者の人格や尊厳を否定する言動は、

違法なパワハラと認定されます。

 

 

他にも、必要以上に長時間にわたる厳しい叱責、

他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責も、

違法なパワハラと評価されます。

 

 

 

③労働者の就業環境が害されることとは、

労働者が就業するうえで看過できない程度の支障が生じることをいいます。

 

 

すなわち、パワハラを受けて、労働者の就業環境が不快なものとなり、

能力の発揮に悪影響が生じたことをいいます。

 

 

具体的には、パワハラのストレスによって、

体調を崩して、会社を休むことがこれにあたります。

 

 

③の要件については、平均的な労働者の感じ方を基準とします。

 

 

同じ状況で、当該言動を受けた場合に、

社会一般の労働者が、働く上で看過できなき程度の支障が生じたと、

感じるような言動かという基準で判断します。

 

 

2 パワハラを理由とする解雇

 

 

次に、パワハラを理由とする解雇について、解説します。

 

 

労働契約法16条において、解雇は、客観的に

合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、

無効とすると規定されています。

 

 

すなわち、解雇が有効になるためには、

①客観的合理的な理由があること、

②社会通念上相当であること、

の2つが要件を満たす必要があります。

 

 

ここからは、解雇の2つの要件について解説します。

 

 

 

①客観的に合理的な理由とは、要するに、労働者に、

解雇に値する落ち度があるのかとういことです。

 

 

まずは、労働者に、労働契約における債務不履行と

評価される理由があるかを検討します。

 

 

すなわち、会社との労働契約関係を終了させても、

しかたがないくらいの落ち度が、労働者にあるのかということです。

 

 

具体的には、労働者の能力が不足しているのか、

ハラスメントや横領など、懲戒処分されることをしたか、

うつ病によって、長期間休職して、復帰の見込みがないか、

などの解雇理由があるのかを検討します。

 

 

ようするに、労働者に、就業規則に規定されている

解雇理由があるのかを検討します。

 

 

パワハラを理由とする解雇の場合、

就業規則のパワハラをした場合の処分の内容を確認します。

 

 

次に、将来予測の原則です。

 

 

これは、労働契約における債務不履行と評価される理由が、

将来にわたって反復継続すると予測されるかを検討します。

 

 

例えば、パワハラが将来にわたって、

繰り返されるおそれがあったのかを検討します。

 

 

そして、最後手段の原則です。

 

 

これは、警告・指導、教育訓練、配置転換、休職など、

解雇を回避するための措置を講じても、

なお債務不履行状態が解消されない場合に、

解雇が許容されることをいいます。

 

 

例えば、解雇の前にパワハラに対する注意があり、

パワハラを改善する機会があったのかを検討します。

 

 

以上の3つの事情を総合考慮して、労働者の債務不履行の状態が、

労働契約を終了させてもやむを得ない程度に達している必要があり、

この程度に達していないで行われた解雇は無効になります。

 

 

②社会通念上の相当性とは、解雇という手段を選択することが、

労働者にとって過酷すぎないか、ということです。

 

 

例えば、本人の情状、他の労働者に対する処分との均衡、

反省の有無、弁明の機会の付与などを総合考慮して判断されます。

 

 

具体的には、これまで問題なく、優秀な成績をおさめていたのに、

今回たまたまミスをしてしまったという本人の情状、

同じミスをした労働者がいるのに、自分は、解雇で、

他の労働者は、減給だけで、処分が不平等である、

ミスを認めて真摯に反省している、

労働者の言い分を伝える適切な手続きがとられたか、

といったことを検討します。

 

 

ここまで説明した、2つの解雇の要件を満たすのは、

会社にとって、ハードルが高く、解雇が無効になることはあります。

 

 

3 パワハラを理由とする解雇の対処法3選

 

 

最後に、パワハラを理由とする解雇の対処法3選を解説します。

 

 

①パワハラ行為をしたのか否かを確認します。

 

 

 

ここでは、会社から解雇理由証明書の交付を受けて、

解雇理由証明書に記載されたパワハラ行為をしたのかを検討します。

 

 

そして、パワハラ行為についての証拠を

会社が持っているのかについても検討します。

 

 

例えば、会社が社内調査をしているのか、

被害者とされている人が録音をとっていたのか等について検討します。

 

 

もっとも、会社が持っている証拠なので、想像するしかありません。

 

 

その上で、パワハラ行為をしていない、

または、パワハラと評価できないと争えるかを検討します。

 

 

②過去にパワハラの注意や処分を受けたことがあるかを検討します。

 

 

これは、前述した、将来予測の原則と最後手段の原則から、

いきなりパワハラを理由に解雇する場合、

パワハラを反省させ、改善の機会を与えるべきだからです。

 

 

すなわち、事前の注意や処分がなく、いきなりパワハラで解雇した場合、

その解雇は、無効になる可能性があります。

 

 

③情状を考慮できるかを検討します。

 

 

被害者に落ち度があって、つい厳しく叱責してしまったという、

パワハラをした労働者の動機や目的、過去に懲戒処分歴がなく、

優秀な成績を修めていたなどの、情状があれば、

パワハラの程度によっては、解雇は重すぎる処分であるとして、

解雇が無効になることがありえます。

 

 

パワハラや解雇でお悩みの場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。

 

 

弁護士は、パワハラや解雇について、適切なアドバイスをしてくれます。

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。

徳田弁護士の記事が弁護士ドットコムニュースに掲載されました10

徳田弁護士の給料の振込に関する記事が弁護士ドットコムニュースに掲載されました。

 

給料の振込先は、労働者が指定できるのです。

 

下記のURLにアクセスしていただきますと、記事を閲覧できます。

 

https://www.bengo4.com/c_5/n_16183/

解雇を争う時に失業保険を受給してもいいのか?【弁護士が解説】

1 失業給付とは

 

 

ある日突然、会社を解雇されました。

 

 

今回の解雇には納得がいかないので、解雇を争いたいです。

 

 

 

でも、当面の生活費が足りません。

 

 

そこで、雇用保険の失業給付の受給を考えていますが、

解雇を争う場合、失業給付を受給しても問題ないのでしょうか。

 

 

結論から先に言いますと、解雇を争って、

復職を求める場合には、雇用保険の基本手当の仮給付を受給し、

金銭解決を求める場合には、基本手当の本給付を受給します。

 

 

これから、解雇を争う場合の失業給付の受給について解説していきます。

 

 

失業給付とは、雇用保険の基本手当のことです。

 

 

雇用保険とは、労働者が失業したり、

雇用の継続が困難になったりした場合に、

労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、

その就職を促進することを目的とした、

国が運営する保険のことです。

 

 

ようするに、労働者が失業した時に、

生活が困窮しないように、国が失業給付を支給してくれる仕組みです。

 

 

労働者が解雇されれば、当然、賃金は支払われなくなります。

 

 

また、解雇を争う場合、裁判になることも多く、裁判になれば、

1年くらい時間がかかることから、解雇の解決には一定の時間がかかるのです。

 

 

そのため、当面の生活を維持するために、

雇用保険の失業給付を受給する必要があるのです。

 

 

ここで、雇用保険について説明します。

 

 

基本的に、雇用保険は、労働者を雇用している全ての事業所に適用され、

事業が開始された日に成立します。

 

 

そのため、会社が雇用保険の届出や保険料納付の手続を怠っている場合でも、

労働者は失業給付を受給できるのです。

 

 

次に、雇用保険の受給資格ですが、

解雇の場合は、離職日以前1年間に、

雇用保険の被保険者期間が通算6ヶ月以上あることが必要です。

 

 

ようするに、解雇された日から1年間に、

会社に6ヶ月間在職していたことが必要になります。

 

 

失業給付の受給期間については、原則として、

離職日の翌日から起算して1年間になります。

 

 

失業給付は、この受給期間内に、

所定給付日数に相当する日数分を限度として支給されるのです。

 

 

そのため、受給期間が経過した場合には、

給付日数が残っていたとしても、失業給付は支給されません。

 

 

失業給付を受給するためには、会社から離職票を受領し、

自己の居住地のハローワークに離職票を提出する必要があります。

 

 

会社から離職票を受け取った時には、

離職票に記載されている離職理由を、必ず、

チェックするようにしてください。

 

 

真実は解雇なのに、会社が、離職票の離職理由に、

自己都合退職と記載してくることがあります。

 

 

このような場合、離職票の下の欄に、

会社が記載している離職理由に対して、

労働者の異議の有無を記載する箇所がありますので、

「異議あり」にチェックして、ハローワークに提出してください。

 

 

また、会社が離職票を交付しない場合には、

ハローワークに相談して、ハローワークから、会社に対して、

早急に離職票を労働者に交付するように、指導してもらうのが効果的です。

 

 

ちなみに、解雇を争う場合、会社に対して、

働く意思があることを表明して、

労働者としての地位があることの確認を請求する関係上、

離職票を請求することは、退職を前提としているようで、

一見矛盾しているように見えます。

 

 

しかし、離職票は、当面の生活を支える失業給付を受給するために

必要になることから、解雇を争う期間の生活費のために、

やむを得ないことであり、離職票を請求することは、

解雇無効の主張と矛盾しません。

 

 

2 復職を求める場合

 

 

では、解雇を争い、復職を求める場合の失業給付の受給について

解説していきます。

 

 

 

解雇をされたとしても、どうしても解雇をした会社に戻りたい場合には、

解雇無効の主張をし、復職するために、

労働者としての地位があることの確認を請求します。

 

 

この場合、雇用保険の基本手当の仮給付の申請をします。

 

 

労働者が解雇を争っている以上、労働者の主張が認められた場合、

失業ではなかったことになるのですが、とりあえず失業と扱うことにして、

基本手当を受給させようという手続が仮給付です。

 

 

基本手当の本給付を受給すると、

求職活動をしてハローワークへの報告が必要になるのですが、

復職を求めているのに、別の会社で求職活動をするのはおかしいことになります。

 

 

基本手当の仮給付であれば、求職活動をしなくてもよいことになります。

 

 

そして、仮給付を受給した後に復職した場合、

仮給付を受けた基本手当を返還することになります。

 

 

もし、復職できなかった場合には、仮給付から本給付に変更すれば、

仮給付で受給した基本手当を返還する必要はなくなります。

 

 

この仮給付を受給するためには、

裁判所の受付印がある訴状等をハローワークに提出する必要がありますので、

仮給付を受給するまでには、多少時間がかかります。

 

 

3 金銭解決を求める場合

 

 

解雇には納得できないけど、解雇した会社に復職したいわけではなく、

一定額の金銭がもらえればいいと考える労働者は多いです。

 

 

 

そのような場合には、労働審判手続において、

解雇無効の主張をして、解雇日で合意退職し、

会社から解決金の支払いを受けるという内容の調停をすることが多いです。

 

 

解雇を争い、金銭解決を求める場合には、

基本手当の仮給付ではなく、本給付を受給すればよいです。

 

 

仮に、裁判において、判決で解雇無効となり、

会社から労働者に対して、未払賃金が支払われた場合には、

労働者は、この間に受給した基本手当をハローワークに返還すればいいのです。

 

 

他方、和解で、解雇日で合意退職したことにして、

会社から解決金を支払ってもらった場合、

会社から支給された金銭は、未払賃金ではないので、

労働者は、基本手当を返還しなくてよいことになります。

 

 

以上、まとめますと、解雇を争うときには、

基本手当の仮給付か本給付を受給して、

当面の生活費を確保して、生活を安定させるべきです。

 

 

解雇でお悩みの場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。

 

 

 

弁護士は、解雇について、適切なアドバイスをしてくれます。

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。

降格人事で役職・職位を引き下げられて、給料を減額されたときの対処法3選【弁護士が解説】

 

1 降格とは?

 

 

なんだか最近、会社の経営がうまくいっていないなぁと思っていたら、

突然、成績不振を理由に、部長から平社員に降格させられてしまい、

給料が3割減額されました。

 

 

 

私は、結果を残しているので、会社が主張している、

私の成績不振には納得がいきません。

 

 

このような場合、どうすればいいのでしょうか。

 

 

結論から先にいいますと、今回の降格が人事権の濫用に該当すれば、

降格が無効になり、会社に対して、従来の賃金との差額を請求できます

 

 

今回は、役職・職位の引下げの降格に納得できないときの争い方について、

解説します。

 

 

まず、降格には、いくつかの種類があります。

 

 

降格には、大きく分けて、①人事権の行使として行われる場合と、

②懲戒処分として行われる場合があります。

 

 

②懲戒処分としての降格には、厳しい規制がかせられています。

 

 

具体的には、就業規則に定められた懲戒事由に該当し、

降格の懲戒処分が、処分として重すぎないことが必要になります。

 

 

労働者の不祥事に対して、懲戒処分としての降格が重すぎる場合には、

懲戒処分としての降格は無効になります。

 

 

他方、①人事権の行使として行われる降格には、

大きく分けて2つの種類があります。

 

 

1つは、労働者の役職や職位の引下げによる降格で、

例えば、部長の役職を解き、平社員にする場合です。

 

 

もう1つは、資格・等級の引下げによる降格です。

 

 

具体的には、職能資格制度の資格の引下げによって、

賃金の引下げを行う場合と、職務等級制度の等級の引下げによって、

賃金の引下げを行う場合があります。

 

 

職能資格制度とは、労働者の職務遂行能力に着目し、

資格・等級を定め、これに応じて賃金額を定めるものです。

 

 

職務等級制度とは、労働者が担当している職務に着目し、

職務を職務価値に応じて分類し、各等級ごとに賃金の幅を定めるものです。

 

 

このように、降格には、いくつかの種類があり、
その根拠が何であるかによって、対処法が異なってきます。

 

 

2 役職・職位の引下げによる降格

 

 

ここからは、人事権の行使による降格のうち、

役職・職位の引下げによる降格について検討します。

 

 

 

会社は、労働契約において、

労働者の配置を決定・変更する人事権を有しています。

 

 

その結果、役職・職位の変更は、就業規則の根拠規定がなくても、

人事権に基づく会社の裁量によって行うことができます。

 

 

このように、会社には、人事権の裁量があり、

労働者の役職・職位の引下げをできますが、無制限にはできません。

 

 

すなわち、降格が人事権の濫用に該当する場合には、降格が無効になるのです。

 

 

では、どのような場合に、降格が人事権の濫用に該当するのでしょうか。

 

 

それは、次の3つの事情を総合考慮して決められます。

 

 

①会社側における業務上・組織上の必要性の有無及びその程度

 

 

例えば、仕事中の態度がとても悪く、

苦情がたくさんきていた役職者について、

その役職者をポストにつけておくことが組織上の観点からふさわしくない場合には、

業務上の必要性があると判断されます。

 

 

②能力・適性の欠如等の労働者側における帰責性の有無及びその程度

 

 

具体的には、会社が主張している労働者の能力不足があるかを検討します。

 

 

営業成績をあげてノルマを達成していたのに、

能力不足で降格する場合には、理由のない降格として無効に可能性があります。

 

 

③労働者の受ける不利益の性質及びその程度

 

 

これは、降格によって、賃金が減額されるので、

その減額の程度がどれくらいかということです。

 

 

裁判例では、部長から降格させられて、

役職手当5万円分が支給されなかったことで、

大きな不利益にあたると判断したものがあります。

 

 

当然、減額の金額が多くなれば、労働者の不利益が大きく、

降格が無効になりやすくなります。

 

 

3 役職・職位の引下げによる降格の対処法3選

 

 

最後に、役職・職位の引下げの降格の対処法について解説します。

 

 

1点目は、降格の根拠を確認することです。

 

 

最初に説明したとおり、降格には複数の種類があり、争い方が異なるので、

会社がどのような根拠で根拠を実施したのかを確認する必要があります。

 

 

降格の根拠を確認した上で、会社の主張に理由があるのかを検討します。

 

 

2点目は、人事権の濫用に該当するかを検討することです。

 

 

先程説明したとおり、降格が人事権の濫用に該当するかについては、

①会社の必要性、②労働者の落ち度、③労働者の不利益の

3つの事情を総合考慮しますので、この3つの事情を分析して、

降格が人事権の濫用に該当して、無効になるかを検討します。

 

 

3点目は、弁護士に相談することです。

 

 

 

人事権については、会社の裁量が広く、降格による賃金の減額について、

労働基準監督署は、動きにくいという事情があります。

 

 

すなわち、人事について、会社に裁量があるので、明確に、

労働基準法違反とはいいにくく、労働基準監督署は、

対応してくれないことが多いです。

 

 

そして、労働者が一人で交渉しても、

会社は一度決めた人事を変えることはありません。

 

 

ある労働者の役職を下げる場合、別の労働者を、

その空いたポストに異動させることがほとんどでして、

労働者の一存で、会社の人事を変えるのは、極めて困難です。

 

 

労働組合の団体交渉で解決できる場合がありますが、

残念ながら、労働組合がない会社も多いのが現状です。

 

 

そのため、労働審判等の裁判手続きでないと降格の解決ができないこともあります。

 

 

もっとも、降格が無効になっても、

従来の賃金との差額を請求することになるので、

請求する金額が少なく、弁護士費用との兼ね合いを検討する必要があります。

 

 

請求できる金額が少ないのに、弁護士費用に多くの金銭がかかる場合は、

費用対効果を十分に検討するべきです。

 

 

降格について、お悩みの場合には、弁護士にご相談ください。

 

 

弁護士は、降格について、適切なアドバイスをしてくれます。

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。