天才!~成功する人々の法則~

マルコム・グラッドウェル氏の

天才!~成功する人々の法則~」(勝間和代訳)

を読みましたので,アウトプットします。

 

 

 

 

樺沢紫苑先生も,藤原和博先生も,この本に記載されている

1万時間の法則」について紹介しており,

以前から気になっていたので読んでみました。

 

 

この本は,人はどうすれば成功するのかを,

過去の成功者の外部要因を徹底的に分析して,

天才は,本人の才能だけではなく,

才能を開花させるに至った経緯がもっとも重要である

と結論づけています。

 

 

まず,注目の「1万時間の法則」とは,どんな才能や技量も

,一万時間練習を続ければ本物になるというものです。

 

 

 

 

「世界レベルの技術に達するにはどんな分野でも,

一万時間の練習が必要だということだ」

 

 

「専門的な技能を極めるために必要なすべてのことを

脳が取り込むためには,それだけの時間が必要だというように思える」

 

 

もって生まれた才能よりも,圧倒的なたくさんの努力が重要なのです。

 

 

ビートルズは,ブレイクする前に,

ハンブルクのクラブで約1200回のライブを行い,

1万時間の演奏をして,演奏がうまくなっています。

 

 

ビル・ゲイツは,中学校時代に,無料でプログラミングを学ぶ

機会を与えられて,1万時間以上,プログラミング

に没頭していたようです。

 

 

技術が必要なものについての最低限の練習量は1万時間であり,

1万時間とは,おおむね10年ほどの期間となります。

 

 

そして,1万時間以上もの長時間にわたって

トレーニングを積むことができる機会を与えられることは,

とても素晴らしい「好機」を与えられていることなのです。

 

 

 

 

たとえ才能があったとしても,親が貧しいために,

単純労働をしなければならず,専門的な知識や技術を

1万時間学ぶ機会が与えられなければ,成功できないのです。

 

 

私は,法科大学院に通っていた3年間に,

1日約12時間勉強していたので,

12時間×363日×3年=13,140時間

勉強していたことになり,1万時間を超えています。

 

 

だから,司法試験に合格したのだと思います。

 

 

勉強時間だけで合格が決まるのではないですが,

司法試験に合格するためには,やはり1万時間以上の

勉強が必要なのだと思います。

 

 

そして,私は,大学卒業後に就職せずに,

法科大学院進学をサポートしてくれた

親が私に好機を与えてくれていたことに気づきました。

 

 

法科大学院で1万時間以上勉強できるという好機がなかったなら,

私は弁護士になっていなかったでしょう。

 

 

私は,現時点で,弁護士になって7年9ヶ月ですので,

10年までもう少しです。

 

 

10年経てば,弁護士としての能力が

飛躍的に向上するのではないかと考えております。

 

 

特別な好機が与えられて,熱心に取り組むことで

そのチャンスをものにし,その並外れた努力が社会に

認められて成功していくのです。

 

 

また,この本には,成功している人は特別な機会を与えられる

可能性がもっとも高く,さらに成功するというマタイ効果など,

子供の教育を考える上で示唆に富むことが記載されています。

 

 

親は,子供に対して,偶然を含めた好機をいかに与える

ことができるのかが,子供の成功にとって大切なのだと感じました。

 

 

成功を単なる才能や努力だけでなく,

外部要因からわかりやすく分析している,

大変興味深い本ですので,紹介させていただきました。

 

 

本日もお読みいただき,ありがとうございます。

一流になる勉強法

8月31日に,私が所属しているKCG(金沢コンサルタントグループ)

という団体で,「弁護士が語る社会人のための勉強法

という演題で講演させていただくことになり,

ここ最近,勉強法に関する本を読んできました。

 

 

本日は,最近読んだ「一流になる勉強法

という本を紹介させていただきます。

 

 

 

 

著者は,株式会社サンリの代表取締役社長で,

メンタルトレーナー,目標達成ナビゲーターである西田一見氏です。

 

 

西田氏は,私が学んだSBT(スーパーブレイントレーニング)を,

多くの方々へ教えているメンタルトレーナーです。

 

 

SBTは,脳の使い方を理解し,目標達成に向けて,

脳を活性化させていくトレーニングです。

 

 

人間の脳は,脳幹,大脳辺縁系,大脳新皮質の三層構造になっていて,

脳幹と大脳辺縁系は,IRA

(Instinct Reflex Area)

と呼ばれ,本能反射領域,動物的な古い脳のことです。

 

 

 

 

このIRAによって,人間の感情が左右され,

理屈脳といわれる大脳新皮質に影響を与えて,

無意識に人間の行動が決まっていくのです。

 

 

そこで,このIRAにプラスの記憶をいれておけば,

大脳新皮質にプラスの情報が伝達されて,

自動的にプラスの行動が生じるのです。

 

 

逆に,IRAにマイナスの記憶が蓄積されると,

なにをしても,脳の記憶データによって,

無理だ,できないという反応になってしまうのです。

 

 

このIRAにプラスの記憶をいれるために,

イメージトレーニングが重要になります。

 

 

普段から自分はできるというイメージを脳に植え付けておくのです。

 

 

具体的なプラスのイメージが脳に記憶されていれば,

脳は,そのイメージを実現しようとして,行動を促します。

 

 

脳は,目標達成したイメージを実現するために,

逆算して,今すべきことに楽しく集中することができるのです。

 

 

 

 

 

このイメージトレーニングにおいては,

脳を快にするために,プラスの出力をします。

 

 

言葉・動作・表情をプラスにすると,それが,

脳に入力されて,脳がプラス状態になり,

モチベーションがあがり,集中できます。

 

 

プラスの出力をするには,いやだな,

だるいなと思った瞬間に条件反射で前向きな返事をします。

 

 

具体的には,考えはじめる前に0.2秒で「はい」と言います。

 

 

「はい」というプラスの返事をすると,脳はプラスになります。

 

 

また,マイナスの感情になったら,頭ではなく,

体に信号を送ることで,マイナスからプラスに切り替えます。

 

 

例えば,マイナス感情がよぎりそうになったら,

ガッツポーズをして,脳のスイッチを切り替えたりするのです。

 

 

私たちの脳は,能力を眠らせています。

 

 

この眠らせている能力を活性化させて,

勉強に活かすことで,イメージどおりの人生を実現していくのです。

 

 

 

 

脳を活用した勉強法を学びたい方におすすめの一冊です。

アウトプット大全

精神科医の樺沢紫苑先生の最新作

学びを結果に変えるアウトプット大全

を読みましたので,アウトプットします。

 

 

 

 

樺沢紫苑先生は,毎日You Tube,メルマガ,

ブログ,Facebookを更新し続ける,

まさにアウトプットの神のような存在です。

 

 

そんなアウトプットの神である樺沢紫苑先生が,

これまでの人生で習得されたアウトプットの全てを,

惜しげもなく公開している素晴らしい一冊です。

 

 

そもそも,なぜアウトプットする必要があるのでしょうか。

 

 

それは,アウトプットしないと,

インプットは記憶に残らないため,

自己成長できないからです。

 

 

人間は,インプットした情報を2週間で3回以上

アウトプットしないと長期間記憶することができないのです。

 

 

人間の脳にインプットされた情報は,

海馬というところに仮保存されますが,

その情報が何度か使われると,

脳はその情報を重要な情報と判断して

側頭葉で長期間記憶します。

 

 

 

 

私の経験上,アウトプットした情報は記憶に残っていますが,

アウトプットしなかった情報は,ことごとく忘れてしまいます。

 

 

アウトプットすることで情報が記憶に残り,

知識として定着し,自己成長していくのです。

 

 

アウトプットすることで,自己成長が加速し,

圧倒的な結果が出て,人生が楽しくなります。

 

 

この本では,話す,書く,行動するの3分野で合計80

ものアウトプットのノウハウが紹介されていますが,

その中から私が気づきを得た3つを紹介させていただきます。

 

 

まずは,「質問する」です。

 

 

自分自身に質問をすることで,脳は活性化し,

必要な情報を集めてくれます。

 

 

脳に対して,事前に単語登録をしておくと,

世の中にある膨大な情報の洪水の中から,

単語登録した情報を選択的に拾ってくれるのです。

 

 

これを,「選択的注意」といいます。

 

 

この選択的注意を発動させるための事前の

単語登録が「質問する」ということです。

 

 

本を読む前に,自分はこの本から何を学びたいのかを質問して,

紙に書いてから本を読むと,脳は,本の中から

質問に対する回答をみつけてくれるのです。

 

 

また,セミナーを聞く際にも,質問を考えながら

セミナーを聞くことで,セミナーに集中できまし,理解も深まります。

 

 

そして,セミナー終了後の質問タイムで,

講師が話したそうなこと,話したりなかったこと,

講師の話のテーマを深めることを質問をすれば,

講師も周囲の参加者も喜び,みんなから感謝されます。

 

 

次に,「ぼーっとする」です。

 

 

特になんの作業もしていないぼーっとした状態のとき,

脳内では,「デフォルトモード・ネットワーク」が活発に稼働しています。

 

 

デフォルトモード・ネットワークとは,

脳のスタンバイ状態のことで,脳内で,

自分のこれからをよりよいものにしていくための

準備を整えているのです。

 

 

あえてぼーっとすることで脳が活性化して,

ひらめきである「アハ!体験」が生まれるのです。

 

 

私は,いつもあくせくしながら仕事をしていることが多いので,

今後は意識してぼーっとして,脳を活性化していこうと思います。

 

 

最後は,「始める」です。

 

 

セミナーの資料を作成しなければならないのに,

作業量が膨大なため,おっくうになって,

なかなか作業に着手できないことがあります。

 

 

そんなときは,「まず作業を始める」ことです。

 

 

作業を始めてみると,だんだん気分が盛り上がってきて

やる気がでてきます。

 

 

脳には「側坐核」という部位があり,

この側坐核の神経細胞が活動すると,

海馬と側頭前野に信号を送り,やる気がでて,

脳の調子が上がってくるのです。

 

 

側坐核の神経細胞は,5分作業することで活動を始めます。

 

 

5分やってみればやる気スイッチが入るのです。

 

 

そして,最初から100点を目指して作業を始めるのではなく,

まずは30点を目指して作業を完成させて,

その後に訂正を加えて100点に近づけていきます。

 

 

そうすることで,作業が終わったという達成感と安心感がえられて,

訂正の過程でよりよいものが完成していくのです。

 

 

脳の仕組みを知ることで,自分が成長するためのスキルが学べます。

 

 

 

今後,私は,①インプットする際に自分自身に質問をし,

②意識してぼーっとする時間を作り,

③まずは30点を目指して5分作業を始めて,

自己成長していきます。

 

 

自己成長して,よりよい人生を歩みたいことを願う方にとって

必読の書だと思いましたので,紹介させていただきました。

本を読む人だけが手にするもの

 

 

教育改革実践家である藤原和博先生

本を読む人だけが手にするもの

という本を読みましたので,アウトプットします。

 

 

 

 

なぜ本を読むといいのか?

 

 

子供から,このような質問がされたときに,

子供にわかりやすく説明できる親は少ないのではないでしょうか。

 

 

藤原先生は,膨大な読書の体験をもとに,この質問に対して,

ご自身の明確なご意見を提示しており,それが大変納得できます。

 

 

まず,わかりやすいところからいくと,

本を読むか読まないかで,報酬の優劣が決まるということです。

 

 

 

 

飲食店などのアルバイトの1時間あたりの報酬は約800~1000円,

会社員や公務員の1時間あたりの報酬は約2000~5000円です。

 

 

1時間あたりの報酬が1万円を超えるとエキスパートになります。

 

 

医師,弁護士,コンサルタントなどの専門家です。

 

 

人気の弁護士であれば,1時間あたりの報酬は約3万円,

マッキンゼーのシニアコンサルタントであれば,

1時間あたりの報酬は約8万円になります。

 

 

エキスパートは,ほぼ読書をしています。

 

 

なぜなら,知識はつねに入れ替わっていくものなので,

最新の情報を持っている人しか顧客の期待に

応えることができないからです。

 

 

さらに,さまざまな仕事のなかで,時間あたりに稼ぐ

効率が最も高いのは講演であり,一流の作家やジャーナリストは,

1時間あたりの講演の報酬は約100万円になります。

 

 

さまざまな分野で一流と呼ばれる人は,

話すだけで1時間あたり100万円を稼ぐのですが,

その根底にあるのは,聴衆を満足させるだけの知識であり,

その知識を獲得するために,例外なく本を読んでいるのです。

 

 

1時間あたりに生み出す付加価値を

あげるためには読書が欠かせないのです。

 

 

次に,本を読むことで,作者の脳のかけらを

自分の脳につなげることができるようになります。

 

 

 

 

一人の人生で,自分が見て経験できることには限界があります。

 

 

そこで,他人が獲得した脳のかけらを自分の脳に

たくさんくっつけることができれば,

自分の脳を拡張することができます。

 

 

自分とはまったく異なる他人の脳のかけらをくっつけることで,

自分の持っている脳では受容できなかったものが

受容できるようになります。

 

 

そうすることで,世界をみるための視点や知恵

を獲得することができ,読者は,世界の見方を広げて,

多面的かつ複眼的に思考できるようになります。

 

 

また,たくさんの著者の脳のかけらを自分の脳につなげば,

さまざまな脳の人と交流が可能になり,

他者と世界観を共有して,味方を増やすことができます。

 

 

味方を増やすことで,夢を実現するときに他者から

信頼や共感を得られて,信任を受けられます。

 

 

このように,読書をすることで,著者の脳のかけらを

自分の脳にくっつけることができ,知識が増加して,

自分の中にあった既存の知識や体験と化学反応を起こして,

新しい知恵がうまれてくるのです。

 

 

他人の脳のかけらを自分の脳にくっつけて,

脳を拡張させていくためには,

さまざまな分野の本を数多く読む,

乱読が適しているのです。

 

 

そして,読書をすることで,

クリティカルシンキングを磨くことができます。

 

 

 

クリティカルシンキングとは,自分の頭で考えて,

主体的な意見を持つという態度で,

本質を洞察する能力や複眼思考と呼ばれています。

 

 

物事を短絡的なパターン認識でとらえるのではなく,

多面的にとらえるのです。

 

 

マスコミの報道を一面的に捉えるのではなく,

何か裏の事情があるのではないか,

反対の立場から考えるとどうなるのか,

などと多面的に捉えることで,

自分の考えのあつみを増していくのです。

 

 

物事を多面的に捉えるためには,

できるだけ多くの考え方に触れて,

自分なりの意見を持つことが重要になるので,

クリティカルシンキングを養うためにも読書が役に立つのです。

 

 

読書をすることのメリットが大変わかりやすく説明されており,

読書をするモチベーションが一気にあがる名著ですので,

紹介させていただきました。

女の機嫌の直し方

本日早朝より,金沢市西倫理法人会において,

男女問題と夫婦愛和」という演題で講話をさせていただきました。

 

 

具体的な男女問題の事例から,離婚や不倫の法律問題を説明し,

男女問題が発生する原因の一つに,脳の性差があることを指摘して,

夫婦愛和のための具体的な方法を説明させていただきました。

 

 

講話が終わった後,複数の方々から,

「妻と会話が噛み合わない理由が分かりました」

というお声をいただき,男女の脳の違いを理解することが,

夫婦のすれ違いを予防することにつながるのだと実感しました。

 

 

本日,私が講話した内容のほとんどは,

人工知能研究者の黒川伊保子先生の「女の機嫌の直し方

という本に記載されていたことをアウトプットしたものであります。

 

 

 

 

この本に記載されていた「女の機嫌の直し方

の超具体的なノウハウを紹介させていただきます。

 

 

男性と女性では,脳の構造が異なります。

 

 

右脳と左脳を連携する神経細胞の束である脳梁が,

男性では小さく,女性では大きいという違いがあります。

 

 

 

 

この脳の性差から,男性と女性とでは,

コミュニケーションの仕方が全く異なります。

 

 

女性は,プロセス指向共感型のコミュニケーションをします。

 

 

女性は,ことの発端から,時系列に経緯を語りながら,

そこに潜む真実や真理を探り出します。

 

 

共感によって上手に話を聞いてもらうと,この作業の質が上がります。

 

 

そして,話し終えるころには,きっぱりと結論が出ているのです。

 

 

ようするに,女性は,話しながら自分で問題解決をするのです。

 

 

他方,男性は,ゴール指向問題解決型のコミュニケーションをします。

 

 

男性は,相手方状況を話しだしたら,その対話の意図を探り,

すばやく「解決すべき問題点」を洗い出そうとします。

 

 

男性は,「ようするに,こういうことですね」とすぐに結論を話します。

 

 

話しながら問題解決する女性と,

会話の途中ですぐに問題解決しようとする男性とでは,

どうしてもコミュニケーションにギャップができてしまい,

これが夫婦ケンカのもとになります。

 

 

 

 

このような,男女のコミュニケーションギャップ

から生じる夫婦ケンカを避けるためには,

夫は,妻の話しに対して,とにかく共感することです。

 

 

共感して話を聞くことで,妻は,

なめらかに対話をすすめることができて,

話しているうちに,自分で勝手に問題を解決します。

 

 

夫は,すぐに結論を言って,妻の話の腰を折ってはいけないのです。

 

 

例えば,妻が「なんだか最近腰が痛いの」と言ってきたとしましょう。

 

 

夫は,このようなシチュエーションのとき,よくこう言います。

 

 

「医者に行ったのか?」

 

 

こう言うと,たいてい,妻は

「あなたは私のことを何も分かっていない」と言ってキレます。

 

 

このようなシチュエーションのときは,

次のように答えると会話がスムーズに進んで,

妻がキレないようです。

 

 

「あ~,腰が痛いのか。それはつらいなぁ」

 

 

相手の言葉の反復と同情を返して,共感するのです

 

 

この共感のスキルを使って,妻からの答えようのない質問に対して,

次のように対処すると効果的なようです。

 

 

妻の質問①「あなたって,どうしてそうなの?

 

 

夫の模範解答①「きみに嫌な思いをさせて,ごめん

 

 

妻の質問②「なんで,わかってくれないの?

 

 

夫の模範解答②「(きみの気持ちに)気がつかなくて,ごめん

 

 

妻の質問③「仕事と私,どっちが大事?

 

 

夫の模範解答③「きにみ寂しい思いをさせたね,ごめん

 

 

妻の質問④「一緒にいる意味がない

 

 

夫の模範解答⑤「バカなこと言うなよ,一緒にいるだけで意味がある。

そんな女はお前だけだ

 

 

結婚したことがある男性であれば,

このような質問をされたことが何回かあると思います。

 

 

しかし,このような模範解答を言えた人は少ないと思います。

 

 

このような回答すればいいとは知らなかったのですから,

しょうがありません。

 

 

対処法を知った上で,同じようなシチュエーションのときに,

同じ失敗をせずに,上記のように対応すればいいのです。

 

 

 

この本は,超具体的な「女の機嫌の直し方」が

数多く紹介されている名著であり,男女問題に悩む男性にとって

福音の書となること,間違いないです。

不倫~愛と背徳の脳科学~

8月3日に金沢市西倫理法人会で「男女問題と夫婦愛和

という演題で講話させていただく機会をいただき,

講話の準備のために,脳科学者である中野信子氏の「不倫

という本を読んだので,アウトプットします。

 

 

 

なぜ不倫はなくらないのか?

 

 

この問に対する答えとしては,人間は遺伝子や脳内物質に操られて

不倫してしまうので,人類は一夫一婦制には向いていないようです。

 

 

人間が不倫してしまうのには,

①先天的な,特定の遺伝子の働き,

②後天的にかたちづくられた,その人の愛着スタイル,

③周期的,反応的な男女の性ホルモンの働き,

の3つの要因があります。

 

 

まず,①先天的な,特定の遺伝子の働きについて説明します。

 

 

脳内ホルモンにバソプレシンという物質があります。

 

 

バソプレシンは,抗利尿ホルモンとも呼ばれ,

利尿運動を妨げる物質で,体液の流出を阻止したり,

血管を収縮させて血圧を上げる機能があります。

 

 

バソプレシンは相手に対する親切心,

セックスに関する情報への感受性などに関係し,

男性が家庭を守るよう動機づける作用もあります。

 

 

このバソプレシンの受容体(キャッチャーのようなもので,

外部からの物質や刺激を受け取り,それを情報に変換して

細胞に伝達する機能をもちます)である

AVPRの生成に関連する遺伝子AVPR1Aの

塩基配列の一塩基多型によって

「貞淑型」と「不倫型」に分かれるようです。

 

 

ようするに遺伝子の変異によって,

バソプレシンの受容体に変化が生じて,

不倫しやすい人間になるということのようです。

 

 

 

 

また,脳内物質であるオキシトシンも不倫に影響するようです。

 

 

オキシトシンには,恋人や親子を結びつけ,不安を減らし,

リラックスをもたらす作用があり,幸せホルモンと呼ばれています。

 

 

オキシトシンは,ソーシャルメモリーという

人間の能力に深く関係しています。

 

 

ソーシャルメモリーとは,以前会ったことがある人を認識する能力

と関係し,人間関係の形成を速めるので,

ある個体をほかの個体よりも好むように仕向け,

絆,愛着をつくる働きをします。

 

 

このオキシトシンの感受性が遺伝子の変異で違ってくるので,

不倫に影響があるのです。

 

 

次に,②後天的にかたちづくられた,その人の愛着スタイル

について説明します。

 

 

乳幼児期に母子が相互に愛情を感じ合うことで,子供は,

母親に愛着を形成し,母親を安全基地にして,

自立した行動をとれるようになるのです。

 

 

このように母子の愛着が形成されて育った人は,安定型となり,

他者は自分に良いものをもたらす可能性が高いと

考える傾向が高くなり,不倫しにくいのです。

 

 

他方,母子の愛着形成が不十分だった回避型や不安型の人は,

愛情を与えてくれる相手がみつかれば,パートナーがいても

愛を求めてその人になびいてしまうので,不倫しやすい傾向があります。

 

 

最後に,③周期的,反応的な男女の性ホルモンの働き

について説明します。

 

 

女性は,排卵期にテストステロン濃度の高い男性を

セックスの相手として望み,それ以外の時期には

落ち着いていて生活と育児に向いた

長期的なパートナーを探しているようです。

 

 

テストステロンとは,男性ホルモンと呼ばれ,

性欲や攻撃性,競争心と直結しています。

 

 

他方,男性は,排卵している女性の匂いに触れると

テストステロンが上昇します。

 

 

このように,人間の性行動は脳内物質に左右される部分が大きいのです。

 

 

不倫をしてしまうのは,遺伝子や脳内物質のしわざであれば,

意思ではコントロールできないので,不倫はなくらないのでしょう。

 

 

 

 

不倫をすれば,パートナーの信頼を失い,

世間からバッシングを受け,

損害賠償請求の裁判に発展するリスクがあるのに,

不倫がなくならないのは,脳の仕業だとよく分かりました。

 

 

不倫の法律相談をするうえで,役立つ知識を得ることができました。

夫婦脳4~離婚における脳の性差~

黒川伊保子先生の

夫婦脳~夫心と妻心は,なぜこうも相容れないのか~

の本のアウトプットの続きです。

 

 

 

 

離婚事件を担当していると,クライアントが

男性と女性とで異なる点があることに気づきます。

 

 

それは,離婚が決まったときに明らかとなります。

 

 

離婚は,人生最大のストレスと言われているように,

離婚に至るプロセスにおいて,男性も女性も同じように

苦労するのですが,離婚が決まれば,

女性のクライアントは,晴れ晴れと明るくなるのですが,

男性のクライアントは,しょんぼりと落ち込んだまま

であることが多いです。

 

 

なぜ夫は何もしないのか,なぜ妻は理由もなく怒るのか

の著者である夫婦問題カウンセラーの高草木陽光氏は,

離婚の男女差を次のように表現しています。

 

 

 

 

夫は離婚で白髪になる,妻は離婚で茶髪になる

 

 

夫は,離婚で弱くなり,妻は,離婚してもたくましく生きていくのです。

 

 

この離婚の性差について,「夫婦脳」の本にヒントが記載されていました。

 

 

 

 

男性は,真摯な向上心か,与えられた責務を遂行する責任感

のどちらかに導かれて,人生の長い道を歩むので,

「自分がいい思いをしたい」という快感欲求が弱いようです。

 

 

そのため,男性は,「自分のため」というよりは,

「家族のため」に厳しい仕事に耐えて生きているのです。

 

 

他方,女性は,自分に興味があり,

「自分がいい思いをしたい」という欲求が強いようで,

明日の快感を求める気持ちで,女性たちは,

たくましく生きていけるのです。

 

 

すなわち,女性は,自らの明日の快感を求めて,

生きる意欲を失わないでいられる,

生きる意欲の自家発電型の脳」の持ち主なのです。

 

 

このような脳の性差のため,男性は,離婚によって,

妻はいなくなり,子供もとられてしまい,

「家族のため」にがんばるという生きる意欲の源泉がなくなり,

弱ってしまい,白髪が増えるのでしょう。

 

 

他方,女性は,離婚しても,「自分のため」に生きていけるので,

新しい意欲がわいて,いきいきと次のライフステージへ進み,

気分が明るくなって茶髪になるのでしょう。

 

 

さて,夫婦が離婚にいたらないようにするためには,

まずは,互いの脳の違いから,相手は自分とは全く異なる

感性の持ち主であり,相容れない部分が多々あることを

知識として知っておく必要があります。

 

 

その上で,夫は,「自分のため」にでは生きる意欲がわいてこないので,

妻は,夫を頼りにして,「家族のため」にという

生きる意欲を持たせ続けることが重要であると思います。

 

 

逆に,夫は,妻の話を聞いて,

ひたすら共感することが重要であると思います。

 

 

「夫婦脳」を読み,夫婦は,互いに明日の希望を灯しあうことで,

よりよい関係になっていくことを学びました。

夫婦脳3~不倫を脳科学的に分析すると~

黒川伊保子先生の

夫婦脳~夫心と妻心は,なぜこうも相容れないのか~

の本のうち,本日は,不倫の脳科学的分析

についてアウトプットします。

 

 

 

不倫をすると,家族は崩壊し,

100~200万円ほどの慰謝料を支払う

リスクを負うのですが,それでも,人は不倫をしてしいます。

 

 

不倫をすれば,とんでもない損失を被ることは知っていても,

どうして,人は不倫をするのでしょうか。

 

 

 

黒川先生は,女性と男性とでは,

脳科学的に不倫に至る経過が異なると分析しています。

 

 

まず,動物は,すべからく,他個体の体臭(フェロモン)から,

その個体の遺伝子情報を感知しており,

生殖相性のいい遺伝子を持つ異性」を嗅ぎ当てることで発情します。

 

 

これが恋です。

 

 

フェロモンを嗅ぎ分けるセンサーは,

生殖リスクの高い種ほど感度が高く,

生殖リスクに著しく性差のある哺乳類の場合,

雌のほうが圧倒的に感度が高く,生殖相手を厳選します。

 

 

その結果,女性は,男性のフェロモンから遺伝子の情報を嗅ぎ取り,

何百人・何千人に一人の相手を見つけ出して,深く執着します。

 

 

もっとも,この女性の執着は永遠に続きません。

 

 

残せる遺伝子セットの数が限られてしまい,

万が一生殖に至れない事情があったときには,

生涯の生殖機会そのものを失うからなのです。

 

 

そのため,女性の恋は,

ほとほと嫌気がさして終わる」ことになっているのです。

 

 

 

女性の恋には,不倫は案外少なく,

「深い確信」→「嫌気」→「次の深い確信」

というサイクルを描いていくのです。

 

 

そうなると,女性が不倫をするのは,

夫や交際相手の男性に「ほとほと嫌気がさした」ため,

次の生殖相手を見つけて,自分の遺伝子を残すためということになります。

 

 

妻が浮気を避けるためには,「ほとほと嫌気がさした

夫を親友として受け入れ,頼り合い,

支え合う生活共同体を構築していくしかないのです。

 

 

夫としては,生活共同体を構築していくために,

子育てに疲れた妻のフォロー,家事の手伝い,

とりとめのない話しの聞き役をすることが重要になります。

 

 

他方,男性の不倫は,女性の不倫と異なります。

 

 

哺乳類の雄は,長い妊娠授乳期を余儀なくされる雌に比べて,

生殖リスクが著しく低いです。

 

 

そのため,「生涯に出来るだけ多くの遺伝子バリエーションを残したい

という生物の本能を実現するためには,男性は,

相手を厳選するよりは,やってきたチャンスを逃さない

のが最も合理的な手段となります。

 

 

男性は,女性ほど積極的に異性を嫌わず,

この人しかいないという確信も起こりにくく,

もともと不倫しやすいのです。

 

 

 

 

男性は,恋の確信ではなく,責任感で結婚し,

無邪気な責任遂行感で結婚をキープしています。

 

 

そして,男性は,この責任を積み重ねた相手に

強い愛着を抱く癖があります。

 

 

男性は,結婚期間が短い間は,この愛着が弱くて,

不倫しやすいのですが,結婚期間が長くなると,

妻への愛着が強くなり,不倫しにくくなるのです。

 

 

夫に不倫された妻が,結婚を続けるのであれば,

妻は,夫を穏やかに,頼りにし続ければ,やがて,

不倫相手の女性が夫に対して

「ほとほと嫌になり」,不倫関係が解消されて,

夫は妻のもとへ戻ってくることになりそうです。

 

 

このように,脳科学上,女性は,「ほとほと嫌気がさして」不倫し,

男性は,「魔が差して」不倫する傾向がありますので,

夫婦は,この特性を理解した上で,

互いに不倫しないように対処するといいと思います。

 

 

夫婦脳2~妻を新妻に変える方法~

昨日に引き続き,黒川伊保子先生の

夫婦脳~夫心と妻心は,なぜこうも相容れないのか~

という本のアウトプットをします。

 

 

 

女性脳には,何十年分もの関連記憶

を一気に展開する力があります。

 

 

具体的には,夜中に子供が熱を出した場合,

母親は,これまでの発熱シーン,

上の子の似たようなシーン,

自分自身が幼かった時の記憶,

数年前に公園で立ち話をしたママ友の情報

などなどを総動員して,目の前の熱を出した子供

にどう対処すべきかをダイナミックに判断しています。

 

 

 

体系化された知識に,体験から絞り出してくる知恵を足して,

女性は,その都度,人生最良の判断をくだすのです。

 

 

子供を産み育てる女性だからこそ,

過去の類似記憶を総動員する」能力が備わっており,

この能力があるから,初めてであっても子育てができるのです。

 

 

しかし,この「過去の類似記憶を総動員する」能力

には副作用があります。

 

 

夫が何か無神経な発言をしたら,過去の無神経な発言を,

一気に脳裏に展開し,過去を蒸し返して,夫を批難します。

 

 

 

結婚して20年がたっているのに,

子供を妊娠してつわりがひどかったときに

夫から言われた無神経な一言を

今持ち出して,夫をせめるのです。

 

 

男性から見れば,とても恐ろしい能力です。

 

 

それでは,女性の「過去の類似記憶を総動員する」能力に,

男性はどう対処すればいいのでしょうか。

 

 

その方法の一つは,女性脳に負の記憶を紡がせないで,

正の記憶を紡いでもらうことにあります。

 

 

正の記憶を紡いでもらうためには,

妻が継続してやっていること」に言及するのです。

 

 

「きみの味噌汁を飲むのも,もう25年か。

おふくろの味噌汁より長くなったなぁ。」などと,

「ずっとしてくれている」ことを,

静かに言葉にすればいいのです。

 

 

 

 

些細なことでもいいので,妻がずっと継続して

心がけていることにちゃんと気付いて,言葉にするのです。

 

 

女性は,ほめてほしいわけではなく,わかってほしいので,

過去時間を言葉で労えば,ことのほか心に響くのです。

 

 

もう一つの方法は,負の記憶を想起させないために,

繰り返し未来を思わせることです。

 

 

例えば,「もう少し紅葉になったら京都にいこう」などと,

少し先の計画を言えば,女性は「何を着ていこうかしら」などと

近未来の楽しみを繰り返し想起するので,

過去の負の記憶を想起しにくくなります。

 

 

このように,女性の「過去の類似記憶を総動員する」能力

への対処法は,①過去時間を言葉で労うことと

②未来時間を紡ぐことなのです。

 

 

この2つを実践できれば,

妻を無邪気な新妻に変えることができるかもしれませんね。

 

 

いつも子育てをがんばっていることに労いの言葉をかけて,

近い将来においしい食事にいくことを伝えてみようと思います。

夫婦脳~夫婦7の倍数の法則~

8月3日に金沢市西倫理法人会で「男女問題と夫婦愛和

という演題で講話する機会をいただいたので,

その準備のために黒川伊保子先生

夫婦脳~夫心と妻心は,なぜこうも相容れないのか~

を読みましたので,アウトプットします。

 

 

 

 

黒川先生は,人工知能研究者として,

人間の脳を長年研究されてきたので,人間の脳の観点から,

夫婦問題が発生するメカニズムと対処法

を分かりやすく説明してくれています。

 

 

まずは,人の脳には,7年という生体サイクルがあるそうです。

 

 

人間の骨髄液は7年で入れ替わります。

 

 

(全国骨髄バンク推進連絡協議会のホームページより抜粋)

 

 

骨髄は,人の免疫の中枢を担っているので,

満7年で骨髄液が入れ替わるのに連動して,

生体の免疫システムも入れ替わります。

 

 

そして,生体は,外界からの刺激を受けると

免疫システムが反応するのですが,

同じ刺激が繰り返されていくうちに,この刺激は

「環境の一部であって受け入れていかなくてはならない事象」

であると,免疫システムが受け入れていくのです。

 

 

このように免疫システムが刺激を環境の一部

と受け入れるのに7年かかるのです。

 

 

これを夫婦にあてはめれば,結婚から6年までは,

愚痴を言い,ケンカしながらも,

ドキドキする半分恋人のような夫婦でいられるのですが,

結婚7年目になると,夫婦の免疫システムは,

互いを環境の一部だと納得して,ドキドキしなくなるのです。

 

 

そのため,結婚7年目は,ドキドキがなくなるので,

外の異性にちょっと心を揺らしたりして,

7年目の浮気が発生する危険が生じやすいのです

 

 

結婚7年目,14年目,21年目,28年目という7の倍数で

夫婦の危機がやってくるという法則があるので,

これはよく理解しておく必要があると思います。

 

 

そして,結婚28年目が夫婦にとって最も危険な時期なのです。

 

 

これは,28年の周期で,人間は,

正反対の感性へ向かうというからです。

 

 

以前は,シャープな車や辛い食べ物が流行していましたが,

28年経つと,丸くてかわいい車や甘い食べ物が流行しました。

 

 

28年で流行が変化するように,

結婚28年目に夫婦は,新婚当時とは正反対の感性状態に陥ります

 

 

かつて「優しくて,おおらか」と思っていた夫が

「優柔不断で,だらしない」夫に変わり,

「男らしくて,頼もしい」と思っていた夫が

「無神経なオレサマ」に変わります。

 

 

これは,妻の脳の感性が変わるから,そう感じるのです。

 

 

その結果,「夫が台所に入ってきただけで,いらっとする

という妻の自覚が生じるように,

結婚28年目に,激しい拒否反応が出るのです。

 

 

 

 

この妻の拒絶反応は結婚26年目ころから顕著に現れるので,

夫は,銀婚式で点数を稼ぐ必要があります。

 

 

他方,結婚30年をこえると,妻は,

見るのも嫌だった夫に対して,徐々に愛しさが戻ってきます。

 

 

夫婦は35年寄り添ってみないと,その真価はわからないので,

相手に「むかっと」したら,「これも,かつて激しく愛し合った証拠」

と思って目をつぶるのが夫婦円満の秘訣のようです。

 

 

脳科学上,恋は永遠ではないのですが,

夫婦は,「恋を超えて,うんざりを超えて,なんぼのもん」なのです。

 

 

脳科学を勉強すれば,夫婦問題が激化する前に

予防することができますので,

夫婦問題で悩まれている方は,

ぜひ男女の脳の仕組みを勉強してみてください。

 

 

アウトプットしたい情報がまだあるのですが,

長くなりましたので,続きは明日以降記載します。