新型コロナウイルス対策で小学校などの臨時休校に伴う保護者の休暇取得支援
1 年次有給休暇とは別の新しい休暇
昨日のブログで新型コロナウイルスを理由に
会社から休業を命令された場合の賃金について解説しました。
https://www.kanazawagoudoulaw.com/tokuda_blog/202003029086.html
また,昨日,厚生労働省は,新型コロナウイルスの感染拡大を
防ぐための臨時休校の影響で,仕事を休んだ労働者に対して,
給料の全額を支払った企業を対象とする助成金の制度を発表しました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09869.html
本日は,厚生労働省が発表した新たな休暇取得支援と
年次有給休暇について,解説します。
昨日,厚生労働省が発表した新たな休暇取得支援は,
新型コロナウイルス感染拡大防止策として,企業が,
臨時休校した小学校などに通う子供がいる労働者に対して,
労働基準法の年次有給休暇とは別の有給の休暇を取得させた場合に,
当該企業に対して助成金を交付するというものです。
小学校などが臨時休校してしまい,子供を自宅でみなければならず,
2020年2月27日から3月31日までの期間に
仕事を休んだ労働者に対して,企業が労働基準法の年次有給休暇とは
別の休暇を与えて,給料を全額支払った場合,企業に対して,
労働者1人あたり,1日8,330円を上限に助成金を交付するようです。
新しい休暇を取得する労働者には非正規雇用の労働者も含まれます。
企業が新しい休暇を取得した労働者に給料の全額を支給して,
労働者に支払った給料全額よりも,
交付される助成金の金額が少なかった場合には,
その差額は企業の負担になります。
さて,この新しい休暇は,労働基準法の年次有給休暇とは別のものです。
2 年次有給休暇の解説
労働基準法の年次有給休暇は,6ヶ月以上継続勤務し,
全労働日の8割以上出勤すれば,1年間に10日間,
仕事を休んでも給料が補償されます。
勤続年数が増えれば,
1年間に取得できる年次有給休暇が増えていきます。
勤続年数が6年6ヶ月経てば,
1年間に20日間の年次有給休暇を取得できます。
さらに,1年間に年次有給休暇を消化しきれなかったら,
消化できなかった分の年次有給休暇が翌年に持ち越されます。
年次有給休暇の消滅時効は2年なので,
翌々年までは持ち越せませんが,
カレンダーどおりに土日祝日を除く平日を
所定労働日と定めている企業であれば,労働者は,
土日祝日以外に1年間で10~20日間,
給料が補償されて休めるのです。
そのため,コロナウイルス感染拡大防止のために
小学校などが臨時休校してしまい,
臨時休校した小学校などに通っていた子供の世話をするために,
親も会社を休まなければならないのであれば,
年次有給休暇が残っているなら,とりあえず,
年次有給休暇を取得して,会社を休めばいいです。
正社員で年次有給休暇をすでに全部消化してしまっており,
年次有給休暇が使えない場合には,会社に対して,
今回の新しい休暇制度の利用を相談してみてください。
また,1日の労働時間が短かったり,
1週間の労働日数が少ないパート労働者は,正社員に比べて,
取得できる年次有給休暇の日数が少ないので,パート労働者で,
年次有給休暇が足りない場合も,会社に対して,
今回の新しい休暇制度の利用を相談してみてください。
一日も早くコロナウイルスの問題が収束してほしいですね。
本日もお読みいただきありがとうございます。
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