2020年4月1日から中小企業に残業時間の罰則付き上限規制が導入されます
1 トヨタでの出来事
先日,車の整備のためにトヨタに電話予約をしました。
私は,平日の仕事が終わってから,トヨタに行きたかったので,
平日の18時30分に予約でお願いできますかと聞いたところ,
会社の働き方改革の関係で,19時までに
作業を終わらせなければならないので,
早目にきていただけませんかと言われました。
長時間残業をなくしましょうとブログで情報発信している私なので,
これは協力しなければならないと思い,17時に予約をとりました。
整備ときにトヨタの方に聞いたところ,
働き方改革で残業を減らすために,
平日にお客様に車を持ってきてもらう時間を早くしてもらうか,
休日にきてくださいとお願いしているようです。
ただ,お客様は,平日仕事が終わってから車を持ってきたい方が多く,
サービス業なので,お客様に対して,あまり強く要望できず,
結局,18時30分とかに車を持ってきてもらうことになり,
残業がなかなかなくならないようです。
私のように自由に働く時間を決められる仕事であればいいですが,
たいていは,定時が決まっている仕事ばかりですので,
平日の早い時間に車を持ってきてもらうのは難しいのでしょう。
あのトヨタですら,残業時間の削減に悪戦苦闘しているですから,
中小企業では,もっと大変なのかもしれません。
2 残業時間の罰則付き上限規制
しかし,中小企業も,残業時間の削減に
本気で取組まなければならなくなります。
2020年4月1日から,中小企業にも
残業時間の罰則付き上限規制が適用されるからです。
まず,会社が労働者に残業をさせるためには,
36協定を締結しなければなりません。
この36協定では,時間外労働の限度時間を1ヶ月45時間,
1年間360時間にしなければならなくなりました。
あくまでも,1ヶ月の残業は45時間までが原則なのです。
もっとも,36協定に特別条項を設けることで,
例外的に1ヶ月45時間を超えて残業させることはできます。
この特別条項については,1ヶ月100時間(休日労働を含む),
1年間720時間(休日労働を含まない)を超えて,
残業をさせてはならないことになりました。
そして,1ヶ月の残業が100時間を超えたり,
2ヶ月~6ヶ月の各平均の残業時間が80時間を超えた場合,
会社には6ヶ月の懲役,または,30万円以下の罰金が科せられます。
そのため,会社は,1ヶ月100時間を超える残業をさせた場合には,
刑事罰が科せられますので,残業時間を削減しなければならないのです。
この残業時間の罰則付き上限規制が,
いよいよ,中小企業にも適用されます。
3 残業時間の削減に取り組むある中小企業の紹介
先日の朝日新聞に,長時間労働をなくすための,
ある中小企業の取り組みが紹介されていました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S14341664.html
モバイルファクトリーという会社の事例です。
座ったまま仕事をすると,同僚と話を続けたり,
同じ姿勢で疲れがたまって作業効率が落ちることから,
昇降式の机を導入したり,社内会議を30分以内にする
ルールを策定したりして,残業時間を削減したようです。
その結果として,労働者の生産性が向上して,
営業利益が右肩上がりに上昇して,
遂に東証1部に上場を果たしたようです。
モバイルファクトリーの代表者は,
中小企業が働き方改革をやり遂げるためには,
「経営者のコミットが何よりも重要だ」とコメントしています。
中小企業もトップが本気になれば,
残業時間を削減できることを実証した素晴らしいケースです。
少しでも多くの中小企業に,
残業時間の削減に取り組んでもらいたいです。
本日もお読みいただきありがとうございます。
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