副業禁止に違反したら懲戒処分になるのか?
近年,政府は,副業を推進する方向に動いています。
副業は,新たな技術の開発,起業の手段,
第2の人生の準備として有効であるとして,
政府は,副業をすすめています。
おそらく,今後AIが進化して,人間の仕事が減少した時に,
企業が労働者を雇用し続けることが困難になることをみすえて,
今のうちから,副業を解禁して,
来るべきときに備えさせようとしているのかもしれません。
また,労働者としても,副業をすることで,
複数の収入源を確保することができ,
人間関係が悪化して本業の会社に居づらくなったときに,
本業をやめて,副業で生活できれば,
本業に縛られることなく,自由になり,
解雇や退職のリスクを回避することができます。
複数の収入源をもつことで,会社に依存せず,
自分が本当にやりたいことを実現できるかもしれないのです。
これから副業が推進されていくということは,
これまでは,企業で副業が禁止されていたわけですし,
現在においても,約85%の企業は,副業を禁止しています。
企業が副業を禁止する理由は,
本業がおろそかになる,情報漏えいのリスク,
人材流出のリスクなどがあり,多くの企業が就業規則において,
副業を禁止しており,労働者が会社に無断で副業をした場合,
労働者が懲戒処分を受けるリスクがあります。
それでは,就業規則の副業禁止に違反して,
懲戒処分を課された場合,労働者は,
その懲戒処分が無効であるとして,争うことができるのでしょうか。
結論としては,形式的に,副業禁止規定に違反しても,
企業秩序に影響がなく,本業の仕事に支障がないのであれば,
懲戒処分が無効になる可能性があります。
副業が深夜におよび,日中眠くて,本業の仕事に支障が出ていたり,
ライバル会社に二重就職しており,労働者の背信性が強く,
企業情報の漏洩のリスクなどがある場合に限って,
懲戒処分は有効になります。
また,会社が副業を知りながら何も注意してこなかった場合には,
会社による黙示の承認があったと判断されて,
副業禁止違反を理由とする懲戒処分は認められません。
このように,仮に現行の副業禁止規定に違反しても,
本業に支障がなかったり,副業先が競合他社でないのであれば,
懲戒処分が無効になる可能性があります。
とはいえ,会社とは,もめないほうがいいので,
会社に副業の届出をして,副業による長時間労働で
本業に支障がないように,自分で労働時間と健康管理をしっかりとして,
副業をするようにしてください。
今後,副業を認めるように,就業規則を改訂していく
企業が増えていくことが予想されますので,
本業の会社との信頼関係を維持しながら,
副業によって自分の才能を開花させていく
労働者が増えていくことを期待したいです。
本日もお読みいただきありがとうございます。
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