新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金について、シフトが入らなかったアルバイトなども対象になります

1 労働基準法26条の休業手当

 

 

石川県では新型コロナウイルスの感染は落ち着いていますが、

大都市圏では感染が継続しています。

 

 

また、ヨーロッパでは、都市封鎖が実施されており、

世界では、新型コロナウイルスの感染が抑えられていないので、

また再び、日本でも感染が爆発するリスクがあります。

 

 

 

特にこれから冬が始まるので、

インフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行が懸念されます。

 

 

このように、新型コロナウイルスの感染爆発が起きた場合、

会社が休業することがあります。

 

 

 会社が休業する場合、労働基準法26条に基づき、

会社は、休業期間中、労働者に対して、

平均賃金の6割以上の休業手当を支払わなければなりません。

 

 

しかし、新型コロナウイルスの影響で、

会社の売上がなくなり、会社が労働者に対して、

休業手当を支払わない事態が生じます。

 

 

会社の休業期間中に、休業手当が支払われないとなると、

労働者の生活が困窮することになります。

 

 

2 新型コロナウイルス感染症休業支援金・給付金の制度概要

 

 

そこで、このような事態を改善するための制度として、

新型コロナウイルス感染症休業支援金・給付金があります。

 

 

新型コロナウイルス感染症休業支援金・給付金は、

新型コロナウイルスの影響で休業した中小企業に雇用されている労働者が、

休業手当の支給を受けていない場合に、

休業前賃金の8割が支給されるという制度です。

 

 

 

労働者としては、休業手当を支払わない会社を相手に、

交渉や裁判手続をするよりも、

スピーディーに国から直接支給がえられるので、

この制度を利用するのが得策です。

 

 

この制度では、労働者と会社が作成する支給要件確認書などで、

労働局が、休業の事実を確認することになります。

 

 

3 アルバイトのシフト削減の問題

 

 

この休業の事実の確認の際に、シフト制のアルバイトなどであれば、

会社が、もともとシフトを組んでいないとして、休業を認めず、

その結果、シフト制のアルバイトが休業支援金を受給できない

という問題がありました。

 

 

この問題について、厚生労働省は、10月30日、

以下のケースについて、支給要件確認書において

休業の事実が確認できなくても、

休業支援金の対象となる休業として取扱うことにしました。

 

 

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000689989.pdf

 

 

①労働条件通知書に週○日勤務などの具体的な勤務日の記載がある、

申請対象月のシフト表が出ているといった場合であって、

事業主に対して、その内容に誤りがないことが確認できるケース。

 

 

②休業開始前の給料明細等により、6ヶ月以上の間、

原則として月4日以上の勤務がある事実が確認可能で、

かつ、事業主に対して、新型コロナウイルス感染症の影響がなければ

申請対象月において同様の勤務を続けさせていた意向が確認できるケース。

 

 

このように、シフトが入らなかったアルバイトも、

休業支援金の支給対象になると明記されたので、

救済される労働者が拡大されることが期待されます。

 

 

そして、会社が支給要件確認書に、

休業手当を支払っていないことを記載しても、それだけで、

労働基準法26条の休業手当の支払義務の有無の判断に影響しないので、

会社は、労働者から、支給要件確認書の記載を求められたら、

応じるようにしてもらいたいです。

 

 

新型コロナウイルスに関する労働者保護の施策が

よい方向に改善されているのが嬉しいです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

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