なぜ,時間を生かせないのか

田坂広志先生の「なぜ,時間を生かせないのか

という本を読みましたのでアウトプットします。

 

 

 

 

従来のタイムマネジメント術にはない,

時間に処する心得が分かりやすく説明されている名著です。

 

 

世には多くのタイムマネジメント術の本がありますが,

そのような本を読んだだけでは,

なかなか時間管理がうまくいきません。

 

 

それはなぜでしょうか。

 

 

理由は,タイムマネジメントの基礎体力にあたる

集中力が無いからなのです。

 

 

集中力を身につければ,時間の長さではなく,

時間の密度を濃くすることができます。

 

 

 

 

それでは,集中力を身につけるためにはどうすればいいのでしょうか。

 

 

それは,日々の仕事において知的体力を鍛えることです。

 

 

単調に思える仕事であっても,気を抜かずに取り組むことで,

確実に知的体力が身についていきます。

 

 

また,時間を区切って仕事をする,

締切を明確にして仕事をする,

締切を宣言して仕事をすることで,

集中力を身につけることができます。

 

 

そして,顧客と接する瞬間のビジネスの真剣勝負の場に

身を置くことで最も高度な集中力が鍛えられます。

 

 

私達は,時間の密度を高めて,何を学ぶべきなのでしょうか。

 

 

それは,職業的な智恵です。

 

 

職業的な智恵とは,スキルやセンス,ノウハウやテクニック,

さらには直観力や洞察力など,ビジネスや仕事の現場で

永年の経験を通じてしか学ぶことのできないものであり,

言葉で表すことができないため,容易に伝達,

共有することのできないものです。

 

 

 

 

体験によって,職業的な智恵を身につけるためには,

一つの経験をしたとき,その経験を徹底的に追体験し,

そこで学んだことを極限まで言語化することによって,

知識を智恵へと深め,経験を体験へと高めるという

反省が必要になります。

 

 

反省をするには,直接に自分の責任ではないと思える問題であっても,

それを敢えて自分の責任として受け止めてみると効果的です。

 

 

そして,私達は,職場における師匠からも智恵を学びます。

 

 

師匠から学ぶためにはリズム感とバランス感覚を磨く必要があります。

 

 

優れたリズム感とバランス感覚を身につけるためには,

師匠と同じ部屋の空気を吸うことです。

 

 

その上で,自分なりの工夫をしながら,

自分なりの個性をみつけます。

 

 

そうすれば,自分自身の唯一無二の何かを発見することになります。

 

 

かけがえのない人生の時間を生きることの覚悟を決めて,

自分の成功とは何かを定めて,今を生きることの重要性が説かれています。

 

 

仕事と家庭の両立に悩むビジネスマンにとって,

時間というものを深く考えるために,大変役に立つ名著ですので,

紹介させていただきました。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

不活動時間が労働時間といえるには?(24時間シフトのガス配管修理工の残業代請求事件)

ビルの監視業務における深夜労働に関する

裁判例を調査していたところ,

気になる裁判例を見つけましたので,紹介します。

 

 

ガスの配管の修理工事の下請けの会社において,

事業所内に設置された社員寮に寄宿して

24時間シフトを含む勤務スケジュールのもとで

働いていた労働者の未払残業代請求事件です

(大道工業事件・東京地裁平成20年3月27日判決・

労働判例964号25頁)。

 

 

 

この会社では,午前9時から翌日午前9時までの24時間シフトがあり,

労働者は,何もなければ社員寮で過ごしていればよく,

ガスの配管の修理の要請があったときに,

現場へ行き,修理工事をします。

 

 

修理依頼の回数や頻度はまちまちで,

まったく修理依頼のない日も毎月2~6回ほどあり,

修理工事の実作業がない場合,労働者は,

社員寮の自室で過ごしていました。

 

 

このように24時間シフトであるものの,

実際の作業時間はそれほど多くなく,

不活動時間が長いことから,24時間のうち,

実際に働いた時間以外の不活動時間

労働時間といえるのかが争われたのです。

 

 

不活動時間が労働時間に該当すれば,

実労働時間が8時間を超えた時間について,

未払残業代が請求できるのです。

 

 

これまでに何回かブログで解説してきましたが,

労働時間とは,会社の指揮命令下に置かれている時間をいい,

労働からの解放が保障されていなければなりません。

 

 

 

 

本件事件では,①修理工事の依頼があり出動する回数や頻度は

1日に1回程度であり,深夜・早朝の時間帯には少ないこと,

②実労働時間が5時間以内となる日が相当数あり,

24時間シフトのうち,実労働時間が占める割合は小さく,

不活動時間が占める割合が大きいこと,

③不活動時間において,労働者は,自室において私服で,

テレビをみたり,パソコンをしたり,飲酒やマージャンをしたり,

パチンコ店や飲食店に外出するなど自由に過ごしていたことから,

不活動時間は労働時間とは認定されませんでした。

 

 

 

その結果,労働者の残業代請求は認められませんでした。

 

 

私個人としては,平均して1日に1回の呼び出しがあるのであれば,

労働からの解放が保障されていたとはいえず,

不活動時間も労働時間と認めるべきだと考えます。

 

 

裁判所は,不活動時間について,呼び出しの頻度や回数,

呼び出されて働く時間帯,実際に働く時間の長さ,

呼び出しがない時間帯に自由に過ごせていたのか,拘束されていたのか,

といった事情をもとに,労働からの解放が保障されていたのか

をチェックします。

 

 

不活動時間が労働時間であると主張する場合は,

上記の事情を検討していくことが必要になります。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

宿直における断続的な業務と残業代請求

ビルの監視業務の深夜労働が,労働基準法41条3号の

「監視又は断続的労働」に該当するかについて,

文献を調査していたところ,宿直または日直の勤務について

記載されていたので,アウトプットします。

 

 

労働基準法施行規則23条には,

「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」について,

労働基準監督署の許可を受ければ,

労働基準法32条の規定にかかわらず,

労働者を使用することができると規定されています。

 

 

労働基準法32条には,1日8時間,1週間40時間

を超えて労働させてはならないと規定されているので,

「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」に該当して,

労働基準監督署の許可を受ければ,

1日8時間,1週間40時間を超えて労働させても,

全く問題ないことになるというわけです。

 

 

 

 

それでは,「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」とは

どのようなものをいうのかといいますと,

所定労働時間外または休日における勤務の一態様であって

当該労働者の本来の業務は処理せず,

構内巡視,文書・電話の収受,非常事態に備えて待機するもので,

常態としてほとんど労働する必要のない勤務です。

 

 

そのため,所定労働時間外または休日の勤務であっても,

このような勤務の態様のほかに,

本来の業務の延長と考えられるような業務を処理するものは,

たとえ宿直または日直の勤務と表現されていても,

「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」にはあたりません。

 

 

突発的に発生する本来の業務を処理させるために

宿日直勤務により待機させる場合でも,

その突発的事故の発生率が低く,

一般的にみて睡眠が十分とりえるものであれば,

その本来の業務処理時間を時間外労働及び休日労働として処理する限り,

待機時間は「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」にあたります。

 

 

医師や看護師などの宿直勤務が,

「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」にあたるのは,

病室の定時巡回,異常患者の医師への報告,

少数の要注意患者の定時検脈・検温などの

特殊の措置を必要としない軽度のまたは短時間の業務に限られます。

 

 

宿直中に突発的な応急患者の処置があり,

昼間と同じ労働をすることが稀にあっても,

一般的にみて睡眠を充分にとれるのであれば,

実際に働いた時間について割増賃金を支払うのであれば,

「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」といえるようです。

 

 

大きい病院における二交代制や三交代制による夜間勤務者は,

少人数で,昼間と同じ内容の労働を全て受け持つので,

「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」にはあたりません。

 

 

 

 

社会福祉施設における宿直業務については,

少数の入所者に対して行う夜尿起こし,おむつ取替え,検温などの

介助作業であって,軽度かつ短時間の作業に限られていないと,

「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」にはあたりません。

 

 

労働基準法施行規則23条の

「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」も,

労働基準法41条3号と同じように,

厳格に判断されることになりますので,

昼間と同じような労働を夜間にもしているのであれば,

「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」

にはあたらないことになります。

 

 

そして,宿直手当が支給されていても,その金額が,

労働基準法に定められた計算方法で算出される

残業代や深夜割増賃金よりも少ない場合には,

差額を請求することができます。

 

 

 

宿直の場合,昼間の労働よりも労働密度は低いのですが,

呼び出しがあった場合にはすぐに対応しなければならず,

呼び出しの頻度も一定数ある場合には,

労働から解放されているとはいえず,

宿直の時間は労働時間といえ,

宿直の時間に応じた残業代や深夜割増賃金を請求できます。

 

 

宿直などで夜間に働いている場合,

宿直手当の金額が適正に支払われえいるのかを

一度チェックするといいと思います。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

残業代が請求できない監視又は断続的労働に従事する者とは?

先日,ビルの防災センターにつめて,

監視モニターでビルを管理し,ビルを巡回警備する仕事をしている

労働者の残業代請求の相談を受けた際に,

労働基準法41条3号の「監視又は断続的労働に従事する者」

に該当するかが気になったので,調べてみました。

 

 

 

 

当該労働者が労働基準法41条3号の

「監視又は断続的労働に従事する者」に該当すれば,

労働基準監督署の許可を受ければ,

労働基準法で定められている労働時間規制の適用が受けられなくなり,

どれだけ残業しても,残業代を請求できなくなります。

 

 

名ばかり管理職と同じように,

どんなに長時間労働をしても,

残業代はゼロになってしまうのです。

 

 

なぜ,このような適用除外が認められているのかといいますと,

「監視又は断続的労働に従事する者」は,

通常の労働者と比較して労働密度が低く,

労働基準法に定められている労働時間,休憩,休日の規定を

適用しなくても必ずしも労働者保護に

欠けるところがないからということのようです。

 

 

それでは,「監視又は断続的労働に従事する者」とは,

どのような労働者なのでしょうか。

 

 

まず,「監視に従事する者」とは,原則として

一定部署にあって監視をするのを本来の業務とし,

常態として身体の疲労又は精神的緊張の少ない者をいいます。

 

 

 

 

次の労働者は,「監視に従事する者」ではないと解されています。

 

 

①交通関係の監視,車両誘導を行う駐車場等

の監視等精神的緊張の高い業務

②プラント等における計器類を常態として監視する業務

③危険又は有害な場所における業務

 

 

監視の業務であっても,ある程度ぼーっとしていても

つとまるような場合が,これにあたると考えられます。

 

 

次に,「断続的労働」とは,作業自体が本来一定の間隔をおいて

行われるもので,作業時間が長く継続することなく中断し,

しばらくして再び同じような態様の作業が行われ,

また中断するというように繰り返されるものをいいます。

 

 

具体的には,次のような仕事があてはまります。

 

 

①修繕係等通常は業務閑散であるが,事故発生に備えて待機するもの

②寄宿舎の賄人等については,その者の勤務時間を基礎にして

作業時間と手待ち時間折半程度まで。

ただし,実労働時間の合計が8時間を超えるときはこの限りではない。

③鉄道踏切番等については,一日の交通量10往復まで。

 

 

工場労働のように継続的に作業するものであるにもかかわらず,

労働の途中に休憩時間を何回も入れるなど人為的に

断続的な労働形態を採用しても,「断続的労働」にはあたりません。

 

 

 

 

また,ある一日は断続的労働であっても,

他の日に通常の勤務に就くというようなかたちを繰り返す勤務については,

休日に関する規定を排除しても労働者保護上差し支えなし

ということにはならないので,シフト制を導入している仕事の場合,

「断続的労働」には該当しないことになります。

 

 

そして,「監視又は断続的労働に従事する者」であるとして,

労働基準法41条3号の適用除外を認めてもらうためには,

労働基準監督署から許可を受ける必要があり,

この許可がない場合には,無効となります。

 

 

こちらのサイトに労働基準監督署への許可の書式があります。

 

 

http://shinsei.e-gov.go.jp/search/servlet/Procedure?CLASSNAME=GTAMSTDETAIL&id=4950000009674&fromGTAMSTLIST=true&dspcnt=10&keyword=%8A%C4%8E%8B%81%45%92%66%91%B1&keywordOr=0&renmeiKahi=&ininKahi=&SYORIMODE=&displayHusho=0&frompos=1

 

「監視又は断続的労働に従事する者」に該当すれば,

どれだけ長時間労働をしても残業代は0円となり,

働き過ぎによる過労死・過労自殺を助長する危険がありますので,

「監視又は断続的労働に従事する者」に該当するか否かについては,

厳格に判断される必要があります。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

立花Be塾レベル1第2講での気付き3~なりたい自分チャレンジ~

昨日に引き続き,立花Be・ブログ・ブランディング塾レベル1の

第2講のアウトプットの続きを行います。

 

 

立花岳志先生(たちさん)は,先日の講義で,

ブランディングについて,

あるがままブランドを目指すべきと語られました。

 

 

自分がなりたい道や目標を正しく公開し,

自分が苦手なことや失敗したことも隠さず自己開示するのが,

ブランディングにつながるのです。

 

 

 

 

人は,他人の長所を尊敬し,短所を愛することがあるので,

自分の苦手や失敗を開示することで,

他人に対して,自分の人間性が伝わることになります。

 

 

素のままの自分を伝えればいいのです。

 

 

できないことをあたかもできるように捏造してはならないのです。

 

 

このあるがままブランドを構築していくのに最適なのが,

「なりたい自分」チャレンジです。

 

 

なりたい自分になっていく過程の中での試行錯誤を

ブログに書いていくのが,「なりたい自分」チャレンジです。

 

 

 

「なりたい自分」になるための途中経過なので,

当然失敗もあるのですが,同じ目標を持つ人たちが,

ファンになってくれたり,情報が集まってくるので,

やがて「なりたい自分」になっていくのです。

 

 

私の場合,「なりたい自分」は,最高裁で労働事件の

画期的な判決を勝ち取り,最高裁の前で「勝訴」ののぼりを掲げて,

その後,記者会見を行うという自分です。

 

 

自分が勝ち取った最高裁判決が,

今後の労働者の裁判に良い影響を与え,

社会にインパクトを与えるものであり,

記者会見で事件の説明をしている父親の姿を,

私の子供がテレビを見て,「父ちゃん,かっこいい」

と盛り上がることを夢見ています。

 

 

 

 

この「なりたい自分」になるために,私は,

労働事件の専門知識に磨きをかけるべく,

労働事件に関する情報を日々発信しているのです。

 

 

もう一つの「なりたい自分」は,家族との時間を大切に過ごす自分です。

 

 

私は,現在,私の両親と,妻,2歳の長女,0歳3ヶ月の長男

と一緒に私の実家に同居しています。

 

 

妻は,育児の負担に加えて,私の両親と同居している

ストレスが重くのしかかっており,私は,妻に苦労をかけています。

 

 

嫁と姑は,なぜここまでうまくいかないものかと,

男にはわからない,目に見えないせめぎあいが日々勃発しています。

 

 

 

女性には申し訳ないのですが,男は,嫁姑のせめぎあいについて,

妻から言われるまで,気づかないのがほとんどだと思います。

 

 

そのため,妻は,私の両親とのせめぎあいがなるべく少なくなるように,

夫に早く家に帰ってきて,家にいてもらいたいと願います。

 

 

しかし,弁護士である夫は仕事が忙しい。

 

 

この妻の苦労を軽減するために,

自分の労働生産性を向上させようと,

私は,いろいろ試行錯誤していますが,

正直あまりうまくいっていません。

 

 

仕事が忙しいなか,子育てをがんばっているビジネスマンは,

同じような悩みをかかえながら,ワークライフバランスの実現を

追求しているのだと思います。

 

 

というわけで,今後は,自分の労働生産性を向上させて,

家族と過ごす時間を大切にして,夫婦関係を円満にしてくための,

試行錯誤の途中経過についても情報発信していきたいと思います。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

立花Be塾レベル1第2講での気付き2~ブログに何を書くべきか?~

昨日に引き続き,立花Be・ブログ・ブランディング塾レベル1の

第2講のアウトプットの続きを行います。

 

 

ブログに何を書くべきなのか?

 

 

ブログを書いている人であれば,直面する問いです。

 

 

立花岳志先生(たちさん)の回答は,

好きなこと」を書きましょうです。

 

 

 

 

好きなことをやって,そのことを書くと,

書くことが楽しくなり,好きなことをやるので,

身体と心が喜び,健康にいいのです。

 

 

好きなことを書いていると,脳がわくわくするので,

継続することができて,習慣化することができます。

 

 

脳がわくわくしないと,なかなか継続はできないものです。

 

 

ブログを好きなことで満たしていけば,

ブログが人生の宝物になるのです。

 

 

私は,これまで,自分の専門分野である

労働事件についてブログを書いてきました。

 

 

弁護士が取り扱う分野の中で,労働事件が一番好きですし,

大変やりがいを感じているので,自分の専門性を高めるためにも,

労働事件のことについて情報発信することは,非常に有意義でした。

 

 

ただ,心の底から楽しいかと言われれば,

そうではないのが正直なところです。

 

 

労働事件のことをブログに書いて,読者の方から,「役に立ちました」

とお喜びの声を聞かせていただくのは,最高の喜びになるのですが,

忙しい弁護士業務と家族と過ごす時間のバランスを考えると,

労働事件のことをブログに書き続けることは,けっこうしんどいものです。

 

 

弁護士が書くブログなので,間違ったことは書けないので,

毎回,文献や裁判例を調査してから,

表現に細心の注意を払いながらブログを書きますので,

どうしてもブログを書くのに時間がかかります。

 

 

 

 

そのため,仕事が立て込んでいるときには,

ブログを書くことが大変で,

労働時間が長くなりがちになってしまいます。

 

 

働き方改革に逆行してしまいます。

 

 

そこで,自分の専門分野以外の自分の趣味や家族のことなど,

プライベートで好きなことや楽しいことをブログに書くといいことを,

たちさんや立花Be塾のブログ仲間から

フィードバックをいただきました。

 

 

(立花Be塾のブログ仲間。私以外の受講生は全員女性です)

 

 

仕事が忙しかったり,家族との時間を大切にすべきときには,

自分の専門分野以外のプライベート記事を書いた方が,

自分も楽ですし,私に対する親近感がわくようで,どうやらよさそうです。

 

 

弁護士という仕事柄,かたい,あまりかかわりたくない,雲の上の人

と言われることがあるので,本業と関係ないことを書くことで,

弁護士も普通の人なのだと理解してもらえて,

私に対して共感してもらえるのかもしれません。

 

 

そのため,今後は,労働事件以外にも,

私のプライベートや好きなことについても,

ブログで情報発信していこうと思います。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

立花Be塾レベル1第2講での気付き~習慣化の技術~

昨日は,立花Be・ブログ・ブランディング塾レベル1の

第2講を受講しましたので,そのアウトプットをします。

 

 

(立花岳志先生)

 

講師の立花岳志先生(「たちさん」といいます)から,

習慣化の重要性を教わりました。

 

 

「なりたい自分」を「習慣化」できると,

「どんどんなりたい自分になってしまう」状態に突入していき,

やがて,ゆっくりと「なりたい自分」になれてしまうので,

習慣化は重要なのです。

 

 

例えば,運動して健康な自分になるが,

「なりたい自分」であれば,毎日運動をしていれば,

やがては,運動して健康自分になれるのです。

 

 

当たり前といえば当たり前ですが,

これがなかなかできないが私達人間です。

 

 

なぜなら,私達人間が変化をしようとすると,

私達人間に備わっている恒常化維持機能(ホメオスタシス)が作動して,

現状維持が快適であると潜在意識にはたらきかけて,

変化をさせてくれないからなのです。

 

 

「なりたい自分」になるために変化をしようとして,

何か行動をしようとすると,ホメオスタシスが作動して,

変化しようとする行動を抑制して,

やがて現状維持のもとのままに戻ってしまうのです。

 

 

 

これが,習慣化ができない理由です。

 

 

このホメオスタシスの壁を突破するためには,

バカバカしいほど簡単なことから変化するための

実践をすることが鍵となります。

 

 

先ほどの運動して健康な自分になるであれば,

実際に運動しなくても,ジャージなどの運動する服に着替えて,

玄関まで行くことを習慣化すればいいのです。。

 

 

実際に運動することがハードルが高い人には,

まずは運動する服に着替えて玄関まで行くという

低いハードルを習慣化していくことで,

しだいに玄関から外にでて,

ランニングをすることにつながっていくのです。

 

 

これをブログにあてはめると,1日1行でもいいので,

更新することを習慣化すればいいのです。

 

 

できる時間にできることをするようにしないと,

ハードルが高くなりすぎて,習慣化に至る前に挫折してしまうので,

ハードルを低くすることが重要になります。

 

 

そして,最初から成果を求めてはいけません。

 

 

人間の成長は,かけた労力や時間と正比例するのではなく,

最初は何も成果でない状態が一定期間継続し,

一段階段を登るように次のステージに以降し,

また同じようにしばらく成果がでない状態が継続するというように,

階段をゆっくりゆっくりと登っていくように人間は成長していきます。

 

 

 

 

そのため,最初から成果を求めると,

成果がでない状態が一定期間継続するので,

いくらやっても成果がでないと思い込んでしまって,

途中で挫折してしまうのです。

 

 

そのため,最初から成果はでないと理解した上で,

自分にとって適切な負荷をかけた上で,

楽しくて楽にできることを途切れずに

毎日継続して実行していくことで,

習慣化できるようになるわけです。

 

 

たちさんは,「徹底的」を習慣化して淡々とやること

最終目的地だとおっしゃりました。

 

 

淡々とというキーワードが私にとって,とても印象に残りました。

 

 

私は,20代前半に司法試験の受験勉強をしていたときに,

伊藤塾という司法試験予備校の講師である呉明植先生が,

司法試験の受験生に向けたメッセージとして

「淡々と,ひたすら淡々と」

とおっしゃっていたのを思い出しました。

 

 

今日はやる気がないなぁと思いながらも,毎日淡々と受験勉強をする。

 

 

これが,司法試験に受かるための王道であると。

 

 

やる気というモチベーションに頼ることなく,

淡々と毎日,正しい方向に向けて受験勉強を継続すると,

司法試験に合格できるというわけです。

 

 

「なりたい自分」になるための小さな行動を毎日,

淡々と継続することが,「なりたい自分」になるための最短の王道なのです。

 

 

そのため,ブログを書きにくいコンディションのときには,

これまでよりもハードルを下げてブログを記載して,

毎日更新を継続していこうと思います。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

派遣先会社の上司による派遣社員に対するパワハラ

先日,ブログに記載しましたが,パワハラについては,

①パワハラの事実を証明できるのか,

②違法なパワハラと評価できるのか,

③損害額はいくらになるのか,

という3つのハードルがあります。

 

 

このハードルのうち,

②違法なパワハラと評価できるのかと,

③損害額はいくらになるのかについては,

ケースバイケースで判断していくしかないので,

パワハラに関する裁判例を多く分析しておくことが

効果的だと考えています。

 

 

そこで,本日は,派遣先会社の上司の派遣社員に対する叱責が

パワハラと判断されたアークレイファクトリー事件を紹介します

(大阪高裁平成25年10月9日判決・労働判例1083号24頁)。

 

 

この事件では,派遣社員である原告が,派遣先会社の上司から,

「殺すぞ」,「お前」,「あほ」,「休みやがって確信犯やな」,

「頭の毛,もっとチリチリにするぞ。ライターで」,「崖から落ちろ」

などの暴言をはかれて叱責されたことが,

業務上必要かつ相当な範囲を超えた

違法なパワハラに該当するかが争点となりました。

 

 

 

特に,この事件で注目すべき点は,

被害者である労働者が派遣社員という,

不安定な雇用状況にある者であり,

派遣先会社の上司からの発言に対して,

容易に反論することが困難であり,

弱い立場にある労働者へのパワハラが

問題になったということです。

 

 

裁判所は,上司が部下を叱責する際の注意点として,

次のように判断しました。

 

 

監督者が監督を受ける者を叱責し,あるいは指示を行う際には,

労務遂行の適切さを期する目的において

適切な言辞を選んでしなければならないのは当然の注意義務

であるとしました。

 

 

ようするに,上司は,部下の反省を促し,成長を促す目的で,

適切な言葉を使って部下を叱責しなければならないのです。

 

 

そして,本件事件では,上司の言動はいかにも粗雑で,

極端な表現を用い,配慮を欠く態様で指導されており,

監督を受ける部下としても,上司の発言が真意でないことを

認識しえるとしても,日常的にこのような上司の監督を

受任しなければならないものではないと判断されました。

 

 

 

 

やはり,上司には,労務遂行上の指導・監督を行うにあたり,

そのような言動をもってする指導が

部下との人間関係や部下の理解力を考慮して,

適切に指導の目的を達成して,その真意が

伝わっているかを注意すべき義務があるのです。

 

 

このように,上司が部下を叱責する際の注意義務について

詳細に分析されているので,参考になります。

 

 

この事件では,部下が当惑や不快の意思を示しているのに,

上司は上記の暴言を繰り返していたので,

この上司の叱責は嫌がらせや侮辱といえ,

違法なパワハラであると認定されました。

 

 

もっとも,この上司には,強い害意や

常時嫌がらせの指向があるわけではなく,

態様としても受け止めや個人的な感覚によっては,

単なる軽口として聞き流すことも不可能ではない,

多義的な部分も多く含まれているとして,

慰謝料としては30万円しか認められませんでした。

 

 

慰謝料の金額で不十分な点があるものの,

正社員と派遣社員との支配関係に着目して,

上司が部下を叱責するときの注意義務が

具体的に明らかにされた点において参考になる裁判例です。

 

 

 

派遣先会社の上司による派遣社員への叱責は,

違法なパワハラとやや認定されやすくなるかもしれません。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

北陸ブログセミナー同窓会での気付き

先日,福井で,私のブログの師匠である板坂裕治郎師匠

が主催するブログセミナーの北陸同窓会がありましたので,

参加してきました。

 

 

(板坂裕治郎師匠)

 

思えば,2018年5月1日,税理士の小林弘昌先生から

「ブログセミナーがあるのですが,参加しませんか?」

と誘われて,板坂裕治郎師匠のブログセミナーに

参加したのが始まりでした。

 

 

なんと,その日に,365日ブログを

更新することが決まりました。

 

 

私は,「弁護士忙しいのに毎日更新できるんかいや?」

と戸惑いながらも,ブログセミナーの同期生に支えられて,

なんとか,今日まで,毎日更新を続けることができました。

 

 

今年の5月7日で365日達成なのですが,

この北陸のブログ同窓会で,板坂裕治郎師匠からは,

365日が目標なのではない,365日はあくまで通過点であり,

4年の1461日を目指しなさいと教わりました。

 

 

板坂裕治郎師匠の受講生の中には,365日達成できても,

その後にブログを更新しなくなってしまう人がいるようです。

 

 

ブログを更新しなくなると,

中小零細弱小家業の社長の四大疾病である,

傲慢,怠惰,自堕落,無知が再発してしまうので,

365日を経過しても,ブログを更新する必要があるのです。

 

 

あくまでブログを更新するのは,

この四大疾病を克服する最低条件なのです。

 

 

そして,板坂裕治郎師匠は,我々は,

ビジネスブログアスリートなので,アスリートが

4年に1度のオリンピックを目指すように,

365日達成の次は,4年の1461日を目指しなさい

とはっぱをかけられました。

 

 

 

私は,ブログを毎日更新するようになり,

自分が専門としている労働事件のことをブログで情報発信するために,

毎日アンテナをはりながら,専門知識をインプットしているので,

労働弁護士としての実力が向上しているのを実感しています。

 

 

高度なアウトプットを前提とした上質なインプット

毎日継続しているので,自己成長が実感できるのです。

 

 

そして,他の弁護士がやっていない毎日更新を実践していることで,

自信がつきました。

 

 

そのため,ブログの更新をとめると,

自己成長の速度が遅くなってしまい,

しまいには,四大疾病に罹患するリスクがあります。

 

 

もう少しで365日達成だと,やや浮ついておりましたが,

板坂裕治郎師匠から活を入れられ,365日を経過しても,

ブログを継続しようと決意しました。

 

 

この同窓会では,自分の強みを分析するワークの時間がありました。

 

 

自分のバックボーンと組合せて強みを語ることで,

理想客に対して,説得的に伝えることができます。

 

 

しかし,私は,ありきたりな強みとバックボーンしか

抽出するこができず,自分の強みをブログ仲間に

説得的に伝えることができませんでした。

 

 

今後は,自分の強みを分析していかなければならないと痛感しました。

 

 

そして,板坂裕治郎師匠から,7つのステップとして,

①熱い想い→②見える化→③公表→④共感→⑤協力者→⑥覚悟→⑦変化

を教わりました。

 

 

私は,自分のブログに①熱い想いをあまり記載していなかったので,

今後は,自分の熱い想いをブログで公表していきたいと思います。

 

 

(ブログセミナーの仲間たちと)

 

10連休のゴールデンウィークを乗り切れば,

365日達成ですので,引き続き,

このブログをよろしくお願い致します。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

250万円の慰謝料請求が認められたパワハラ事件

労働事件の法律相談で最近多いのが

パワハラや職場の嫌がらせ,いじめの問題です。

 

 

もっとも,パワハラについては,

①パワハラの事実を証明できるのか,

②違法なパワハラと評価できるのか,

③損害額はいくらになるのか,

という3つのハードルがあるため,費用対効果の関係で,

弁護士に解決の依頼をするところまで至らないことも多いです。

 

 

 

 

①パワハラの事実を証明できるかについては,

録音,病院のカルテ,日記などをもとに判断していきますが,

②違法なパワハラと評価できるのかと,

③損害額はいくらになるのかについては,

ケースバイケースで判断していくしかないので,

パワハラに関する裁判例を多く分析しておくことが

効果的だと考えています。

 

 

そこで,本日は,パワハラの慰謝料として250万円という,

比較的高額な慰謝料が認められた

プラネットシーアール事件を紹介します

(長崎地裁平成30年12月7日判決・労働判例1195号5頁)。

 

 

この事件では,上司の原告労働者に対する次の言動が,

原告の人格権を違法に侵害する不法行為にあたると判断されました。

 

 

上司は,原告の業務負担が前より増加する中,

逆により短時間で結果を出すように

原告にとって困難な目標達成を求め続けたり,

営業部門との板挟みになって対処に窮するような指示をし続け,

それらが実現できないと,指示に従わないとして

厳しく注意,叱責することを繰り返しました。

 

 

 

 

しまいには,叱責中の原告の目つきや態度が気に食わない

として叱責したり,過去に叱責した問題を蒸し返して叱責したり,

上司が何について叱責したいのか告げないまま叱責し,

原告が何について叱責されているのかわからないことを

更に叱責するといった,内容的にはもはや叱責のための叱責となり

業務上の指導を逸脱した執拗ないじめとなっていました。

 

 

具体的には,「何だその目つきは。文句があるのか。

言いたいことがあるなら口で言え。恨めしげににらみやがって,腹の立つ。」,

「反抗的な,もの言いたげな,口を尖らせたような顔をしとる」,

「言い訳するな,お前が悪い」,

「今までのミスを俺が明らかにすれば,お前クビぞ,脅しじゃなかぞ」,

「始末書を書くのにパソコンを書くのかお前は。

お前の始末書に会社の財産を使うのか。」,

「お前は素直なふりをしているが,素直そうなその返事も,

俺にはうそとしか思えない。うそをつくやつには仕事を任せられない」

などというものです。

 

 

理由もなく叱責したり,解雇をちらつかせたり,

仕事から排除する場合には,違法なパワハラと

認定される可能性があります。

 

 

上司のこれらのパワハラは約1年間も続き,原告は,

適応障害を発症し,最終的には精神的に不安定となり,

希死念慮にかられるまで精神的に追い詰められて

働けなくなってしまいました。

 

 

 

 

上司のパワハラの態様や,原告の被害状況,

会社のその後の対応などを考慮して,

慰謝料250万円が認められました。

 

 

さらに,この事件では,もう一つ注目される判断がされました。

 

 

原告は,上司のパワハラが原因で働けなくなったので,

会社の責めに帰すべき事由によって,労務提供ができないので,

民法536条2項により,賃金請求ができ,

原告は,労災保険から休業補償を受給していましたが,

このような給付は賃金を補填する趣旨で支給されるものではないから,

休業補償を受給したことで,被告が賃金額を減額することはできない

と判断されたのです。

 

 

解雇の事件では,解雇が無効になった場合,

民法536条2項を根拠に未払賃金を請求できますが,

他の会社で働いていた場合,平均賃金の4割ほど

減額されることがあるのですが,

労災保険の休業補償を受給していても,

未払賃金から減額されないというわけです。

 

 

この判断は,労働者にとって有利なものです。

 

 

パワハラ事件で高額な慰謝料が認められるのはどのような場合か

を検討するのに参考になりますので,紹介しました。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。