なぜ,時間を生かせないのか
田坂広志先生の「なぜ,時間を生かせないのか」
という本を読みましたのでアウトプットします。
従来のタイムマネジメント術にはない,
時間に処する心得が分かりやすく説明されている名著です。
世には多くのタイムマネジメント術の本がありますが,
そのような本を読んだだけでは,
なかなか時間管理がうまくいきません。
それはなぜでしょうか。
理由は,タイムマネジメントの基礎体力にあたる
集中力が無いからなのです。
集中力を身につければ,時間の長さではなく,
時間の密度を濃くすることができます。
それでは,集中力を身につけるためにはどうすればいいのでしょうか。
それは,日々の仕事において知的体力を鍛えることです。
単調に思える仕事であっても,気を抜かずに取り組むことで,
確実に知的体力が身についていきます。
また,時間を区切って仕事をする,
締切を明確にして仕事をする,
締切を宣言して仕事をすることで,
集中力を身につけることができます。
そして,顧客と接する瞬間のビジネスの真剣勝負の場に
身を置くことで最も高度な集中力が鍛えられます。
私達は,時間の密度を高めて,何を学ぶべきなのでしょうか。
それは,職業的な智恵です。
職業的な智恵とは,スキルやセンス,ノウハウやテクニック,
さらには直観力や洞察力など,ビジネスや仕事の現場で
永年の経験を通じてしか学ぶことのできないものであり,
言葉で表すことができないため,容易に伝達,
共有することのできないものです。
体験によって,職業的な智恵を身につけるためには,
一つの経験をしたとき,その経験を徹底的に追体験し,
そこで学んだことを極限まで言語化することによって,
知識を智恵へと深め,経験を体験へと高めるという
反省が必要になります。
反省をするには,直接に自分の責任ではないと思える問題であっても,
それを敢えて自分の責任として受け止めてみると効果的です。
そして,私達は,職場における師匠からも智恵を学びます。
師匠から学ぶためにはリズム感とバランス感覚を磨く必要があります。
優れたリズム感とバランス感覚を身につけるためには,
師匠と同じ部屋の空気を吸うことです。
その上で,自分なりの工夫をしながら,
自分なりの個性をみつけます。
そうすれば,自分自身の唯一無二の何かを発見することになります。
かけがえのない人生の時間を生きることの覚悟を決めて,
自分の成功とは何かを定めて,今を生きることの重要性が説かれています。
仕事と家庭の両立に悩むビジネスマンにとって,
時間というものを深く考えるために,大変役に立つ名著ですので,
紹介させていただきました。
本日もお読みいただきありがとうございます。