身体的暴力のパワハラ事件で損害賠償請求と未払残業代請求をして勝訴的和解が成立した事例

1 ひどい暴力のパワハラ事件

 

 

会社の社長から、あまりにもひどいパワハラを受けた事件で、

損害賠償請求と未払残業代請求をして、無事に和解で解決した事件を紹介します。

 

 

クライアントは、運送会社で働いていたところ、

社長から、次のような、暴力を受けました。

 

 

 

①鼻を頭突きされて鼻血がでた。

 

 

②顔を殴られて唇が切れた。

 

 

③髪の毛をハサミで切られる。

 

 

④腕にタバコの火を押し付けられてやけどする。

 

 

⑤マジックで額にバツを書かれる。

 

 

⑥顔面を蹴られて歯が折れる。

 

 

クライアントは、このような社長からの度重なる暴力に耐えられず、

会社を退職し、法律相談にこられました。

 

 

私は、労働弁護士として、多くのパワハラの法律相談を受けてきましたが、

本件の事案のように、ここまでひどい暴力を受けたパワハラは初めてでした。

 

 

最初は本当にそんなにひどいパワハラが起きていたのか信じられませんでしたが、

クライアントが、怪我をしたときの写真を撮っていたので、

その写真を見て、実際にひどいパワハラがされていたことを知りました。

 

 

クライアントの怪我の写真で、社長の暴力の事実を証明できると判断して、

会社と社長に対して、損害賠償請求をしました。

 

 

2 パワハラの損害賠償請求では未払残業代請求を一緒にする

 

 

また、クライアントの話を聞いていると、長時間労働をしているに、

残業代が全く支払われていないことがわかりましたので、

パワハラの損害賠償請求と共に、未払残業代請求をしました。

 

 

 

ひどいパワハラをしているブラック企業では、

残業代が未払のことが多いので、パワハラの損害賠償請求と共に、

未払残業代請求をすることで、

会社から多くの金銭の支払いを受けることが可能になります。

 

 

交渉では合意に至らず、裁判を提起しました。

 

 

相手方からは、残業の業務命令をしていない、

タイムカードの記載は信用できないので、

残業代は認められないなどの主張がされました。

 

 

しかし、会社から残業の業務命令がなくても、

会社は、労働者が残業していることを認識しており、

何も異議を述べていない場合には、

黙示の指示が認められて、残業代請求が認められます。

 

 

また、裁判例では、タイムカードには、

特段の事情がない限り、労働時間を事実上推定する力があるとして、

タイムカードの記載の時間は、労働していたと認定される傾向にあります。

 

 

本件事件でも、社長よる暴力のパワハラと残業が認められて、

当方の損害賠償請求と未払残業代請求が認められました。

 

 

結果として、会社から、クライアントに納得していただける

金銭を支払ってもらい、和解が成立しました。

 

 

パワハラの損害賠償請求事件では、未払残業代請求を一緒にすることで、

クライアントが納得できる解決にいたることができます。

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