仕事の報酬とは何か
田坂広志先生の著書「仕事の報酬とは何か~人間成長をめざして~」
を読みましたので,アウトプットします。
「仕事の報酬とは何か」と問われれば,
多くの人は,「給料である」と答えると思います。
しかし,田坂先生は,給料という目に見える報酬ではなく,
目に見えない3つの報酬を,自ら求めて得るべきであると説いています。
その3つの報酬とは,能力,仕事,成長です。
この3つの報酬を求めることで,
「仕事そのもののなかに,大きな喜びがある」ことに気づきます。
私は,この本を読み,この3つの報酬の中でも,
能力という報酬について,よく理解できました。
能力という報酬は,仕事をしていく中で,
腕を磨いていく過程で得ることができます。
例えば,私の弁護士という仕事ですが,法律の専門知識に加えて,
次のような能力が必要とされます。
クライアントに安心して話してもらい,
必要な事実を聞き取るコミュニケーションの能力,
事件の相手方や裁判所と交渉して,説得する能力,
読み手に伝わる文章を書く能力,
証人尋問において,証人に質問して,必要な回答を引き出す尋問の能力,
講義を担当する時などには,聴衆に対して
分かりやすく伝えるプレゼンの能力など,
さまざまな能力が必要とされます。
これらの能力を身につけるための最も大切な方法とは,
「師匠」をみつけることなのです。
プロフェッショナルとしての能力やスキルについては,
言葉では言い表せない知恵なので,師匠と一緒に仕事をすることで,
体でつかみとっていくのです。
そして,師匠から学ぶための3つの基本があります。
それは,呼吸,着眼,心得の3つです。
呼吸とは,リズム感とバランス感覚のことです。
田坂先生は,師匠のリズム感とバランス感覚を掴み取る方法として,
師匠の電話を傾聴する方法を提唱しておられます。
師匠に電話がかかってきたときに,仕事の手はとめずに,
師匠が電話しているやりとりに耳を傾けて,
言葉のリズム感や会話のバランス感覚を,
体に染み込ませるという方法です。
私は,意識して,先輩弁護士の電話のやりとりに
耳を傾けていなかったので,今後は,
先輩弁護士の電話のやりとりを聞いて,
言葉のリズム感や会話のバランス感覚を学んでいきます。
次に,着眼とは,1つの経験における無数の問題の何に注目し,
何を問題とするかを見極めることです。
1つの仕事を経験したときに,その経験からどのようなスキルをつかみ,
どうすればスキルをつかめるかについて,反省をするためには,
何に着眼するかが重要になるのです。
そして,スキルを学ぶ前に,師匠の心得を身につける必要があります。
この心得の中で,私が感銘を受けたのが
「他人の中にある欠点は,必ず,自分の中にも,ある」ということです。
人は他人の欠点について批判的にみてしまいますが,
その他人の欠点は,自分自身が無意識的になんとかしたいという
欠点を投影していることがあります。
人は鏡なのです。
他人は,自らを映し出す鏡と考えれば,
他人を裁くという過ちから,免れることができるのです。
今後,私は,師匠からさまざまなプロフェッショナルとしての
能力やスキルをつかみ,仕事という作品をつうじて,
自己成長を続けていきたいと思います。
本日もお読みいただきありがとうございます。
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