夢と金

1 機能を売ることを見直す

 

 

西野亮廣先生の最新刊「夢と金」を読みました。

 

 

 

西野先生が、エンターテインメントの現場で実証してきた、

資金調達などの実践知を、とてもわかりやすく解説してくれています。

 

 

エンターテインメントの現場では、

お金が尽きると夢が尽きるという現実から、

日本人に対して、お金について学ぶ大切さを、熱く語ってくれています。

 

 

今回は、「夢と金」の本から、私がえた気づきを3点、紹介します。

 

 

1点目は、機能を売ることを見直す、です。

 

 

日本は、バブル崩壊後の長期間の不況において、

安い商品をたくさん売ることが正解であると思いこんでいたように考えられます。

 

 

新聞の折込チラシを見ていると、

他社より安いことをピーアールしている広告をよく目にします。

 

 

 

他方で、インターネットが急速に普及した現代は、

たくさん売ることが難しい時代になっています。

 

 

どの商品もサービスも、だいたい似たりよったりの性能であり、

ネットで検索すれば値段の比較も容易なので、

差別化がしにくいため、たくさん売ることが難しいのです。

 

 

必要な物は、すでに揃っているので、

「どうしてもこれが欲しい」と思う物が生まれにくい時代です。

 

 

西野先生は、このようなたくさん売れない時代に、

機能を売ってはいけないと、警鐘を鳴らしています。

 

 

ラーメン屋の例え話で説明すれば、日本のラーメン屋は、

だいたい美味しいです。

 

 

まずいラーメンを提供しているお店の方がめずらしく、

どのラーメン屋にいっても、消費者の合格ラインを超えているお店がほとんどです。

 

 

ここで、ラーメン屋が、味という機能を追求しても、

消費者には何も分からず、効果的ではないということです。

 

 

95点の味のラーメンを98点のラーメンにしても、

消費者には、違いがわからず、この3点を向上させることに、

時間とお金を投資することは非効率なのです。

 

 

しかし、職人気質な日本人は、

この3点という機能の向上に時間とお金を投資しています。

 

 

弁護士も、職人気質な職業なので、

ついつい機能の向上に時間とお金を投資してしまいます。

 

 

でも、クライアントからしてみたら、弁護士の能力の違いが、

わかることはほとんどないと思います。

 

 

当然、弁護士は、機能の向上のために努力をすべきなのですが、

クライアントから選ばれるためには、

機能の側面はそれほど重要視すべきではないと考えます。

 

 

それでは、機能以外の何を売ればいいのでしょうか。

 

 

2 顧客のファン化

 

 

それが2点目の、顧客のファン化です。

 

 

 

顧客とは、商品を買ってくれる人であり、

ファンとは、サービス提供者を応援するために商品を買ってくれる人です。

 

 

顧客は、機能を買いますが、ファンは、意味を買います。

 

 

ファンは、応援するために商品を買ってくれますので、

応援代を上乗せしてくれる余地があり、

値段を下げなくても、商品を買ってくれます。

 

 

商品の値段を上げても、ファンは、応援のためであれば、

商品に応援代を上乗せして、多目に支払ってくれます。

 

 

薄利多売の世界では、ファンが多ければ、

値下げ合戦に巻き込まれずに、適正な価格で、

ファンに買ってもらえて、利益を生み出せるのです。

 

 

では、ファンをどうやって創造するのでしょうか。

 

 

西野先生は、応援シロだと説明しています。

 

 

応援シロは、目的地-現在地です。

 

 

アイドルのファンという具体例でみてみると、

売れないアイドルという現在地から、

武道館ライブという目的地に至るプロセスに、

ファンは最も応援したくなるのが、よくわかります。

 

 

そして、西野先生は、目的地と現在地を常に晒し続けることを強調しています。

 

 

目的地と現在地について、情報発信をしていないと、

誰も、目的地と現在地がわからず、他人は、応援したいと思わないです。

 

 

情報発信をし続けて、ファンに、自分のありのままをみてもらい、

応援してもらうことが必要になります。

 

 

弁護士の場合、顧客からファンになってもらうために

どのような方法があるかを模索していきます。

 

 

3 20代で生まれた差は一生埋まらない

 

 

3点目が20代で生まれた差は一生埋まらない、です。

 

 

20代で勝った者同士が手を組むことで、

与えられるチャンス、使える人脈とお金に格差がついていき、

これが30代、40代と続いていくので、

20代で生まれた差は一生埋まらないのです。

 

 

 

人生の努力の量を、人生の時間軸で均等に配分するのではなく、

人生の前半戦に集中投下して、20代で勝つことが重要になります。

 

 

20代をダラダラ過ごすのではなく、

若くて体力があるので、がむしゃらに努力することが大事なのです。

 

 

残酷ですが、真実ですので、この人生の理を、

子供に伝えておく必要があると思いました。

 

 

こういった人生の理は、なんとなく感じているのですが、

書籍で言語化されているものに触れると、

確かにそのとおりと腑に落ちるものです。

 

 

そして、お金についても学び、

子供にお金のことを教育していくことの大切さがわかります。

 

 

親子でお金について学ぶのに、最適な1冊であり、

多くの人に読んでもらいたいので、紹介しました。

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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