弁護士10年
私が弁護士登録をしたのが2010年12月ですので、
2020年12月で、私は、弁護士になってちょうど10年の歳月が経ちました。
10年という節目の年ですので、2020年最後の日に、
これまでの弁護士人生を振り返ってみたいと思います。
精神科医樺沢紫苑先生の「ムダにならない勉強法」という本に
「1年-3年-10年の法則」が紹介されています。
1年やれば基本が習得できる。
3年やればひと通りできるようになる。
10年やれば専門家になれる。
この1年-3年-10年の法則を私にあてはめてみると、
まさにそのとおりだと実感できます。
弁護士1年目のときは、本当に無我夢中でした。
全てがわからないことだらけ。
司法試験に合格するために、憲法、行政法、民法、
刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法はよく勉強していましたが、
司法試験ではあまり出題されずに、受験生時代に勉強してこなかった
離婚、相続、交通事故の知識が足りず、最初はあせりました。
私が弁護士になりたてころは、離婚、相続、交通事故といった法律相談が多く、
これらの分野の法律相談に対応できないと、
弁護士としてつかいものになりません。
あせった私は、これらの分野のマニュアル本を読み漁り、
基本を勉強して、わからないことについては、
先輩弁護士にアドバイスを求めて、事件を処理してきました。
今振り返れば、本当に危なかっしい事件処理をしていたと思いますが、
弁護士1年目に基本を徹底的に学べたことが、
今の自分につながっていると思います。
わからないことがでてきたときに、
優秀な先輩弁護士にすぐに相談できるという環境は、
本当にありがたかったです。
駆け出しの弁護士は、経験が少なく、自分の判断に自信がもてないので、
自分でいろいろ調べても判断しかねるときに、
経験豊富な先輩弁護士に意見を求めて、なんとか乗り切りました。
私は、先輩弁護士に育ててもらった恩がありますので、
後輩弁護士には、しっかりと教えて、
恩を返していく義務があるのだと思います。
弁護士3年目になると、様々な類型の事件を体験して、
事件の勘所が身につき、ようやく自分で事件を
コントロールできるようになりました。
ある程度の事件を経験して、弁護士としての自信がつきはじめたころです。
クライアントとの法律相談での対応や、
和解の席での裁判官とのやりとりなどが
ようやくわかってきたころです。
そして、困難な事件を経験することで、
弁護士として成長できたと実感しています。
今すぐになんとかしないと会社が潰れるという、
本当に困難な事件を担当したとき、毎日、
胃が痛くなるほど辛かったのですが、なんとか、
相手方弁護士との交渉で、事件をまとめて、
会社が倒産することは免れました。
その事件を担当していたときは、本当に辛くて大変でしたが、
今振り返れば、自分を成長させてくれた、いい思い出です。
そして、10年目の今年は、今までで一番の売上を記録することができました。
ここ3、4年ほど、自分の専門分野を磨こうと考えて、
労働事件について、ブログで情報発信をしたことで、
インプットとアウトプットの歯車がかみあい、
自分の実力がのび、インターネットを通じて、
自分のことを知ってもらえたからだと分析しています。
10年弁護士を続けてこられたので、ある程度、
事件を見通すことができるようになり、ようやく、
一人前の弁護士になれたかなと自負しております。
とはいえ、弁護士のもとにくる事件は、同じものは一つとしてなく、
必ず、どの事件にも、難問があるものです。
事件に真摯に向き合うことで、勉強して、
弁護士としての腕を磨いていくのが、
弁護士としての醍醐味だと思います。
弁護士という仕事は、人から感謝され、どこまでも自己成長できる、
よき仕事であると実感できた10年間でした。
これからも精進してまいりますので、よろしくお願い致します。
本日もお読みいただきありがとうごいます。