ハラスメントの境界線3~様々なハラスメント対策~

昨日に引き続き,白河桃子先生の

ハラスメントの境界線~セクハラ・パワハラに戸惑う男たち~

についてのアウトプットを行います。

 

 

 

本日は,この本に記載されていたハラスメントの

防止策について紹介していきます。

 

 

企業がハラスメントを防止するための枠組みとして,

①ポリシーの表明,②窓口の設置,

③調査体制の整備,④是正措置・再発防止策

の4つが挙げられています。

 

 

白河桃子先生は,①ポリシーの表明として,

経営者が「ハラスメントを許さない」,

「ハラスメントにはこうした懲戒処分をする」

と明言することを提案されています。

 

 

厚生労働省が作成した「パワーハラスメント対策導入マニュアル」にも,

企業として,「職場のパワハラはなくすべきものである」という方針を,

トップのメッセージとして明確に打ち出すことが推奨されています。

 

 

ポリシーが表明されることで,職場において,

相手の人格を認め,尊重しあいながら仕事を進める意識が育まれ,

ハラスメントの被害者や周囲の労働者が,問題点の指摘や解消に関して

発言がしやすくなることが期待されます。

 

 

 

②窓口の設置については,昨日のブログに記載したとおり,

相談者が安心して相談できるように,

「独立性」,「非公開」,「匿名」が守られることが重要となります。

 

 

会社内における電話やメールなどの

「通報ホットライン」だけですと,

相談しにくいことも考えられますので,

第三者機関などに委託して外部窓口を設置するなど,

複数の窓口を整備すると,相談しやすい環境を

作れるようになるようです。

 

 

③調査体制の整備については,

中立的な立場で事実を確認し,

報復を禁止させる仕組みが必要になると思います。

 

 

④是正措置・再発防止策については,

管理職向けや一般従業員向けのハラスメント研修や,

パワハラは許されないことであることを

会社内で周知することが重要になってきそうです。

 

 

次に,最新のハラスメント対策を実施している企業が紹介されており,

その中の一つに,ビザ・ワールドワイド・ジャパンの

ハラスメントを目撃した人に通報義務があるというものがありました。

 

 

 

 

ビザ・ワールドワイド・ジャパンでは,

報復禁止方針を徹底した上で,

ハラスメントを目撃した社員は,

人事部に通報しなければならないようです。

 

 

安心して通報できる環境が整い,かつ,

企業が通報を義務化していることで,

ハラスメントを撲滅できるのかもしれません。

 

 

https://www.sbbit.jp/article/cont1/34691

 

 

また,通報窓口に相談することに躊躇する場合,

国内最大級のハラスメント改善プラットフォーム

ソレハラ」というサイトがあります。

 

 

https://sorehara.com/

 

 

匿名で誰かの行為がハラスメントにあたるのかを,

ほかのユーザーに投票してもらう

「匿名ネコ裁判」というものがあります。

 

 

これってハラスメントかも?と思ったら,いきなり,

会社の窓口に相談するのはハードルが高いと感じたなら,

まずは,このサイトにゆるく問いかけてみるのもいいかもしれません。

 

 

そして,究極のセクハラ対策は,

管理職の多様性を進めていくことだと

白河桃子先生は提言しています。

 

 

 

日本の組織内で重要な意思決定をしている層は,

年齢や学歴,社歴などが同質な男性で構成されています。

 

 

同質性の高い組織では,「これくらいなら許される」という「本音」が,

「それは許されないことである」という建前とずれてしまい,

かつては通用した組織内の「本音」がすでに

社会で許されなくなってしまい,不祥事につながるというわけです。

 

 

財務省セクハラ事件を例にすれば,

「優秀な成績をあげていれば,多少セクハラは多目にみてもらえる」

という本音と,「セクハラをする人物は,

成績が優秀であっても組織にリスクをもたらす」

という建前がずれていたために問題が大きくなったと考えられます。

 

 

男性だけの同質な組織に,女性が進出すれば,

女性からの異なる意見がでることで,

本音と建前のずれに気付くことができます。

 

 

多様性のある職場では,

ハラスメントや不祥事が減る可能性がありそうです。

 

 

このように,様々なハラスメント対策が記載されていますので,

ハラスメントについて勉強するためには,

まず最初に読んでおいたほうがよい一冊だと思いました。

 

 

ハラスメントのある職場は,安心して働くことができない職場ですので,

多くの企業にハラスメント対策に取り組んでもらいたいと思います。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

ハラスメントの境界線2~企業の懲戒処分の決め方とハラスメント通報窓口~

昨日に引き続き,

ハラスメントの境界線~セクハラ・パワハラに戸惑う男たち~

という新書のアウトプットを行います。

 

 

 

この新書の中で,著者の白河桃子先生と

弁護士の五味祐子先生の対談において,

企業は,パワハラやセクハラに対して,

どのようにして懲戒処分をくだすのか,

パワハラやセクハラの通報窓口はどうあるべきかなどについて,

説明がされています。

 

 

私は,労働者側で労働事件を担当していますので,

企業内部の懲戒処分の決め方や通報窓口について,

詳しく知らなかったので,とても勉強になりました。

 

 

まず,ハラスメントに該当するかについては,

どのような行為だったのかという客観面と,

被害者がどのように受け止めたか,

周囲で見聞きしている人がどのように受け止めたかという主観面を加えて,

多方面から検討することになります。

 

 

 

 

もう少し具体的にすると,

加害者と被害者の関係性,

ハラスメント行為に至る経緯,

ハラスメント行為の期間・回数・表現,

指導目的との関連性,

ハラスメント行為の具体的状況

といった客観的事実が重視されます。

 

 

そのため,被害者がハラスメント行為を

どのように感じたかも重要ですが,むしろ,

客観的な事実からハラスメント行為に該当するのかを検討するので,

被害者の感じ方次第で決まるものではないのです。

 

 

次に,企業は,懲戒処分を次のような流れで決めていきます。

 

 

どのようなハラスメント行為があったのか調査を行い,

懲戒処分の対象となる事実を確定し,

懲戒処分案を検討します。

 

 

懲戒審査委員会が設置されている企業では,

懲戒審査委員会で処分案を審議し,

最終的に代表取締役が懲戒処分を決定します。

 

 

この過程において,懲戒処分の対象となっている者に

弁明の機会を与えます。

 

 

ハラスメント行為に対する懲戒処分の場合,

内容にもよりますが,通常は,

いきなり懲戒処分をくだすのではなく,

1回目は注意,2回目は厳重注意,3回目は懲戒処分

という段階をふんで,懲戒処分へつなげていきます。

 

 

 

 

企業がハラスメント被害を察知するルートの一つに,

ハラスメント通報窓口があります。

 

 

セクハラについては,男女雇用機会均等法11条において,

企業は,労働者からの相談に応じ,

適切に対応するために必要な体制の整備や

必要な措置を講じなければならないと規定されています。

 

 

パワハラについては,現時点では,

セクハラのように企業の措置義務を定めた法律はなく,

今年の通常国会で,企業にパワハラについての措置義務を課す

法律が成立する予定です。

 

 

これを受けて,企業には,ハラスメントの通報窓口

を設置しているところがあります。

 

 

しかし,このハラスメントの通報窓口が

十分に機能しているのかといいますと,

どうやらそうではないようです。

 

 

被害者がハラスメントの被害を報告しないのは,

①報告をしても被害者が損をするのが予想できる

(例えば,相談員から,「君にも落ち度があったのではないか」

などと言われる二次被害を受けたり,

被害者が会社の調和を乱すとして人事異動で不利益な取扱を受けるなど),

②そもそも窓口自体が有効ではない

(あるかどうかも分からない,あっても相談しにくい)

といったことが原因のようです。

 

 

そのため,被害者が安心して相談できるためにも,

ハラスメント通報窓口は,企業からの独立性や,

被害者の秘密を守ることを徹底しなければなりません。

 

 

 

そして,企業は,第一に被害者を守り,

被害者が報復されないように,

報復禁止措置を徹底する必要があるのです。

 

 

とりあえず,形だけハラスメント通報窓口を作ったのでは,

「仏作って魂入れず」と同じでだめなのです。

 

 

信頼できるハラスメント通報窓口があってはじめて,

被害者は相談してみようと思うものであり,

被害者が安心して相談できないと,

ハラスメントによる退職者が増えたり,

思わぬところから情報が流れて,

ハラスメントが発生しているブラック企業である

という風評がたってしまうリスクがあります。

 

 

企業は,安心して相談できるハラスメント通報窓口を

設置することが重要になると思います。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

ハラスメントの境界線

昨日,パワハラ研修をさせていただき,その際に,

パワーポイントのスライドを作成する際に

参考になった文献を紹介します。

 

 

白河桃子先生の

ハラスメントの境界線~セクハラ・パワハラに戸惑う男たち~

という新書です。

 

 

 

この本には,ハラスメントに関する鋭い分析が

多く記載されていますので,

そのいくつかを紹介させていただきます。

 

 

白河先生は,日本のハラスメント問題の

ターニングポイントになったのは,

2018年4月に発生した財務省セクハラ事件だと分析しています。

 

 

財務省セクハラ事件とは,週刊新潮において,

財務省の福田淳一事務次官が,テレビ朝日の女性記者に対して,

ひどいセクハラ発言をしたことが告発され,

福田事務次官は辞職し,

6ヶ月2割の減給の懲戒処分を受けたという事件です。

 

 

週刊新潮によると,福田事務次官は,

テレビ朝日の女性記者に対して,

「抱きしめていい?」,「浮気しようね」,

「胸触っていい?」,「手しばっていい?」

などと発言したようです。

 

 

 

テレビ朝日の女性記者が福田事務次官とのやりとりを録音していたので,

生々しいセクハラ発言の証拠が保全された結果,

福田事務次官としては,言い逃れができなかったものと考えられます。

 

 

この財務省セクハラ事件の顛末をみて,白河先生は,

非常に有能な人材が組織にもたらす利益よりも,

有害な人材がもたらす人材デメリットの方が大きいと分析しています。

 

 

昔であれば,仕事ができて優秀な成績をあげる人であれば,

ハラスメントをしても多目にみてもらえていました。

 

 

福田氏は,霞ヶ関の官庁の中で最強官庁と言われる財務省の,

事務方のトップである事務次官にのぼりつめた人物であり,

当然に優秀な官僚だったのだと思います。

 

 

 

そのため,麻生財務大臣も,当初は,

福田事務次官をかばおうと必死でした。

 

 

しかし,「セクハラ罪という罪はない」などの麻生財務大臣の言動や,

被害者は名乗り出てほしいという調査手法をとった財務省の対処に,

世間の人々は怒りや疑問の声を投げかけ,

結局,福田事務次官は辞任したのです。

 

 

この一連の報道をみて,多くの国民は,

財務省の信頼は地に落ちたと感じたと思います。

 

 

このように,現在では,どれだけ優秀で仕事ができる人であっても,

ハラスメントをしたことが告発されれば,

経営者であっても,国会議員であっても,首長であっても,

辞任に追い込まれてしまうのです。

 

 

今では,ハラスメントをする優秀な人は,

組織にリスクをもたらす危険な人になっているのです。

 

 

そう,時代が変わったのです。

 

 

昭和でも平成でもない,令和の時代になったのです。

 

 

 

 

ハラスメントに対する考え方を変えないと,

組織も人も生き残れないのです。

 

 

時代が変わったからこそ,白河先生は,

ハラスメントについてアンラーニングする必要があると説いています。

 

 

アンラーニングとは,

いったん学んだ知識や既存の価値観を棄て去り,

新たに学び直すことです。

 

 

昭和の後半から平成の前半のバブル時代を

バリバリ働いてきた世代の男性にとっては,

あれもこれもハラスメントと言われるのがめんどうだ

と思うかもしれません。

 

 

しかし,今まで無自覚にしていたことを,

めんどうだと思うというのは,それだけ自分の行動や言葉に

気を使うようになったということですので,

めんどうだと思っても,プラスに捉えて,

ハラスメントについてアンラーニングをしてもらいたいです。

 

 

何がハラスメントに該当するのかを知ることが,

ハラスメントを防止するための第一歩だと思います。

 

 

長くなりましたので,続きは明日以降記載します。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

初めてのパワハラ研修をしました!

私のマインドマップの師匠である

株式会社できるの杉本嵩龍さんのご紹介で,

金沢市高畠にあるノムラ合成株式会社様において,

「パワハラをなくそう」という演題で,

本日,研修をさせていただきました。

 

 

株式会社できるのホームページ https://www.dekiru-jp.com/

 

 

ノムラ合成株式会社のホームページ https://www.n-gosei.jp/

 

 

企業において,パワハラの研修をするのは,

初めての経験だったのですが,受講された方々は,

真剣に聞いていただけましたので,とても嬉しかったです。

 

 

 

 

そもそも,なぜ,企業でパワハラの研修をする必要があるのでしょうか。

 

 

それは,労働者一人一人が互いに尊重しあい,

パワハラを起こさせない,よりよい・働きやすい職場をつくるためです。

 

 

人間とは,一人で生きていくことができず,

他者とのかかわり合いの中で生きていく社会的な存在です。

 

 

そのような人間にとって,職場とは,

1日の大半を過ごす場所であり,

他者とのかかわり合いがもてる重要な場であります。

 

 

そのような職場においてパワハラが発生すれば,

パワハラの被害者はもちろんのこと,

パワハラを見た周囲の人たちも,

非常に嫌な思いをして,

働くことが嫌になります。

 

 

そうなると,職場の雰囲気が悪化し,

労働者の働く意欲が低下し,

職場全体の労働生産性が悪化していきます。

 

 

さらには,パワハラが生じる職場には,

人が集まらず,人がどんどん退職していきます。

 

 

パワハラによって,心の健康を害したとして,

裁判が起こされれば,ブラック企業という

マイナスのイメージが定着してしまいます。

 

 

 

これらのパワハラのリスクを考えれば,

企業にとって,パワハラをなくすことは

待ったなしの喫緊の課題なのです。

 

 

では,どうやってパワハラを予防するのか。

 

 

この答えの一つとして,どのような行為がパワハラに該当するのか

を知ってもらうことがあります。

 

 

そもそも,何がパワハラに該当するのか知らなければ,

パワハラをしている人は,自分の行為がパワハラであることを

知らないまま,パワハラを継続させてしまうので,

まずは,知ってもらって,自分の行動や言葉に

気をつけてもらう必要があると考えます。

 

 

 

というわけで,本日の研修では,

実際の裁判でパワハラと認定された言動を紹介しました。

 

 

まずは,ファーストリテイリング事件の

名古屋高裁平成20年1月29日判決です(労働判例967号62頁)。

 

 

この事件では,ユニクロの店長が,従業員に対して,

胸ぐらをつかみ,顔面を頭突きし,

管理部長が従業員に対して,「いいかげんにせいよ,お前。

おー,何考えてるんかこりゃ。ぶち殺そうかお前」と言い,

慰謝料500万円が認められました。

 

 

次は,サントリーホールディングス事件の

東京高裁平成27年1月28日判決です。

 

 

この事件では,上司が部下に対して,

「新入社員以下だ。もう任せられない」,

「何で分からない。おまえは馬鹿」と言い,

慰謝料150万円が認められました。

 

 

最後は,上司のパワハラによってうつ病を発症して

自殺したことが労災と認定された国・静岡労基署長事件の

東京地裁平成19年10月15日判決です(労働判例950号5頁)。

 

 

この事件では,上司の部下に対する

「存在が目障りだ,いるだけでみんなが迷惑している。

おまえのカミさんの気がしれん,お願いだから,消えてくれ」,

「お前は会社を食いものにしている,給料泥棒」という発言が,

精神障害を発症させる程度の心理的負荷に該当すると判断されました。

 

 

業務上必要な指導とパワハラの線引が難しいこともありますが,

「馬鹿」や「給料泥棒」など相手の人格を否定する言動がある場合には,

裁判で違法なパワハラと認定されることが多いのです。

 

 

自分の言動が職場の誰かの人格を傷つけていないかという

イマジネーションを働かせるためにも,

どのような言動がパワハラになるのかを

知ってもらうのが重要だと考えます。

 

 

 

今回の研修のパワーポイントのスライドを作成するにあたり,

厚生労働省の「明るい職場応援団」のサイトを

参考にさせていただきました。

 

 

このサイトには,どのような言動がパワハラに該当すのかが

動画で解説されていたり,パワハラ研修に必要なコンテンツが

アップロードされていますので,大変参考になります。

 

 

https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/

 

 

次回のパワハラ研修は,私のコーチングの師匠である

株式会社シェヘラザードの坂本祐央子さんと一緒に,

6月26日水曜日14時から石川県地場産業振興センター本館第2会議室

で実施しますので,企業の管理職でパワハラ防止に関心のある方は,

ぜひご参加ください。

 

 

株式会社シェヘラザードのホームページ https://www.sahrzad.jp/

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

解雇なのか合意解約なのか

2日前のブログで,解雇なのか自己都合退職なのかが

争われる事件について紹介しました。

 

 

https://www.kanazawagoudoulaw.com/tokuda_blog/201905158032.html

 

 

これに関連して,本日は,解雇なのか合意解約なのかが

争われるケースについて解説します。

 

 

解雇とは,使用者による一方的な労働契約の解約のことです。

 

 

 

解雇には,よほどのことがない限りできない

という厳しい規制があります。

 

 

他方,労働者からの一方的な労働契約の解約の意思表示を辞職といい,

労働者の都合で退職することを自己都合退職といいます。

 

 

自己都合退職については,退職することを会社に伝えてから

2週間が経過すれば,原則自由に退職できます。

 

 

もう一つ,労働契約の合意解約があります。

 

 

例えば,会社から退職を勧奨されて,

労働者がこれに応じて退職した場合,

会社の辞めてほしいという意思表示と,

労働者の辞めますという意思表示が合致して,

労働契約が会社と労働者の合意によって解約されるのです。

 

 

労働者が解雇が無効であると争った場合,会社は,

解雇はしておらず,退職勧奨をしたら,労働者が勝手に辞めたので,

合意解約が成立すると反論してくることがあります。

 

 

 

この場合,2日前のブログで記載しましたが,

使用者の解雇したという言動や,

労働者の退職したという言動の有無についての

事実認定が問題になります。

 

 

そして,使用者や労働者の言動が認定された場合でも,

使用者の言動がそもそも解雇の意思表示にあたるのか,

労働者の言動が退職の申込みにあたるのか,

という当該言動の評価の問題がでてきます。

 

 

この解雇や退職についての言動の評価について,

乙山法律事務所経営者事件の裁判例は

(東京地裁平成27年3月11日・判例時報2274号73頁),

次のように判断基準を提示しました。

 

 

長いのですが,重要ですので引用します。

 

 

「労働者にとって雇用契約は、

生活の糧を稼ぐために締結する契約であり、かつ、

社会生活の中でかなりの時間を費やすことになる

契約関係であることからすれば、

かかる雇用契約を解消するというのは、

労働者にとって極めて重要な意思表示となる。

 

 

したがって、かかる雇用契約の重要性に照らせば、

単に口頭で合意解約の意思表示がなされたとしても、

それだけで直ちに合意解約の意思表示がなされたと

評価することには慎重にならざるを得ない。

 

 

特に労働者が書面による合意解約の意思表示を明示していない場合には、

外形的にみて労働者が合意解約を前提とするかのような

行動を取っていたとしても、労働者にかかる行動を取らざるを得ない

特段の事情があれば、合意解約の意思表示と評価することはできない

ものと解するのが相当である。」

 

 

労働者から,退職届のような文書が提出されていない場合には,

労働契約の合意解約は慎重に判断されるのです。

 

 

 

この事件では,雇用主からもう来なくて良いと言われ,

言い分が聞き入れてもらえなかったので,

原告は事務所を立ち去るしかなかったので,

原告が「こんなとこ働けんわ」と言って事務所を立ち去っているのですが,

労働契約の合意解約があったとは認められず,

解雇であったと判断されました。

 

 

また,同じく,解雇か合意解約かが争われたゴールドルチル事件でも,

合意解約ではなく,解雇と判断されました

(名古屋高裁平成29年1月11日決定・労働判例1156号18頁)。

 

 

すなわち,この事件では,労働者が

「やはり首ですよね?はっきりしないと仕事を探すにも探せません」,

「首ですね?」,「会社を辞めないといけませんけど」

と伝えたところ,会社は「仕事探してみてはいかがですか」,

「雇用保険受付してもいいですよ」と回答したという事実関係において,

労働者が当面の生活費に困っている中で

金銭給付を受けるためにされたものであるとして,

労働者は労働契約の合意解約の意思表示をしていないと判断されました。

 

 

裁判では,解雇か,自己都合退職か,

労働契約の合意解約かが争われた場合,

使用者側の言動,労働者の離職の経緯,

労働者が自分の意思で退職する動機の有無,

離職後の労働者の態度,使用者が労働者の労務提供の受け取りを

拒否する意思の表れとみられる事情の有無などをもとに

事実認定されます。

 

 

傾向として,やや労働者に有利に判断されると感じますので,

会社から,勝手に辞めただろうと反論されても,

丁寧に事実を主張立証していけば,

解雇と認定される可能性がでてきますので,

労働者は,不当解雇に泣き寝入りしないでもらいたいです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

「好きなこと」だけして生きていく

立花Be塾の課題図書である,心屋仁之助氏の

「好きなこと」だけして生きていく

という本を読みましたので,アウトプットします。

 

 

 

第1章のタイトル「頑張って生きても得るものはない」,

小見出しに「あなたは頑張っても報われない」と記載さており,

自分の価値観を大きく揺さぶられました。

 

 

最初は,タイトルに驚いたのですが,

本文を読み進めると納得できました。

 

 

がんばらなければ好きなことができない,

と思っていると,あなたは報われない。

 

 

なぜなら,がんばらない私には価値がないと思いこんでいるから。

 

 

あなたがあなたの価値を認めていないのに,

他人があなたの価値を認めるはずがないのです。

 

 

心屋仁之助氏は,がんばらない私にも価値があること

に気づくことの重要性を説いています。

 

 

がんばらない私には価値がない,

と自分で自分を粗末にしていると,

他人もあなたを粗末にするのです。

 

 

だから,がんばらない私にも価値があることを信じるために,

がんばるのをやめてみましょうと提唱されています。

 

 

 

がんばるのをやめて,

自分には価値があると信じてみると,

自然体になれるのです。

 

 

日本人の美徳として,勤勉が挙げられることがよくあります。

 

 

しかし,がんばることにのみ価値を置くと,

がんばっていない人をみるとイライラしてしまい,

どうもギスギスして生きづらい社会になっていると感じます。

 

 

こういったことが,仕事ができない人に対する

パワハラの温床にもなっていると思います。

 

 

別にがんばらなくても,自分はそのままで素晴らしい

価値有る存在であると,自分で信じれば,

他人の評価を気にすることがなくなり,人生が楽しくなります。

 

 

そうなると,結果として報われるようになるのでしょう。

 

 

既存の価値観を覆す発想に,ハッとさせられました。

 

 

がんばらない自分にも価値があると信じるために,

自分は実はすごい人間なのだと思い切るという方法があります。

 

 

自分のことをそこそこだと思っていると,

すごい結果が出ても,そこそこだと決めている自分の中で

ふさわしくない結果だと思ってしまい,

わざわざすごい結果が続かないようにしてしまいます。

 

 

これを,「自分はそこそこ」から「自分はすごい」というように,

自分の前提を変えれば,すごい自分にふさわしい出来事や結果が

起こり始め,自分でも自分は本当にすごいと思えるようになり,

現実が変わっていくのです。

 

 

 

自分はすごいと思っていれば,私は存在しているだけで

もう価値を提供しているので,それに対する豊かさを

受け取ってもいいと思えるようになります。

 

 

そうなれば,自分に対する罪悪感がなくなるので,

豊かさを受け取る財布の口が大きく開いた状態となるので,

お金が自然に入ってくるのです。

 

 

自分のセルフイメージを変えれば,

自分がイメージしたとおりの自分に自動的に近づいていくので,

私も自分のことをすごいのだと思い切ります。

 

 

そして,がんばらずに好きなことをして生きていくためには,

人に迷惑をかけて,嫌われる覚悟が必要になります。

 

 

他人に嫌われない生き方をすれば,

人から批難されないので,

楽な生き方かもしれません。

 

 

しかし,他人に嫌われない生き方をすれば,

いつも周囲に振り回されて,自分を見失い,

自分の好きなことができなくなります。

 

 

そこで,思い切って,人に嫌われてもいいと割り切って,

好きなことをしてみるのです。

 

 

好きなことをすると,人に嫌われるのではないかというのは

自分の思い込みに過ぎないこともあり,案外,

他人は,どうとも思っていないこともあります。

 

 

私は,ブログを毎日更新するために,仕事を断ったり,

フェードアウトしたことがありましたが,

特に批判をされたことはありません。

 

 

人からいいように思われたいという囚われを捨てれば,

もっと自由に自分の好きなことができるのだとわかりました。

 

 

 

これまでの価値観を覆し,新しい価値観をインストールして,

自分を少しずつ,幸せな方向に軌道修正するのに

最適な著書だと思いましたので,紹介させていただきます。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

解雇なのか自己都合退職なのか

昨日,解雇だと思っていたら,離職票の離職理由には,

退職勧奨による退職と記載されており,

会社に対して,離職理由の訂正を求めたところ,

会社が離職理由を解雇に訂正してくれたケースを紹介しました。

 

 

このケースでは,無事,離職理由を訂正してくれて,

会社が解雇であることを認めてくれたのでよかったですが,

会社が解雇であることを認めず,

退職勧奨に応じて相談者が自己都合退職したと主張してきた場合は,

相談者は,どう対応できるのでしょうか。

 

 

 

 

これは,労働者が会社を辞めたのが,

解雇なのか,自己都合退職なのか,

という事実認定の問題となります。

 

 

すなわち,労働者が会社を辞めるに際し,

会社側からどのようなことを言われて,

労働者は,それに対してどのような言動をしたのか,

ということを証拠に基づいて,証明して,

事実を認定していくことになるのです。

 

 

それでは,このように解雇か自己都合退職かという

事実認定が争われた裁判例である,ベストFAM事件を紹介します

(東京地裁平成26年1月17日判決・労働判例1092号98頁)。

 

 

この事件は,採用から1ヶ月半が経過しても,

新規契約を成立できなかった原告に対して,被告会社の社長が

「成績があがらないからやめてくれ」と告げられて,

原告が退職したというものです。

 

 

被告会社は,解雇ではなく自己都合退職であると主張して争いました。

 

 

なぜ,被告会社が,自己都合退職であると主張したのかといいますと,

解雇と判断されれば,営業成績が向上するように

指導したりした形跡がないので,解雇は無効と判断されて,

解雇時点以降の未払い賃金を支払わなければならなくなってしまうので,

それを避けたかったからだと思います。

 

 

しかし,裁判所は,次の事実を認定して,解雇と判断しました。

 

 

まず,原告の労働者は,退職した後にすぐにハローワークへ行き,

解雇されたのに離職票を送ってきていないことを相談しました。

 

 

 

次に,原告の労働者は,労働基準監督署へ行き,

解雇に関する申告書に,社長から,

1ヶ月半たっても成績が上がらないならやめてくれと言われて,

それって解雇ということですかと聞いたら,社長は,

そうだと回答したことを記載して提出しました。

 

 

そして,原告の労働者は,労働局のあっせんの申立をし,

その申請書に,「社長に呼び出され,即日退職を執拗に迫られました。

理由は1ヶ月以上経っているのに1件も上がっていないとのことでした。」,

「そこで私は,自己都合での退職の意思がないので

最後に『それは解雇という意味ですか?』と尋ねると

『そうです』と明快な回答が返ってきました。

それで,即日解雇された,という認識を持ちました。」と記載しました。

 

 

このように,原告は,一貫して,即日解雇されたことと,

営業成績が不良という解雇理由を主張していたのです。

 

 

さらに,解雇時の年齢が58歳であり,再就職が困難な年齢であり,

なるべく長く被告会社で働くことを希望しており,

入社後1ヶ月半で自分から退職する合理的な理由はありませんでした。

 

 

以上の事実を認定して,解雇であったと認められて,

解雇は理由がないとして無効となりました。

 

 

解雇された場合,会社は,解雇とは言っていないので

自己都合退職であると争ってくる可能性がありますので

,労働者は,一貫した態度で,不当解雇であると

主張し続ける必要があります。

 

 

 

このような争点を未然に防ぐためにも,

会社との解雇のやりとりをボイスレコーダーに録音しておくと,

立証が簡単になるので,おすすめします。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

解雇をされたら離職票を確認しましょう

先日,次のような労働事件の法律相談を受けました。

 

 

入社してまだ12日ほどしか経っていないにもかかわらず,

突然,「荷物をまとめて退職してください。」と告げられました。

 

 

 

 

相談者は,突然のことにショックを受けて,パニックになり,

次の日から出社することができなくなりました。

 

 

相談者は,この解雇に納得できないとして,

私のところへご相談にいらっしゃいました。

 

 

相談者は,解雇であることを前提にしていらっしゃったので,

私も解雇についてアドバイスをしていましたが,

私が,相談者に対して,「離職票を見せてください」と言って,

離職票を見たところ,離職理由には

「退職勧奨による退職」と記載されていました。

 

 

離職票には離職理由にチェックを入れる箇所があり,

解雇の場合であれば,離職理由の

「4事業主からの働きかけによるもの」のうちの

「(1)解雇(重責解雇を除く。)」にチェックが入るはずです。

 

(離職票)

 

しかし,この相談者のケースでは,離職理由の

「4事業主からの働きかけによるもの」のうちの

「(3)希望退職の募集又は退職勧奨」の「[2]その他」として,

その理由の欄に「退職勧奨による退職」と記載されていたのです。

 

 

相談者は,私に指摘されるまで,

離職票の離職理由に気付いていませんでした。

 

 

転職活動がそれほどさかんではない日本では,

離職票を見る機会があまりないので,

初めて離職票を受け取ったときに,

どのようにチェックすべきかわからないのがほとんどだと思います。

 

 

幸いにして,相談者は,まだ離職票をハローワークに

提出していませんでしたので,会社に対して,

この離職票の離職理由を訂正してもらうように通知書を送りましょう

とアドバイスをして,通知書を送りました。

 

 

ここでもし,相談者が,会社から送られてきた離職票を

そのままハローワークに提出していたとしたら,会社は,

解雇ではなく,退職勧奨に応じて自己都合退職したのだと

主張してくるおそれがありました。

 

 

解雇であれば,よほどの理由がないと,

会社は労働者を解雇できないので,

解雇を争えば,解雇が無効となり,

解雇された以降の未払い賃金を請求できる可能性が高くなります。

 

 

他方,自己都合退職の場合,自分から勝手に辞めたことになるので,

辞めた後に賃金を請求することができず,

会社に対して,金銭的な請求ができません。

 

 

 

また,自己都合退職ではなかったことを争う場合,

会社からだまされたり,おどされたり,勘違いして

自己都合退職をしてしまったと,

労働者が証明しなければならず,

労働者の主張が認められるとは限りません。

 

 

このように,解雇であれば,労働者は争いやすく,

自己都合退職であれば,労働者は争いにくいのです。

 

 

このことを理解している悪賢い会社であれば,

本当は解雇であっても,離職票に自己都合退職と記載して,

労働者がこれに気づかずにハローワークに提出した後に,

労働者が解雇で争ってきた時に,

自己都合退職だったと反論してくることがあります。

 

 

解雇されたのか否かが争点になることがありますので,

会社から「解雇する」と言われたのか,

「辞めてくれないか」と言われたのかなど,

どのような伝え方をされたのかや,

相談者がどのように対応したか等,

慎重に検討をする必要があります。

 

 

そして,会社から離職票を受け取ったときには,

離職票の離職理由をよく確認して,

事実と異なる記載がされていたら,

会社に対して,すぐに訂正を求めるようにしてください。

 

 

会社が訂正に応じないのであれば,離職理由の箇所に

「離職者記入欄」がありますので,

そこに自分が考える離職理由の箇所にチェックをいれてください。

 

 

 

 

また,離職理由の下のほうに,

「具体的事情記載欄(離職者用)」という欄がありますので,

そこに事実に合致した離職理由を具体的に記載し,

「離職者本人の判断」の箇所に,

「事業主が記入した離職理由に異議が有る」に○を囲みましょう。

 

 

その上で,離職票をハローワークに提出すれば,

自己都合退職に応じたとは認められないと思います。

 

 

さて,先ほどの相談者のケースでは,

離職票の離職理由を訂正することを求める通知書を会社に送ったところ,

会社はこれに応じて,解雇であることを認めてくれましたので,

相談者は,会社と争いやすくなったので,よかったです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

365日ブログ生活を振り返る3~ブログを続けてよかったこと~

本日も,私が365日ブログを書き続けて得た気付きをアウトプットします。

 

 

本日は,ブログを書いてよかったことを紹介します。

 

 

(5月10日の達成会の集合写真)

 

まず1つ目は,自分の専門性が高まったことです。

 

 

弁護士が取り扱う分野には様々なものがあるのですが,

私はその中でも労働者側の労働事件に力をいれています。

 

 

私は,書評やプライベートなこともブログに記載していますが,

中心は労働事件に関するものがほとんどです。

 

 

ブログを書く前ですと,離婚や相続,交通事故といった事件を処理するために,

調査をしたり,法律相談をしたり,書面を作成したりしていると,

それだけで時間が過ぎて,自分が専門とする労働事件に費やす時間が限られていました。

 

 

 

これが,毎日,労働事件に関することをブログに書くようになると,

嫌でも労働事件について,裁判例や最近の労働事件に関する法改正を調べてインプットして,

ブログを書くというアウトプットをするので,

労働事件に関する専門知識が脳内に蓄積されていきました。

 

 

専門知識が脳内に蓄積されると,労働事件の法律相談をする際に,

何が問題となるのかが早くわかるようになり,

事件の見通しを的確につかめるようになりました。

 

 

弁護士として大きく成長できたと実感できています。

 

 

そして,自分の脳内にも,インターネット上にも,

労働事件のデータベースが構築されたので,すぐに思い出せなくても,

自分の過去のブログを検索して,労働事件の法律相談において,

的確にアドバイスができます。

 

 

2つ目は,専門性が高まったおかげだと思いますが,

労働事件についての問い合わせが増加しました。

 

 

 

毎日,労働事件について,労働者の方々に役立つ情報を発信していると,

インターネット検索で,私の法律事務所が上位に表示されるようになり,

問い合わせが増加したのだと考えられます。

 

 

専門的なことばかり書いていると,読者からもそうですが,

検索エンジンからも,こいつは専門家なので,多くの人に検索してもらおうと

評価されて,上位表示につながるのだと思います。

 

 

結果として,労働事件で困っている人を助けることにつながりますので,

私にとっては,とても嬉しいことです。

 

 

3つ目は,自分に自信がついたということです。

 

 

人間とは,意志の弱い生き物で,

なかなか自分で決めたことを自分で守れないことが多いです。

 

 

それでもなお,一日一日,自分でやると決めたことを,

自分で守ることを積み重ねると,

自分で自分がすごいと感じることができます。

 

 

 

さらに,毎日ブログを書くということは,

多くの同業者がやっていないことなので,

自分以外の他者からも,すごいと称賛されます。

 

 

他人が真似できないことを積み重ねると,

自分の軸が確固たるものになり,

自分独自の資源となるのだと思います。

 

 

他方,仕事が忙しかったり,風邪をひいて体調が悪いときであっても,

ブログを書き続けなければならなかったり,妻

から,ブログを書いていないで,子供と遊んでよという,

まっとうな批判を受けたときは,辛かったです。

 

 

でも,この辛い中を365日書ききった後の達成感は,

なにものにも変えがたい貴重なものです。

 

 

板坂裕治郎師匠からは,365日の次は,

1461日を目指しなさいと言われました。

 

 

 

1461日は4年です。

 

 

4年というとオリンピックです。

 

 

オリンピック選手のような,

ビジネスアスリートブロガーを目指すというわけです。

 

 

私は,1461日を目標としますが,まずは,

その中間地点の3年を目指したいと思います。

 

 

精神科医の樺沢紫苑先生が,「1年ー3年ー10年の法則

を提唱していたので,私の次の目標は3年にします。

 

 

365日を通過点として,次の3年達成に向けて,

労働者の方々にとって有益な情報を発信していきますので,

今後とも,このブログをご愛読いただければ幸いです。

 

 

なお,板坂裕治郎師匠の北陸でのブログセミナーは,

7月3日福井で開催されます。

 

 

人生を変えるきっかけがみつかるセミナーなので,

北陸在住の方は,ぜひ参加してみてください。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

365日ブログ生活を振り返る2~素直にやってみることの大切さ~

 

本日は,昨日に引き続き,私が365日ブログを書き続けて得た

気づきについてアウトプットします。

 

 

昨年5月1日に板坂裕治郎師匠から,

仕事として365日毎日ブログを書くように発破をかけられ,

努力と根性でなんとかブログを書き始めましたが,最初のころは,

板坂裕治郎師匠の提唱するNJE理論に抵抗がありました

(NJE理論の内容を知りたい方は,

板坂裕治郎のブログセミナーを受講してください)。

 

 

弁護士なので正確なことを書かなければいけないので,

ネタについては徹底的にリサーチしなければ,

後からクレームをつけられるのではないか,そうであれば,

時間がない中でNJE理論でブログを書くことができないのではないか,

といったやらない理由ばかり考えていました。

 

 

 

そのため,せっかく教わったことを実践できていない自分に

悶々としていて,最初のころはブログを書くのが,正直苦しかったです。

 

 

そこで,思い切って,板坂裕治郎師匠に電話で,

このことを相談させていただきました。

 

 

板坂裕治郎師匠からは,広島弁で,端的に

守破離が大事じゃけんね~」とアドバイスをいただきました。

 

(板坂裕治郎師匠)

 

 

何かを身につけるためには,まずは基本となる型を身につけて,

その後徐々に自分流にアレンジしていき,

やがて自分だけのオリジナルのものが完成するというのです。

 

 

このアドバイスを聞いてハッとしました。

 

 

守破離のことは本で読んで知っていたのに,

自分は全く実践出来ていなかったことに気付いたのです。

 

 

私は,本をよく読むので,知識はあると思い上がっていたのですが,

実践が少ないと,知識が浅いままで,すぐに頭の中からなくなってしまい,

知識を活用することが出来ていなかったのです。

 

 

インプットだけの知識では,頭の中からずぐに消えてしまいますが,

知識をアウトプットすれば,記憶に残り,

知識を活用することができて,行動が変わっていきます。

 

 

学んだことをしっかり実践というアウトプットをしないと,

ほとんど意味がないのです。

 

 

 

私は,自分が素直でなかったことを反省し,

自分のアウトプットの実践の場として

365日ブログを活用することにしたのです。

 

 

そして,石川60期のグループには,

既に365日を達成していた先輩がメンバーに入ってくれていて,

これから365日ブログを始めた新人に対して,

優しいアドバイスをくれました。

 

 

このフィードバックのおかげで,

自分の書いたブログが人に伝わるものになっているのか,

わかりやすい内容になっているかを確認することができました。

 

 

さらに,毎日ブログを書き続けて1ヶ月後に,

石川60期のメンバーで1ヶ月達成会の懇親会に参加した際に,

多くの仲間と,毎日ブログを更新するつらさを分かち合い,

みんな同じことで悩んでいることでなぜか安堵し,

みんな大変な中でがんばっているんだから自分もがんばろうと,

決意を固めました。

 

 

このように,板坂裕治郎師匠のブログセミナーには,

仲間という存在,先輩のアドバイス,

1ヶ月や3ヶ月という節目でのフォローアップという,

365日継続するための仕組みが見事に整えられていたのです。

 

 

やっぱり,板坂裕治郎師匠はすごい!

 

 

1ヶ月をなんとか,努力と根性で乗り切ったので,

1ヶ月継続すると,ルーティンでブログを書くことができ,

3ヶ月経過するころには,ブログを習慣化できて,

毎日更新することが自然にできていました。

 

 

そのうち,ブログを更新しないと,

なんか気持ち悪いという感覚にまでなってしまいました。

 

 

今こうやって,365日を振り返ると,

セミナーなどで講師から何かを教わったならば,

教わったことを素直に受け入れて,

とりあえずやってみるというのが重要なのだと思います。

 

 

人間が成長するためには,学んで,実践し,習慣化させる

というプロセスが必要なのだと,

365日ブログを書き続けた自分の体験から気付きました。

 

 

長くなりましたので,続きは明日以降に記載します。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。