ブログを8ヶ月書き続けて得た気づき

2019年1月12日に,私が所属している

金沢市北倫理法人会において,

会員スピーチをする機会をいただきました。

 

 

会員スピーチとは,倫理法人会に所属している会員が

日々取り組んでいる実践とその結果どうなったのかを

5分程度で発表するというものです。

 

 

 

 

そこで,明日,毎日ブログを書き続けて,

自分がどうなったのかを発表しようと考え,

昨年5月からブログを初めて約8ヶ月が経ちましたので,

8ヶ月間のブログ生活を振り返りたいと思います。

 

 

まず,8ヶ月経って思うのは,

圧倒的に自己成長できたと感じることです。

 

 

私の場合,自分の専門分野である労働事件について,

毎日,インプットとアウトプットを繰り返しているので,

労働事件に関する専門知識が自分の血肉となり,

労働事件の法律相談で的確なアドバイスが

今まで以上にできるようになりました。

 

 

毎日ブログを書き続けるためには,

ネタを入手しなければならないのですが,

毎日ブログを書き続けていると,

不思議とネタが集まってきます。

 

 

おそらく,自分が必要としている情報に反応するように,

情報をキャッチするアンテナの感度がよくなり,

知らず知らずのうちに,

必要な情報に気づくようになったのだと思います。

 

 

自分に必要な情報がネタとして入ってくるので,

あとは,そのネタに関する法律的な問題を文献で調べて,

読者に伝わるように文章にしていきます。

 

 

 

このアウトプットの過程で,

難しい法律問題を一般の読者に伝えるためには,

どうすればいいかを考えますので,

専門知識をわかりやすく伝える表現力が鍛えられます

 

 

さらに,アウトプットすると,脳は,

その情報を重要な情報であると判断して長期記憶に保存するので,

圧倒的に記憶に残ります

 

 

知識が記憶として残るので,

知識を活用することができるのです。

 

 

次に,毎日ブログを更新していると自信がつきます

 

 

毎日ブログを更新すると自分に約束し,

1日1日,その約束を守っていくことで,

自分で決めた約束事を守っている自分はすごいと

自分で感じることができるのです。

 

 

自分の中にはもう一人の怠け者の自分がいます。

 

 

この怠け者の自分が,「たまにはブログを休んだらどうだ」

と悪魔のささやきをしてきます。

 

 

 

たいていは,この悪魔のささやきに応じてしまい,

三日坊主で終わることがほとんどです。

 

 

人間の習性として,これはしかたのないことです。

 

 

この怠け者のもう一人の自分にうちかつことで,

自分で決めたことをしっかり守る自分を認めて,

自信がついていくのだと思います。

 

 

最後に,自分のブログが人の役に立つことの喜びです。

 

 

ありがたいことに,読者の方から,

ブログの内容が役に立ちましたという

お言葉をいただくことがあります。

 

 

このお言葉が何よりも嬉しいのです。

 

 

 

私がブログで発信していることは,

「労働時間を記録しよう」,

「パワハラの発言は録音しよう」,

「1日8時間超えて働いたら残業代を請求できます」,

「働きすぎると体を壊すので,長時間労働には気をつけましょう」など,

弁護士であれば当たり前のことばかりですが,

意外と知られていなかったりします。

 

 

私が労働者に役立つ情報を発信することで,

労働者が正当に権利を主張することができて,

労働者が幸せな生活をおくれるようになってもらいたいのです。

 

 

弁護士にとって当たり前の知識が,

人の役に立ち,そして喜んでもらえる。

 

 

この喜びに,最近気づくようになりました。

 

 

忙しい弁護士業務をしながら,

毎日ブログを書き続けるのは,

本当に大変なのですが,

8ヶ月を振り返ると,やはり,

毎日ブログを書き続けることが重要であると再確認できました。

 

 

今後とも,働く人にとって役に立つ情報を発信していきますので,

どうかよろしくお願い致します。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

海上自衛隊のパワハラ・いじめ問題

昨年9月,海上自衛隊横須賀基地の

補給艦ときわの艦内において,

男性3等海尉が自殺した事件がありました。

 

 

上官から自殺した3等海尉に対して

パワハラがあったという乗員の証言があり,

海上自衛隊が調査したところ,

艦長から「休むな」という指示があったり,

上官が「死ね」,「消えろ」などと発言し,

ダーを投げつけたなどのパワハラがあったようです。

 

 

 

 

①優越的な関係に基づく,

②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により,

③労働者の就業環境を害すること

(身体若しくは精神的な苦痛を与えること)

というパワハラの3つの要素にあてはめると,

上記の艦長や上官の言動は,パワハラに該当します。

 

 

今後,事故調査委員会がパワハラの有無や

自殺との因果関係を調査していくので,

どのような調査結果になるのかに注目したいです。

 

 

さて,海上自衛隊における隊員の自殺ですが,

実は過去にも同じような事件があったのです。

 

 

それが,海上自衛隊護衛艦さわぎり事件です

(福岡高裁平成20年8月25日判決・判例時報2032号52頁)。

 

 

 

 

この事件は,海上自衛隊の三等海曹が

護衛艦さわぎりに乗艦中に首吊り自殺したという事件です。

 

 

遺書はなかったものの,自衛隊内のいじめが疑われ,

艦内において飲酒がされていた等の規律違反や,

隊員を丸刈りにしたという指導方法が取り上げられて,

自殺との関連が問題となりましたが,事故調査委員会は,

いじめの事実は認められないという調査結果を公表しました。

 

 

この調査結果に納得できない遺族が,

国を相手に損害賠償請求訴訟を提起しました。

 

 

裁判では,ある上官から

「お前は三曹だろ。三曹らしい仕事をしろよ。」,

「お前は覚えが悪いな。」,「バカかお前は。三曹失格だ。」

などと誹謗されていたことが認定されました。

 

 

そして,閉鎖的な艦内で直属の上司から

継続的に上記のような侮辱的な言動がされることは,

自殺した三等海曹の心理的負荷を過度に蓄積させるものであり,

指導の域を超えるものであると判断されました。

 

 

この侮辱的な言動によって,三等海曹は,

うつ病を発症し,自殺したと認定されて,

慰謝料合計350万円の請求が認容されました。

 

 

他方で,もう一人の上官の「ゲジ2」,「百年の孤独要員」,

「お前はとろくて仕事ができない。自分の顔に泥を塗るな。」

という言動については,自殺した三等海曹との

関係が良好であったことから,

軽口として許容できるものであるとして,

違法な言動とは認定されませんでした。

 

 

海上自衛隊は,航海中,閉鎖された艦内で

仕事と日常生活をしていくので,

人間関係が一度こじれると,逃げ場がなく,

非常につらい状況に追い込まれてしまうことが予想されます。

 

 

 

 

閉鎖された組織ではパワハラやいじめが

生じる温床となりやすいので,

今回の補給艦ときわの事故調査で,

自衛隊のパワハラやいじめの原因が究明されて,

再発防止策が講じられることを期待したいです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

昼休みがとれないときの対処法

弁護士ドットコムニュースに,

昼休みをとれない保育士のことが掲載されていました。

 

 

保育園では,子供達が昼寝をしている際も,

呼吸やうつぶせ寝のチェックのために休むことができず,

早く起きてしまう子供がいるため,

保育士は,別の部屋にいくことができず,

子供達が寝ている部屋で食事をとっているようです。

 

 

 

 

元気に動き回る子供達が相手ですので,

保育士がきちんと昼休みを取得するのは難しいことが予想されます。

 

 

保育士の仕事は過酷です。

 

 

とはいえ,休憩時間を取得させないことは

労働基準法違反になります。

 

 

本日は,休憩時間について説明します。

 

 

そもそも,休憩時間とは,労働者が権利として

労働から離れることが保障されている時間,

労働時間の途中において完全に仕事から離れることを

保障されている時間をいいます。

 

 

 

 

労働基準法34条において,会社は,

1日の労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分,

8時間を超える場合には少なくとも1時間の休憩時間を

労働時間の途中に与えなければならないと規定されています。

 

 

労働時間が6時間未満の場合であれば,

休憩時間を与えなくても,労働基準法違反にはなりません。

 

 

また,電車や飛行機の乗務員,郵便事業の乗務員については,

休憩時間を与えないことができると規定されています。

 

 

休憩時間は,労働時間の途中に与える必要がありますので,

仕事が始まる前や仕事が終わった後に

休憩時間を与えることはできません。

 

 

休憩時間を分割して与えることも可能ですが,

5分や10分の休憩時間ですと,

トイレにいくだけで終わってしまうので,

労働からの解放が保障されているとはいえず,

休憩時間とみなされない可能性があります。

 

 

休憩時間は,労働者に一斉に与えなければならないのですが,

労使協定を締結することで,

休憩時間を一斉に与えなくてもよくなります。

 

 

会社は,労働者に,休憩時間を

自由に利用させなければなりません。

 

 

 

 

とはいえ,休憩時間後の労働に支障が生じてはいけませんので,

飲酒を禁止したり,

会社内の危険な設備の近くでのスポーツを禁止したり,

他の労働者の休憩を妨害することを禁止したりすることは,

休憩時間の自由利用の原則に違反しないと考えられます。

 

 

会社が労働者に対して,休憩時間を与えていなかった場合,

休憩時間も労働契約の内容になっていることから,

会社は,労働契約に違反したことになります。

 

 

そして,休憩時間を与えられないことで,

労働者の身体・自由といった法律上の利益が侵害されているとして,

慰謝料の支払が認められることがあります。

 

 

もっとも,慰謝料の金額はそれほど大きくはなりません。

 

 

その他にも,休憩時間が与えられないことによって,

1日の労働時間が8時間を超えれば,

残業代を請求することができます。

 

 

会社が休憩時間を与えない場合,労働基準法違反として,

6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金の罰則がありますので,

労働者としては,労働基準監督署に違反の事実を申告し,

是正を求めることも可能です。

 

 

このように,休憩時間を与えない場合,

労働者としては,とりうる手段がいろいろあります。

 

 

冒頭の保育士の場合,何人かの保育士が

交代で休憩時間をとれるように,経営者には,

労働環境を改善していってもらいたいですね。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

地域防災訓練に参加する途中の負傷は労災か?

2018年は災害の多い年でした。

 

 

2018年2月には北陸地方で大雪,

6月には大阪北部地震,

7月には中国地方で豪雨災害,

夏から秋にかけて台風の被害,

9月には北海道胆振東部地震など,

全国各地で被害が発生しました。

 

 

 

 

このように,災害が多発していることから,

災害から自分の身を守るために,

地域では防災訓練が行われています。

 

 

さて,地域防災訓練に参加するための途中にけがをした場合,

労災が適用されるのでしょうか。

 

 

本日は,地域防災訓練に参加する途中でけがをした

市立小学校の教師が,公務災害に該当するかについて

争った地公災基金山梨県支部長事件を紹介します

(東京高裁平成30年2月28日判決・労働判例1188号33頁)。

 

 

この事件では,市立小学校の教師が,

日曜日に実施された地域防災訓練に参加するため,

その会場に向かう途中,その経路の途中にある

自らが担任する学級所属の児童の住居を訪問した際,

その住居で飼育されている犬にかまれて傷害を負いました。

 

 

 

 

この傷害について,原告の教師は,

公務災害の申請をしましたが,

公務災害とは認められなかったため,

裁判を提起しました。

 

 

本件のようなケースで,公務災害と認定されるためには,

公務上の災害の認定基準について」という文書の1キ(キ)の

「地方公務員法第24条第5項の規定に基づく条例に

規定する勤務を要しない日及びこれに相当する日に

特に勤務することを命ぜられた場合の出勤又は退勤の途上」であって,

「合理的な経路若しくは方法によらない場合又は

遅刻若しくは早退の状態にある場合」ではない

という要件を満たす必要があります。

 

 

ようするに,休みの日に出勤することを命じられた場合の

通勤経路の途中の事故であって,

通勤経路が合理的な経路や方法から

逸脱していないことが必要になるのです。

 

 

本件事件では,まず,日曜日に地域防災訓練に参加することが

特に勤務することを命ぜられた場合」に該当するかが争われました。

 

 

なぜならば,校長は,教師に対して,

地域防災訓練への参加を明確に命令していなかったからです。

 

 

とはいえ,職務命令には,明示的なものの他に,

黙示的なものも含まれます

 

 

本件事件では,防災訓練にできるだけ参加するように

具体的な指導があったこと,防災訓練が学校をあげて

取り組むべき行事として位置づけられていたこと,

代休取得の措置がとられていたことなどから,

教師が防災訓練に不参加を申し出ることが

事実上困難であったことから,

黙示的な職務命令があったと認定されました。

 

 

その結果,本件事件で防災訓練に参加することは,

「特に勤務することを命ぜられた場合」

に該当すると判断されたのです。

 

 

次に,防災訓練へ向かう途中で児童の自宅を訪問したことが,

合理的な経路から逸脱したかが争われました。

 

 

 

 

本件事件では,原告の教師は,忘れ物を届けるついでに

児童に防災訓練への参加を呼びかける目的で,

勤経路沿いにある児童の自宅を訪問し,

その訪問時間も数分程度くらいであったことから,

防災訓練への参加と無関係な目的で訪問したわけではないので,

合理的な経路から逸脱していないと認定されました。

 

 

その結果,原告の負傷は,公務災害と認められました。

 

 

今後,災害が増えていく中で,

防災訓練へ参加することがなかば

強制されていく可能性があります。

 

 

防災訓練へ参加する途中や参加中にケガをした場合に,

労災になるかについて,本件事件は参考になると思います。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

裁量労働制の違法適用の社名公表制度

朝日新聞の報道によりますと,厚生労働省は,

裁量労働制を労働者に違法に適用した企業の社名を

公表する制度を新設する方針を固めたようです。

 

https://www.asahi.com/articles/ASLDZ059VLDYULFA009.html

 

 

なぜかといいますと,裁量労働制については

違法に適用されていることが多く,

長時間労働を助長しているという批判が多いため,

厚生労働省は,社名公表制度を新設することで,

企業の裁量労働制の違法適用を抑止しようとしているからです。

 

 

厚生労働省が,裁量労働制を違法適用している

企業の名前を公表し,マスコミで大々的に報道されれば,

あの会社は,長時間労働をさせられても,

残業代が支払われないブラック企業であるという

レッテルをはられてしまいます。

 

 

 

そうなれば,労働者を大切にしない企業であるとの

イメージが定着してしまい,若者が就職しなくなり,

人手不足に陥り,経営が悪化するリスクが高まります。

 

 

そのため,裁量労働制を違法適用している企業があれば,

厚生労働省は,しっかりと調査した上で,

注意喚起を含めて,どんどん公表するべきだと思います。

 

 

では,裁量労働制が違法に適用されるとは,

どのような場合なのでしょうか。

 

 

そもそも,裁量労働制とは,業務の性質上その遂行方法を

大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるものについて,

実労働時間とは関係なく,労使協定や労使委員会の決議

で定めた時間を労働時間としてみなす制度のことです。

 

 

 

 

ようするに,どれだけ働いても,事前に定められた時間しか

働いていないことになり,残業代が支払われないか,若しくは,

少ない金額の残業代に抑えられてしまう制度なのです。

 

 

このように,裁量労働制は,労働者にとって

不利益な制度であることから,労働基準法で

適用要件が厳格に定められているのです。

 

 

例えば,裁量労働制の対象となる業務は,

客観的にみて労働者の裁量性が認められる業務である

必要があるにもかかわらず,仕事の段取りや時間配分について,

会社からの指示が多く,労働者に裁量性がないのに,

裁量労働制が違法に適用されている場合があります。

 

 

その他にも,裁量労働制は労使協定を締結する

必要があるのですが,その労使協定の有効期限が切れていたり

労使協定を締結した労働者が,

労働者の過半数代表者ではなかったために,

労使協定が無効である場合もあります。

 

 

このように,裁量労働制は,要件が厳しいので,

違法に適用されていることが多いと思います。

 

 

裁量労働制が違法に適用されていたのであれば,労働者は,

労働基準法で計算した残業代を請求することができます。

 

 

今回の,厚生労働省の社名公表の新制度ですが,

複数の事業場を持つ大企業が対象であり,

次の3つの要件を満たす必要があります。

 

 

①裁量労働制を適用する労働者のおおむね3分の2以上が,

制度を適用できない仕事をしていた

 

 

②違法適用した労働者のおおむね半数以上が,

違法な時間外労働をしていた

 

 

③そのうち1人以上が一ヶ月100時間以上の残業をしていた

 

 

社名公表のハードルがとても高く,

ほとんどの違法適用の会社は公表されない可能性が高いです。

 

 

裁量労働制の違法適用を抑止するためにも,

厚生労働省は,社名公表の要件を緩和し,

労働者に注意喚起するために,

積極的に社名を公表していってもらいたいと思います。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

妻のトリセツ4~妻との会話の黄金ルール~

今回の年末年始は,仕事にいかず,自宅で過ごしています。

 

 

妻からは,1歳11ヶ月の子供と遊ぶように厳命されています。

 

 

 

 

子供と遊ぶのは楽しいのですが,自分のことが何もできません。

 

 

子供といると,本を読めませんし,パソコンもできません。

 

 

ただただ時間が過ぎていく。

 

 

自分のことがなにもできず,少し虚しくなることもあります。

 

 

普段,妻が子育てをしている苦労がよくわかりました。

 

 

さて,妻と過ごす時間が長いので,

「妻のトリセツ」に記載されていることを意識しています。

 

 

 

 

まずは,「言ってくれればやったのに」

というセリフを言わないです。

 

 

黒川先生曰く,このセリフは,妻をひどく傷つけるようです。

 

 

女性脳は,大切な対象に意識を集中し,

ちょっとの変化も見逃さず,

相手が何も言わなくても,

何を求めているのか,

どうすれば相手が嬉しいか,

その意図を察して生きています。

 

 

そのため,「言ってくれればやったのに」というセリフは,

察することを放棄した言葉であり,

「僕はあなたになんの関心もない」,

「あなたを大切に思っていない」と同義語となるのです。

 

 

私を含め,世の夫は,察することが苦手です。

 

 

とはいえ,「言ってくれればやったのに」ではなく,

「気がつかなくてごめん。僕がやるべきだったね」と言えば,

察することはできなかったけれど,

察したい気持ちはあることを妻に伝えることができて,

妻が傷つくことを回避できるのです。

 

 

次に,心の通信線を開通させるです。

 

 

 

女性は,心の通信線と事実の通信線を使って会話しますが,

男性は,事実の通信線のみで会話するので,

会話がかみあわないことがあります。

 

 

妻に関する事実を肯定するにしても,否定するにしても,

まずは妻の心を肯定することが,妻との会話の黄金ルールなのです。

 

 

女性は,共感のために会話するので,

心を否定されたら,会話が成り立たなくなります。

 

 

妻の心を肯定しておけば,事実は肯定でも否定でも問題なく,

無責任に「そうそう,そうだよな」と言っておけばいいのです。

 

 

妻の気持ちは本当にわからなくてもいいので,

「君の気持ちはわかる」という言葉を使って,

妻に共感するのです。

 

 

妻の心を肯定しておけば,いらぬ地雷をふまずに,

妻に自分の意見をとおすことが容易になるのです。

 

 

妻に対して,具体的にどのような言葉を用いればいいのかまで,

論理的に説明がされていますので,とても納得できます。

 

 

これまでは,妻に対するネガティブトリガーについて,

アウトプットしましたが,次からは,

妻に対するポジティブトリガーについて,

アウトプットしていきたいと思います。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

人生うまくいく人の感情リセット術

樺沢紫苑先生の最新刊「人生うまくいく人の感情リセット術

を読みましたので,アウトプットします。

 

 

 

 

私は,樺沢紫苑先生の熱狂的なファンであります。

 

 

なぜかといいますと,樺沢紫苑先生のご意見は,

脳科学や心理学の裏付けがあり,再現性が高いので,

実践していくと,自分が成長していることを

実感できるようになるからです。

 

 

本書において,樺沢紫苑先生は,この1冊で

世の中の9割の悩みは解決すると言い切っています。

 

 

こう言い切れるのがすごいことです。

 

 

世の中の9割の悩みは,

ネガティブな感情を取り除きたいというものであり,

ネガティブな感情をリセットできれば,

その世の中の9割の悩みは解決するわけです。

 

 

さて,本書を読んで,私が気付いたことを

3点紹介したいと思います。

 

 

まず1点目は,目標をたてるだけで,

幸福物資であるドーパミンという脳内物質が

分泌されるという点です。

 

 

 

ドーパミンを出すには,次のようにすると効果的です。

 

 

①目標を設定する

 ②目標を達成した自分をイメージする

 ③目標を繰り返し確認する

 ④楽しみながら実行する

 ⑤達成するプロセスを変える

 ⑥自分流の工夫をする

 

 

目標を細かく区切って達成していくことで,

自分でイニシアチブをもった自発的な仕事ができるようになります。

 

 

私は,年間の売上目標など長期的な目標はたてていたのですが,

日々の仕事を細かく区切って,小さい目標にして,

それを達成していくことでモチベーションをあげていくという方法

を実践していませんでした。

 

 

今後は,日々の仕事を細かく区切って,

小さな目標を少しづつ達成していくことで

モチベーションをあげていきます。

 

 

2点目は笑顔であいさつすることです。

 

 

 

あいさつは当たり前のようにしていますが,

これにどのような意味があるのかを考えたことはありますか。

 

 

あいさつとは,心理学的には

私はあなたに対して心を開いていますよ

というサインを意味するようです。

 

 

あいさつは人間関係の第一歩ですので,

人と親しくなるためには,

きちんとあいさつをする必要があります。

 

 

さらに,笑顔であいさつするのがポイントです。

 

 

笑顔であいさつすることで,

自分に楽しいという感情が生じますし,

相手に対して好印象を与えられます。

 

 

今後は,あいさつするときには,

笑顔ですることを意識していきます。

 

 

3点目は,3行ポジティブ日記を書くことです。

 

 

一日の終わりに,今日あったよかったことを

3つ3行で文章にするのです。

 

 

3行ポジティブ日記には,次のメリットがあります。

 

 

①ポジティブ思考が強化される

 ②自己洞察力,内省力が高まる

 ③表現による癒やしの効果で,ストレスが発散される

 ④楽しい,幸せを発見する能力が高まる

 ⑤人生が楽しく,毎日が幸せになる

 

 

毎日3行日記を書くだけで,

これだけの効果があるのですから,驚きです。

 

 

忙しい時には,すぐ寝てしまい,

日記を書くことを忘れることがあるのですが,

これだけの効果があるので,

3行日記を忘れずに習慣にしていきます。

 

 

以上,3つの気付きを紹介しましたが,

他にも多くの気付きを得られる素晴らしい本ですので,

ぜひ一読することをすすめます。

 

 

本当に,人生の9割の悩みが解決してしまう名著です。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

公益通報者保護法の改正

日産自動車の前会長のカルロス・ゴーン氏が,

私的な投資の損失を日産自動車に付け替えたなどの

特別背任罪で再逮捕されて,年末に勾留が延長されました。

 

 

(日本経済新聞社より)

 

 

新聞報道を見ていますと,長年,

カルロス・ゴーン氏の不正が見過ごされていたものの,

内部告発や司法取引によって,不正が明るみにでてきたようですね。

 

 

本来,経営者の不正について監視しなければならない取締役会が,

日産自動車では,機能不全に陥っていたようです。

 

 

ワンマン経営者の側近がイエスマンで固められると,

企業不祥事が発生してしまうことを物語っています。

 

 

日産自動車というグローバル企業ですら,

経営者の不正を見抜けなかったのですから,

他の企業でも,不正は見抜けないのでしょう。

 

 

そう考えると,やはり会社とは,

不正を隠したがるものであり,

取締役会だけで不正を見抜くことは難しく,

不正を告発してくれる内部の労働者の存在が不可欠であると,

日産自動車の事件を見ながら思いました。

 

 

とはいえ,内部告発者は,会社内で冷遇され,

懲戒処分を受けたり,左遷させられたりすることがほとんどです。

 

 

 

 

このような現状を改善しなければ,

企業の不祥事を止めることはできません。

 

 

そこで,内閣府消費者委員会の専門調査会が,

内部告発者の保護を手厚くするために,

公益通報者保護法の改正について議論しており,

昨年12月26日に報告書をまとめました。

 

 

公益通報者保護法の改正のポイントは,以下の3つです。

 

 

1つ目は,保護される者を,現役の労働者から,

退職者や役員にも拡大しました。

 

 

退職者した人であれば,会社と縁が切れているので,

内部告発しやすく,不正を正すための情報が

得られやすくなることが期待されます。

 

 

2つ目は,従業員300人超の企業と行政機関には,

内部通報制度を整備することが義務付けられ,

従業員300人以下の企業には,

内部通報制度を整備することが努力義務となりました。

 

 

まだ内部通報制度を整備していない企業も多いので,

法改正を契機に,会社内での通報制度が

整備されることを期待したいです。

 

 

3つ目は,内部告発を理由に報復的な人事をした会社には,

是正勧告され,是正勧告に従わない会社は,会社名を公表されます

 

 

是正勧告や会社名の公表でも,

内部告発者を保護しようという気運はある程度高まりますが,

内部告発者をより保護するために,

内部告発者に対する報復的な人事については,

刑事罰を科すか,業務停止命令などの行政処分をするか

などの対策が必要であると考えます。

 

 

また,内部通報の窓口担当者に

守秘義務が課されないことも不十分です。

 

 

内部通報者は,内部通報をしても秘密が守られることが保障されて,

初めて安心して不正の事実を正直に話してくれるのであり,

窓口担当者に守秘義務が課せられていないと,

効果的な内部通報窓口の整備になりません。

 

 

このように,不十分な点もありますが,

内部告発者の保護を拡大するために一歩前進になります。

 

 

 

 

公益通報者保護法の改正により,

内部告発によって不正があばかれる前に,

会社内部で不正が是正されて,

企業不祥事が減少していくことを期待したいです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

妻のトリセツ3~男には見えない嫁姑問題の原因とは?~

年末年始を夫か妻の実家で過ごす家族は多いと思います。

 

 

 

 

実家の両親と離れて暮らしていれば,

両親は孫の顔を見て,とても喜んでくれます。

 

 

夫としては,自分の両親になるべくたくさん

孫の顔を見せてあげたいと思います。

 

 

しかし,この実家への帰省で,憂鬱な気分になる家族がいます。

 

 

それは,妻です。

 

 

夫は,妻の実家に行くことに何も感じないのですが,

妻は,夫の実家に行くことに憂鬱を感じるのです。

 

 

その原因は,いわゆる嫁姑問題です。

 

 

男にはよく分からない嫁姑問題について,

黒川伊保子先生は,「妻のトリセツ」において,

次のように解説しています。

 

 

 

 

「女性脳は,半径3メートル以内を舐めつくすように感じて,

無意識のうちに支配している。

その空間を自分の思い通りに制御できないと,

「見落としていることがある」感覚に陥り,

不安と不快感が募り,ストレスがたまる。

嫁姑が互いにイラつくのは,

この「制御領域」がぶるかり合うケース。

できる主婦は,台所やリビングをミリ単位で認知し,

無意識のうちに完全制御している。

このため,自分の置いたものを動かされたり,

動線をさえぎられることに大きなストレスを感じるのである。」

 

 

ようするに,嫁が夫の実家に来ることで,

姑が支配している結界に,嫁が入り込んでくるので,

互いの結界が衝突して,嫁と姑は互いに

ストレスを感じてしまうようです。

 

 

男には,この結界が見えません。

 

 

男には見えないところで,嫁と姑の結界が衝突して,

バトルが繰り広げられているわけです。

 

 

 

 

男には見えないところで繰り広げられているバトルであるため,

男としては,対処が難しいものです。

 

 

とはいえ,黒川先生は,夫には,

この結界を緩めることができると説いています。

 

 

まず,夫は,妻が夫の実家に帰るときに,

暗い顔をするのはしかたがないことであると受け入れることです。

 

 

嫁は,自分らしく振る舞うと姑にイラッとされ,

遠巻きにすると気の利かない嫁と思われてしまうので,

姑との距離感をとるのが難しく,

非常にストレスを感じてしまうのです。

 

 

夫が無邪気に嫁と姑の間に入ると,

結界が緩み,嫁は楽になるようです。

 

 

例えば,姑のいる台所に先に夫が入ってから,

妻を台所に呼べば,さりげなく,

嫁を姑の結界に入れられることができるようです。

 

 

そして,夫にとっては気の休まる自分の実家であっても,

妻にとっては,職場以上に気を張る場所であると心得て,

妻を優しくねぎらうことが重要のようです。

 

 

さて,私は,現在,私の実家において,

妻に,私の両親と同居してもらっています。

 

 

いつでも,子供を両親に預かってもらえるという

メリットがある反面,常に嫁姑問題にさいなまされるという

デメリットがあります。

 

 

私の両親との同居がどれほど妻にストレスを与えていたのかが,

この本を読んでよくわかりました。

 

 

私の両親と同居してくれている妻の神対応に日々感謝し,

妻を毎日ねぎらっていかなければならないことを学びました。

 

 

嫁姑問題が分からないビジネスマンに

ぜひ読んでもらいたい一冊です。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

働き方改革関連法に盛り込まれた毒

読者の皆様,新年あけましておめでとうございます。

 

 

今年も,働く人にとって役に立つ労働に関する情報を

発信していきますので,どうぞよろしくお願い致します。

 

 

さて,今年の4月から,いよいよ

働き方改革関連法が施行されます。

 

 

残業時間の罰則付き上限規制,同一労働同一賃金,

年休取得の罰則付きの義務化など,労働者を保護するための,

まさに「働き方改革」と称するにふさわしい制度もありますが,

働き方改革関連法には,労働者にとって

毒となる制度も盛り込まれています。

 

 

 

 

その毒といえるものとは,

高度プロフェッショナル制度です(以下,「高プロ」といいます)。

 

 

高プロとは,高収入の専門職の労働者に対して,

労働基準法で定められている労働時間規制が適用されなくなり,

どれだけ働いても,会社は,

残業代を支払わなくてもいいことになってしまう制度です。

 

 

この高プロについての省令案や指針案について,

昨年12月に公表されましたので,

本日は,この点について解説します。

 

 

高プロの対象となる労働者は,年収1075万円以上の

次の5つの業務に従事している者です。

 

 

 

 

①金融商品の開発

②投資判断に基づく資産運用や有価証券の売買(ディーラーなど)

③相場の動向などに基づく助言(アナリスト)

④顧客の事業運営に関する調査分析や助言(経営コンサルタント)

⑤新商品の研究開発

 

 

ここで注意しなければならないのは,

単にこれら5つの業務の名称がついているだけで

高プロが適用されることにはならず,

実質的かつ具体的に労働時間規制になじまない

業務に限定されています。

 

 

さらに,高プロの対象業務は,「当該業務に従事する時間に関し

使用者から具体的な指示を受けて行うものではないこと

という要件を満たす必要があります。

 

 

具体的には,次のような指示がされていると,

高プロは適用されないことになります。

 

 

①出勤時間の指定等始業・終業時間や深夜・休日労働など

労働時間に関する業務命令や指示

②労働者の働く時間帯の選択や時間配分に関する

裁量を失わせるような成果・業務量の要求や納期・期限の設定

③特定の日時を指定して会議に出席することを一方的に義務付けること

④作業工程,作業手順などの日々のスケジュールに関する指示

 

 

 

 

このように,高プロの対象となる労働者は,

かなり限定されていますので,来年4月以降,

会社から高プロの適用の打診を受けた場合,

本当に自分の仕事が高プロの対象業務なのかを

慎重に確認することが必要です。

 

 

そして,高プロを導入するためには,

適用される労働者個人の同意と労使委員会の決議

という手続が必要になります。

 

 

労働者は,高プロの適用を拒否しても,

そのことを理由に給料を減額されるなどの

不利益な取扱はされませんので,

高プロの適用に同意しないようにしましょう。

 

 

仮に,同意をしたとしても,後から撤回できますし,

撤回をしたことで不利益な取扱はされません。

 

 

また,労使委員会で決議されなければ

高プロは導入できませんので,労働組合は,

高プロが導入されないように必死で

抵抗するようにしてください。

 

 

労働者の同意も労使委員会の決議も,

会社からの十分な説明や情報開示がされることが

前提となっていますので,会社からの十分な説明がない場合にも

高プロが無効になる可能性があります。

 

 

さらに,会社に義務付けられている1年間に104日以上,

かつ,4週間で4日以上の休日確保が守られていない場合にも,

高プロは無効になる可能性があります。

 

 

このように導入するためのハードルがかなり高いので,

おそらく地方の中小企業で,

これらの要件を全て満たして適法に運用できる会社は

ほとんどないと考えられます。

 

 

働き方改革関連法に盛り込まれた毒である高プロですが,

まずは会社に高プロを導入させない,

導入されたとしても無効になる点はないかを

詳細に検討していくことが重要になります。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。