外出ランチで脳内物質を活性化

昨日に引き続き,精神科医の樺沢紫苑先生の

神・時間術」をもとに,外出ランチのメリットについて記載します。

 

 

 

 

昨日のブログで,外出ランチをすると

セロトニンが活性化することを記載しました。

 

 

実は,外出ランチをすると,

セロトニン以外の脳内物質も活性化するのです。

 

 

樺沢紫苑先生がおっしゃるには,

職場から飲食店に場所を変えることによって,

場所ニューロンが活性化するのです。

 

 

場所ニューロンとは,海馬に存在する,場所を司る細胞で,

もともと自分がどこにいるのかを忘れないように記憶するための細胞です。

 

 

 

海馬とは,記憶の一時保管庫です。

 

 

場所ニューロンが活性化すると,

海馬が活性化します。

 

 

海馬が活性化することで,記憶力が高まり,

学習機能が強化され,勉強や仕事がはかどるのです。

 

 

行ったことがないとこへ行くほど,

場所ニューロンがより活性化するので,ランチの際には,

行ったことのないお店を開拓した方が,

場所ニューロンを活性化させることができます。

 

 

さらに,行ったことのないお店や,

いつもと違うメニューを注文すると,

アセチルコリンという脳内物質が活性化します。

 

 

アセチルコリンは,創造性やひらめきに効果のある脳内物質です。

 

 

アセチルコリンが活性化すれば,

仕事のアイディアがうまれて,

クリエイティブな仕事がはかどります。

 

 

いつも行っているお店もいいのですが,

新しいお店を開拓したり,

いつも行っているお店で,

お気に入りのメニューを注文するよりも,

ときには,違ったメニューに挑戦することで,

脳内物質を活性化させて,

仕事の効率がアップさせることができます。

 

 

また,新しいお店を開拓すれば,

自分の中にある飲食店のデータベースが増強されていきます。

 

 

すると,食事会や懇親会の幹事を任されたり,

友人と「どこに食べに行こうか」と悩んでも,

すぐにおすすめのお店を,

自分のデータベースから検索して提示することができます。

 

 

相手に自分のおすすめのお店を紹介して,

相手が気に入ってくれれば,

その相手との人間関係がよくなります。

 

 

また,ここのお店は,このメニューがおすすめです

と紹介できれば,相手からの信頼感がアップします。

 

 

そのためには,定番メニュー以外のメニューにも挑戦して,

自分なりのお店のおすすめを把握しておくといいかもしれません。

 

 

このように,外出ランチで,新しいお店を開拓し,

新しいメニューに挑戦することで,

場所ニューロンとアセチルコリンを活性化させれば,

午後からの仕事がはかどりますし,

自分の飲食店のデータベースが更新されて一石二鳥です。

 

 

やはり,外出ランチはおすすめです。

外出ランチのすすめ

私が実戦している仕事術が,

ビジネスマンの役に立つかもしれないと思い,

紹介させていただきます。

 

 

弁護士は,クライアントと打ち合わせをし,

裁判所に提出する文書を作成し,

相手方と交渉し,

雑多な事務作業もしています。

 

 

また,事務所の経営のための仕事,

所属している弁護士会の仕事,

弁護団の仕事など,

さまざまな仕事をしています。

 

 

さらに,飲み会やイベントも多いです。

 

 

一方で,私には,1歳4ヶ月の長女がいますので,

子育てや家事もしなければなりません。

 

 

そのため,私は,いかにして短い時間で仕事の成果をあげるのか,

という労働生産性を向上させることをよく考えています。

 

 

自分の労働生産性を向上させるために,

さまざまなビジネス書を読んで,

この仕事術は役立ちそうだと思ったものを実践してきました。

 

 

私がオリジナルに考えたものは少なく,

あまり目新しいものではないかもしれませんが,

少しでも読者の方々にお役に立てれば幸いです。

 

 

まずは,昼休みの時間術について紹介させていただきます。

 

 

皆様は,昼休みをどのように過ごしていますか?

 

 

社内で愛妻弁当を食べる人,

仕事が忙しいのでコンビニ弁当を食べながら仕事をする人,

美味しいランチのお店を探しに出かける人,

などさまざまな過ごし方があります。

 

 

 

私は,時間があれば,なるべく,事務所から自転車に乗って,

美味しいランチのお店を探しにでかけています。

 

 

これには理由があります。

事務所から少し離れた飲食店へ自転車に乗って行くので,

「リズム運動」ができます。

晴れていれば,「日光を浴びる」ことができます。

そして,食事をよく噛んで食べます(「咀嚼」します)。

 

 

この「リズム運動」,

「日光を浴びる」,

「咀嚼」の3つの行動をすることで,

セロトニン」という脳内物質を活性化させることができるのです。

 

 

「セロトニン」とは,

癒やし,リラックス,平常心

などに関する脳内物質です。

 

 

セロトニンが低下すると,仕事の意欲が低下します。

 

 

朝から昼までデスクワークをしていると,

セロトニンが低下してきて,

仕事のモチベーションが低下しているのです。

 

 

そこで,外出ランチをすることで,

「リズム運動」,「日光を浴びる」,「咀嚼」ができて,

セロトニンを活性化することができます。

 

 

セロトニンを活性化させることで,

爽やかな気分になり,午後からの仕事がはかどるのです。

 

 

外出ランチで,集中力をリセットして,

午後の仕事の集中力を回復させることで,

仕事の効率をあげることができます。

 

 

この外出ランチ・リセット術は,

精神科医の樺沢紫苑先生の「神・時間術」で紹介されていたものです。

 

 

 

忙しいと,ついついコンビニ弁当を食べながら

仕事を続けてしまいますが,

「忙しいビジネスマンほど外食ランチに出かけるべきなのです」。

 

 

午後の仕事の効率をあげるためにも,外出ランチはおすすめです。

 

会社を辞めさせてもらえないときの対処法

残業代が支払われないのに,

毎日長時間労働をさせられている。

 

 

上司からは,ノルマを達成しろ

と毎日怒鳴られている。

 

 

心も体も限界で,今すぐ会社を辞めたい。

そう思い,上司に「退職したい」と伝えたら,

上司は次のように言ってきました。

 

 

「お前を教育するのに,会社はどれだけの金をかけたと思っているのか。

お前の代わりの新人を探すために,また金がかかる。

それに,お前はノルマを達成していない。

会社を辞めたければ,会社の損害を賠償してからにしろ」

 

 

 

 

このように,損害賠償請求をちらつかせて,

労働者を辞めさせないように仕向けるブラック企業の手口があります。

 

 

ブラック企業は,

使えないと思った労働者を容赦なく辞めさせますが,

使えると思った労働者をこきつかうために辞めさせないのです。

 

 

それでは,このような場合,

労働者は,退職できないのでしょうか。

 

 

結論は,労働者は,

2週間前までに退職する意思を会社に伝えれば

自由に退職できます(民法627条)。

 

 

半年以上,継続勤務している労働者であれば,

有給休暇を消化すれば,退職日が2週間以上先になることが多いと思います。

 

 

有給休暇が残っているのであれば,

有給休暇を消化してしまえば,

会社に出勤することなく,

有給休暇分の賃金を請求できます。

 

 

とくに,ブラック企業の場合,

労働者に有給休暇をとらせていないことがほとんどですので,

今すぐにでもブラック企業を辞めたい労働者は,

すぐに退職届を提出して,有給休暇を消化して,

翌日から出勤しなければいいのです。

 

 

また,会社が労働者に損害賠償請求をすると主張していたとしても,

以前ブログに記載しましたが,労働者の些細なミスが原因で,

会社の損害賠償請求が認められることは,ほとんどありません。

 

 

そのため,冒頭の事例のように,

労働者の教育費や新たな人材の採用費用は,

当然に会社が負担すべきものですし,

ノルマ未達成で会社に損害が生じるわけではありませんので,

これらの理由で,会社が労働者に損害賠償請求をすることはできません。

 

 

会社が労働者に損害賠償請求をすると主張していても,

実際にそれが認められることは,めったにありませんので,

労働者は,会社の脅しに屈しないで,会社を辞めるべきです。

 

 

会社を辞めるときには,

トラブルを未然に防止するために,

退職届を会社に提出しましょう。

 

 

有給休暇を消化する場合には,

「私は,○年○月○日から○月○日まで有給休暇を取得し,○日付で退職します。」

と記載し,日付と名前を書いて提出すれば,大丈夫です。

退職理由を書く必要はありません

 

 

退職届のコピーを手元に保管し,

会社に退職届が届いたことがわかるように,

配達証明郵便などを利用してください。

 

 

会社がしんどくなったら,無理せずに,

勇気をもって,会社を辞めることも一つの選択肢です。

自分のことを大切にしてください。

妻は他人?

さわぐちけいすけ氏の

「妻は他人~だから夫婦は面白い~」

という,夫婦関係を円満にするひけつが記載された本(マンガ)

を読みましたので,アウトプットします。

 

 

 

 

夫婦円満のひけつは,

本のタイトルにある「妻は他人」であることを

絶対に忘れないことにあるようです。

 

 

夫婦は,知らず知らずのうちに,

「相手は妻(夫)だから○○を要求する権利がある」

という考えにおちいりがちですが,この考えが危険です。

 

 

他人に対して,一方的に〇〇を要求しても,

他人は,自分の都合があるので,

〇〇を要求されても対応できず,

自分の立場を考えない上から目線

のようなものの言い方に,かちんときます。

 

 

ようは,自分の都合ばかりを考えて,

相手の立場を理解せずに,何かを要求すると,

相手は不快になり,関係が悪化するリスクがあるのです。

 

 

例えば,私の場合,仕事が忙しいので,

育休中の妻に対して,「もう少し掃除してよ」

と言ってしまい,妻とけんかをしたことがあります。

 

 

 

 

この言葉の前提に,

妻は育休中で時間に余裕があるので,

妻が掃除をするのが当然であるという

誤った考えがありました。

 

 

この言葉に対して,妻が怒りました。

 

 

育休中の妻は,四六時中,幼い子供の世話をしており,

また,子供の寝付きが悪いので,睡眠不足で,疲労困憊だったのです。

 

 

子育てで疲れているので,

家事の負担を減らして,

ゆっくり休みたい。

これが妻の本音です。

 

 

子育ては,仕事以上に大変です。

私は,そのことに思いがいたらずに,

育児で疲れている妻に「もう少し掃除してよ。」と言ってしまい,

夫婦ケンカになってしまったのです。

 

 

ここで,「妻は他人」という考え方をすれば,

他人に対して,掃除してよと言えるはずがなく,

自分で掃除をすればいいという発想にいたります。

 

 

そして,妻に対して,掃除を要求することなく,

自分から掃除を始めると,妻が掃除を手伝ってくれて,

効率よく掃除をすることができました。

 

 

夫婦とは,育ってきた環境が全く異なる男女が,

長年共同生活を継続する気の長いプロジェクトです。

 

 

育ってきた環境が互いに異なるので,

当然,価値観も異なり,

夫婦は,時にすれ違い,

ケンカに発展します。

 

 

ケンカに発展する前に,妻または夫は,

相手が自分の価値観とは異なる他人なのだから,

礼節を重んじて,丁寧に接する必要があると考えれば,

相手に対して,寛容になり,丁寧な対応ができるようになり,

無用な夫婦ケンカを回避できると思います。

 

 

日々,離婚や不倫といった男女問題に関わる弁護士の立場から,

「妻(または夫)は他人。だから夫婦は面白い」

という発想で過ごせば,男女問題で悩む人が少なくなるかもしれないと思い,

この本を紹介させていただきます。

セクハラの対処法

東京都狛江市の市長が,女性職員へ

セクハラをしたとして,辞職することになりました。

 

 

市長の具体的なセクハラ行為は,

宴会でお尻を触った,

エレベーター内で腰を引き寄せられて体を密着させた,

といったものです。

 

 

狛江市のセクハラにつては,

被害にあった女性職員らが,

実名入りの抗議文を提出して発覚しました。

 

 

被害者が実名で公表するからには,

セクハラの事実を証明できるだけの証拠

があったのだろうと思います。

 

 

また,財務省のセクハラ事件では,

記者が事務次官から,

「胸触っていい?」,

「手縛っていい?」

と言われたことが,音声データとして

保存されていたからこそ,

ここまで大きな問題になったと思います。

 

 

音声データがなければ,

財務省からの圧力がかかり,

事務次官が「はめられている」

と判断されていたリスクがあります。

 

 

そもそも,セクハラとは,

相手方の意に反する性的言動であり,

性的言動をした本人がどういう意図だったかはさておき,

相手方が不快に感じたかどうかが重要になります。

 

 

 

 

そして,セクハラとは,

権限をもっている男性が,

立場の弱い女性に対して,

その優越的地位を利用して行われる点に特徴があります。

 

 

立場の弱い女性は,

立場の強い男性からの性的言動に対して,

抵抗しにくいという構造的な問題があります。

 

 

財務省や狛江市のセクハラ行為は,

女性であれば,そのような言動をされれば,

当然不快に感じますし,

事務次官と記者,

市長と職員

という力関係の構造が背景にあります。

 

 

それでは,女性がセクハラの被害にあった場合,

どのように対処するべきでしょうか。

 

 

最も重要なことは,

セクハラの事実を証明するための証拠を確保することです。

 

 

セクハラは密室で行われるため,

証拠が残りにくいという問題があります。

 

 

証拠がなければ,

加害者に「そんな言動はしていない」

という言い逃れを許してしまうことになります。

 

 

そのような言い逃れを許さないためにも,

セクハラの言動があった場合,

スマホやボイスレコーダーで録音をしましょう。

 

 

録音があれば,加害者は,

「そんな言動はしていない」と言えなくなります。

 

 

録音できない場合は,

セクハラの事実をその場で詳細にメモしておくことも有効です。

 

 

そして,証拠を確保した上で,

セクハラにあったことを,

会社のセクハラの相談窓口や外部の相談窓口へ相談にいって公表し,

また,セクハラをやめるように加害者へはっきりと伝えるといいです。

 

 

 

 

加害者は,セクハラをしているとは思っていないことがあるので,

何もしないとセクハラがますますエスカレートするリスクがあります。

 

 

そのため,その言動はセクハラである

とはっきりと伝えることは効果的です。

 

 

もっとも,加害者に直接伝えるのが難しい場合もありますので,

信頼できる人に相談して,対策を一緒に検討してもらうといいでしょう。

働き方改革関連法案の強行採決に反対します

昨日,衆院厚生労働委員会において,

働き方改革関連法案が強行採決されてしまいました。

 

 

 

 

これまで何回かブログで記載してきましたが,

働き方改革関連法案のうち,

高度プロフェッショナル制度(通称「高プロ」といいます)は,

対象労働者の労働時間の規制を撤廃して,

残業代0円で24時間働かせても合法になるという危険な制度です。

 

 

そのため,野党は,高プロは過労死を助長するとして,

撤回を求めてきましたが,残念ながら,

昨日,強行採決されてしまったのです。

 

 

野党の健全な批判に耳を傾けずに,

数の力で採決を強行する与党のやり方は,

あまりにも横柄であり,

国会が言論の府として正常に機能していないように思えて,残念です。

 

 

今日は,これまでのブログに記載していなかった

高プロの問題点について解説します。

 

 

政府・与党は,高プロは,働いた時間ではなく成果で賃金を決める

成果型賃金制度であると主張しています。

 

 

しかし,これは誤りです。

高プロを導入する要件の中に,賃金制度に関する要素はなく,

成果型賃金にすることが義務付けられていません。

 

 

多くの企業では,月額賃金がほぼ固定された月給制がとられており,

高プロが導入されても,月給制の賃金制度が変わる保障はありません。

 

 

そのため,月給制のまま高プロが導入されれば,

たとえ,労働者が成果をあげたとしても,給料があがる保障はなく,

月額賃金が固定されたまま,残業代0円で24時間働かされる危険性があるのです。

 

 

また,高プロの法案には,

労働者の健康を確保するための措置を会社に義務付けていますが,

長時間労働の歯止めにならない実効性に欠けるものになっています。

 

 

高プロの法案では,

4週間のうち4日休日を与えなければならないのですが,

4週間で4日休日を与えさえすれば,

24時間連続勤務であっても許されることになります。

 

 

 

 

これでは,長時間労働の歯止めにはなりません。

 

 

高プロの法案では,会社が実施すべきとされている

労働者の健康を確保するための措置として,4つあげられており,

その中から1つを実施すればよいことになります。

 

 

おそらく,会社は,4つの中から最も負担の軽い,

「一定の場合に健康診断を実施する」ことになると思います。

 

 

しかし,健康診断を実施するだけでは,

長時間労働の歯止めになりません。

 

 

このように,高プロの法案では,

長時間労働の歯止めになる対策がなされていないので,

残業代0円で24時間働かされて,労働者の健康が害される危険があり,

やはり,野党の批判のとおり,過労死を助長するのです。

 

 

私は,高プロを含む働き方改革関連法案の強行採決に反対します。

 

日大アメフト部事件からブラック企業を考える

連日,日大アメフト部の悪質タックルの報道をみていて,

日大アメフト部では,ブラック企業と同じことが行われたのだなと感じました。

 

 

 

 

悪質タックルをした選手は,

実戦練習からはずされており,コーチから,

相手を1プレー目で潰せば試合にだしてやるぞ

と言われたようです。

 

 

部活動をする選手にとって,

レギュラーとして試合で活躍するのが,

重要な自己実現になります。

 

 

しかし,選手には,試合にでれるか否かの決定権はありません。

試合に誰を出場させるかを決めるのは監督やコーチです。

 

 

選手が試合に出るためには,

監督やコーチの言うことに従うしかないのです。

 

 

上下関係が厳しく,

しごきが日常となっているような

閉鎖された部活動では,

監督やコーチが絶対的な権力者として君臨して,

下の選手たちは,監督やコーチに逆らうことができない

支配構造が確立されていると考えられます。

 

 

このような支配構造にいると,

選手は,監督やコーチに洗脳されて,

正常な判断ができなくなります。

 

 

だからこそ,日大アメフト部の選手は,

監督やコーチに追い込まれて,逆らうことができずに,

悪質タックルをせざるをえなかったのでしょう。

 

 

日大アメフト部の支配構造は,ブラック企業とよくにています

 

 

ブラック企業は,上司への絶対服従を求め,

指導と称して,不要な暴力や過剰な叱責が日常的に行われて,

いらなくなった労働者を辞めさせるために,戦略的なパワハラが行われます。

 

 

 

 

労働者が自分から辞めていけば,解雇ではないため,

あとから裁判で争う場合,パワハラの証拠がなければ,

損害賠償請求が困難になります。

 

 

解雇の場合は,

労働基準法で厳しい規制があるので,

労働者に有利になります。

 

 

ブラック企業は,解雇による法的紛争のリスク

を回避するために,戦略的にパワハラを行い,

労働者が自分から辞めていく状況に追い込むのです。

 

 

社会経験が浅い若者は,

社会は厳しいと聞いて育ったので,

会社とはこういうものだと思ってしまうと,

ブラック企業に洗脳されて,

パワハラをされても抵抗せず,

どんどん精神的に追い込まれて,

やがてうつ病を発症してしまいます。

 

 

ブラック企業では,

社長や上司の命令は絶対で,

労働者は,パワハラを受けて,

使い潰されていくのです。

 

 

私は,日大アメフト部の事件をみていて,

若者がブラック企業で使い潰されてしまうのは,

学生時代の部活動で,ブラック企業のような支配構造

に順応しているからではないかと思いました。

 

 

部活動がブラックだから,

若者は,ブラック企業へ就職しても,

違和感を覚えることなく,

自然にブラック企業の支配構造に組み入れられてしまう。

 

 

ブラック企業を根絶するためには,

ブラックな部活動を改善する必要があります。

 

 

部活動では,選手を支配するのではなく,

個人として尊重し,

選手が自己成長できる場である必要があります。

 

 

日大アメフト部の事件を契機に,

ブラックな部活動が改善されて,

おかしいことにはおかしいと言える若者

が増えていって欲しいと思います。

労働者は高度プロフェッショナル制度の適用を事実上断れない

3日連続の投稿になってしまいますが,

労働者の健康を守るための労働時間法制が

根本からくつがえされてしまうほど重要な

法改正がなされようとしているので,

今日も高度プロフェッショナル制度(通称「高プロ」といいます)

の危険性について記載します。

お付き合いいただければ幸いです。

 

 

報道によれば,高プロを含む働き方改革関連法案は,

5月25日の衆院厚生労働委員会で採決される見通しです。

 

 

国会審議においては,高プロの危険性についての

野党の質問に対して,政府や与党が

真正面から答えることをせず,議論が深まっていません。

 

 

過労死が増えるという野党の批判に対して,

政府や与党は,高プロの対象者が

会社との交渉力のある高度専門業務に限られ,

高プロの導入には本人の同意が必要であることを根拠に,

批判をかわしています。

 

 

しかし,会社と労働者を比べれば,

圧倒的に会社が強い立場にあります。

現実の労働者は,会社から給料をもらえなければ,

生活ができなくなりますので,

事実上,会社の指示に従わなければならず,

弱い立場にあります。

 

 

 

そのような弱い立場にある労働者が,

会社から,「あなたには,今度から高プロという制度が適用されますので,

この書面にハンコをおしてください。」と言われたら,

事実上,断ることはできないはずです。

 

 

法律に,高プロの導入を断ったとしても,

不利益な取扱をしてはならないと記載されていても,

会社から同意をもとめられたときに,

断固として拒否できる労働者は

ほぼいないといってもいいでしょう。

 

 

さらに,高プロの法案審議の中で,

一度,労働者が高プロの適用に同意したとしても,

あとから撤回できるように修正されました。

 

 

しかし,これも同じように,

立場が弱い労働者が,雇い主である会社に対して,

一度,高プロの適用に同意したあとに,

「やっぱり高プロはやめてください」

とは,事実上,言えないと思います。

 

 

そもそも,高プロの同意を撤回できることを

労働者が知らないことが多いでしょうし,

同意を撤回した後に,

会社から何か不利益な扱いをうけるのではないか

と考えてしまうからです。

 

 

それくらい,今の会社と労働者の関係では,

会社が圧倒的に強くて,労働者が弱い立場にあります。

 

 

実際に,労働者が会社に対して

未払残業代や損害賠償請求をするのは,

会社をやめて,会社との関係がきれたあとがほとんどで,

会社に在職中に,そのようなことをする労働者は,極めて少ないです。

 

 

会社に在職しているときに,会社に請求をすると,

会社に居づらくなるからです。

 

 

そのため,労働者が高プロの適用を

拒否できるというのは,幻想にすぎません。

 

 

労働者は,高プロの適用に同意せざるをえなくなり,

その結果,残業代0円で24時間働かされてしまい

最悪の場合,過労死してしまうのです。

 

 

高プロは,本当におそろしい制度ですので,廃案にすべきです。

 

 

労働者は高度プロフェッショナル制度を求めていない

昨日に引き続き,

高度プロフェッショナル制度(通称「高プロ」といいます)

の危険性について記載します。

 

 

昨日,全国過労死を考える家族の会の方々が,

働き方改革関連法案から高プロを削除することと,

首相との面談を求めて,首相官邸前で座り込みを行いました。

 

 

https://www.bengo4.com/c_5/c_1224/c_1653/n_7916/

 

 

家族会の方々がうったえたのは,

高プロは過労死を促進する,

労働者は高プロを求めていない,

労働者目線の働き方改革を求める,

というものです。

 

 

昨日のブログにも記載しましたが,

高プロは,労働者の働き過ぎを防止することを

目的とした労働時間の規制をなくし,

残業代0円で24時間働かせても合法

になってしまうおそろい制度なのです。

 

 

残業代が0円になれば,

会社は,利益をあげるために,

労働者をどれだけでも働かせてしまいます。

 

 

そうなれば,労働者は,

働き過ぎとなり,疲労が蓄積して,

やがて過労死・過労自殺という

破滅の道をたどることになります。

 

 

 

このような高プロを労働者が望んでいるのかといえば,

残業代0円で24時間働かされること

を望む労働者はいないはずです。

 

 

労働者は,自分の時間という最も貴重な資源を

会社に提供して,会社から給料という対価をもらいます。

 

 

労働者が会社に提供する時間がどれだけ増えても,

会社からの対価である給料が増えないのであれば,

労働者は,最も貴重な資源である時間を

浪費することになり,損をすることになります。

 

 

労働者は,会社で働く時間以外にも,

家族と過ごす時間,

自分の趣味を楽しむ時間,

睡眠をとって疲労を回復する時間,

食事を楽しむ時間

などを確保する必要があります。

 

 

労働者が会社で働く時間が増えれば,

これらの時間が削減されてしまい,

人生の楽しみを失うことになりかねません。

 

 

自分の時間を大切にするなら,

労働者に高プロを導入するニーズはありません。

 

 

加藤勝信厚生労働大臣は,

十数人にヒアリングしたところ,

労働時間の規制を外すことに肯定的な

労働者の意見があったと説明したようです。

 

 

たった十数人のヒアリング調査を根拠に,

全国の労働者に影響を与える高プロのニーズがある

と決めつけるのはあまりにも杜撰です。

 

 

さらに,このヒアリング調査が,

どのような労働者を対象に,

どのような質問をして,

どのような回答があったのか

が明らかにならなければ,にわかに信用できません。

 

 

 

労働者が必要としていない高プロを導入しても,

労働者目線の働き方改革にならないのは明らかです。

 

 

労働者が求める働き方改革を実現するのであれば,

高プロは,撤回されるべきなのです。

 

 

高度プロフェッショナル制度に反対する理由

報道によれば,与党は,5月23日に,

働き方改革関連法案を衆院厚生労働委員会で

強行採決する見通しのようです。

 

 

十分な国会審議がなされていないまま,

「過労死促進法案」,「残業代ゼロ法案」

と批判されている高度プロフェッショナル制度(通称「高プロ」といいます)

が成立してしまうのは,非常に腹立たしいことです。

 

 

そこで,改めて,高プロの危険性について解説します。

 

 

労働基準法には,労働者が働き過ぎによって

健康を害することがないように,会社に対して,

労働時間の規制をしています。

 

 

具体的には,

①1日8時間,1週間で40時間を

超えて働かせてはならないこと(労働基準法32条),

②労働時間が8時間を超える場合には

1時間の休憩を与えなければならないこと(労働基準法34条),

③毎週少なくとも1回の休日を

与えなければならないこと(労働基準法35条),

④1日8時間を超えて残業させた場合には,

25%増の割増賃金を支払わなければならないこと(労働基準法36条),

といった労働時間の規制が定められています。

 

 

それでは,高プロが成立するとどうなるのでしょうか。

 

 

高プロが適用される労働者には,

これらの労働時間の規制が適用されなくなります。

すなわち,残業代ゼロで24時間働かせても合法になってしまうのです。

 

 

高プロを推進する人は,

成果を出せば早く帰れるようになる

というメリットを主張しています。

 

 

しかし,高プロが適用されたからといって,

早く帰れるようになる保障は全くありません。

ある仕事が終われば,また次の仕事がふってくるので,

いつまでたっても仕事が終わらず,

逆に帰宅時間が遅くなることが予想されます。

 

 

また,高プロは年収1075万円以上の労働者が対象なので,

自分には関係ないと考える労働者がいるかもしれません。

しかし,高プロは,多くの労働者にとって関係があるのです。

 

 

今議論されている高プロの対象者は,

年収1075万円以上の労働者ですが,

高プロの成立後,知らいないうちに,

年収要件が引き下げられてしまい,

対象労働者が拡大していくことが予想されます。

 

 

 

経団連は,かつて年収400万円以上の労働者を対象とすべきと提言していました。年収400万円以上の労働者が対象になるのであれば,多くの労働者が,残業代ゼロで長時間労働を強いられるリスクがあるのです。

 

 

小さく産んで大きく育てるのが,規制緩和の常套手段であることを肝に銘じておく必要があります。

 

 

労働者は,高プロを他人事としてとらえるのではなく,明日は我が身と考えるべきです。