日大アメフト部事件からブラック企業を考える
連日,日大アメフト部の悪質タックルの報道をみていて,
日大アメフト部では,ブラック企業と同じことが行われたのだなと感じました。
悪質タックルをした選手は,
実戦練習からはずされており,コーチから,
相手を1プレー目で潰せば試合にだしてやるぞ
と言われたようです。
部活動をする選手にとって,
レギュラーとして試合で活躍するのが,
重要な自己実現になります。
しかし,選手には,試合にでれるか否かの決定権はありません。
試合に誰を出場させるかを決めるのは監督やコーチです。
選手が試合に出るためには,
監督やコーチの言うことに従うしかないのです。
上下関係が厳しく,
しごきが日常となっているような
閉鎖された部活動では,
監督やコーチが絶対的な権力者として君臨して,
下の選手たちは,監督やコーチに逆らうことができない
支配構造が確立されていると考えられます。
このような支配構造にいると,
選手は,監督やコーチに洗脳されて,
正常な判断ができなくなります。
だからこそ,日大アメフト部の選手は,
監督やコーチに追い込まれて,逆らうことができずに,
悪質タックルをせざるをえなかったのでしょう。
日大アメフト部の支配構造は,ブラック企業とよくにています。
ブラック企業は,上司への絶対服従を求め,
指導と称して,不要な暴力や過剰な叱責が日常的に行われて,
いらなくなった労働者を辞めさせるために,戦略的なパワハラが行われます。
労働者が自分から辞めていけば,解雇ではないため,
あとから裁判で争う場合,パワハラの証拠がなければ,
損害賠償請求が困難になります。
解雇の場合は,
労働基準法で厳しい規制があるので,
労働者に有利になります。
ブラック企業は,解雇による法的紛争のリスク
を回避するために,戦略的にパワハラを行い,
労働者が自分から辞めていく状況に追い込むのです。
社会経験が浅い若者は,
社会は厳しいと聞いて育ったので,
会社とはこういうものだと思ってしまうと,
ブラック企業に洗脳されて,
パワハラをされても抵抗せず,
どんどん精神的に追い込まれて,
やがてうつ病を発症してしまいます。
ブラック企業では,
社長や上司の命令は絶対で,
労働者は,パワハラを受けて,
使い潰されていくのです。
私は,日大アメフト部の事件をみていて,
若者がブラック企業で使い潰されてしまうのは,
学生時代の部活動で,ブラック企業のような支配構造
に順応しているからではないかと思いました。
部活動がブラックだから,
若者は,ブラック企業へ就職しても,
違和感を覚えることなく,
自然にブラック企業の支配構造に組み入れられてしまう。
ブラック企業を根絶するためには,
ブラックな部活動を改善する必要があります。
部活動では,選手を支配するのではなく,
個人として尊重し,
選手が自己成長できる場である必要があります。
日大アメフト部の事件を契機に,
ブラックな部活動が改善されて,
おかしいことにはおかしいと言える若者
が増えていって欲しいと思います。
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