我が師菅野昭夫弁護士3~試練に立つ権利~
昨日に引き続き,新人弁護士学習会における
菅野昭夫弁護士の講演のアウトプットを行います。
菅野弁護士は,アメリカで著名な憲法訴訟弁護士で
ラトガーズ・ロースクールの教授である
アーサー・キノイ弁護士の「Rights on Trial」
という本を翻訳出版しました。
アーサー・キノイ弁護士は,ナショナル・ロイヤーズ・ギルド
というアメリカの進歩的弁護士の集団に所属し,
労働運動,公民権運動,反戦平和の戦い,冤罪事件などを闘い抜き,
「民衆のための弁護士」として,確固たる評価を勝ち得ていました。
菅野弁護士は,アーサー・キノイ弁護士の了解をえて,
「試練に立つ権利~ある民衆の弁護士の物語~」という本を,
日本評論社から出版しました。
これを契機として,菅野弁護士は,自由法曹団という
日本の弁護士集団のメンバーと一緒に,
アメリカのナショナル・ロイヤーズ・ギルドの弁護士と交流し,
国際的な活動をしてきました。
この「試練に立つ権利」という本の中に,
次のような一節があります。
「弁護士として悔いの残らない人生をおくりたいのであれば,
その時代の苦悩の中に自分の身を置きなさない」
その時代の苦悩とは,社会的な問題や矛盾のことであり,
弁護士は,時代の苦悩に背を向けてはならず,
解決のために尽力するべきということなのだと思います。
私は,金沢大学のロースクールの法曹倫理という授業で,
菅野弁護士から講義を受けていたとき,菅野弁護士が,
学生に対して,この名言を紹介しました。
私は,この名言を聞いて,菅野弁護士のもとで働きたいと思い,
菅野弁護士がいる金沢合同法律事務所へ入所しました。
自分がどのような弁護士になろうかと考えていた時に,
進むべき道筋を照らしてくれた言葉を思い出して,
初心に戻ることができました。
菅野弁護士は,最後に,新人の後輩弁護士たちに
以下の4つのアドバイスをしました。
①初めて経験することにたじろいではいけない。実践に勝るものはない。
②万物は生成発展し流転する。道理に適っていればとおることがある。
③己を信じる。信じた道を貫く。動じてはいけない。
④人生至るところ青山あり。活躍できる場所はどこにでもある。
新人向けの講演でしたが,弁護士9年目の自分にとって,
初心に戻ることができた貴重な講演でした。
弁護士として大切なことを再確認できましたので,
今後とも,仕事に精進していきます。
本日もお読みいただきありがとうございます。
返信を残す
Want to join the discussion?Feel free to contribute!