安室奈美恵さんの引退から定年を考える
9月16日に平成の歌姫安室奈美恵さんが引退しました。
ちょうど9月15日に,私は渋谷を観光していました。
渋谷の町には,安室奈美恵さんの看板やポスターがあふれていました。
90年代に,アムラーの聖地であった渋谷には
多くのファンが訪れており,改めて多くの人達から
愛されている歌手なのだと実感しました。
私が中学生や高校生のころ,カラオケにいくと,必ず誰かが
「Do’t wanna cry」を歌っていたのが懐かしく感じました。
さて,安室奈美恵さんが40歳で引退する一方で,
働く人の引退である定年が70歳に延長される動きがでてきています。
共同通信社によれば,政府は,希望する高齢者が
70歳まで働けるように,現行65歳までの雇用継続義務付け年齢
を見直す方向で検討に入ったようです。
ここで,高齢者の雇用に関する法律について説明します。
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律
(高年法といいます)があります。
現行の高年法では,8条において,
60歳を下回る定年が禁止されています。
また,現行の高年法では,9条において,会社に対して,
65歳までの安定した雇用を確保するために,
次の雇用確保措置のいずれかを講じることを義務付けています。
①定年年齢の引き上げ
②継続雇用制度の導入
③定年制廃止
多くの会社では,このうち,
②継続雇用制度の導入を取り入れており,
①定年年齢の引き上げや③定年制廃止を
選ぶ会社は少ないのが現状です。
継続雇用制度とは,高年齢者が希望するときは,
定年後も引き続き雇用してもらえる制度のことです。
現行の高年法では,会社は,継続雇用の対象者を限定しない
継続雇用制度を導入しなければならないので,原則として,
希望者全員が定年後も継続雇用されることになっています。
この継続雇用制度では,雇用期間を1年とする有期労働契約として,
65歳まで更新するという方法がとられていることがあります。
そのため,65歳よりも前に,契約を更新されずに
雇止めされることがありえますが,
高年法で65歳までの雇用が義務付けられているので,
雇止めが無効となることが多いです。
9月17日の敬老の日に総務省統計局が高齢者の人口を公表しました。
65歳以上の高齢者の人口が28.8%で,
4人に1人の割合であり,
70歳以上の高齢者の人口が20.7%で,
5人に1人の割合です。
改めて,少子高齢化が進んでいることがわかります。
15歳から64歳までの働き手が減少している一方,
65歳以上の人口が増加していることから,
65歳~70歳の方々に働いてもらうことで,
人手不足の解消と年金の受給年齢を延長することで
年金の国家負担を軽減することが背景にあるのだと思います。
もっとも,70歳まで働きたくないと考えている人がいたり,
人件費が増加することを懸念する会社があったりするので,
今後どうなるか分かりません。
今は,100年生きる時代ですので,
健康を維持しつつ,長く働いて収入を確保した方が,
人生の戦略においてプラスなのだと考えます。
安室奈美恵さんのように40歳で引退できる方はなかなかいないので,
健康を維持しながら70歳まで働く計画をたてておくべきだと思います。
本日もお読みいただき,ありがとうございます。
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