郵政グループにおける同一労働同一賃金の問題点

郵政グループは,転居を伴う転勤がない正社員に対して,これまで住居手当を支給しており,非正規社員には,住居手当を支給していませんでしたが,この住居手当を廃止することに決めました。

 

https://www.asahi.com/articles/ASL4C3SMJL4CULFA00B.html

 

郵政グループは,東京と大阪で,各種手当の格差是正について,裁判が行われており,同一労働同一賃金の機運が高まっていることから,住居手当を削減することで,正社員と非正規社員との待遇格差を縮めようとしているようです。しかし,住居手当が廃止されることによって,正社員の年収が最大で32万4000円も減額されることになるようです。

 

もともと,同一労働同一賃金は,非正規社員の労働条件を改善して,非正規社員と正社員の労働条件の格差を縮小することを狙いとしていますが,正社員の労働条件を引き下げて,正社員を非正規社員の低い労働条件に合わせるのでは,労働者全体の賃金が下がり,消費意欲が衰えて,商品が売れなくなり,会社の業績が悪化して,景気が悪化するリスクがあります。

 

同一労働同一賃金を名目に,正社員の労働条件を切り下げるのでは,正社員と非正規社員の分断をますます助長することになるので,同一労働同一賃金を実現するのであれば,人件費の問題はありますが,非正規社員の労働条件を正社員の労働条件の水準にまで,徐々に向上させていく必要があります。

 

労働者全体の労働条件を向上させていくためにも,郵政グループの住居手当廃止が悪しき前例にならないことを願います。

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