働き方改革関連法案の強行採決に反対します
昨日,衆院厚生労働委員会において,
働き方改革関連法案が強行採決されてしまいました。
これまで何回かブログで記載してきましたが,
働き方改革関連法案のうち,
高度プロフェッショナル制度(通称「高プロ」といいます)は,
対象労働者の労働時間の規制を撤廃して,
残業代0円で24時間働かせても合法になるという危険な制度です。
そのため,野党は,高プロは過労死を助長するとして,
撤回を求めてきましたが,残念ながら,
昨日,強行採決されてしまったのです。
野党の健全な批判に耳を傾けずに,
数の力で採決を強行する与党のやり方は,
あまりにも横柄であり,
国会が言論の府として正常に機能していないように思えて,残念です。
今日は,これまでのブログに記載していなかった
高プロの問題点について解説します。
政府・与党は,高プロは,働いた時間ではなく成果で賃金を決める
成果型賃金制度であると主張しています。
しかし,これは誤りです。
高プロを導入する要件の中に,賃金制度に関する要素はなく,
成果型賃金にすることが義務付けられていません。
多くの企業では,月額賃金がほぼ固定された月給制がとられており,
高プロが導入されても,月給制の賃金制度が変わる保障はありません。
そのため,月給制のまま高プロが導入されれば,
たとえ,労働者が成果をあげたとしても,給料があがる保障はなく,
月額賃金が固定されたまま,残業代0円で24時間働かされる危険性があるのです。
また,高プロの法案には,
労働者の健康を確保するための措置を会社に義務付けていますが,
長時間労働の歯止めにならない実効性に欠けるものになっています。
高プロの法案では,
4週間のうち4日休日を与えなければならないのですが,
4週間で4日休日を与えさえすれば,
24時間連続勤務であっても許されることになります。
これでは,長時間労働の歯止めにはなりません。
高プロの法案では,会社が実施すべきとされている
労働者の健康を確保するための措置として,4つあげられており,
その中から1つを実施すればよいことになります。
おそらく,会社は,4つの中から最も負担の軽い,
「一定の場合に健康診断を実施する」ことになると思います。
しかし,健康診断を実施するだけでは,
長時間労働の歯止めになりません。
このように,高プロの法案では,
長時間労働の歯止めになる対策がなされていないので,
残業代0円で24時間働かされて,労働者の健康が害される危険があり,
やはり,野党の批判のとおり,過労死を助長するのです。
私は,高プロを含む働き方改革関連法案の強行採決に反対します。
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