未払残業代の消滅時効が5年になるか

 労働基準法115条で,労働債権である未払残業代の消滅時効は2年になっています。賃金の支払日から2年が経過すると,未払残業代を請求できなくなるのです。

 

 ところが,今年の民法改正で債権の消滅時効が5年に統一されました。それにもかかわらず,労働債権については,労働基準法115条が改正されていないため,消滅時効は2年のままです。他の債権が5年の消滅時効なのに,労働債権だけ2年の消滅時効のままでは,労働者保護に反するとして,厚生労働省の労働政策審議会で見直しの議論が始まりました。

 

 http://www.asahi.com/articles/DA3S13033572.html

 

 経営者側は,未払残業代の消滅時効が5年になれば,支払わなければならない残業代が増えるので,当然抵抗しています。しかし,民法の消滅時効の原則が変更された今,労働債権だけ2年の消滅時効にする理由は乏しく,労働者保護の観点から早急に労働債権の消滅時効を5年にすべきです。

 

 早急に労働債権の消滅時効が5年になるといいですね。

 

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