退職代行事件

最近,マスコミの報道をみていますと,人手不足が深刻なようです。

 

 

以前ブログで紹介しましたが,セブンイレブンの店主が,

人手不足から24時間営業を短縮したところ,

セブンイレブン本部から違約金約1700万円の支払いを求められました。

 

 

https://www.kanazawagoudoulaw.com/tokuda_blog/201903087673.html

 

 

また,3月下旬から4月上旬は引っ越しのシーズンですが,

引越業者も人手不足のため,引越しの仕事を断っているようで,

今年は,引越難民が多数生じる可能性があるようです。

 

 

このように,人手不足が深刻になると,労働者が,

会社を退職しようとしても,会社は,

あの手この手を使って,会社を辞めさせてくれません。

 

 

 

 

会社を辞めるには会社の許可が必要である,

辞めたことによって会社に損害が生じたら損害賠償請求をする

などと言いながら,会社は,労働者が辞めることを阻止してきます。

 

 

このような場合,労働者は,どうすれば辞められるのでしょうか。

 

 

最近,私が担当した退職代行事件を紹介します。

 

 

私のクライアントは,会社を退職しようとしたところ,

社長から,どななられて辞めさせてくれませんでした。

 

 

会社を退職しようとすると,社長からどなられるので,

私のクライアントは,社長と会いたくなく,

声も聞きたくない状態になり,

自分で辞めることができない状況に追い込まれてしまいました。

 

 

そこで,私に退職手続の代行を依頼されました。

 

 

 

労働者には,退職の自由が保障されていますので,

会社の許可を得ることなく,いつでも会社を辞めることができます。

 

 

正社員であれば,民法627条1項により,

退職を申出て2週間が経過すれば,自由に退職できます。

 

 

もっとも,会社によっては,就業規則で,

退職までの期間を2週間よりも長い期間に

設定しているところがあります。

 

 

この点,労働基準法は,労働者が労働契約から離脱したいときに,

これを制限する手段となりうるものを極力排除して,

労働者の解約の自由を保障しようとしているので,

民法627条1項の予告期間は,

会社のためにはこれを延長できないと判断した裁判例があります

(高野メリヤス事件・東京地裁昭和51年10月29日判決・

労働判例264号35頁)。

 

 

そのため,会社が,就業規則において,

退職までの期間を2週間よりも長い期間に設定していたとしても,

労働者は,退職を申出てから2週間が経過すれば,

自由に退職できるのです。

 

 

 

 

 

さらに,たまっている年次有給休暇を消化すれば,

退職を申出た後,会社に出勤することなく,退職できて,

消化した年次有給休暇分の賃金を会社に請求することができます。

 

 

労働者が,退職時に未消化の年次有給休暇を一括で取得した場合,

会社は,これを拒否することができません。

 

 

まとめますと,会社を今すぐに辞めたいのであれば,

会社に退職届を提出し,未消化の年次有給休暇を

平日10日分取得すれば,週休二日制の会社であれば,

土日が2回あるので,会社に出勤することなく2週間が経過して,

会社を辞めることができます。

 

 

退職の申出は,口頭でもできますが,会社から,

聞いていないと言われるおそれがありますので,退職届を作成して,

特定記録郵便で会社に送付することをおすすめします

 

 

これらの手続は,労働者がご自身で行うことが十分に可能ですが,

私のクライアントのように,自分で辞めることができない

状況に追い込まれている場合には,

弁護士に退職手続の代行を依頼することを検討してみてください。

 

 

 

 

私のクライアントの事件では,私が,相手方の会社に対し,

私のクライアントが退職すること,

未消化の年次有給休暇を取得すること,

年次有給休暇を取得した期間について賃金を支払うこと,

離職票や源泉徴収票を私のクライアントへ交付すること

を配達証明付内容証明郵便で通知しました。

 

 

すると,相手方の会社は,特段何も言わず,

私のクライアントの要求に素直に応じてきて,

私のクライアントは,無事に退職でき,

年次有給休暇を取得した分の賃金を受け取ることができました。

 

 

会社を退職したいけれども,自分では対処が難しい場合には,

弁護士にご相談することをおすすめします。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

正社員と非正規雇用労働者の退職金の格差は不合理か?~メトロコマース事件東京高裁判決~

2019年2月20日,東京高裁において,

東京メトロの売店で働く非正規雇用労働者が,

売店を経営する株式会社メトロコマースに対し,

本給,資格手当,住宅手当,賞与,退職金,褒賞,早出残業手当に

相違があることは,労働契約法20条に違反すると

主張した裁判において,住宅手当,退職金の一部,褒賞,早出残業手当

の相違は不合理であるという判決がされました。

 

 

 

退職金の一部について,正社員と非正規雇用労働者に

相違を設けることが不合理であると初めて述べた判決であり,画期的です。

 

 

本日は,このメトロコマース事件の高裁判決について解説します。

 

 

最近,労働契約法20条違反に関する裁判例が

多数でてきて注目されています。

 

 

労働契約法20条には,正社員と非正規雇用労働者の

労働条件に相違がある場合,業務の内容,業務に伴う責任の程度,

職務の内容及び配置の変更の範囲,その他の事情を考慮して,

その相違が不合理であってはならないと定められています。

 

 

おおざっぱに言えば,正社員と非正規雇用労働者が,

同じ仕事をしているなら,同じ労働条件にしましょうということです。

 

 

メトロコマース事件では,正社員には,

退職金が支給されていたのですが,非正規雇用労働者には,

退職金が支給されていなかったことから,非正規雇用労働者に対して,

退職金を支給しないことは,労働契約法20条に

違反するのではないかが争われたのです。

 

 

そもそも,退職金には,賃金の後払い,功労報償など

様々な性格があり,長期雇用を前提とした正社員に対する福利厚生を

手厚くし,有為な人材の確保と定着を図るために,

正社員に対して退職金制度を設けて,短期雇用を前提とした

非正規雇用労働者に対して退職金制度を設けないことについては,

人事政策上,一概に不合理とはいえません。

 

 

 

もっとも,メトロコマースでは,非正規雇用労働者の労働契約は

原則として更新されており,定年が65歳に定められており,

原告の労働者らは,定年まで10年前後の長期間にわたって

勤務しており,原告らと異なる契約社員には

退職金制度が設けられたことを考慮すれば,

長年の勤務に対する功労報償の性格を有する部分に係る退職金を,

原告ら非正規雇用労働者に一切支給しないことは不合理と判断されました。

 

 

そして,退職金のうちの,長年の勤務に対する

功労報償の性格を有する部分について,

正社員と同一の基準に基づいて算定した退職金の額の

4分の1であると判断し,正社員の退職金の4分の1を

非正規雇用労働者にも支給するように命じました。

 

 

なぜ,正社員の退職金の4分の1になったのかは,

判決文からはよくわかりませんが,退職金の一部について,初めて,

正社員と非正規雇用労働者の相違が不合理であると判断されたのです。

 

 

この他にも,住宅手当については,メトロコマースの労働者は,

勤務場所の変更があったとしても,東京メトロの管轄である

東京都もしくは千葉県,埼玉県,神奈川県なので,

転居を伴うことが想定されていないので,

住宅手当を正社員にだけ支給し,非正規雇用労働者に支給しないことは

不合理であると判断されました。

 

 

 

 

 

また,褒賞については,実際には勤続10年に達した正社員には

一律に3万円が贈られているものであり,

正社員と非正規雇用労働者に等しく支給すべきであり,

不合理と判断されました。

 

 

さらに,早出残業手当の割増率を非正規雇用労働者よりも

正社員を高くしていることも,不合理と判断されました。

 

 

労働契約法20条違反の事件では,

手当の性質や実態を丁寧に検討して,

不合理か否かが判断される流れが定着してきました。

 

 

退職金の一部について,正社員と非正規雇用労働者の相違が

不合理と判断されたので,同一労働同一賃金に向けて

また一歩前進したと思います。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

休職と復職を繰り返した労働者に対する解雇事件

最近,新聞をみていますと,がんを宣告されても,

その人の治療にあわせて,無理のない範囲で仕事を

継続させる取り組みがあるようです。

 

 

今後,労働人口が減少していく中で,

病気の人も安心して働ける環境の整備が必要になっていきそうです。

 

 

 

 

さて,本日は,病気で休職していた労働者の解雇が

問題になった裁判例を紹介します。

 

 

本日,紹介するのは,12年間休職と復職を繰り返した

営業社員に対する解雇が争われた三洋電機事件です

(大阪地裁平成30年3月29日判決・労働判例1189号106頁)。

 

 

原告の労働者は,自転車通勤の途上で,

自動車との接触事故により,外傷性頚椎・腰椎ヘルニアの傷害を負い,

休職し,併合10級の後遺障害の認定を受けました。

 

 

その後,復職しましたが,頚椎症,腰椎椎間板ヘルニアや

その他の病気を理由に,3回休職と復職を繰り返し,

12年間のうち,原告の労働者が実際に就労したのは,

約2年11ヶ月でした。

 

 

 

 

そうしたところ,被告会社は,原告の労働者に対して,

身体上の故障のため,業務に堪えられないとして,解雇しました。

 

 

原告の労働者は,仕事が原因で,

腰痛が悪化したことから休業していたのであり,

本件解雇は労働基準法19条に違反すると主張しました。

 

 

労働基準法19条には,仕事が原因で労働者が負傷して,

休業している期間,解雇できないと規定されています。

 

 

ところが,原告の労働者は,ほとんど営業活動を行っておらず,

腰痛による体調悪化を訴えていなかったことから,

腰痛の悪化があったとしても,その原因は仕事ではないと判断され,

労働基準法19条による解雇制限は適用されませんでした。

 

 

また,被告の三洋電機は,パナソニックから,

余剰人員の削減をせまられている状況において,

原告の労働者に対して,就労可能と考えられる業務を提示して,

復職を希望する原告の労働者の意向に

最大限応えるように対応してきました。

 

 

そのため,被告は,原告の労働者に対して,

必要とされる配慮を十分に行っていることから,

本件解雇は有効と判断されました。

 

 

病気による休職と復職が問題になる事案では,

医学的な検討が必要になり,復職させるにしても,

どのような仕事ができるのかなどを慎重に判断する必要があります。

 

 

今後,病気になった労働者にも継続して働ける環境の整備が

求められていくことから,企業もどこまで,

労働者に配慮していかなければならないのか

について検討が続きそうです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

コンビニの店主は労働組合法の労働者か

セブンイレブン東大阪南上小阪店の店主が,

人手不足を根拠に24時間営業をやめて,

営業時間を短縮したところ,本部のセブンイレブンジャパンから

フランチャイズ契約の解除と,違約金1700万円の支払いを

求められたことが大きく報道されています。

 

 

 

セブンイレブン本部としては,例外を一つでも作ってしまうと,

なし崩し的に24時間営業が守られなくなり,

24時間営業でがんばっている店主の不満が大きくなり,

コンビニのシステムが維持できなくなることから,

24時間営業を維持したいのだとと考えられます。

 

 

他方,コンビニの店主としては,人手不足が深刻であり,

店主が過労死するくらい働かないと店舗を維持できず,

コンビニが持続していくためには,24時間営業を見直す必要がある

と考えていると思われます。

 

 

そして,コンビニを利用する消費者としては,

店主が過労死するまで働かなければいけないのであれば,

24時間営業でなくても,そこまで不便ではないし,

全ての店舗で24時間営業にしなくてもいいのではないか

と思う人が多いような気がしており,

セブンイレブン東大阪南上小阪店の店主の対応に

共感が広がっているのではないかと考えています。

 

 

一人の店主の意見であれば,一蹴されてしまいますが,

多くの店主や消費者も同じ意見を述べれば,

セブンイレブン本部としても,無視できず,

夜間営業を短縮する実験にのりだしました。

 

 

それに,呼応するように,コンビニ加盟店ユニオンが,

セブンイレブン本部に対して,

24時間営業の見直しを求める団体交渉を求めました。

 

 

 

 

しかし,セブンイレブン本部は,この団体交渉を拒否しました。

 

 

このセブンイレブン本部の団体交渉の拒否は許されるのでしょうか。

 

 

コンビニの店主が,労働組合法の「労働者」といえれば,

セブンイレブン本部は,団体交渉に応じなければならず,

今回の団体交渉の拒否は違法となります。

 

 

コンビニの店主は,コンビニの本部との間で

フランチャイズ契約を締結します。

 

 

フランチャイズ契約とは,店主が本部から商品仕入れや

販売促進の援助という継続的なサービスを受ける代わりに,

店主は,本部に対してロイヤリティーという対価を支払います。

 

 

そして,店主は,アルバイトを雇ったり,

商品の仕入れを行うなど,自分の資金を投入して,

コンビニを経営する個人事業主なので,

労働者とはいえないとも考えられます。

 

 

しかし,個人事業主であっても,コンビニ本部との個別の交渉では,

交渉力に大きな格差が生じており,

契約自由の原則のままでは不当な結果が生じることから,

労働組合を組織して,集団的な交渉によって

保護が図られる必要があります。

 

 

そのため,平成26年3月13日の岡山県労働委員会と

平成27年3月17日の東京都労働委員会は,

コンビニの店主は,労働組合法の労働者であるとして,

コンビニ店主が加盟するユニオンとの団体交渉を拒否したことは

違法であると判断しました。

 

https://www.mhlw.go.jp/churoi/meirei_db/mei/m11368.html

 

https://www.mhlw.go.jp/churoi/meirei_db/mei/m11486.html

 

 

すなわち,コンビニの店主は,コンビニの本部会社の

業務遂行に不可欠で枢要な労働力として,組織内に組み込まれており,

コンビニの本部会社がフランチャイズ契約の内容を一方的,

定型的に決定しており,コンビニの店主の受け取る金員は

労務の供給に対する対価に類する収入の性格があり,

実態上,コンビニの本部会社からの業務の依頼に対して

応じるべき関係にあり,コンビニ店主は,

コンビニの本部会社の指揮監督の下で経営を行っていることから,

労働組合法の労働者と判断されたのです。

 

 

 

 

もっとも,コンビニ本部が,労働委員会の命令に不服を申立てたので,

現在,中央労働委員会で審理が続いており,結論は固まっていません。

 

 

コンビニの店主が労働組合法の労働者であるという

判断が確定すれば,コンビニの店主が団結して,

24時間営業の見直しを求めれば,強い交渉力を発揮でき,

コンビニ本部会社が譲歩してくる可能性が高まります。

 

 

数は力です。

 

 

コンビニの店主は,コンビニ本部会社に対して立場が弱くても,

団結することで交渉力を強くできるのです。

 

 

中央労働委員会において,コンビニの店主に

有利な判断がなされることを期待したいです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

「好き」と「ネット」を接続すると,あなたに「お金」が降ってくる3~情報発信とお金~

3日連続になりますが,読者の方々に

伝えたいことがたくさんありますので,

本日も,立花岳志先生の著書

「好き」と「ネット」を接続すると,あなたに「お金」が降ってくる

のアウトプットにお付き合いください。

 

 

 

https://www.kanazawagoudoulaw.com/tokuda_blog/shohyou/201903057656.html

 

https://www.kanazawagoudoulaw.com/tokuda_blog/shohyou/201903067662.html

 

 

立花先生は,情報発信とは,

「私は何者か?」,「私の人生の目的とは何か?」

という問いを立てて,その問いに対する答えを

模索し続けることだとおっしゃっています。

 

 

 

 

深いですねぇ。

 

 

すなわち,私達は,情報発信するとき,

自分にとって価値があると感じたものを発信します。

 

 

そうすると,情報発信をするときには,

自分にとって価値のあるものとは何か

という質問を自分に投げかけます。

 

 

普段から,この質問を自分に投げかけていると,

情報発信するネタが自然と集まってきますし,

自分の好きなことや,人に負けないものは何か

などについて考えることになります。

 

 

案外,人間は,自分のことが

一番分かっていないことが多いです。

 

 

そのような中,毎日情報発信をすると,

自分にとって価値のあるものは何かについて,

潜在意識の中で思考し続けていくので,自分の中に,

明確な価値基準が形成されていくのだと思います。

 

 

 

 

この自分の中の価値基準が育っていけば,

周囲の意見や雰囲気に流されず,

自分で判断することができ,

その自分の判断に責任がもてるので,

本当の意味で自分らしく生きていけるようになるのです。

 

 

そう考えると,情報発信には,

自分を成長させるための,

無限の可能性があることに気づきます。

 

 

そして,立花先生は,お金の価値観について説いています。

 

 

「もらえる額の中でどうやって生活するか」

というお金の価値観から,

「どうやって自分が受け取るお金を増やすか」

というお金の価値観へシフトすれば,

「お金を使うとなくなってしまう」

という恐怖から解放されます。

 

 

お金を使うことは,「自己投資」につながるので,

自分を磨き,成長していくことで,

稼げるお金が増えていくようになるのです。

 

 

お金を支払っても,お金と同じ価値の商品やサービス

を受け取っているので,何も失っていないのです。

 

 

新車を買えば,代金は手元からなくなるのですが,

そのかわりに,快適な移動空間や家族との旅行の思い出などの,

別の価値を手に入れることができるのです。

 

 

お金を支払うと,それに見合った価値を受け取っているので,

お金を支払うときには,必ず感謝の気持ちをのせるといいようです。

 

 

お金を感謝とともに送り出すと,お金は,

市場を巡り巡って,もっと大きな感謝とともに

自分のところに戻ってくるわけです。

 

 

 

 

お金には流れがあるので,出せば,入ってくる。

 

 

もう1つ,お金とライフスタイルの価値観の

チューニングを紹介します。

 

 

このチューニングとは,グレードの高いホテルやレストランへいき,

「アウェイ感」を満喫すると,人間は,五感をフル稼働して,

その空間に自分がマッチングするように調整をすることです。

 

 

このチューニングを行うと,自分が発する周波数が変化し,

自分が引き寄せる人達が,高い周波数の人達に変わっていくのです。

 

 

類は友を呼ぶ。

 

 

自分が身を置く場所をアップグレードさせると,

自然とチューニングされていき,成長していくわけです。

 

 

今後,私は,お金を支払うときに感謝をし,

意識的に,グレードの高いホテルやレストランへ行くようにしてみます。

 

 

情報発信の無限の可能性を説いた,まさに,

情報発信のバイブルとなる名著ですので,

3回に渡って紹介させていただきました。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

「好き」と「ネット」を接続すると,あなたに「お金」が降ってくる2~影響力とは~

昨日のブログに引き続き,立花岳志先生の著書

「好き」と「ネット」を接続すると,あなたに「お金」が降ってくる

のアウトプットを行います。

 

 

 

 

https://www.kanazawagoudoulaw.com/tokuda_blog/shohyou/201903057656.html

 

 

最近,情報や人が集まる人には,

影響力があると感じていました。

 

 

ただ,その影響力とは,なんなのかがよくわからず,

自問自答していました。

 

 

成功した実績がある,

誰にも負けない強みを持っている,

圧倒的な自信ががある,

など自分なりに考えてきましたが,

いまいちしっくりきません。

 

 

いろいろ考えていたところ,この本に,

影響力とは何かという問いに対する,

立花先生の回答が記載されていました。

 

 

立花先生曰く,影響力には2つの側面があり,

1つは,「人の心を動かす力」,

もう1つは,「人の役に立ち貢献する力」であると。

 

 

 

 

「人の心を動かす力」は,才能が要求されるのですが,

「人の役に立ち貢献する力」は,努力すれば多くの人が

身につけることができます。

 

 

自分が好きで,既に知っていることや,

調べて新しく知ったことを,まだ知らない人に情報を発信すれば,

人の役に立ち貢献できるのです。

 

 

私は,弁護士が取り扱う分野の中でも労働事件が好きなので,

労働法の知識や判例の情報を発信しています。

 

 

労働法の知識や判例の情報については,

大学の法学部で学ばない限り,

一般の方々は知らないことがほとんです。

 

 

しかし,いざ,会社に勤めたけれども,解雇された,

サービス残業で長時間働かされている,

仕事中にけがをしたのに,労災申請をさせてもらえないなど,

トラブルに巻き込まれた場合に,

労働法の知識や判例の情報が役に立つのです。

 

 

そのため,私が,労働法の知識や判例の情報を発信していると,

会社とトラブルになった人が,私の情報を受け取ってくれて,

どのように対処するかを知ってもらえます。

 

 

そうなれば,労働に関するトラブルが少なくなって,

働きやすい職場になるのではないかと願うようになりました。

 

 

そして,私の発信している情報が役に立っていますという,

読者の方々からの感謝のお言葉を聞くと,

ブログを続けてきてよかったと心から思えます。

 

 

 

ブログを続けてよかったのは,人の役に立つことの喜びを,ダ

イレクトに実感できることだと,最近思います。

 

 

このように,情報発信をして,人の役に立つことをしていると,

自己超越」の領域に入るようです。

 

 

マズローの欲求の5段解説というのがあります。

 

 

人間の欲求は,生理的欲求→安全欲求→所属欲求→

承認欲求→自己実現欲求という5段階で高くなっていきます。

 

 

実は,自己実現欲求を超えた人間の欲求に

「自己超越」という最高段階の欲求があるようです。

 

 

立花先生は,「自己超越」とは,個人の欲求を超えて,

「コミュニティー発展の欲求」,「隣人愛」のレベルに到達することで,

「三人称の自己実現」というとおっしゃっています。

 

 

自分の好きを追求して自己実現をした結果として,

多くの人を助けたり,多くの人の人生や生活の向上に貢献する。

 

 

三人称の自己実現を目指せば,

自分の活動が他者の役に立つと自覚しているので,

「自己否定」が入り込む余地がなくなり,

堂々と活躍して,上昇していくことができるのわけです。

 

 

ブログで好きなことを情報発信することは,

「自己超越」,「三人称の自己実現」へつながる王道なのだと思います。

 

 

ブログを書き続けて10ヶ月が経過した今,

私の頭の中にある漠然としていた何かが,

この本を読んで言語化されて,腑に落ちたのです。

 

 

情報発信をしている人と,ぜひこの情報を共有したいと思い,

本日のブログを記載しました。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

「好き」と「ネット」を接続すると,あなたに「お金」が降ってくる

プロフェッショナルブロガーである立花岳志先生の著書

「好き」と「ネット」を接続すると,あなたに「お金」が降ってくる

を読みましたので,アウトプットします。

 

 

 

 

精神科医の樺沢紫苑先生のメルマガでこの本が紹介されていたので,

買ってみたものの,積読状態だったのですが,

最近,私の周りで立花先生の講演を聞いて,すごかったよ

という声を聞くようになったので,ようやく読みました。

 

 

私にとって素晴らしい一冊でした。

 

 

情報発信をしている人にとって,バイブルとなる本です。

 

 

情報発信についてのテクニックだけではなく,

人生観や価値観といった人間の根本的なところが

プラス方向に好転するきっかけを与えてくれる,

すごい本なのです。

 

 

著者の立花先生は,もともと,ごくごく普通の

サラリーマンだったのですが,38歳からブログによる

情報発信を継続したところ,人生が劇的に変化し,

41歳でプロフェッショナルブロガーとして独立し,

出版やコンサルティングなど幅広い分野で

ご活躍されるようになったようです。

 

 

著者自身の情報発信で成功するまでの道のりが

ありのままに記載されているので,圧倒的に説得力があり,

かつ,再現性があります。

 

 

また,立花先生は,長年,ブログを書き続けている

からだと思いますが,文章が大変読みやすく,

著者の言いたいことが読者の頭の中にダイレクトに伝わってきます。

 

 

さて,立花先生が,この本で推奨していることは,

いたってシンプルです。

 

 

自分の好きなことについて情報発信しましょう」,ということです。

 

 

 

 

情報には価値があり,情報発信とは,

自分が持っている価値を他人に提供することなのです。

 

 

自分の好きなことについて情報発信をすると,

どのようなことが起こるのか?

 

 

それは,人とお金が集まり,好きなことをやればやるほど

皆に感謝されて,好きなことだけをして生きていけるようになれるのです。

 

 

情報発信をしていない人が読むと,

本当かなぁと思うかもしれませんが,

10ヶ月毎日ブログを書き続けた私には分かります。

 

 

立花先生のおっしゃっていることは本当であると。

 

 

毎日ブログを更新して,まだ10ヶ月なので,

私のところに,人とお金は,まだ集まってきてはいませんが,

私のブログを見て,法律相談にこられた方がいらっしゃったので,

毎日ブログで情報発信をし続けると,今後,

法律相談が増えていくのではないかという,

なんとなくの実感があります。

 

 

立花先生は,ブログには「とにかく好きなことを書きましょう

とおっしゃっています。

 

 

好き,楽しい,ワクワクすることであれば,

潜在意識が働いて,ブログを継続しやすくなります。

 

 

 

 

私の場合,弁護士が扱う分野の中でも労働事件が好きなので,

労働事件に関する情報を発信しています。

 

 

すると,私の発信する情報が役に立ったという

読者の声をいただくようになり,自分の発信する情報が

人の役に立っているという実感をえることができ,

さらにモチベーションがあがり,継続することができるのです。

 

 

そして,労働事件について情報発信をするためには,

ニュースからネタを仕入れたり,裁判例や文献を調査して,

アウトプットを意識しながら,インプットをしていくので,

専門的な知識が脳に蓄積されていきます。

 

 

自分の脳に蓄積された専門的な知識を,

法律相談や裁判の現場で活用することができるのです。

 

 

すると,的確なアドバイスができたり,

裁判でクライアントに満足していただける結果を

残すことができるようになるのです。

 

 

すなわち,「好き」をどんどん続けていくと,

「好き」が「得意」になり,「得意」なことを尖らせていくことで,

「強み」になるのです。

 

 

私は,10ヶ月ブログを毎日書き続けて,

立花先生がおっしゃるブログ筋が徐々についてきて,

毎日,ブログを書き終わった後の達成感を

味わえるようになってきました。

 

 

まだ,書きたいことがあるので,続きは明日以降に記載します。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

退職強要の対処法2

昨日のブログに引き続き,退職強要の対処法

について解説していきます。

 

 

https://www.kanazawagoudoulaw.com/tokuda_blog/201903037645.html

 

 

昨日のブログにも記載しましたが,

退職勧奨の手段・方法が社会通念上相当性を欠く場合に,

退職強要として違法になります。

 

 

 

そこで,録音や日記・メモ,精神科医のカルテの記載などから,

当該労働者が,会社側から,どのような退職強要をされたのかを特定して,

それが社会通念上相当か否かを検討します。

 

 

例えば,エターナルキャスト事件では,

次のような退職強要が問題となりました

(東京地裁平成29年3月13日判決・労働判例1189号129頁)。

 

 

経理の仕事をしていた原告の労働者が,代表取締役から,

「経理の仕事はない。自分で何ができるか考えろ」などと言われ,

労働局のあっせんの申立てをしたり,弁護士に交渉を依頼しました。

 

 

すると,代表取締役は,原告の労働者に対して,

次のことを言いました。

 

 

「弁護士通じて言いやがってよ。何でてめえの口で言わないんだよ。」

「俺はあんたを許さない。別に経理の仕事をしたいならすればいい。

絶対にミスるな失敗したら損害請求する。」

「みんなおまえを最悪って言ってたぞ。みんなを敵に回したんだぞ。

ばかなことをしたな。それで人生駄目にするんだ。」

「こんなレベルでは,小学生の方がまし。」

 

 

代表取締役は,このような暴言を浴びせながら,

壁に向かってペットボトルを投げつけたりして,

今後仕事で重大なミスをしたときは責任をとって

退職するという承諾書を作成するように強要しました。

 

 

 

 

また,会社側は,原告の労働者に対して,

労働条件を正社員からパート社員に変更した上で,

経理担当から清掃スタッフとして勤務するように,

言葉巧みに迫り,これに同意できない場合には

辞職するほかないように仕向けてきました。

 

 

労働局のあっせんや弁護士への依頼など,

労働者が法律で認められた当然の権利を行使したら,

このようなひどい仕返しをしてきたのです。

 

 

原告の労働者は,仕事のミスが多かったり,

仕事のおぼえが悪かった点があるのですが,

だからといって,上記の被告の会社の対応は,

「それをやったらだめだよね」というレベルのものであり,

裁判所は,上記の一連の会社側の退職強要は違法と判断しました。

 

 

そして,被告会社と代表取締役に対して,

30万円の慰謝料の損害賠償請求が認められました。

 

 

これだけひどいことをされたのに,

認められた慰謝料の金額は30万円だったのです。

 

 

残念ながら,パワハラや退職強要の裁判で

慰謝料の損害賠償請求をしても,

それほど高額な慰謝料が認められないのが,

今の日本の裁判の現状なのです。

 

 

そのため,録音などの手堅い証拠があったとしても,

最終的に認められる損害賠償の金額が,

それほど大きくならない可能性もありますので,

裁判を起こすか否かについては,

慎重に判断をすることになります。

 

 

なお,この事件では,会社側からの退職強要によって,

原告の労働者のうつ病が悪化し,

働くことができなくなったことから,

労働基準法19条の「業務上の負傷」に該当することから,

休職期間満了による当然退職扱いは許されないと判断されました。

 

 

 

 

このように,退職強要事件では,

会社側の言動を録音などで記録した上で,

会社側の言動が社会通念上相当か否かを検討し,

損害賠償の金額がいくらくらいになるかの見通しをつけて,

裁判を起こすかを慎重に判断していくことになります。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

退職強要の対処法

会社から辞めてくれないかと言われることを退職勧奨といいます。

 

 

こちらのブログ記事に記載していますが,労働者は,

退職勧奨に応じる必要はなく,会社を辞めたくないのであれば,

はっきりと断ればいいのです。

 

 

https://www.kanazawagoudoulaw.com/tokuda_blog/201812107196.html

 

 

ところが,労働者が退職勧奨を受けても,退職に応じない場合,

会社は,あの手この手で労働者を退職に追い込んでくることがあります。

 

 

 

 

 

例えば,数人で当該労働者を取り囲んで,

退職届を書くまではその場を離れることができないような状況で

退職届を書かせたり,当該労働者の人格を否定する暴言をはいたり,

当該労働者を無視して,職場に居づらくして退職に追い込む

といった手口があります。

 

 

このように,労働者が退職を拒否しているのに,

むりやり辞めさせようとすることを退職強要といいます。

 

 

退職強要とは,手段・方法が社会通念上相当ではない

違法な退職勧奨のことなのです。

 

 

それでは,労働者は,会社から退職強要をされた場合,

どのように対処するべきなのでしょうか。

 

 

まずは,会社からされたことを正確に記録しましょう。

 

 

会社からどのようなことをされたのかがわからなければ,

手段・方法が社会通念上相当か否かについて判断ができないからです。

 

 

記録をする方法で最も効果的なのが録音です。

 

 

 

 

退職強要の場合,たいてい,雇用主や上司が当該労働者に対して,

人格を否定するようなひどいことを発言しています。

 

 

そのひどい発言が録音されていれば,

こんなこと言ったらだめだよね,というように,

社会通念上相当か否かを判断しやすくなり,

会社に対して慰謝料の損害賠償請求をするかについて,

決断しやすくなります。

 

 

逆に,録音がなかった場合,労働者が,

人格を否定するような発言をされたと主張したとしても,

会社側は,そんなことは言っていませんとしらを切る

ことが往々にしてあります。

 

 

そうなると,言った言わないという状況となり,

労働者が圧倒的に不利になります。

 

 

なぜかといいますと,労働者が退職強要を受けたことを理由に,

会社に対して損害賠償請求をする場合,

人格を否定するような発言をされたことについて,

労働者が証明しなければならないからです。

 

 

どういうことかといいますと,民事裁判では,当事者が,

自分に有利な主張をして,その主張を裏付ける証拠を提出し,

裁判所は,当事者の主張と証拠を検討して,

どのような事実があったのかを認定して,判決をくだします。

 

 

当事者から,主張と証拠が出されたけれども,

裁判所としては,原告と被告の主張を聞いても,

どのような事実があったのか判断できないことがあります。

 

 

例えば,原告の労働者は,上司から人格を否定する暴言をはかれた

と主張し,被告の会社は,上司は人格を否定する暴言をはいていない

と主張し,証人尋問でも,そのような証言がされて,

録音などの記録がない場合,裁判所は,上司が原告の労働者に対して,

人格を否定する暴言をはいたか否かとについて判断ができません。

 

 

 

 

このような状況を,真偽不明といいます。

 

 

とはいっても,裁判で,どちらかわかりませんという判決を書いても,

トラブルは解決しないので,裁判所は,上司が原告の労働者に対して,

人格を否定する暴言をはいたのか,はいていないのかについて,

判断しなければなりません。

 

 

このときの判断が,裁判官の個人的な価値基準に基づいて

決められたのでは,裁判の公平さが保てないことになるので,

統一的な判断基準が確立されています。

 

 

この判断基準が立証責任(証明責任ともいいます)というもので,

裁判所は,立証責任を負っている当事者の主張を

認めないという判断をするのです。

 

 

立証責任は,その事実が認められると,

自分に有利な効果が発生する側が負うことになります。

 

 

先の例でいうと,上司が原告の労働者に対して,

人格を否定する暴言をはいたという事実が認められると,

原告の労働者は,慰謝料の損害賠償請求が認めれられるという

有利な効果が発生するので,原告の労働者に立証責任があるのです。

 

 

そのため,録音などの記録がなく,真偽不明となれば,

立証責任を負っている原告の労働者が敗訴することになるので,

録音などの記録を証拠として,上司が原告の労働者に対して,

人格を否定する暴言をしたという事実を証明する必要があるのです。

 

 

このように,立証責任という観点から,

録音などの記録が重要になるのです。

 

 

裁判は,証拠が全てと言っても過言ではないと思います。

 

 

長くなりましたので,続きは明日以降に記載します。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

変形労働時間制を争う方法3

昨日に引き続き,変形労働時間制を争う方法について解説します。

 

 

 

昨日紹介した岩手第一事件の

仙台高裁平成13年8月29日判決では(労働判例810号11頁),

変形期間中の労働日とその所定労働時間の特定という争点に関連して,

変形労働時間制において,会社が任意で労働時間を

変更することができるか,という争点についても判断されています。

 

 

どういうことかといいますと,岩手第一事件で

問題となった就業規則の変形労働時間制の条項の中に,

次のことが記載されていました。

 

 

「第20条(勤務時間等の変更) 前条の始業・終業の時刻

および休憩の時間は,季節,または業務の都合により変更し,

一定期間内の特定の日あるいは特定の週について労働時間を延長し,

もしくは短縮することがある。」

 

 

すなわち,変形労働時間制において,会社が,

季節または業務の都合で一方的に労働時間を

変更することができるようになっていたのです。

 

 

 

 

裁判所は,このように会社が恣意的に労働時間を変更できることを

認める規定では,変形労働時間制は違法無効となると判断しました。

 

 

変形労働時間制は,過密な労働により,

労働者の生活に与える影響が大きいことから,

就業規則などにおいて,変形期間内におけるどの日又は週が

法定労働時間を超えるのかについて,

できる限り具体的に特定する必要があるので,

会社が恣意的に労働時間を変更できるようでは,

特定としては不十分となるのです。

 

 

そのため,就業規則の中の変形労働時間制の条項の中に,

会社が業務の都合で任意に労働時間を変更できるような規定があれば,

その変形労働時間制は無効となるので,労働者は,

就業規則の内容をよくチェックしてください。

 

 

また,就業規則に変形労働時間制についてのシフト表の

勤務パターンが記載されていても,実際に運用されているシフト表が

就業規則に記載されている勤務パターンとずれている場合にも,

変形労働時間制は無効となります。

 

 

日本総業事件の東京地裁平成28年9月16日判決は

(労働判例1168号99頁),就業規則で定められた始業終業時刻は,

シフト表の24時間勤務のみであって,

他にシフト表に規定されている日勤や夜勤の始業終業時刻が

就業規則で定められていないケースにおいて,

被告会社のシフト表で定める勤務割は,

就業規則に定められた各勤務の始業終業時刻,

各勤務の組合せの考え方,勤務割表の作成手続及び周知方法等に

従って作成された各日の勤務割には当たらないから,

変形労働時間制の要件を満たさず,無効と判断しました。

 

 

 

 

ようするに,就業規則に定められた各勤務の始業終業時刻や

各勤務の組合せの考え方に従って,実際のシフト表が

作成されていないのであれば,変形労働時間制は無効になるのです。

 

 

そのため,労働者は,就業規則をチェックして,就業規則の定めと

実際のシフト表が一致しているのかを確認するようにしてください。

 

 

このように,変形労働時間制は,法律で定められている要件が

厳しいので,労働者は,会社から,変形労働時間制の主張をされても,

臆することなく,残業代を請求するべきと考えます。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。