初めてのパワハラ研修をしました!
私のマインドマップの師匠である
株式会社できるの杉本嵩龍さんのご紹介で,
金沢市高畠にあるノムラ合成株式会社様において,
「パワハラをなくそう」という演題で,
本日,研修をさせていただきました。
株式会社できるのホームページ https://www.dekiru-jp.com/
ノムラ合成株式会社のホームページ https://www.n-gosei.jp/
企業において,パワハラの研修をするのは,
初めての経験だったのですが,受講された方々は,
真剣に聞いていただけましたので,とても嬉しかったです。
そもそも,なぜ,企業でパワハラの研修をする必要があるのでしょうか。
それは,労働者一人一人が互いに尊重しあい,
パワハラを起こさせない,よりよい・働きやすい職場をつくるためです。
人間とは,一人で生きていくことができず,
他者とのかかわり合いの中で生きていく社会的な存在です。
そのような人間にとって,職場とは,
1日の大半を過ごす場所であり,
他者とのかかわり合いがもてる重要な場であります。
そのような職場においてパワハラが発生すれば,
パワハラの被害者はもちろんのこと,
パワハラを見た周囲の人たちも,
非常に嫌な思いをして,
働くことが嫌になります。
そうなると,職場の雰囲気が悪化し,
労働者の働く意欲が低下し,
職場全体の労働生産性が悪化していきます。
さらには,パワハラが生じる職場には,
人が集まらず,人がどんどん退職していきます。
パワハラによって,心の健康を害したとして,
裁判が起こされれば,ブラック企業という
マイナスのイメージが定着してしまいます。
これらのパワハラのリスクを考えれば,
企業にとって,パワハラをなくすことは
待ったなしの喫緊の課題なのです。
では,どうやってパワハラを予防するのか。
この答えの一つとして,どのような行為がパワハラに該当するのか
を知ってもらうことがあります。
そもそも,何がパワハラに該当するのか知らなければ,
パワハラをしている人は,自分の行為がパワハラであることを
知らないまま,パワハラを継続させてしまうので,
まずは,知ってもらって,自分の行動や言葉に
気をつけてもらう必要があると考えます。
というわけで,本日の研修では,
実際の裁判でパワハラと認定された言動を紹介しました。
まずは,ファーストリテイリング事件の
名古屋高裁平成20年1月29日判決です(労働判例967号62頁)。
この事件では,ユニクロの店長が,従業員に対して,
胸ぐらをつかみ,顔面を頭突きし,
管理部長が従業員に対して,「いいかげんにせいよ,お前。
おー,何考えてるんかこりゃ。ぶち殺そうかお前」と言い,
慰謝料500万円が認められました。
次は,サントリーホールディングス事件の
東京高裁平成27年1月28日判決です。
この事件では,上司が部下に対して,
「新入社員以下だ。もう任せられない」,
「何で分からない。おまえは馬鹿」と言い,
慰謝料150万円が認められました。
最後は,上司のパワハラによってうつ病を発症して
自殺したことが労災と認定された国・静岡労基署長事件の
東京地裁平成19年10月15日判決です(労働判例950号5頁)。
この事件では,上司の部下に対する
「存在が目障りだ,いるだけでみんなが迷惑している。
おまえのカミさんの気がしれん,お願いだから,消えてくれ」,
「お前は会社を食いものにしている,給料泥棒」という発言が,
精神障害を発症させる程度の心理的負荷に該当すると判断されました。
業務上必要な指導とパワハラの線引が難しいこともありますが,
「馬鹿」や「給料泥棒」など相手の人格を否定する言動がある場合には,
裁判で違法なパワハラと認定されることが多いのです。
自分の言動が職場の誰かの人格を傷つけていないかという
イマジネーションを働かせるためにも,
どのような言動がパワハラになるのかを
知ってもらうのが重要だと考えます。
今回の研修のパワーポイントのスライドを作成するにあたり,
厚生労働省の「明るい職場応援団」のサイトを
参考にさせていただきました。
このサイトには,どのような言動がパワハラに該当すのかが
動画で解説されていたり,パワハラ研修に必要なコンテンツが
アップロードされていますので,大変参考になります。
https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/
次回のパワハラ研修は,私のコーチングの師匠である
株式会社シェヘラザードの坂本祐央子さんと一緒に,
6月26日水曜日14時から石川県地場産業振興センター本館第2会議室
で実施しますので,企業の管理職でパワハラ防止に関心のある方は,
ぜひご参加ください。
株式会社シェヘラザードのホームページ https://www.sahrzad.jp/
本日もお読みいただきありがとうございます。
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