読売新聞の大手小町に徳田弁護士のインタビュー記事が掲載されました
読売新聞の大手小町というサイトに,徳田弁護士のインタビュー記事が掲載されました。
こちらのURLをご参照ください。
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私のブログ仲間で,お墓クリーニングの専門家である高見義裕さんが,
私のブログを紹介してくれました。
ブログ仲間からの紹介は,本当に嬉しいです。
私の情報発信が,新型コロナウイルスの影響で困っている
労働者の方々のお役に立てているとわかり,勇気をもらいました。
今後とも,有益な情報を発信していきますので,
読者の皆様,今後とも,よろしくお願い致します。
さて,新型コロナウイルスの影響による業績悪化を理由に
タクシー運転手約600人が解雇されたロイヤルリムジングループ事件で,
労働組合の組合員81人が,東京地裁に
地位確認の仮処分の申立てをしました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58382630T20C20A4CE0000/
組合員は,会社が雇用調整助成金を利用するなどして
解雇を回避する努力をしなかったこと,
労働組合や労働者に対して説明を尽くしていないことを理由に,
整理解雇は無効であると主張しているようです。
整理解雇とは,会社の業績悪化を理由とする解雇のことで,
いわゆるリストラです。
まず,解雇は,労働者やその収入に依存して生活を維持している
家族らの生活の基盤を剥奪するものなので,
よほどのことがない限り,認められません。
そして,不況のときにおける整理解雇は,
労働者側に何らの責められる理由がないのに,
会社側の理由により一方的に行われるものであり,
不況であればあるほど再就職が困難となり,
再就職しても以前の会社よりも賃金が低くなる場合があります。
そのため,整理解雇の場合,会社は次の4つの要件(要素)
を満たさないと整理解雇は無効になります。
①人員削減の必要性があること
②解雇回避努力義務が尽くされたこと
③人選基準とその適用が合理的であること
④労働組合や労働者に対して説明・協議を尽くしたこと(手続の相当性)
本日は,このうちの④手続の相当性について,解説します。
会社は,整理解雇に先立ち,労働組合や労働者に対して,
整理解雇の必要性とその内容(時期・規模・方法),
人選基準などについて,十分な説明を行い,
誠意をもって協議しなければならないのです。
会社が経営状況などの説明をする際に,単に,
「○億円の赤字だから解雇せざるを得ない」などと
概括的な数字を掲げるだけでは,
説明義務を尽くしたことにはなりません。
会社がより多くの情報を労働者に対して提供し,
より多くの点について協議するほど,
整理解雇の手続が相当であったと評価され,逆に,
会社から事前に開示された情報が少なく,
ほとんど協議する事項がなかったような場合には,
整理解雇の手続が不相当であったと評価されます。
具体的なケースで見てみましょう。
北斗音響事件の盛岡地裁昭和54年10月25日判決
(労働判例333号55頁)は,
整理解雇における手続の相当性について,
次のように判断しました。
会社は,工場閉鎖の理由や解雇の必要性などについて,
会社の決算報告書などの資料を開示して
十分な説明をすべきだったのに,
単に不況を乗り切るためのやむを得ない措置であるとか,
工場閉鎖と解雇は既定の方針であるなどの
抽象的な説明に終始していたとして,
説明義務を尽くしておらず,整理解雇は無効となりました。
そのため,新型コロナウイルスの影響で会社の業績が悪化したとして,
会社から整理解雇された場合には,会社に対して,
なぜ解雇なのか,他に手段を尽くしたのかについて,
説明を求めるべきです。
これに対して,会社があいまいな説明しかできず,
労働者が納得できないならば,整理解雇が無効であるとして,
会社に対して,地位確認と未払賃金の請求をすることをおすすめします。
本日もお読みいただきありがとうございます。