弁護士が労働災害の初期段階から関与する必要性

作業中にはしごから足を踏み外して床に転落してしまい,重大なけがを負ってしまった。倉庫で荷物を探していたら,荷物が倒れてきて,重い荷物の下敷きになってしまって骨折してしまった。機械を操作していたら,機械に指が挟まれて指を切断してしまった。

 

このように,仕事中の事故が原因でけがを負うことを労働災害といいます。労働災害にあった場合,労働基準監督署に労災保険の請求をして,労災と認定されれば,国から,治療費,休業補償が支給されます。後遺障害が残れば,後遺障害によって失われた労働能力に応じた補償が受けられます。

 

労働災害にあった労働者が労働基準監督署に労災の申請をする際に,厚生労働省の「労災保険給付関係請求書」に必要事項を記載する必要があります。

 

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken06/03.html

 

労災保険給付関係請求書には,「災害の原因及び発生状況」という欄があり,ここに,どのような場所で,どのような作業をしているときに,どのような災害にあったのかを具体的に記載します。

 

もっとも,「災害の原因及び発生状況」の欄は,数行しかなく,必要な事実を詳細に分かりやすく記載するには狭すぎます。

 

そこで,別紙として,労働災害が発生した状況を詳細に分かりやすく説明する文書を作成して提出することをおすすめします。労働基準監督署の担当官が,どの点をポイントに労働災害の調査をすればいいのか明確になりますし,労働災害にあった労働者の主張を,予め担当官に刷り込ませることで,労働者に有利に労災認定がされることがあるからです。

 

そして,「災害の原因及び発生状況」の欄の記載は,後々の会社に対する損害賠償請求訴訟において重要な証拠となりますので,証拠に基いて正確に記載する必要があります。

 

弁護士が,労働災害が発生した初期の段階から関与すれば,労働災害にあった労働者から労災事故の状況を的確に聴取して,労災保険給付関係請求書の「災害の原因及び発生状況」を補足する文書を作成し,労働基準監督署の監督官と面談して,労災事故の事実を正確に説明して,どの点をポイントに調査してほしいのかを伝えることができます。

 

また,労災保険で後遺障害についての補償を受けるには,「労働者災害補償保険診断書」に,障害の内容と状態を正確に記載してもらうことが重要になります。

 

弁護士が,労働災害が発生した初期の段階から関与すれば,主治医と面談して,医学的なアドバイスを聞き,「労働者災害補償保険診断書」に障害の内容と状態を正確に記載してもらうように伝えることができます。

 

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken06/dl/yoshiki10-shindansyo.pdf

 

このように,弁護士が労働災害が発生した初期の段階から関与することで,労働者が適切な補償を受けられることができるのです。

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