コンフォートゾーンを抜ける
昨日,私が所属しているKCG(金沢コンサルティンググループ)
において,「弁護士が語る社会人のための勉強法」
という演題で講演させていただきました。
弁護士という仕事をしているので,
労働,離婚,相続,交通事故といった法律問題について,
講演やセミナーをすることは多いのですが,
法律ネタ以外で講演することは初めての経験でした。
KCGの石井会長から,社会人のスキルアップのための
講演をしてほしいというご依頼をいただき,
どのような講演をしようかいろいろ考えました。
(石井会長とのツーショット)
私は,弁護士として,これまで様々な勉強をしてきたので,
その経験をもとに,社会人にとって役立つ勉強法をお伝えすれば,
講演を聞いていただいた方々のお役に立てるのではないかと考え,
勉強法について講演することにしました。
まず,最初に「なぜ勉強する必要があるのか」についてお話しました。
このパートについては,田坂広志先生の
「知的プロフェッショナルへの戦略」の著書をもとにしました。
インターネットの発展により,誰でも,
手間とコストをかけなくても,欲しい知識を手に入れて,
それを自由に使うことができます。
一般の人でも,Googleで検索すれば,
専門的な知識を簡単に入手できる時代です。
弁護士の分野でいえば,どうすれば離婚できるのか,
離婚のときに相手方に対して,どのような請求ができるのか,
といった知識については,Googleで検索すれば,
そのことについて丁寧に解説したサイトにたどり着き,
そのサイトを見れば,だいたいの知識を得ることができます。
最近では,法律相談をしていると,
ご自身の相談内容について,インターネットで検索して
事前に知識を得て,法律相談に臨んでいるクライアントがほとんどです。
このような時代に,単に専門的な知識を
伝えるだけの専門家は生き残れません。
専門的な知識だけをクライアントに提供すれば,
クライアントは,「そんなことはGoogle先生に聞けばわかります」
と思うはずです。
このような時代に,専門家は,
「職業的な智恵」を身につけなければなりません。
職業的な智恵とは,スキル・センス・ノウハウなど
仕事や職場での体験を通じてしか身につけることができない,
言葉では表せない知識のことです。
弁護士の場合ですと,いくつもの裁判を体験してわかる事件の見通しや,
先輩弁護士から学ぶクライアントへの対応の仕方などのことです。
このような職業的な智恵を身につければ,
人工知能革命が起きても,活躍し続けることができます。
これら職業的な智恵を身につけるために,
様々な経験を積んで学ばなければならないのです。
そのためにも,多くの人は,勉強をしなければならないのです。
そして,勉強する上で,インプットよりも
アウトプットを重視しましょうとお伝えしました。
これは,精神科医の樺沢紫苑先生が提唱しているお考えです。
インプットした情報を2週間以内に
3回アウトプットしないと記憶に残りません。
講演することもアウトプットです。
講演するためには,自分の体験や知識を整理し,
それを人にわかりやすいように再構成して,
伝える必要があります。
この過程で,自分の理解があいまいなところがわかり,
そこを補うために勉強するので,圧倒的に自己成長できます。
セミナーで一番得をするのは講師なのです。
そして,今回,私は,法律以外の分野で講演したことで,
自己成長したことを実感しています。
それは,コンフォートゾーンを抜けたからだと考えています。
コンフォートゾーンとは,自分の快適空間のことです。
コンフォートゾーンにいると安心して生活できるので,
人はなかなかコンフォートゾーンから抜けれません。
しかし,コンフォートゾーンに安住していたのでは,
自己成長できません。
コンフォートゾーンを抜けて挑戦するからこそ,
人間は成長できるのです。
コンフォートゾーンからぬけるには,
勇気と根性さえあれば誰でも可能です。
法律以外の分野で講演するという,
コンフォートゾーンをぬけて挑戦したことで,
自己成長を実感できた講演会でした。
昨日の講演を聞いていただいた方々が,
学ぶことの大切さを理解していただき,
コンフォートゾーンをぬけて挑戦する意義
を感じていただけたのであれば,幸いです。