会社からの損害賠償請求を理由に退職できなかった労働者が、残業代請求で対抗して無事に会社を退職できた事例

1 会社を退職するのは簡単?

 

 

「会社の対応は理不尽だ。会社辞めたい。でも、辞めさせてくれない」

 

 

このように、会社を辞めたいにもかかわらず、

会社から何かと理由をつけられて、

会社を退職できない方は多いです。

 

 

 

今回は、会社から損害賠償請求をされていて、

自分では会社を退職することができなかったクライアントが、

残業代請求で対抗して、無事に会社を退職した事例を紹介します。

 

 

クライアントは、石川県内の企業で、

労働者兼取締役として、勤務していました。

 

 

クライアントは、ある時、社長から、

取引先から会社に損害賠償請求がされており、

会社がその損害賠償をすることになったので、会社の損害賠償金を、

クライアントの給料から、毎月天引きしていくことを告げられました。

 

 

クライアントは、社長に逆らうことができず、毎月の給料から、

会社の損害賠償金を天引きすることに同意してしまいました。

 

 

クライアントは、自身の責任ではないにもかかわらず、

会社の損害賠償金を給料から天引きするという理不尽な対応に納得できず、

会社を退職したかったのですが、社長から、退職したならば、

追加の損害賠償請求をすると脅され、退職できませんでした。

 

 

会社からの損害賠償請求を恐れていたクライアントは、

退職できずに、追い込まれた状況で、私のもとへ相談にこられました。

 

 

まず、クライアントの相談を受けた私は、

クライアント自身で退職の手続をすることは難しいと判断し、

私がクライアントの代わりに、退職の手続をすることにしました。

 

 

すなわち、会社に対して、退職届を提出して、

2週間が経過すれば、自由に退職することが可能です。

 

 

さらに、年次有給休暇が残っていれば、

2週間のうちの出勤日に年次有給休暇を利用すれば、

会社に出社することなく、会社を退職できます。

 

 

会社を退職するのは、意外と簡単なのです。

 

 

クライアントには、年次有給休暇が多く残っていたので、

年次有給休暇を全て消化した最後の日を退職日に設定して、

会社に対して、退職届を提出しました。

 

 

2 給料から損害賠償金を天引きすることは無効?

 

 

次に、クライアントは、会社からの損害賠償請求に対して、

給料からの天引きという形式で支払いをすることに合意していました。

 

 

労働者と会社との間で、会社からの損害賠償請求を

給料から天引きすることについて、真に合意が成立していた場合には、

有効になる場合はありえます。

 

 

 

もっとも、労働者は、会社の指揮命令に従って働くという立場にある関係で、

どうしても、会社の言いなりになってしまい、

自身にとって不利益な条件をのんでしまう傾向にあります。

 

 

さらに、労働基準法24条1項において、

給料は、全額が労働者に支払われなければならないという、

賃金全額払いの原則が定められていますので、

給料から、会社の損害賠償金を天引きすることの合意は、

慎重に判断する必要があります。

 

 

そのため、労働者の自由な意思に基づく同意がない限り、

給料から、会社の損害賠償金を天引きするという合意は、無効になります。

 

 

本件において、会社が取引先から損害賠償請求されたことについて、

クライアントに責任はありませんでした。

 

 

それにもかかわらず、会社から十分な説明がないまま、

合計約85万円の損害賠償金を支払うように言われ、

クライアントは、やむなく、給料から、

会社の損害賠償金を天引きするという合意をしてしまいました。

 

 

そのため、クライアントの給料から、

会社の損害賠償金を天引きすることについての同意は無効であると主張しました。

 

 

3 名目的な取締役の未払残業代請求

 

 

そして、クライアントは、会社から、残業代の支払いを受けていましたが、

支払いを受けていた残業代以上に、長時間労働をしていたことから、

未払の残業代があるとして、残業代請求をしました。

 

 

 

会社からは、クライアントは、取締役であり、

管理監督者であることから、残業代を支払わなくてよいと反論がありました。

 

 

労働基準法の管理監督者に該当すれば、会社は、管理監督者に対して、

残業代を支払わなくても違法ではないことになりますが、

管理監督者の要件は厳しく、管理監督者の要件を満たさないとして、

残業代請求が認められることはよくあります。

 

 

本件においても、クライアントは、名目的な取締役であって、

会社の経営に関与しておらず、労働時間の管理がされており、

同年代の平均的な賃金よりも低い給料しか受け取っていなかったので、

管理監督者の要件を満たしていませんでした。

 

 

そこで、私は、クライアントが管理監督者に該当しないとして、

未払残業代について、会社と交渉をしました。

 

 

最終的には、裁判で認められる場合の金額や、

解決までにかかる時間や手間を考慮して、

互いの請求を0円にする、ゼロ和解で事件を解決しました。

 

 

会社からの損害賠償請求を恐れて退職できなかったクライアントは、

会社からの損害賠償請求がなくなり、無事に退職することができて、

新しい一歩を踏み出すことができ、大変満足されていました。

 

 

このように、会社からの損害賠償請求を排除し、会社を退職することは可能です。

 

 

会社から損害賠償請求されていたり、

会社を退職できずに悩んでいる方は、弁護士にご相談してみてください。

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

一生折れない自信がつく話し方

1 聞き上手になる

 

私は、アチーブメント株式会社の頂点への道講座を受講しています。

 

 

この頂点への道講座の中に、プレゼンテーション能力を磨くための、

ピークパフォーマンスコースがあり、その課題図書として、

青木仁志先生の「一生折れない自信がつく話し方」が指定されましたので、

拝読しました。

 

 

 

ビジネスマンが話し方を学ぶ上において、身につけるべき知識と技術が、

ふんだんに盛り込まれている良書です。

 

 

今回は、この本の中から、私が得た気づきを3つ紹介します。

 

 

まず1点目は、話し方を上達させるためには、

聞き上手になる必要があることです。

 

 

 

聞き上手になるためのコツとして、この本では、

話しの内容よりも話し手にフォーカスことが紹介されています。

 

 

話している内容によっては、自分に興味がない話材であれば、

なかなか、熱心に聞くことはできません。

 

 

そこで、話している内容ではなく、話し手に焦点をあてることで、

話の内容に関係なく、会話そのものを楽しめることになります。

 

 

そのため、話し手に興味を抱く必要があります。

 

 

話し手に興味を抱くためには、

「積極的に相手を思いやる気持ち」をもって聞くことが大切です。

 

 

もう少し解像度をあげると、この人を喜ばせたい、

この人の役に立ちたいという思いをもって、話しを聞けば、

話し手に焦点をあてた聞き方ができるのです。

 

 

このような在り方を自然にできるようになると、聞く力が向上します。

 

 

相手を喜ばせたい、役に立ちたいと、日常生活で意識していきます。

 

 

2 自分がコントロールできることに集中する

 

 

2点目は、自分にコントロールできることに集中するです。

 

 

他人をコントロールすることはできません。

 

 

自分がコントロールできるのは自分自身です。

 

 

至極当たり前のことですが、人は、つい、他人をコントロールしようとして、

人間関係がうまくいかなくなることがあります。

 

 

 

他人をコントロールしようとすると、できないことに、

フラストレーションがたまり、物事を肯定的に解釈しにくくなります。

 

 

自分がコントロールすることに集中すると、

他人の態度や言葉に左右されなくなり、

常に肯定的な解釈をすることができます。

 

 

自分がコントロールできることに集中すれば、目の前にある結果は、

自分の行動と選択によってできたものと認めることができます。

 

 

そうなると、全てのことは、自分に責任があると理解できて、主体的になります。

 

 

他人はコントロールできない、

自分がコントロールできることに集中することを意識して、

日常生活をおくっていきます。

 

 

3 プレゼンテーションは人生の縮図

 

 

3点目は、プレゼンテーションは人生の縮図です。

 

 

 

プレゼンテーションとは、その人の毎日の生き方そのものです。

 

 

自分が伝えたいテーマを実践して生きていれば、

自分の言葉に力が宿り、相手に伝わります。

 

 

私がこれまで聞いてきたプレゼンテーションで、

心に響いたものは、スピーカーが話していることを実践しているという、

実体験に基づくものです。

 

 

自分が体験して身につけたものしか伝わらないともいえます。

 

 

自分が体験していない、誰かから聞いた話しでは、

説得力に欠け、伝わらないのです。

 

 

自分が伝えたいこと、伝えるべきこと、伝えられることが一致して、

説得力のあるスピーチになるのです。

 

 

日々の体験を知識や技術に変えて、

説得力あるスピーチができるようになりたいです。

 

 

プレゼンテーションの根本的な考え方が学べる良書ですので、

プレゼンテーションの勉強をしたい方におすすめの一冊です。

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。