言語化の魔力
1 不安を鎮める
樺沢紫苑先生の最新刊、「言語化の魔力~言葉にすれば悩みは消える~」
という本を読みました。
この本を読めば、現代社会のたいていの悩みは解決できると実感できる、
すごい本です。
私は、弁護士として、毎日、様々な相談者の法的なお悩みを聞いているので、
この本に書いてあることにが、よくわかります。
それでは、私がこの本を読んで得た、気付きを3つご紹介します。
1つ目は、言葉にすることによって不安を鎮められる、ということです。
人は、コントロールできているという感覚があれば、
ストレスは減り、気分は楽になります。
このコントロール感を持つために、言葉を活用します。
例えば、仕事が終わらず、「わー、どうしよう」とパニックになっている時に、
「なんとかなるさ」とつぶやくと、不安は減少し、
集中力が高くなり、最終的に、なんとかなってしまいます。
なぜこのようなことが起きるのかといいますと、
「なんとかなるさ」とつぶやくことによって、
脳の扁桃体の興奮が沈静化されて、不安が減弱するからなのです。
さらに、「なんとかなるさ」と何度もつぶやけば、
プラシーボ効果という暗示の力も加わり、
さらに落ち着いた気持ちになるのです。
また、難しい出来事が起きたとしても、
「できる」と声に出して言ってみることも効果的です。
「できる」と声に出した上で、できたときの自分をイメージすると、
ワクワクした気分になり、ドーパミンが脳内に分泌されて、
仕事の効率がアップします。
さらに、「できる」よりも「できた」という過去形にしたほうが、
さらに効果があるようです。
「できた」と言った瞬間に、できた自分が条件反射的にイメージされ、
ドーパミンがより出やすくなるからなのです。
このように、困難な問題に直面したときには、
「なんとかなる」、「できる」、「できた」と言葉に出すことで、
自分の脳を整えることができるのです。
2 それはそれとして
2つ目は、「それはそれとして」という言葉です。
弁護士として、法律相談をしていると、
多くの相談者は、過去の出来事にとらわれていることに気付きます。
しかし、他人と過去は変えられません。
変えられるのは、自分と未来だけです。
変えられない過去にフォーカスするのではなく、
変えられる未来のために、今、自分ができることにフォーカスすることで、
悩みは解消できるのです。
過去の嫌な出来事を思い出した時には、
「それはそれとして」とつぶやくのが効果的です。
「それはそれとして」という言葉は、
問題の次元を切り替える力があります。
そして、「それはそれとして」という言葉は、
相手の考えや感情を否定も肯定もしません。
「それはそれとして」という言葉は、
様々な場面で、自分の感情や思考を切り替える際に、活用できます。
「それはそれとして」という言葉は、
相手を否定せずに、相手を受容しながら、
話しをより高次元へと引き上げることができるので、
法律相談の際に活用できます。
「それはそれとして、今できることは?」と自分に投げかけて、
過去の呪縛を解き放ち、今にチューニングします。
3 ぼーっとすることは大切です
3つ目は、もっとぼーっとするです。
この本の中には、悩みを解消するためにやめることの一つに、
スマホの見過ぎが挙げられています。
私も、しょっちゅう、スマホをチェックして、
何かメッセージが届いていないか確認しています。
しかし、普段から、仕事でパソコンの画面ばかりみているのに、
プライベートや休憩時間にもスマホをみていたのでは、
脳と目を酷使しすぎていて、脳疲労を生じさせます。
脳疲労を解消するために、積極的にぼーっとすることが大切になります。
ぼーっとしている時に、脳内では、
デフォルトモード・ネットワークが活発に稼働します。
デフォルトモード・ネットワークとは、脳のスタンバイの状態で、
これから自分の身に起こり得ることをシュミレーションしたり、
過去の記憶を整理・統合したり、置かれている状況を分析します。
色々なイメージや記憶を想起しながら、
脳内で自分のこれからをより良いものにしていくための準備をしてくれるのです。
ようするに、ぼーっとすることで、ひらめきがうまれるのです。
そのため、なるべくスマホを使用する頻度を下げて、
意識的にぼーっとする頻度を上げると、
アイディアが生まれやすくなるのです。
ついつい、スマホで情報を入手しようとしてしまいますが、
これからは、ぼーっとする時間を積極的に確保していきます。
現代人の悩みを解消するための、
様々なノウハウがふんだんに記載されていますので、
多くの人に読んでもらいたい一冊です。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。