生出演したテレビでは語り尽くせなかった解雇された場合の対処法

1 NHK金沢放送局のテレビ番組に生出演させていただきました

 

 

5月29日19時30分に放送された,

NHK金沢放送局のいしかわ令和プレミアム

「取り戻せぬ日常~緊急事態宣言解除の裏で~」

という番組に生出演させていただきました。

 

https://www4.nhk.or.jp/P5762/x/2020-05-29/21/50527/8332066/?fbclid=IwAR1UGZqmryLialIIfTTnR_i-cbKHcy4hVIOlQGzcij6orKOTh4JE4q3NTQk

 

 

テレビ番組に生出演する機会はなかなかないため,とても緊張しました。

 

 

 

テレビ番組を作成している方々の大変さがわかり,勉強になりました。

 

 

この番組では,新型コロナウイルスの感染拡大で

雇用が危機的な状況にあることから,

労働者が解雇や雇止めをされた場合に,

どのように対処すべきかについて,

コメントさせていただきました。

 

 

私の出番は,番組の最後で,かつ,生出演なので,

編集がきかないため,詳しく説明することなく,

端的にコメントをしました。

 

 

そこで,本日は,テレビでは説明しきれなかった

解雇されたときの対処法について説明します。

 

 

2 解雇か退職勧奨なのかを確認する

 

 

まずは,本当に会社から解雇されたのかを確認しましょう。

 

 

会社から,文書で解雇を通告されていれば,問題ありませんが,

社長から「辞めてくれないか」と口頭で言われたことを

解雇と早合点してしまう労働者がいらっしゃいます。

 

 

「辞めてくれないか」というのは,退職勧奨という,

会社からのお願いでしかありません。

 

 

そのため,労働者が会社を辞めたくないのであれば,

退職勧奨に応じる必要はなく,きっぱりと断ればいいのです。

 

 

退職勧奨をされただけなのに,解雇されたと早合点して,

会社にいかなくなると,無断欠勤を理由に解雇されるおそれがあります。

 

 

会社に対して,退職勧奨なのか,

解雇なのかを文書で明確にさせるといいでしょう。

 

 

3 解雇理由証明書の交付を求める

 

 

次に,解雇の理由を文書で明らかにさせましょう。

 

 

 

解雇の事件では,会社が主張する解雇理由について,

そのような解雇理由が本当にあったのかや,

そのような解雇理由で解雇することが相当なのか

を争っていくことになります。

 

 

そのため,攻撃対象である,

会社が主張する解雇理由を特定する必要があるのです。

 

 

労働基準法22条により,会社は,

労働者から解雇理由証明書の交付を求められた場合,

遅滞なく,これを交付しなければならないのです。

 

 

解雇理由証明書に記載されている解雇理由に

なっとくできない場合には,弁護士に相談して,

解雇を争うかを検討していくことになります。

 

 

会社から交付された解雇理由証明書に記載されている

解雇理由が抽象的な場合には,具体的にはどのようなことなのかを

文書で明らかにするように求めていきます。

 

 

4 就労の意思を表示する

 

 

弁護士に相談して解雇を争うと決めた場合には,会社に対して,

解雇が無効であることと就労の意思があることを,文書で通告します。

 

 

解雇を争う裁判では,解雇が無効なので,

労働者としての地位があることの確認と,

解雇期間中の未払賃金の請求をするのですが,

それらの請求をするには,労働者に就労の意思があることが

必要だからなのです。

 

 

解雇された会社に復職するつもりはなく,

会社に一矢報いるために金銭的な請求だけをしたい場合であっても,

解雇した会社に対して,就労させるように

求めていくことが重要になります。

 

 

5 解雇予告手当と退職金は請求しない

 

 

突然解雇された場合には,会社に対して,

30日分以上の平均賃金である解雇予告手当を請求できます。

 

 

しかし,解雇を争う場合には,会社に対して,

解雇予告手当を請求してはいけません。

 

 

解雇予告手当を請求すると,退職を前提としているとして,

就労の意思が否定されるリスクがあるからです。

 

 

これと同じように,退職金を請求することも,

退職を前提としているとして,

就労の意思が否定されるリスクがあります。

 

 

そのため,解雇を争う場合には,

解雇予告手当と退職金を請求しないようにしましょう。

 

 

6 失業給付を受給する

 

 

解雇をされると収入を失うことになるので,

当面の生活費を確保するために,

ハローワークに離職票を提出して,

失業給付を受給します。

 

 

 

会社に対して,離職票を請求しても,

解雇を争うこととは矛盾しませんので,

失業給付を受給するために,会社に対して

離職票の交付を求めましょう。

 

 

7 別の会社に就職しても問題はない

 

 

失業給付は,受給期間が限られていますので,

解雇を裁判で争っている期間中,

ずっと無職でいるわけにはいきません。

 

 

そこで,生活費を確保するために,

別の会社に就職しても大丈夫です。

 

 

会社を解雇されて,なっとくできないときには,

弁護士に相談することをおすすめします。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。