あかし農協で残業代不払

兵庫県明石市のあかし農協において,労働者が申告する残業時間に上限が設けられており,実際の労働時間に対応した残業代が支払われていないとして,労働基準監督署から改善指導がされたようです。

 

http://www.asahi.com/articles/ASKCG5QKPKCGPTIL01X.html

 

あかし農協では,タイムカードがなく,労働者は,手書きの書類に残業代を記載して自己申告していたようですが,月5~10時間以内の残業の上限が設定されており,労働者が,実際の残業時間を申告しようとしたら,上司が上限時間内に書き直しをさせていたようです。このような労務管理では,労働時間を適正に管理しているとはいえず,労働者は,パソコンの記録や防犯カメラ映像等の客観的な証拠を収集すれば,未払残業代を請求できます。

 

また,休日出勤の場合,顧客とのアポイントを4件こなせば振替休日を1日とれる制度をとり,休日出勤手当を支払っていなかったようです。このような制度は,明確に労働基準法に違反しています。振替休日については,就業規則や労使協定で整備しなければならず,法定休日に働かせたのであれば,35%増の割増賃金を支払う必要があります。

 

あかし農協のような対応は,他の企業においても実施されていると思われます。まずは,適正な労働時間の把握の実施がされるところから改善されるべきです。適正な労働時間の把握がされれば,会社も労働者も残業を抑制しようと認識できます。会社が労働時間の把握をしていない場合,労働者は,自分で労働時間を記録して,いざというときに備えておくといいでしょう。