過重労働と医師の働き方を考えるシンポジウム
平成29年9月9日,過重労働と医師の働き方を考えるシンポジウムが開かれました。パネリストには,弁護士の川人博先生や松丸正先生といった,過労死問題の第一人者が登壇されました。
病院が医師の自己申告をもとに勤務時間を把握する場合,医師が正確に労働時間を申告しないこともあり,病院が把握した医師の労働時間と実際の医師の労働時間とが大きく食い違うことがあります。その結果,病院が医師の長時間労働に気付かず,休ませることをしないため,過労死が発生するおそれがあります。そうならないためにも,まず病院が医師の労働時間を,タイムカード等で正確に把握する必要があります。
医師の労働時間は,様々な職種の中でも最も長いようです。過労死ラインを超す割合は41.8%になっているようです。医師は,長時間労働に加えて,宿直等で睡眠のリズムが崩れ,手術では極度の集中を強いられ,疲労困憊していると考えられます。医師の疲労が蓄積すれば,医療事故につながる危険があるので,医師の数を増やして,医師の長時間労働を是正していくべきです。
(平成29年9月10日朝日新聞朝刊より抜粋)
秋の臨時国会では,残業の上限規制が審理されますが,医師については,5年間猶予される見通しです。「病院に殺される」という医師を出さないためにも,一日も早く,医師の長時間労働を改善する施策を講じるべきだと考えます。
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