お盆休みのお知らせ
当事務所は,8月15日,お盆休みのため,営業しておりません。
その他の日は,暦どおりに営業しております。
屋内プールでアルバイトをしている労働者が,
研修期間中,プールの監視員の仕事をしたものの,
会社からは,研修期間中の給与は支給しないと言われてしまいました。
この労働者は,1日8~9時間働き,
4日間で合計34時間働きました。
当初,会社からは,研修期間の給与は3万円と言われていましたが,
この3万円すら支払われなくなってしまいました。
本日は,研修は労働時間となるのか否かについて解説します。
まず,労働時間といえるためには,
労働者が会社の指揮命令下に置かれれている必要があります。
所定労働時間(会社から決められている働く時間)内の労働は,
会社の指揮命令下に置かれれています。
そのため,所定労働時間内に行うべき研修については,
労働時間性が認められます。
それでは,所定労働時間内に行われるべきものとはいえない
研修についてはどうでしょうか。
この点について,行政解釈は,
「労働者が使用者の実施する教育に参加することについて,
就業規則上の制裁等の不利益取扱による出席の強制がなく
自由参加のものであれば,時間外労働にはならない」とされています。
すなわち,業務との関連性が認められる研修は,
会社の明示または黙示の指示に基づくものであり,
その参加が事実上強制されているときには,
労働時間と認められます。
他方,研修への自由参加が保障されている場合には,
労働時間とは認められないことになります。
さて,冒頭の相談の場合,研修とはいうものの,
8~9時間,プールの監視員として,実質的に働いていますので,
会社の指揮命令下に置かれていたといえますので,
研修の時間は労働時間にあたると考えられます。
研修の時間は労働時間なので,労働者は,
労務を提供した代わりに,会社に対して,給料を請求できます。
また,研修期間の給与3万円についても,
研修期間の総労働時間を3万円で割って,
時給を計算した場合,最低賃金を下回っている可能性があります。
最低賃金以下で働かせることは明らかに違法であり,労働者は,
最低賃金と実際の給料との差額を会社に請求することができます。
研修の労働時間性が問題になるのは,
所定労働時間外に行われた研修に参加した場合に,
残業代が請求できるかというケースであり,
所定労働時間内に研修という名のもと,
実質的に仕事をしていた場合には,
労働時間と認められるのです。