夫婦脳3~不倫を脳科学的に分析すると~

黒川伊保子先生の

夫婦脳~夫心と妻心は,なぜこうも相容れないのか~

の本のうち,本日は,不倫の脳科学的分析

についてアウトプットします。

 

 

 

不倫をすると,家族は崩壊し,

100~200万円ほどの慰謝料を支払う

リスクを負うのですが,それでも,人は不倫をしてしいます。

 

 

不倫をすれば,とんでもない損失を被ることは知っていても,

どうして,人は不倫をするのでしょうか。

 

 

 

黒川先生は,女性と男性とでは,

脳科学的に不倫に至る経過が異なると分析しています。

 

 

まず,動物は,すべからく,他個体の体臭(フェロモン)から,

その個体の遺伝子情報を感知しており,

生殖相性のいい遺伝子を持つ異性」を嗅ぎ当てることで発情します。

 

 

これが恋です。

 

 

フェロモンを嗅ぎ分けるセンサーは,

生殖リスクの高い種ほど感度が高く,

生殖リスクに著しく性差のある哺乳類の場合,

雌のほうが圧倒的に感度が高く,生殖相手を厳選します。

 

 

その結果,女性は,男性のフェロモンから遺伝子の情報を嗅ぎ取り,

何百人・何千人に一人の相手を見つけ出して,深く執着します。

 

 

もっとも,この女性の執着は永遠に続きません。

 

 

残せる遺伝子セットの数が限られてしまい,

万が一生殖に至れない事情があったときには,

生涯の生殖機会そのものを失うからなのです。

 

 

そのため,女性の恋は,

ほとほと嫌気がさして終わる」ことになっているのです。

 

 

 

女性の恋には,不倫は案外少なく,

「深い確信」→「嫌気」→「次の深い確信」

というサイクルを描いていくのです。

 

 

そうなると,女性が不倫をするのは,

夫や交際相手の男性に「ほとほと嫌気がさした」ため,

次の生殖相手を見つけて,自分の遺伝子を残すためということになります。

 

 

妻が浮気を避けるためには,「ほとほと嫌気がさした

夫を親友として受け入れ,頼り合い,

支え合う生活共同体を構築していくしかないのです。

 

 

夫としては,生活共同体を構築していくために,

子育てに疲れた妻のフォロー,家事の手伝い,

とりとめのない話しの聞き役をすることが重要になります。

 

 

他方,男性の不倫は,女性の不倫と異なります。

 

 

哺乳類の雄は,長い妊娠授乳期を余儀なくされる雌に比べて,

生殖リスクが著しく低いです。

 

 

そのため,「生涯に出来るだけ多くの遺伝子バリエーションを残したい

という生物の本能を実現するためには,男性は,

相手を厳選するよりは,やってきたチャンスを逃さない

のが最も合理的な手段となります。

 

 

男性は,女性ほど積極的に異性を嫌わず,

この人しかいないという確信も起こりにくく,

もともと不倫しやすいのです。

 

 

 

 

男性は,恋の確信ではなく,責任感で結婚し,

無邪気な責任遂行感で結婚をキープしています。

 

 

そして,男性は,この責任を積み重ねた相手に

強い愛着を抱く癖があります。

 

 

男性は,結婚期間が短い間は,この愛着が弱くて,

不倫しやすいのですが,結婚期間が長くなると,

妻への愛着が強くなり,不倫しにくくなるのです。

 

 

夫に不倫された妻が,結婚を続けるのであれば,

妻は,夫を穏やかに,頼りにし続ければ,やがて,

不倫相手の女性が夫に対して

「ほとほと嫌になり」,不倫関係が解消されて,

夫は妻のもとへ戻ってくることになりそうです。

 

 

このように,脳科学上,女性は,「ほとほと嫌気がさして」不倫し,

男性は,「魔が差して」不倫する傾向がありますので,

夫婦は,この特性を理解した上で,

互いに不倫しないように対処するといいと思います。