残業代計算ソフト「きょうとソフト」の紹介
京都弁護士会と京都地方裁判所が残業代計算ソフト「きょうとソフト」を制作しました。判例タイムズ1436号17頁に「きょうとソフト」の活用方法を紹介した論文が掲載されております。弁護士は,日弁連の会員向けのホームページから「きょうとソフト」をダウンロードできます。
残業代請求は,残業代の計算が複雑ですし,労働時間は日ごとに異なるので,日ごとの始業時刻と終業時刻で争いのある部分を特定しなければならない煩雑さ等があり,裁判における審理期間が長くなる傾向にあります。このような残業代請求事件の現状を打開するため,残業代の基礎知識を踏まえ,労働者側,使用者側,裁判所の共通の土俵となり,一覧性を高めたツールとして「きょうとソフト」が開発されました。
残業代請求事件では,労働者側が使用する残業代計算ソフトと使用者側が使用する残業代計算ソフトが異なり,双方が使用している計算ソフトが正しいのか疑心暗鬼になることが多く,審理が停滞することがよく見受けられます。
今後,残業代請求事件において,「きょうとソフト」が活用されることによって,審理の迅速化と,労働者側,使用者側,裁判所の負担軽減が図られそうです。また,訴訟だけではなく,労働審判や訴訟外の交渉にも活用できそうです。
早速,現在係争中の残業代請求訴訟において,「きょうとソフト」を使用して計算をやり直してみたいと思います。